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第21話
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◆岸元美晴 視点◆
神坂の小母様から冬樹くんがご両親や頼れそうな親戚も頼らずに一人暮らしをしている様だという話を聞いて、無理して貧しい生活を送っているのではないかと不安になったけど、いざ住んでいるマンションへ到着すると外観からして立派で、足を踏み入れるとエントランスにはきれいに整っている控室があり、セキュリティもしっかりしているので吃驚した。
そして、冬樹くんが通っていて私にとっても母校である秀優高校からすぐの立地で家族との事がなくても住みたいと思える場所だった。
甲斐甲斐しく旦那様のお世話をする良妻気取りで冬樹くんを支えながら居住区へのドアを開け様としたら、冬樹くんが高校生と思われる女の子から声を掛けられた。
冬樹くんが『二之宮さん』と呼んだので、例の事件の原因の1人である二之宮凪沙さんだと察して、やりとりを見守ってみたけどエントランスホールで長々する様な話ではないと思ったので部屋へ上がって落ち着けてから話をしたらと促し、冬樹くんのお部屋に入ることになった。
「改めて自己紹介するね。私は冬樹くんの幼馴染みの岸元美晴です。
冬樹くんと同じクラスの岸元美波の姉でもあります」
美波と面識があるのはわかっているけど、あえてその周囲の事情に詳しくない風を装うため説明色を強めに自己紹介した。
「岸元さんのお姉さんですか。それで神坂君とも幼馴染みなのですね」
「美波のことを知っているのね。あの娘と仲良くしてくれたら嬉しいわ」
「今まではあまり話をしたりしないですけど・・・機会があれば仲良くさせてもらいたいと思います・・・」
「うん、その時はよろしくね」
一頻り挨拶を交わし終えてから、追い出すために切り出した。
「それで昨日冬樹くんが連絡できなかった理由なのだけど、出先で倒れて病院へ運ばれていたの。
状況は大したことがなかったから1泊で退院できて今戻ってきたところなのだけど、ゆっくり休ませてあげたいから急ぎの用事でなければ今日のところは帰ってもらえないかな?」
「入院!?大したことがなかったって、ほんとに大丈夫なの?」
二之宮さんは冬樹くんの方を向いて尋ねた。
「ああ、病気とかではなくて精神的なストレスが原因で倒れただけだから、家でゆっくりしてたら大丈夫だよ」
「そんな!きっと私のせいよね。良かったらお世話をさせてもらえないかしら?」
二之宮さん、自分が原因だとわかっているのに図々しいことを言ってくるので、呆れてしまう。
「それには及ばないわ。
そのために私が付き添っているのだし、気心の知れた人以外がいると気を使わせて疲れさせてしまうと思うの。
だからね、二之宮さんは気にせず私に任せてくれないかな?」
「え、でも・・・」
「二之宮さん、美晴姉さんは俺の家族との間にも入ってくれているし、今の俺にとってただ1人の信頼できる人だから、任せてくれて大丈夫だよ。
せっかく気にして様子を見に来てくれたところ悪いのだけど、俺も今は休みたいし今日のところは帰ってもらえないかな?」
「そ、そうよね。ごめんなさい。気持ちばかりが前のめりになってしまって、神坂君のことを考えてなかったですね。
例の件についての相談ができる様になったら連絡をください」
冬樹くんがものすごく嬉しいことを言ってくれたし、意識はしていないだろうけど二之宮さんに私の存在を見せ付けた上で追い返してくれて心は天にも昇る心地だ。
二之宮さんが出ていきふたりきりになったところで冬樹くんに切り出した。
「あのさ、冬樹くん。空いているお部屋もあるし、私も住まわせてもらえないかな?
今の冬樹くんをひとりにしたくないんだ」
「美晴姉さん!?ふたりきりはまずいですよ!
気持ちは嬉しいですけど、そんな事をさせて美晴姉さんに悪い噂が立ったら嫌ですよ。
僕たち年頃の男女なんですから、美晴姉さんに申し訳ないよ」
俺、昨日からずっと気になっていた。もともと僕だった冬樹くんの一人称が俺になっていて無理をしているように見えていたのだけど、前みたいに僕と言ってくれたので私と一緒にいることで気が緩んでいる、つまり安心してくれているのだと思えて嬉しく思う。そして、私の評判にも気遣ってくれているのも嬉しい。
「いいんだよ。私は冬樹くんのことが大好きだからそういう関係になったって後悔しないよ。経験がないからリードしてあげられないけどさっ」
「もうっ、姉さん!からかうのはやめてよっ!」
「ごめんごめん、冬樹くんの反応が可愛かったから、ついはしゃいじゃった。
でも、今言ったことは本心なんだよ。冬樹くんのことが心の底から大好きだし、そういう関係になりたいって思っているんだよ」
神坂の小母様から冬樹くんがご両親や頼れそうな親戚も頼らずに一人暮らしをしている様だという話を聞いて、無理して貧しい生活を送っているのではないかと不安になったけど、いざ住んでいるマンションへ到着すると外観からして立派で、足を踏み入れるとエントランスにはきれいに整っている控室があり、セキュリティもしっかりしているので吃驚した。
そして、冬樹くんが通っていて私にとっても母校である秀優高校からすぐの立地で家族との事がなくても住みたいと思える場所だった。
甲斐甲斐しく旦那様のお世話をする良妻気取りで冬樹くんを支えながら居住区へのドアを開け様としたら、冬樹くんが高校生と思われる女の子から声を掛けられた。
冬樹くんが『二之宮さん』と呼んだので、例の事件の原因の1人である二之宮凪沙さんだと察して、やりとりを見守ってみたけどエントランスホールで長々する様な話ではないと思ったので部屋へ上がって落ち着けてから話をしたらと促し、冬樹くんのお部屋に入ることになった。
「改めて自己紹介するね。私は冬樹くんの幼馴染みの岸元美晴です。
冬樹くんと同じクラスの岸元美波の姉でもあります」
美波と面識があるのはわかっているけど、あえてその周囲の事情に詳しくない風を装うため説明色を強めに自己紹介した。
「岸元さんのお姉さんですか。それで神坂君とも幼馴染みなのですね」
「美波のことを知っているのね。あの娘と仲良くしてくれたら嬉しいわ」
「今まではあまり話をしたりしないですけど・・・機会があれば仲良くさせてもらいたいと思います・・・」
「うん、その時はよろしくね」
一頻り挨拶を交わし終えてから、追い出すために切り出した。
「それで昨日冬樹くんが連絡できなかった理由なのだけど、出先で倒れて病院へ運ばれていたの。
状況は大したことがなかったから1泊で退院できて今戻ってきたところなのだけど、ゆっくり休ませてあげたいから急ぎの用事でなければ今日のところは帰ってもらえないかな?」
「入院!?大したことがなかったって、ほんとに大丈夫なの?」
二之宮さんは冬樹くんの方を向いて尋ねた。
「ああ、病気とかではなくて精神的なストレスが原因で倒れただけだから、家でゆっくりしてたら大丈夫だよ」
「そんな!きっと私のせいよね。良かったらお世話をさせてもらえないかしら?」
二之宮さん、自分が原因だとわかっているのに図々しいことを言ってくるので、呆れてしまう。
「それには及ばないわ。
そのために私が付き添っているのだし、気心の知れた人以外がいると気を使わせて疲れさせてしまうと思うの。
だからね、二之宮さんは気にせず私に任せてくれないかな?」
「え、でも・・・」
「二之宮さん、美晴姉さんは俺の家族との間にも入ってくれているし、今の俺にとってただ1人の信頼できる人だから、任せてくれて大丈夫だよ。
せっかく気にして様子を見に来てくれたところ悪いのだけど、俺も今は休みたいし今日のところは帰ってもらえないかな?」
「そ、そうよね。ごめんなさい。気持ちばかりが前のめりになってしまって、神坂君のことを考えてなかったですね。
例の件についての相談ができる様になったら連絡をください」
冬樹くんがものすごく嬉しいことを言ってくれたし、意識はしていないだろうけど二之宮さんに私の存在を見せ付けた上で追い返してくれて心は天にも昇る心地だ。
二之宮さんが出ていきふたりきりになったところで冬樹くんに切り出した。
「あのさ、冬樹くん。空いているお部屋もあるし、私も住まわせてもらえないかな?
今の冬樹くんをひとりにしたくないんだ」
「美晴姉さん!?ふたりきりはまずいですよ!
気持ちは嬉しいですけど、そんな事をさせて美晴姉さんに悪い噂が立ったら嫌ですよ。
僕たち年頃の男女なんですから、美晴姉さんに申し訳ないよ」
俺、昨日からずっと気になっていた。もともと僕だった冬樹くんの一人称が俺になっていて無理をしているように見えていたのだけど、前みたいに僕と言ってくれたので私と一緒にいることで気が緩んでいる、つまり安心してくれているのだと思えて嬉しく思う。そして、私の評判にも気遣ってくれているのも嬉しい。
「いいんだよ。私は冬樹くんのことが大好きだからそういう関係になったって後悔しないよ。経験がないからリードしてあげられないけどさっ」
「もうっ、姉さん!からかうのはやめてよっ!」
「ごめんごめん、冬樹くんの反応が可愛かったから、ついはしゃいじゃった。
でも、今言ったことは本心なんだよ。冬樹くんのことが心の底から大好きだし、そういう関係になりたいって思っているんだよ」
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