33 / 252
第33話
しおりを挟む
◆高梨百合恵 視点◆
今日のみゆきはいつにも増して調子に乗っている様に振る舞っている。
きっと神坂君やわたしを元気付けようとしているのだろう。その気持ちは嬉しくもあるけど、それにしても暴走し過ぎではないかしら?
あと、岸元さんに対しても思うところがありそうにも思えるのよね。そういうところは昔から勘が良い娘だし。
みゆきはお酒に強くないくせに好きなのよね・・・こうなることは何となく予想できていたけど止められなかった。
「よし!私もここに住むぞ!部屋もあるんだし!いいよね!冬樹!」
「何を言っているんですか、みゆきさん。駄目ですよ。今日会ったばかりの高校生男子と同居なんて何を言い出すんですか」
「大丈夫よ。私が恋愛的な意味で好きなのは百合恵だし。
冬樹も人間としては好きだけど、恋愛対象じゃないからセーフだよ!
美晴ちゃんも心配しないでね!」
「あ、赤堀さん!わ、わ、私なにも心配なんてしていませんよ!
たしかに赤堀さんみたいな魅力的な大人の女性が近くにいたら嫌だなぁって思う気持ちもありますけど。
それより、恋愛対象が高梨先生なんですか?」
「そうよー。私はずっと百合恵のことをそういう風に好きだったの。
それなのに、私が新卒で仕事に追われている間に春日のヤローが掻っ攫っていったのよ!!
私が先に好きだったのに!」
「ちょっと、みゆき。何カムアウトしてるのよ。わたしにだって昨日言ってきたばかりなのに」
みゆきは基本的に砕けた感じで友好的に振る舞うものの、本質的なところで他人と親しくなろうとしたがらない。
わたしだけが例外みたいな存在だったのに、神坂君と岸元さんは今日が初対面であるにも関わらずかなり気を許しているのが意外だ。
「いいのいいの。冬樹も美晴ちゃんもそんなことで色眼鏡で見るような人間じゃないよ。私にはわかる!」
「ソンナコトナイデスヨ。ミハルサン、オレハヒキマシタ」
「そう言ってもらえるのは嬉しいです、赤堀さん。って、冬樹くんひどくない?あははっ」
「見てくださいよ、みゆきさんのこの姿。ルームウェアが乱れているのに俺に抱きついてるんですよ。引くに決まってるじゃないですか」
「それ!私もうらやましかったの!」
岸元さんは冷静さを保っている様でいて意外に酔っていて、みゆきの反対側から思いっきり抱きついた。
そのふたりに抱きつかれている神坂君がわたしに助けを求める視線を向けてくるけど、それが可愛く見えて微笑ましく思える。
「それとさ、冬樹くん!私すごく不満があるんだけど、なんで赤堀さんが『さん』で私が『姉さん』なの!
たしかにこれまでずっと冬樹くん達のお姉ちゃんの様に振る舞ってきたけど、女の子なんだよ!
好きな人に『姉さん』なんて呼ばれるの、恋愛対象外みたいですっっっっっっごくイヤなんだけど!
ねぇ!
わかる!!!」
「あ、あの美晴姉さん」
「み・は・る・さ・ん!」
「み、美晴さん、今までずっとそう呼んでいたから馴染んでいるだけで、恋愛対象外というわけではないですよ」
「ホント!じゃあ、付き合ってくれる?」
「いや、いま恋愛とかしている余裕ないし、ね、わかるでしょ?」
「わかんない!」
「えー、こんなに酔った美晴姉さん初めてだけど、ここまでめんどくさい酔い方するの知らなかったよ」
「み・は・る・さ・ん!
今度間違えたらその口、塞ぐからね!」
「そ、それは手ですよね?」
「なに言ってるの、冬樹。
口に決まってるじゃない。
ね、美晴ちゃん」
「もちろんです!さすが赤堀さんはよくわかっていらっしゃる」
岸元さんは酔ったら記憶をなくすタイプなのかしら?
記憶が残っていたら大変そう。
そんな事を思っていたら、テーブルの上に置いてあった神坂君のスマホのメッセージアプリが着信していてロック画面に二之宮さんからの着信があったので教えてあげた。
「神坂君、スマホにメッセージの着信がありましたよ」
「先生、ありがとうございます。
ちょっと、ふたりとも離してもらえませんか」
神坂君は強引にふたりを引き剥がしてスマホを手に取りメッセージを確認した。
「すみません、ちょっと早めに返信しないといけないメッセージなので、ちょっと外しますね」
この場で返信すれば良いのにわざわざ自室へ戻っていった。
5分くらいして、神坂君はすぐれない表情でリビングへ戻ってきた。
その5分の間にみゆきと岸元さんは寝ちゃっていたので、それを見た神坂君はホッとしたような表情を浮かべてから、わたしの方へ寄ってきた。
「明日これからの事を相談するためにここへ二之宮さんが来るのですけど、大丈夫ですか?
最初ここに来ないように学校でと返したのですけど、学校が嫌だしここが近いのでと言うので仕方ないので了承してしまったんですよ。
先生がここにいることを知られたくないなら二之宮さんが来る時間に外してもらいたいのですが・・・
それと、できたら先生にも協力をお願いしたいのですけど、いかがでしょうか?」
「わたしがここにいる事を二之宮さんに知られても良いし、もちろん協力できることはさせてもらいますよ」
今日のみゆきはいつにも増して調子に乗っている様に振る舞っている。
きっと神坂君やわたしを元気付けようとしているのだろう。その気持ちは嬉しくもあるけど、それにしても暴走し過ぎではないかしら?
あと、岸元さんに対しても思うところがありそうにも思えるのよね。そういうところは昔から勘が良い娘だし。
みゆきはお酒に強くないくせに好きなのよね・・・こうなることは何となく予想できていたけど止められなかった。
「よし!私もここに住むぞ!部屋もあるんだし!いいよね!冬樹!」
「何を言っているんですか、みゆきさん。駄目ですよ。今日会ったばかりの高校生男子と同居なんて何を言い出すんですか」
「大丈夫よ。私が恋愛的な意味で好きなのは百合恵だし。
冬樹も人間としては好きだけど、恋愛対象じゃないからセーフだよ!
美晴ちゃんも心配しないでね!」
「あ、赤堀さん!わ、わ、私なにも心配なんてしていませんよ!
たしかに赤堀さんみたいな魅力的な大人の女性が近くにいたら嫌だなぁって思う気持ちもありますけど。
それより、恋愛対象が高梨先生なんですか?」
「そうよー。私はずっと百合恵のことをそういう風に好きだったの。
それなのに、私が新卒で仕事に追われている間に春日のヤローが掻っ攫っていったのよ!!
私が先に好きだったのに!」
「ちょっと、みゆき。何カムアウトしてるのよ。わたしにだって昨日言ってきたばかりなのに」
みゆきは基本的に砕けた感じで友好的に振る舞うものの、本質的なところで他人と親しくなろうとしたがらない。
わたしだけが例外みたいな存在だったのに、神坂君と岸元さんは今日が初対面であるにも関わらずかなり気を許しているのが意外だ。
「いいのいいの。冬樹も美晴ちゃんもそんなことで色眼鏡で見るような人間じゃないよ。私にはわかる!」
「ソンナコトナイデスヨ。ミハルサン、オレハヒキマシタ」
「そう言ってもらえるのは嬉しいです、赤堀さん。って、冬樹くんひどくない?あははっ」
「見てくださいよ、みゆきさんのこの姿。ルームウェアが乱れているのに俺に抱きついてるんですよ。引くに決まってるじゃないですか」
「それ!私もうらやましかったの!」
岸元さんは冷静さを保っている様でいて意外に酔っていて、みゆきの反対側から思いっきり抱きついた。
そのふたりに抱きつかれている神坂君がわたしに助けを求める視線を向けてくるけど、それが可愛く見えて微笑ましく思える。
「それとさ、冬樹くん!私すごく不満があるんだけど、なんで赤堀さんが『さん』で私が『姉さん』なの!
たしかにこれまでずっと冬樹くん達のお姉ちゃんの様に振る舞ってきたけど、女の子なんだよ!
好きな人に『姉さん』なんて呼ばれるの、恋愛対象外みたいですっっっっっっごくイヤなんだけど!
ねぇ!
わかる!!!」
「あ、あの美晴姉さん」
「み・は・る・さ・ん!」
「み、美晴さん、今までずっとそう呼んでいたから馴染んでいるだけで、恋愛対象外というわけではないですよ」
「ホント!じゃあ、付き合ってくれる?」
「いや、いま恋愛とかしている余裕ないし、ね、わかるでしょ?」
「わかんない!」
「えー、こんなに酔った美晴姉さん初めてだけど、ここまでめんどくさい酔い方するの知らなかったよ」
「み・は・る・さ・ん!
今度間違えたらその口、塞ぐからね!」
「そ、それは手ですよね?」
「なに言ってるの、冬樹。
口に決まってるじゃない。
ね、美晴ちゃん」
「もちろんです!さすが赤堀さんはよくわかっていらっしゃる」
岸元さんは酔ったら記憶をなくすタイプなのかしら?
記憶が残っていたら大変そう。
そんな事を思っていたら、テーブルの上に置いてあった神坂君のスマホのメッセージアプリが着信していてロック画面に二之宮さんからの着信があったので教えてあげた。
「神坂君、スマホにメッセージの着信がありましたよ」
「先生、ありがとうございます。
ちょっと、ふたりとも離してもらえませんか」
神坂君は強引にふたりを引き剥がしてスマホを手に取りメッセージを確認した。
「すみません、ちょっと早めに返信しないといけないメッセージなので、ちょっと外しますね」
この場で返信すれば良いのにわざわざ自室へ戻っていった。
5分くらいして、神坂君はすぐれない表情でリビングへ戻ってきた。
その5分の間にみゆきと岸元さんは寝ちゃっていたので、それを見た神坂君はホッとしたような表情を浮かべてから、わたしの方へ寄ってきた。
「明日これからの事を相談するためにここへ二之宮さんが来るのですけど、大丈夫ですか?
最初ここに来ないように学校でと返したのですけど、学校が嫌だしここが近いのでと言うので仕方ないので了承してしまったんですよ。
先生がここにいることを知られたくないなら二之宮さんが来る時間に外してもらいたいのですが・・・
それと、できたら先生にも協力をお願いしたいのですけど、いかがでしょうか?」
「わたしがここにいる事を二之宮さんに知られても良いし、もちろん協力できることはさせてもらいますよ」
0
あなたにおすすめの小説
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
恋人、はじめました。
桜庭かなめ
恋愛
紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。
明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。
ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。
「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」
「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」
明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。
一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!
※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)
※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想などお待ちしています。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる