34 / 252
第34話
しおりを挟む
◆神坂冬樹 視点◆
3連休3日目の祝日の朝はいつもよりかなり早く起床した。昨日は病院で睡眠時間が多かったし、寝溜めができていたのかもしれない。
久し振りに1人ではない家で、家族に近い美晴姉さんはともかく、高梨先生や昨日会ったばかりのみゆきさんが泊まるという奇妙な状況で落ち着かないというのもあると思う。
特にやることもないので、朝食の用意をしすぐに出せる状態にしたら、リビングで既に出されている夏休みの宿題を進めることにした。
「あれ、もう起きてたの?」
宿題に集中してたらみゆきさんに声を掛けられ、そちらを振り向くとタンクトップに短パンという際どい格好だったので思わず目を逸らした。
「あれあれ~、冬樹くんはどうして私のことを見てくれないのかなぁ?」
「その格好は俺には目に毒なので、もう少し露出を控えてもらえませんか」
「暑いんだし、いいじゃん」
「全然良くないです!」
「しょうがないなぁ。じゃあ、整えてくるわね。洗面所を借りるけど大丈夫よね?」
「大丈夫です。ゆっくり支度してきてください。
そう言えば、先生と美晴姉さんはまだ寝てるんですか?」
「うん、寝てるよ。私は今日仕事だから早く起きたの。
支度ができたら出ていくわね」
「そう言えば、お仕事なにをされているのか伺ってなかったですけど何を・・・って、そんなのは後で良いですね。まずは着替えをお願いします」
「は~い。じゃあ、またあとでね」
と、洗面所へ去っていったみゆきさんと入れ替わるように先生が起きてきた。
「おはようございます。神坂君、早いですね」
「はい、おはようございます、先生。昨日が病院でいつもより長く寝ていたせいで寝溜めしてたのか、早く目が覚めちゃいました」
「わたし達がいるせいですよね・・・寝溜めはできないとも言いますから、無理しないで疲れを感じたら休んでくださいね」
「まぁ、いずれにしても目が覚めちゃったのは事実なので、大丈夫ですよ。今日は学校も休みですし。
そう言えば、みゆきさんは今日はお仕事だから早くここを出るような事を仰ってましたよ。休日が休みのお仕事じゃないんですね」
「そうね。みゆきは音楽教室のレッスンコーチだから休日は関係ないのよ。昨日はたまたま休みだったみたい」
「それなのに、ここに泊まったんですね。すごいバイタリティですよ」
「そうね、もういい歳なのに。そういうところは元気よね」
「なになに~、私の陰口言ってたの~」
「なに言ってるの、そんなわけないでしょ。
あなたが今日は仕事なのに昨日泊まった元気に呆れていただけよ」
「いーじゃん、楽しかったんだから!」
「あなたは楽しかったでしょうけど、こっちは気苦労が増えたわよ」
「まぁまぁ先生、先生も身支度を整えてこられてはいかがですか?」
「そうですね。では、お言葉に甘えてわたしも洗面所を使わせてもらいますね」
先生が洗面所の方へ向かうのを見つつみゆきさんへ尋ねた。
「何時くらいに出られますか?良かったらすぐに朝メシを用意できますけど、先生と美晴姉さんを待ちますか?」
「んじゃ、悪いけど、先にいただいて、食べ終わったら出発させてもらうわね」
「わかりました。今すぐ出しますから、ちょっと待っててくださいね」
みゆきさんの分の朝食を出してあげた。
「美味しそうじゃない。すごいわね」
「いえいえ、大したことじゃないですよ。簡単なものばかりですし」
「いやぁ、私は実家暮らしで家事は母親任せだしずーっとピアノばかりだったから、家事なんか全然やらないし料理もできないのよ。
それに引き換え冬樹はなんでもできてすごいわね」
「なんでもはできないですよ。できることだけですって」
「そのできることが多いって話よ。まぁ、良いわ。冷めない内にいただいちゃうわね」
「どうぞ、しっかり噛んでくださいね」
みゆきさんは黙々と朝食を平らげ、落ち着くまもなく俺と先生に「じゃあ、また遊びに来るわね」と言い残して帰っていった。
「先生、みゆきさんって嵐のような人ですね」
「神坂君、本当にごめんなさいね」
3連休3日目の祝日の朝はいつもよりかなり早く起床した。昨日は病院で睡眠時間が多かったし、寝溜めができていたのかもしれない。
久し振りに1人ではない家で、家族に近い美晴姉さんはともかく、高梨先生や昨日会ったばかりのみゆきさんが泊まるという奇妙な状況で落ち着かないというのもあると思う。
特にやることもないので、朝食の用意をしすぐに出せる状態にしたら、リビングで既に出されている夏休みの宿題を進めることにした。
「あれ、もう起きてたの?」
宿題に集中してたらみゆきさんに声を掛けられ、そちらを振り向くとタンクトップに短パンという際どい格好だったので思わず目を逸らした。
「あれあれ~、冬樹くんはどうして私のことを見てくれないのかなぁ?」
「その格好は俺には目に毒なので、もう少し露出を控えてもらえませんか」
「暑いんだし、いいじゃん」
「全然良くないです!」
「しょうがないなぁ。じゃあ、整えてくるわね。洗面所を借りるけど大丈夫よね?」
「大丈夫です。ゆっくり支度してきてください。
そう言えば、先生と美晴姉さんはまだ寝てるんですか?」
「うん、寝てるよ。私は今日仕事だから早く起きたの。
支度ができたら出ていくわね」
「そう言えば、お仕事なにをされているのか伺ってなかったですけど何を・・・って、そんなのは後で良いですね。まずは着替えをお願いします」
「は~い。じゃあ、またあとでね」
と、洗面所へ去っていったみゆきさんと入れ替わるように先生が起きてきた。
「おはようございます。神坂君、早いですね」
「はい、おはようございます、先生。昨日が病院でいつもより長く寝ていたせいで寝溜めしてたのか、早く目が覚めちゃいました」
「わたし達がいるせいですよね・・・寝溜めはできないとも言いますから、無理しないで疲れを感じたら休んでくださいね」
「まぁ、いずれにしても目が覚めちゃったのは事実なので、大丈夫ですよ。今日は学校も休みですし。
そう言えば、みゆきさんは今日はお仕事だから早くここを出るような事を仰ってましたよ。休日が休みのお仕事じゃないんですね」
「そうね。みゆきは音楽教室のレッスンコーチだから休日は関係ないのよ。昨日はたまたま休みだったみたい」
「それなのに、ここに泊まったんですね。すごいバイタリティですよ」
「そうね、もういい歳なのに。そういうところは元気よね」
「なになに~、私の陰口言ってたの~」
「なに言ってるの、そんなわけないでしょ。
あなたが今日は仕事なのに昨日泊まった元気に呆れていただけよ」
「いーじゃん、楽しかったんだから!」
「あなたは楽しかったでしょうけど、こっちは気苦労が増えたわよ」
「まぁまぁ先生、先生も身支度を整えてこられてはいかがですか?」
「そうですね。では、お言葉に甘えてわたしも洗面所を使わせてもらいますね」
先生が洗面所の方へ向かうのを見つつみゆきさんへ尋ねた。
「何時くらいに出られますか?良かったらすぐに朝メシを用意できますけど、先生と美晴姉さんを待ちますか?」
「んじゃ、悪いけど、先にいただいて、食べ終わったら出発させてもらうわね」
「わかりました。今すぐ出しますから、ちょっと待っててくださいね」
みゆきさんの分の朝食を出してあげた。
「美味しそうじゃない。すごいわね」
「いえいえ、大したことじゃないですよ。簡単なものばかりですし」
「いやぁ、私は実家暮らしで家事は母親任せだしずーっとピアノばかりだったから、家事なんか全然やらないし料理もできないのよ。
それに引き換え冬樹はなんでもできてすごいわね」
「なんでもはできないですよ。できることだけですって」
「そのできることが多いって話よ。まぁ、良いわ。冷めない内にいただいちゃうわね」
「どうぞ、しっかり噛んでくださいね」
みゆきさんは黙々と朝食を平らげ、落ち着くまもなく俺と先生に「じゃあ、また遊びに来るわね」と言い残して帰っていった。
「先生、みゆきさんって嵐のような人ですね」
「神坂君、本当にごめんなさいね」
0
あなたにおすすめの小説
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
恋人、はじめました。
桜庭かなめ
恋愛
紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。
明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。
ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。
「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」
「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」
明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。
一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!
※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)
※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想などお待ちしています。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる