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第47話
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◆神坂冬樹 視点◆
「二之宮さん、もしかして君が鷺ノ宮たちのことを学校へ報告したの?」
思わず口を衝いて出てしまった。
「神坂君はどうしてそう思ったのかしら?」
当たり前だけど不気味な笑みを浮かべていた様に見えたからという事を言えるはずもなく、客観的な事実で返答した。
「ちょうど自主休校中で彼らは学校にいないし、噂の勢いがまだある夏休みが始まる前に事態を収束させようとしたのかなと思ったんだ。
それに先生の話を聞いても驚いている様子もなかったから、予想ができていたのかなという雰囲気も感じたよ。
ただ、そうすると俺らと一緒に対応していこうと言っていたタイミングとは噛み合わないから不思議だなと思った部分もある」
「たしかにそうね。私が大塚先生に言ったわ。別件で話をした際につい言ってしまったから隠さずに言ってしまったの。
神坂君たちに隠すつもりはなかったのだけど、仲村先輩がいらっしゃっていたし、高梨先生がいらっしゃるまでの空気では言い出しづらかったから」
言っていることにおかしなところはないけれど、高梨先生や美晴《みはる》姉さんから聞かされた事を思うと引っ掛かる。
先生の顔を見ても歯に何か詰まったような表情をしているので、思うところがあるのかもしれない。
「そうだったんだ。タイミングが悪かったんだね」
「ええ、残念ながらタイミングが噛み合わなかったのよ」
「あっ、あのさっ、フユ、良いかな?」
「何、ハル?」
「あたしも言いそびれていたことがあって、芳川さんがさ、6月からずっと不登校で学校へ来ていないんだって。
仲が良いって娘3人にも話を聞いたんだけど、原因が解らなくてある日突然来なくなったんだって。
その娘達が連絡しても応答すらしないし、家へ行ってもご家族に合わせてもらえなかったって言ってた。
しかも、来なくなる直前は良いことが有ったみたいに振る舞っていたみたいで・・・」
「時期と言い、状況と言い、美波や二之宮さん、それに仲村先輩と同じ様な事をされた時なんだろうな」
美波はここ最近ずっと翳った表情ではあったけど今の会話の間に翳りが強まったので気にはなったけど、それを横へ置いて話を進めた。
「そっか、まぁ、そこまで話が出たのなら手持ちの動画を全部出そうか?
仲村先輩は協力したくないということだし、二之宮さんと美波の分だけでも追加で提出する?
警察に出したのは二之宮さんが薬物らしきものを使った時のだけだけど、それ以外も全部」
「そう、神坂君はその時のしか表に出してなかったのね」
「ああ、それだけで十分だと思ったし、たまたま撮影できたという言い訳をするにもそれだけに絞ったんだよ」
「なるほど、そういうことだったのね」
「ちょっと待って!」
俺と二之宮さんのやり取りに慌てて大きな声を上げて美波が割って入ってきた。
「動画ってどういう事!?」
「ああ、美波たちにはちゃんと説明してなかったね。
例の空き教室や校内の何箇所かに防犯カメラを設置して鷺ノ宮たちがあれこれやっていた時の状況を録画してあったんだよ。
だから、俺は美波や二之宮さんたちが鷺ノ宮たちに何をされていたのかを知っていたんだよ」
「冬樹は話を聞いたのではなくて、映像で見たの?」
「ああ、そうだよ」
「いやぁーーーー!!!」
「美波ちゃん、待って!」
美波は耳が痛くなるような悲鳴をあげると駆け出し部室を出ていき、少し遅れてハルも美波を追い掛けて出ていった。
「二之宮さん、もしかして君が鷺ノ宮たちのことを学校へ報告したの?」
思わず口を衝いて出てしまった。
「神坂君はどうしてそう思ったのかしら?」
当たり前だけど不気味な笑みを浮かべていた様に見えたからという事を言えるはずもなく、客観的な事実で返答した。
「ちょうど自主休校中で彼らは学校にいないし、噂の勢いがまだある夏休みが始まる前に事態を収束させようとしたのかなと思ったんだ。
それに先生の話を聞いても驚いている様子もなかったから、予想ができていたのかなという雰囲気も感じたよ。
ただ、そうすると俺らと一緒に対応していこうと言っていたタイミングとは噛み合わないから不思議だなと思った部分もある」
「たしかにそうね。私が大塚先生に言ったわ。別件で話をした際につい言ってしまったから隠さずに言ってしまったの。
神坂君たちに隠すつもりはなかったのだけど、仲村先輩がいらっしゃっていたし、高梨先生がいらっしゃるまでの空気では言い出しづらかったから」
言っていることにおかしなところはないけれど、高梨先生や美晴《みはる》姉さんから聞かされた事を思うと引っ掛かる。
先生の顔を見ても歯に何か詰まったような表情をしているので、思うところがあるのかもしれない。
「そうだったんだ。タイミングが悪かったんだね」
「ええ、残念ながらタイミングが噛み合わなかったのよ」
「あっ、あのさっ、フユ、良いかな?」
「何、ハル?」
「あたしも言いそびれていたことがあって、芳川さんがさ、6月からずっと不登校で学校へ来ていないんだって。
仲が良いって娘3人にも話を聞いたんだけど、原因が解らなくてある日突然来なくなったんだって。
その娘達が連絡しても応答すらしないし、家へ行ってもご家族に合わせてもらえなかったって言ってた。
しかも、来なくなる直前は良いことが有ったみたいに振る舞っていたみたいで・・・」
「時期と言い、状況と言い、美波や二之宮さん、それに仲村先輩と同じ様な事をされた時なんだろうな」
美波はここ最近ずっと翳った表情ではあったけど今の会話の間に翳りが強まったので気にはなったけど、それを横へ置いて話を進めた。
「そっか、まぁ、そこまで話が出たのなら手持ちの動画を全部出そうか?
仲村先輩は協力したくないということだし、二之宮さんと美波の分だけでも追加で提出する?
警察に出したのは二之宮さんが薬物らしきものを使った時のだけだけど、それ以外も全部」
「そう、神坂君はその時のしか表に出してなかったのね」
「ああ、それだけで十分だと思ったし、たまたま撮影できたという言い訳をするにもそれだけに絞ったんだよ」
「なるほど、そういうことだったのね」
「ちょっと待って!」
俺と二之宮さんのやり取りに慌てて大きな声を上げて美波が割って入ってきた。
「動画ってどういう事!?」
「ああ、美波たちにはちゃんと説明してなかったね。
例の空き教室や校内の何箇所かに防犯カメラを設置して鷺ノ宮たちがあれこれやっていた時の状況を録画してあったんだよ。
だから、俺は美波や二之宮さんたちが鷺ノ宮たちに何をされていたのかを知っていたんだよ」
「冬樹は話を聞いたのではなくて、映像で見たの?」
「ああ、そうだよ」
「いやぁーーーー!!!」
「美波ちゃん、待って!」
美波は耳が痛くなるような悲鳴をあげると駆け出し部室を出ていき、少し遅れてハルも美波を追い掛けて出ていった。
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