46 / 252
第46話
しおりを挟む
◆鷺ノ宮隆史 視点◆
凪沙に無茶苦茶な命令をされ、友人や部活の仲間や先輩が壊れていく悪夢のような状況になっていく中で、それでも希望はあった。
岸元さんが神坂だけでなく、その姉妹とも疎遠になってしまっていた。それでもクラスメイトとは普通に交流があったのでいわゆるぼっちになることはなかったが、あくまで学校の中だけの付き合いと言った感じで見るからに精彩を欠く状態だった。
そんな状態の岸元さんに話しかけていき岸元さんの気持ちが不安定になってしまっていることもあってか急速に距離が近付き、時間が合えば一緒に勉強をする仲になれた。
凪沙のせいで不安定ながらも岸元さんとの関係が進展していると感じているある日、サッカー部へ入部してすぐに知り合ったフットサル部の仲村先輩に校舎裏へ呼び出された。
「あのさっ、去年一度断られてるけど、あたしと付き合うことをもう一度考えてもらえないかな!
返事は今すぐじゃなくて良いからっ!じゃっ!」
言いたいことだけ言って俺には何も言わせずに走り去ってしまった。
仲村先輩は活発で男っぽいところもあるけど、美人と言える見た目だし好意を持ってもらうのは光栄だ。でも、俺は岸元さんが好きだから断ろうと思って・・・
「おう、サギ!今仲村に告られてたな!
今度は仲村と例の空き教室だな!」
中田先輩が後ろから現れ肩をガッチリ組まれてそんな事を言われた。
「いや、でも、凪沙と違って・・・」
「は?ナニ言ってんだよ?お前ひとりの問題じゃないだろ?
おう、高橋!サギがおかしなこと言ってんだけどよ、説得してくんね?」
通りかかった高橋先輩も寄ってきて田中先輩との話に混ざってきた。
「ん?隆史がどうした?」
「どうしたもこうしたもないんだよ。仲村に告られたのに例の空き教室に連れ込まないとか言うんだよ」
「それはダメだな。みんな楽しみにしてるんだし、隆史ひとりのワガママでなしってのはおかしいな」
「いや、仲村先輩は同意してないですし・・・」
「そんなの関係ないだろ。二之宮ちゃんにやってる感じでやればうまくいくだろ?」
「そうだぞ、サギ。お前が呼び込めば後はオレらでちゃんとフォローすっから!それでいくべ!」
どれだけ逃げようとしても部活の仲間が増えていき、最終的には俺が折れることになった。仲村先輩に対して申し訳ない気持ちがあったが、そもそもそんな状況を作ることになった恨めしい気持ちも少し芽生えていた。
結局、俺が凪沙に無理やり乗せられた泥舟に喜び勇んで乗り込んできた仲間たちと一蓮托生の悪夢が始まった。
告白された翌日に仲村先輩へ付き合うと返事をし、その2日後に仲村先輩を例の空き教室へ呼び出すことになった。
嬉しくもなんともない配慮だが先輩たちは、最初は俺からと妙な譲り方をしてきて、半ばヤケクソで仲村先輩の初めてをもらった。空き教室なんてムードも何もあったものではない場所で最初は怪訝な顔を見せた先輩だったけど、終わったあとには痛そうながらも幸せそうな表情で俺を見つめてくれた・・・
・・・そんな余韻に浸るまもなく先輩たちが入り込んできて、あとは凪沙の時と同じ様に各々の欲望を仲村先輩へぶつけていた。ただ仲村先輩は凪沙と違いそんな事をするなどと微塵も思っていなかったわけで、泣き叫ぼうとしたしそれを誰かしらが何らかで口を塞いで恐怖から絶望した表情へと変わっていった。
臆病者の俺は、ひとり傍観者でいることもできず心が悲鳴を上げているのを感じながらも仲間たちと同じ事をしてしまった。
全てが終わり、高橋先輩が仲村先輩へ「今の様子は動画に残っているから、バラ撒かれたくなかったら、わかるよな?な、隆史!」と言って去っていき、他の仲間達もそれについて部屋を去っていった・・・と思うが、俺の記憶はそのあたりが曖昧になっている。
そして、相変わらず凪沙が俺だけ強制参加の定期交流会を行い、それがない日には仲村先輩を呼び出させられてと言う男の野蛮な欲望を目の当たりにさせられる日々になり、同じ中学の出身で当時もサッカー部の先輩と後輩マネージャーとして交流があった芳川さんも俺へ告白してきて、その様子を見ていたサッカー部員たちに同じ様な扱いをさせられた。
芳川さんはその1回でショックが大きかったようで、その翌日から一度も学校へ来ていない・・・人格が悪魔に支配されているとしか思えない仲間や先輩と、それらによって尊厳を破壊される俺に好意を寄せてくれる人達・・・
そんな悪夢のような毎日の中で、岸元さんとふたりきりで勉強をしていた時に弱音から告白めいた事を口にしたら、お試しで付き合ってもらえることになった。仲村先輩や芳川さんには申し訳ないけど、岸元さんと付き合うことだけは絶対に誰にも知られてはいけないと心に誓ったが、そんな都合よく物事が運ぶこともなく岸元さんもアイツラに目を付けられてしまった・・・
既に恒例となりつつあった先輩たちからの恫喝まがいのお願いを受けた俺は覚悟を決め、強引にだが岸元さんの初めてをもらい翌日に例の空き教室へ連れて行った。
取り返しがつかないところまで事態が進んでしまった以上、俺が岸元さんに嫌われ憎まれることは間違いないので、これ以上巻き込まずに済むようにすべく行動をしようと思ったが、凪沙の方が行動が早かった。
恐らく違法薬物と思われるものを俺と凪沙に使わせたのだ。これで凪沙は警察に通報し、俺が凪沙に強要したとして逮捕させるつもりなのだと悟った。この様子も隠しカメラか誰か凪沙の手の人間が盗撮して通報されるのだろうと悟った・・・どうせ俺がありのままに供述しても、凪沙が被害者として証言を行い警察が納得するだけの証拠も揃っていて俺の立場が悪化するだけだろう。初恋の岸元さんや俺に好意を寄せてくれた仲村先輩に芳川さんの人生を滅茶苦茶にし、仲が良かった友人やサッカー部の仲間の人間性が壊された悪夢が終わるならそれも悪くないと思った。
想像通り警察がやってきて取り調べの結果から保護観察処分を受けることになり、自主休校させられ、その後も学校からも自主退学の勧告を受けた。凪沙の書いたシナリオ通りなのがシャクではあったが、流れに逆らっても立場が悪くなるだけだと諦め全て流れのままに受け入れた・・・幸いと言っても良いのかわからないが、凪沙は自分以外のことは言わなかったらしく、俺自身も深く反省していると判断してもらい、表面上俺が行ったことになっている事からすれば軽い処罰で済んだと思う。
本当なら余罪として岸元さん、仲村先輩、芳川さんたちの事も言うべきだったのかもしれないが、証言することで余計に巻き込んでしまうことを考えるとそれもできなかった。その後も警察から追及を受けなかったということは、他の誰もが言わなかったということなのだろう・・・
家族にも迷惑をかけたし、これからも過去の事実として迷惑をかけ続けることになるだろう・・・岸元さんへ横恋慕し、諦められずに凪沙の手を借りようとした俺が悪かった・・・だが、凪沙だけは絶対に許せない。
凪沙に無茶苦茶な命令をされ、友人や部活の仲間や先輩が壊れていく悪夢のような状況になっていく中で、それでも希望はあった。
岸元さんが神坂だけでなく、その姉妹とも疎遠になってしまっていた。それでもクラスメイトとは普通に交流があったのでいわゆるぼっちになることはなかったが、あくまで学校の中だけの付き合いと言った感じで見るからに精彩を欠く状態だった。
そんな状態の岸元さんに話しかけていき岸元さんの気持ちが不安定になってしまっていることもあってか急速に距離が近付き、時間が合えば一緒に勉強をする仲になれた。
凪沙のせいで不安定ながらも岸元さんとの関係が進展していると感じているある日、サッカー部へ入部してすぐに知り合ったフットサル部の仲村先輩に校舎裏へ呼び出された。
「あのさっ、去年一度断られてるけど、あたしと付き合うことをもう一度考えてもらえないかな!
返事は今すぐじゃなくて良いからっ!じゃっ!」
言いたいことだけ言って俺には何も言わせずに走り去ってしまった。
仲村先輩は活発で男っぽいところもあるけど、美人と言える見た目だし好意を持ってもらうのは光栄だ。でも、俺は岸元さんが好きだから断ろうと思って・・・
「おう、サギ!今仲村に告られてたな!
今度は仲村と例の空き教室だな!」
中田先輩が後ろから現れ肩をガッチリ組まれてそんな事を言われた。
「いや、でも、凪沙と違って・・・」
「は?ナニ言ってんだよ?お前ひとりの問題じゃないだろ?
おう、高橋!サギがおかしなこと言ってんだけどよ、説得してくんね?」
通りかかった高橋先輩も寄ってきて田中先輩との話に混ざってきた。
「ん?隆史がどうした?」
「どうしたもこうしたもないんだよ。仲村に告られたのに例の空き教室に連れ込まないとか言うんだよ」
「それはダメだな。みんな楽しみにしてるんだし、隆史ひとりのワガママでなしってのはおかしいな」
「いや、仲村先輩は同意してないですし・・・」
「そんなの関係ないだろ。二之宮ちゃんにやってる感じでやればうまくいくだろ?」
「そうだぞ、サギ。お前が呼び込めば後はオレらでちゃんとフォローすっから!それでいくべ!」
どれだけ逃げようとしても部活の仲間が増えていき、最終的には俺が折れることになった。仲村先輩に対して申し訳ない気持ちがあったが、そもそもそんな状況を作ることになった恨めしい気持ちも少し芽生えていた。
結局、俺が凪沙に無理やり乗せられた泥舟に喜び勇んで乗り込んできた仲間たちと一蓮托生の悪夢が始まった。
告白された翌日に仲村先輩へ付き合うと返事をし、その2日後に仲村先輩を例の空き教室へ呼び出すことになった。
嬉しくもなんともない配慮だが先輩たちは、最初は俺からと妙な譲り方をしてきて、半ばヤケクソで仲村先輩の初めてをもらった。空き教室なんてムードも何もあったものではない場所で最初は怪訝な顔を見せた先輩だったけど、終わったあとには痛そうながらも幸せそうな表情で俺を見つめてくれた・・・
・・・そんな余韻に浸るまもなく先輩たちが入り込んできて、あとは凪沙の時と同じ様に各々の欲望を仲村先輩へぶつけていた。ただ仲村先輩は凪沙と違いそんな事をするなどと微塵も思っていなかったわけで、泣き叫ぼうとしたしそれを誰かしらが何らかで口を塞いで恐怖から絶望した表情へと変わっていった。
臆病者の俺は、ひとり傍観者でいることもできず心が悲鳴を上げているのを感じながらも仲間たちと同じ事をしてしまった。
全てが終わり、高橋先輩が仲村先輩へ「今の様子は動画に残っているから、バラ撒かれたくなかったら、わかるよな?な、隆史!」と言って去っていき、他の仲間達もそれについて部屋を去っていった・・・と思うが、俺の記憶はそのあたりが曖昧になっている。
そして、相変わらず凪沙が俺だけ強制参加の定期交流会を行い、それがない日には仲村先輩を呼び出させられてと言う男の野蛮な欲望を目の当たりにさせられる日々になり、同じ中学の出身で当時もサッカー部の先輩と後輩マネージャーとして交流があった芳川さんも俺へ告白してきて、その様子を見ていたサッカー部員たちに同じ様な扱いをさせられた。
芳川さんはその1回でショックが大きかったようで、その翌日から一度も学校へ来ていない・・・人格が悪魔に支配されているとしか思えない仲間や先輩と、それらによって尊厳を破壊される俺に好意を寄せてくれる人達・・・
そんな悪夢のような毎日の中で、岸元さんとふたりきりで勉強をしていた時に弱音から告白めいた事を口にしたら、お試しで付き合ってもらえることになった。仲村先輩や芳川さんには申し訳ないけど、岸元さんと付き合うことだけは絶対に誰にも知られてはいけないと心に誓ったが、そんな都合よく物事が運ぶこともなく岸元さんもアイツラに目を付けられてしまった・・・
既に恒例となりつつあった先輩たちからの恫喝まがいのお願いを受けた俺は覚悟を決め、強引にだが岸元さんの初めてをもらい翌日に例の空き教室へ連れて行った。
取り返しがつかないところまで事態が進んでしまった以上、俺が岸元さんに嫌われ憎まれることは間違いないので、これ以上巻き込まずに済むようにすべく行動をしようと思ったが、凪沙の方が行動が早かった。
恐らく違法薬物と思われるものを俺と凪沙に使わせたのだ。これで凪沙は警察に通報し、俺が凪沙に強要したとして逮捕させるつもりなのだと悟った。この様子も隠しカメラか誰か凪沙の手の人間が盗撮して通報されるのだろうと悟った・・・どうせ俺がありのままに供述しても、凪沙が被害者として証言を行い警察が納得するだけの証拠も揃っていて俺の立場が悪化するだけだろう。初恋の岸元さんや俺に好意を寄せてくれた仲村先輩に芳川さんの人生を滅茶苦茶にし、仲が良かった友人やサッカー部の仲間の人間性が壊された悪夢が終わるならそれも悪くないと思った。
想像通り警察がやってきて取り調べの結果から保護観察処分を受けることになり、自主休校させられ、その後も学校からも自主退学の勧告を受けた。凪沙の書いたシナリオ通りなのがシャクではあったが、流れに逆らっても立場が悪くなるだけだと諦め全て流れのままに受け入れた・・・幸いと言っても良いのかわからないが、凪沙は自分以外のことは言わなかったらしく、俺自身も深く反省していると判断してもらい、表面上俺が行ったことになっている事からすれば軽い処罰で済んだと思う。
本当なら余罪として岸元さん、仲村先輩、芳川さんたちの事も言うべきだったのかもしれないが、証言することで余計に巻き込んでしまうことを考えるとそれもできなかった。その後も警察から追及を受けなかったということは、他の誰もが言わなかったということなのだろう・・・
家族にも迷惑をかけたし、これからも過去の事実として迷惑をかけ続けることになるだろう・・・岸元さんへ横恋慕し、諦められずに凪沙の手を借りようとした俺が悪かった・・・だが、凪沙だけは絶対に許せない。
0
あなたにおすすめの小説
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
付き合う前から好感度が限界突破な幼馴染が、疎遠になっていた中学時代を取り戻す為に高校ではイチャイチャするだけの話
頼瑠 ユウ
青春
高校一年生の上条悠斗は、同級生にして幼馴染の一ノ瀬綾乃が別のクラスのイケメンに告白された事を知り、自身も彼女に想いを伝える為に告白をする。
綾乃とは家が隣同士で、彼女の家庭の事情もあり家族ぐるみで幼い頃から仲が良かった。
だが、悠斗は小学校卒業を前に友人達に綾乃との仲を揶揄われ、「もっと女の子らしい子が好きだ」と言ってしまい、それが切っ掛けで彼女とは疎遠になってしまっていた。
中学の三年間は拒絶されるのが怖くて、悠斗は綾乃から逃げ続けた。
とうとう高校生となり、綾乃は誰にでも分け隔てなく優しく、身体つきも女性らしくなり『学年一の美少女』と謳われる程となっている。
高嶺の花。
そんな彼女に悠斗は不釣り合いだと振られる事を覚悟していた。
だがその結果は思わぬ方向へ。実は彼女もずっと悠斗が好きで、両想いだった。
しかも、綾乃は悠斗の気を惹く為に、品行方正で才色兼備である事に努め、胸の大きさも複数のパッドで盛りに盛っていた事が発覚する。
それでも構わず、恋人となった二人は今まで出来なかった事を少しずつ取り戻していく。
他愛の無い会話や一緒にお弁当を食べたり、宿題をしたり、ゲームで遊び、デートをして互いが好きだという事を改めて自覚していく。
存分にイチャイチャし、時には異性と意識して葛藤する事もあった。
両家の家族にも交際を認められ、幸せな日々を過ごしていた。
拙いながらも愛を育んでいく中で、いつしか学校では綾乃の良からぬ噂が広まっていく。
そして綾乃に振られたイケメンは彼女の弱みを握り、自分と付き合う様に脅してきた。
それでも悠斗と綾乃は屈せずに、将来を誓う。
イケメンの企てに、友人達や家族の助けを得て立ち向かう。
付き合う前から好感度が限界突破な二人には、いかなる障害も些細な事だった。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる