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第59話
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◆岸元美晴 視点◆
目が覚めてスマホを確認したら夏菜ちゃんからのメッセージが入っていたので確認をしたら、冬樹くんが真夜中に吐いていてそれを見た春華ちゃんが時間も気にせず泣きながら夏菜ちゃんへ電話してきたことと、その事について相談したいから時間は何時でもかまわないので起きたら連絡が欲しいというお願いが書かれていた。
冬樹くんファーストの私がそれを無視するはずもなく、そのままスマホを操作し夏菜ちゃんへ電話した。
「もしもし、美晴です。今お話しても大丈夫?」
『もしもし、おはようございます。大丈夫です。むしろ真夜中にメッセージを送ってすみませんでした』
「いいの。むしろ、すぐに冬樹くんの異変を知らせてくれてありがとう」
夏菜ちゃんから聞けた話はだいたいメッセージに書かれていることだったけど、これからの対応として私がすぐに支度をして冬樹くんのところへ行き病院へ連れて行くということ、夏菜ちゃんが美波へ話をしてくれるということを決めたらすぐに行動を開始した。
出掛けにちょうど起きてきた美波へ簡単に説明をして、できるだけ早く冬樹のマンションへ向かったので着いた時には春華ちゃんは起きていたけど、冬樹くんは寝ている状況だった。
「美晴お姉、あたしのせいでフユが、あたしが来ちゃったからフユが・・・」
「落ち着いて、春華ちゃん。あなた、その様子だと寝てないでしょう?
冬樹くんは私が病院へ連れて行くから、ちょっと寝ていなさい。
ここで落ち着かないなら家へ帰ってもいいし、どうする?」
春華ちゃんが大きく表情を歪ませて泣いていたので抱きしめ頭を撫でながら続けた。
「うん、ここに居たらフユに負担をかけちゃうし家に帰って寝ます。
あたしは支度をしたらすぐに出ていくので、あとの事はよろしくお願いします」
「まかせて。春華ちゃんも、気に病み過ぎて病気になったら冬樹くんが気にしちゃうはずだから、気をたしかにね」
本当は春華ちゃんから話を聞きたかったけど、変に記憶を呼び起こすことをしたら追い詰めてしまうと思って帰って寝ることだけ勧めて、実際にすぐに支度を終えたら挨拶だけ交わしてすぐに帰っていってしまった。
いつも元気で明るく何かあっても立ち直るのが早い春華ちゃんがあれほどまで気落ちしているのは初めて見た。きっとかなりの衝撃を受けたのだろうと思う。
春華ちゃんが出ていくのと入れ違いで冬樹くんが起きてきた。
「美晴姉さん、こんな朝からどうしたんですか?」
「冬樹くんが深夜に嘔吐していたんだって聞いてね。病院へ行くのに付き添うために来たんだよ」
「そんな、大したことないですよ。それに必要だとしても病院くらいひとりで行けますよ」
「冬樹くんさ、救急車で病院へ運ばれたばかりなんだよ。
その時に精神的なストレスじゃないかということで、紹介された精神科に行くことになっていたよね?
今日はその病院へ行きます」
「それだって、ひとりで行け・・・」
「ダメ!今の冬樹くんは素人目にも自覚症状がないだけで大変なことになっているのがわかるの。
それをはっきりさせて早く良くしよう。ね?」
「・・・わかりました。付き添いお願いします」
「うん、よろしい!」
冬樹くんが支度をしている間に病院へ電話して予約を取り、一緒に朝ごはんを食べてから病院へ行った。
病院では、冬樹くん本人の問診の他にできるだけ周辺の情報があった方が良いということで私や電話で神坂のご家族や美波や高梨先生にも話を聞いてもらってから、付き添いの私が診断結果を聞くことになった。
いくつかの精神障害が複合して発症しているのではないかということで、本人には自覚がないだけで冤罪事件の際に拒否反応を示した家族や美波に対して無意識に拒絶している部分があって、そういう人達とは関わらないようにするべきという状況と、自分の意志がはっきり示せなくなっていて周囲から言われると流されてしまうようになっているのが主な状況らしい。
だから本来拒絶するべき春華ちゃん達が近くに来ても拒まなかったし家に泊まりたいと言われれば泊めたけど、無意識に身体が拒否反応を示して嘔吐してしまったわけだ。
冬樹くんは真面目な性格だから思い詰めたのではないかというのも医師の見解だし、言われれば納得する理由だ。
夏休みに入ったタイミングだったのは不幸中の幸いだ。少なくとも拒絶するべき学校や春華ちゃんや美波達から遠ざけることができるし、何をするにも1ヶ月以上の時間があるのはありがたい。
今度こそ私が冬樹くんを絶対に守るんだ!
目が覚めてスマホを確認したら夏菜ちゃんからのメッセージが入っていたので確認をしたら、冬樹くんが真夜中に吐いていてそれを見た春華ちゃんが時間も気にせず泣きながら夏菜ちゃんへ電話してきたことと、その事について相談したいから時間は何時でもかまわないので起きたら連絡が欲しいというお願いが書かれていた。
冬樹くんファーストの私がそれを無視するはずもなく、そのままスマホを操作し夏菜ちゃんへ電話した。
「もしもし、美晴です。今お話しても大丈夫?」
『もしもし、おはようございます。大丈夫です。むしろ真夜中にメッセージを送ってすみませんでした』
「いいの。むしろ、すぐに冬樹くんの異変を知らせてくれてありがとう」
夏菜ちゃんから聞けた話はだいたいメッセージに書かれていることだったけど、これからの対応として私がすぐに支度をして冬樹くんのところへ行き病院へ連れて行くということ、夏菜ちゃんが美波へ話をしてくれるということを決めたらすぐに行動を開始した。
出掛けにちょうど起きてきた美波へ簡単に説明をして、できるだけ早く冬樹のマンションへ向かったので着いた時には春華ちゃんは起きていたけど、冬樹くんは寝ている状況だった。
「美晴お姉、あたしのせいでフユが、あたしが来ちゃったからフユが・・・」
「落ち着いて、春華ちゃん。あなた、その様子だと寝てないでしょう?
冬樹くんは私が病院へ連れて行くから、ちょっと寝ていなさい。
ここで落ち着かないなら家へ帰ってもいいし、どうする?」
春華ちゃんが大きく表情を歪ませて泣いていたので抱きしめ頭を撫でながら続けた。
「うん、ここに居たらフユに負担をかけちゃうし家に帰って寝ます。
あたしは支度をしたらすぐに出ていくので、あとの事はよろしくお願いします」
「まかせて。春華ちゃんも、気に病み過ぎて病気になったら冬樹くんが気にしちゃうはずだから、気をたしかにね」
本当は春華ちゃんから話を聞きたかったけど、変に記憶を呼び起こすことをしたら追い詰めてしまうと思って帰って寝ることだけ勧めて、実際にすぐに支度を終えたら挨拶だけ交わしてすぐに帰っていってしまった。
いつも元気で明るく何かあっても立ち直るのが早い春華ちゃんがあれほどまで気落ちしているのは初めて見た。きっとかなりの衝撃を受けたのだろうと思う。
春華ちゃんが出ていくのと入れ違いで冬樹くんが起きてきた。
「美晴姉さん、こんな朝からどうしたんですか?」
「冬樹くんが深夜に嘔吐していたんだって聞いてね。病院へ行くのに付き添うために来たんだよ」
「そんな、大したことないですよ。それに必要だとしても病院くらいひとりで行けますよ」
「冬樹くんさ、救急車で病院へ運ばれたばかりなんだよ。
その時に精神的なストレスじゃないかということで、紹介された精神科に行くことになっていたよね?
今日はその病院へ行きます」
「それだって、ひとりで行け・・・」
「ダメ!今の冬樹くんは素人目にも自覚症状がないだけで大変なことになっているのがわかるの。
それをはっきりさせて早く良くしよう。ね?」
「・・・わかりました。付き添いお願いします」
「うん、よろしい!」
冬樹くんが支度をしている間に病院へ電話して予約を取り、一緒に朝ごはんを食べてから病院へ行った。
病院では、冬樹くん本人の問診の他にできるだけ周辺の情報があった方が良いということで私や電話で神坂のご家族や美波や高梨先生にも話を聞いてもらってから、付き添いの私が診断結果を聞くことになった。
いくつかの精神障害が複合して発症しているのではないかということで、本人には自覚がないだけで冤罪事件の際に拒否反応を示した家族や美波に対して無意識に拒絶している部分があって、そういう人達とは関わらないようにするべきという状況と、自分の意志がはっきり示せなくなっていて周囲から言われると流されてしまうようになっているのが主な状況らしい。
だから本来拒絶するべき春華ちゃん達が近くに来ても拒まなかったし家に泊まりたいと言われれば泊めたけど、無意識に身体が拒否反応を示して嘔吐してしまったわけだ。
冬樹くんは真面目な性格だから思い詰めたのではないかというのも医師の見解だし、言われれば納得する理由だ。
夏休みに入ったタイミングだったのは不幸中の幸いだ。少なくとも拒絶するべき学校や春華ちゃんや美波達から遠ざけることができるし、何をするにも1ヶ月以上の時間があるのはありがたい。
今度こそ私が冬樹くんを絶対に守るんだ!
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