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第82話
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◆岸元美波 視点◆
真夜中に目が覚めた。
昨日は二之宮さんも加わった3人で勉強会をしていたためか気疲れを起こしてしまい、夕方に寝てしまったために身体の時間感覚がズレてしまったようだった。
時間を見ようとスマホを確認すると、春華ちゃんからのメッセージと知らない番号からの電話を着信していた。
春華ちゃんからは夏菜お姉ちゃんと3人で大事な話をしたいから空いている時間を教えて欲しいというものだった。今は真夜中なので着信で起こしてしまうと悪いから朝になってから返信しようと思う。それにしても、大事な話とはなんだろう?
昨日別れてから大して時間が経っていないタイミングでの連絡なので急な何かがあったのだろうと気になってしまう。
それと知らない番号からの電話の着信も2度あって、急ぎの用件なのかと思うとこちらも落ち着かない。
いずれにしても真夜中なので朝になるまではどうにもできない。
朝になり春華ちゃんにメッセージを送ったところ直ぐに返信が来て時間の調整ができたので午前中に神坂家を訪れることになった。
夏菜お姉ちゃんからされた話は冬樹が濡れ衣を着せられた一件は二之宮さんが冬樹を自分の恋人にしたいと企んだもので、自分の身体を使ったり脅したりして鷺ノ宮君達を利用していたことだったというものだった。
話を聞いている途中から怒りで冷静で居られなくなり春華ちゃん達に諌められたりもしてしまった。
ただ、その話を聞いていて感覚的だけど鷺ノ宮くんを憎みきれない気持ちでいた理由も察することができた。鷺ノ宮君の本意ではなかった上に、わたしへ対しての好意を持っていたからその気持ちが出ていて、わたしも無意識の内にその気持ちを感じ取っていたのだろう。
とは言え、鷺ノ宮君が二之宮さんの誘いに乗ったせいでわたしがひどい目にあったし、冬樹との関係を悪化させられてしまったことは恨めしいし到底許せることではない。
「それで来週からの話だが、春華は学校への復帰ができるのなら二之宮凪沙との接点は自然と減らせると思うが、お前はそうはいかないだろう。
避けたい相手とは言え、何を仕出かすか得体の知れない女だ。変に接触を絶ってしまうと何をしてくるのかわからないから、これからも一緒に勉強していかないとうまくないだろう」
「そうだよね。でも、うまく繕いながら二之宮さんと付き合う自信ないな・・・
夏菜お姉ちゃんの言う通り何をしてくるかわからないという怖さもあるしどうしよう」
「いつでも相談に乗るし、手助けもするから頑張ってくれ。
下手に刺激してお前や冬樹に何かされるのが今は一番怖い。
春華は美波の事が心配だろうけど、接触が増えれば増えるほど離れられなくなるから、まずはお前が二之宮凪沙と距離を置け。
その方が結果的に美波も二之宮凪沙との距離を置きやすくなる」
「そうだね。美波ちゃんには悪いけど、あたしは先に二之宮さんとの距離を取らせてもらうよ。
それにしても、まさか二之宮さんのミステリアスな雰囲気がそもそもの性格からだったなんて思わなかったね」
「それはそうだね。前から何処か近寄り難い印象だったけど、自分の身体で男子に言う事を聞かせたりする様な人だったのは流石に思ってなかったよ。
エステへ良く行くとか言っていたけど、パパ活でお金を稼いだお金で行っていたのかな?」
「そうだろうな。何でか知らないが冬樹への執着があったみたいだし、美しくあれば気を引けるとか考えていたのかもしれないな。
何はともあれ、美波が矢面に立つことになるから気を付けてくれ」
ひと通り話が終わってから、神坂家を出た。
それにしてもやっぱり二之宮さんは許せない。二之宮さんが余計な事をしたから冬樹との関係が悪化し、更には中絶する羽目になったんだから。
それと夏菜お姉ちゃんも夏菜お姉ちゃんだ。いくら不確かなところがあったとは言え、あらかじめ教えておいてくれれば二之宮さんを勉強には誘わなかったのに・・・普段は聡明なんだけど、そういうところがダメなんだよなぁ。
◆神坂冬樹 視点◆
美晴さんに内緒で秀優高校へやってきた。目的は防犯カメラの付け替えで、例の空き教室など既に用をなさなくなっている場所に設置していていた物を姉さんやハルの教室や生徒会室などに設置し直した。
学校の電気配線もあらかた把握しているのでスムーズに作業を完遂することができた。
今は身体が無意識に拒絶してしまっているとは言え姉さんもハルも大事な家族だと思っているので、俺が理由で不利な立場になっているというのであれば心配にもなる。
『こんなにも簡単に防犯カメラを設置できてしまって大丈夫なのか?』とも思ってしまうところもあるけど、そもそもそんな事をする人間がいると思っていなかったら気付かないのだろう。逆に防犯カメラが設置しやすい配線で設計してくれていたのにも関わらず、実際に防犯カメラを設置しないでいてくれた学校関係者には感謝したいところもある
あまり長い時間家を空けていると美晴さんが心配をするので急いで帰ろう。
◆岸元美晴 視点◆
冬樹くんが『気分転換に散歩をしてきます』と言って出掛けていった。
時々そう言って散歩へ行くことがあるから特別変わった事ではないのだけど、今日に限ってはそれなりに大きな荷物を持って行くという違和感があったので、予定を変更して冬樹くんを尾行していったら、電車に乗り秀優高校の最寄り駅で下車し、トイレに入って制服に着替えて秀優高校に行き、校舎の中へ入っていった。
そのまま待っていたら30分もかからず出てきた。
別に学校に籍を残しているから用事があって来ること自体は違和感がないし、他の生徒には会いたくないからと休日に来ることもわかる。
・・・でも、それならどうして私に嘘をついたのだろう?
真夜中に目が覚めた。
昨日は二之宮さんも加わった3人で勉強会をしていたためか気疲れを起こしてしまい、夕方に寝てしまったために身体の時間感覚がズレてしまったようだった。
時間を見ようとスマホを確認すると、春華ちゃんからのメッセージと知らない番号からの電話を着信していた。
春華ちゃんからは夏菜お姉ちゃんと3人で大事な話をしたいから空いている時間を教えて欲しいというものだった。今は真夜中なので着信で起こしてしまうと悪いから朝になってから返信しようと思う。それにしても、大事な話とはなんだろう?
昨日別れてから大して時間が経っていないタイミングでの連絡なので急な何かがあったのだろうと気になってしまう。
それと知らない番号からの電話の着信も2度あって、急ぎの用件なのかと思うとこちらも落ち着かない。
いずれにしても真夜中なので朝になるまではどうにもできない。
朝になり春華ちゃんにメッセージを送ったところ直ぐに返信が来て時間の調整ができたので午前中に神坂家を訪れることになった。
夏菜お姉ちゃんからされた話は冬樹が濡れ衣を着せられた一件は二之宮さんが冬樹を自分の恋人にしたいと企んだもので、自分の身体を使ったり脅したりして鷺ノ宮君達を利用していたことだったというものだった。
話を聞いている途中から怒りで冷静で居られなくなり春華ちゃん達に諌められたりもしてしまった。
ただ、その話を聞いていて感覚的だけど鷺ノ宮くんを憎みきれない気持ちでいた理由も察することができた。鷺ノ宮君の本意ではなかった上に、わたしへ対しての好意を持っていたからその気持ちが出ていて、わたしも無意識の内にその気持ちを感じ取っていたのだろう。
とは言え、鷺ノ宮君が二之宮さんの誘いに乗ったせいでわたしがひどい目にあったし、冬樹との関係を悪化させられてしまったことは恨めしいし到底許せることではない。
「それで来週からの話だが、春華は学校への復帰ができるのなら二之宮凪沙との接点は自然と減らせると思うが、お前はそうはいかないだろう。
避けたい相手とは言え、何を仕出かすか得体の知れない女だ。変に接触を絶ってしまうと何をしてくるのかわからないから、これからも一緒に勉強していかないとうまくないだろう」
「そうだよね。でも、うまく繕いながら二之宮さんと付き合う自信ないな・・・
夏菜お姉ちゃんの言う通り何をしてくるかわからないという怖さもあるしどうしよう」
「いつでも相談に乗るし、手助けもするから頑張ってくれ。
下手に刺激してお前や冬樹に何かされるのが今は一番怖い。
春華は美波の事が心配だろうけど、接触が増えれば増えるほど離れられなくなるから、まずはお前が二之宮凪沙と距離を置け。
その方が結果的に美波も二之宮凪沙との距離を置きやすくなる」
「そうだね。美波ちゃんには悪いけど、あたしは先に二之宮さんとの距離を取らせてもらうよ。
それにしても、まさか二之宮さんのミステリアスな雰囲気がそもそもの性格からだったなんて思わなかったね」
「それはそうだね。前から何処か近寄り難い印象だったけど、自分の身体で男子に言う事を聞かせたりする様な人だったのは流石に思ってなかったよ。
エステへ良く行くとか言っていたけど、パパ活でお金を稼いだお金で行っていたのかな?」
「そうだろうな。何でか知らないが冬樹への執着があったみたいだし、美しくあれば気を引けるとか考えていたのかもしれないな。
何はともあれ、美波が矢面に立つことになるから気を付けてくれ」
ひと通り話が終わってから、神坂家を出た。
それにしてもやっぱり二之宮さんは許せない。二之宮さんが余計な事をしたから冬樹との関係が悪化し、更には中絶する羽目になったんだから。
それと夏菜お姉ちゃんも夏菜お姉ちゃんだ。いくら不確かなところがあったとは言え、あらかじめ教えておいてくれれば二之宮さんを勉強には誘わなかったのに・・・普段は聡明なんだけど、そういうところがダメなんだよなぁ。
◆神坂冬樹 視点◆
美晴さんに内緒で秀優高校へやってきた。目的は防犯カメラの付け替えで、例の空き教室など既に用をなさなくなっている場所に設置していていた物を姉さんやハルの教室や生徒会室などに設置し直した。
学校の電気配線もあらかた把握しているのでスムーズに作業を完遂することができた。
今は身体が無意識に拒絶してしまっているとは言え姉さんもハルも大事な家族だと思っているので、俺が理由で不利な立場になっているというのであれば心配にもなる。
『こんなにも簡単に防犯カメラを設置できてしまって大丈夫なのか?』とも思ってしまうところもあるけど、そもそもそんな事をする人間がいると思っていなかったら気付かないのだろう。逆に防犯カメラが設置しやすい配線で設計してくれていたのにも関わらず、実際に防犯カメラを設置しないでいてくれた学校関係者には感謝したいところもある
あまり長い時間家を空けていると美晴さんが心配をするので急いで帰ろう。
◆岸元美晴 視点◆
冬樹くんが『気分転換に散歩をしてきます』と言って出掛けていった。
時々そう言って散歩へ行くことがあるから特別変わった事ではないのだけど、今日に限ってはそれなりに大きな荷物を持って行くという違和感があったので、予定を変更して冬樹くんを尾行していったら、電車に乗り秀優高校の最寄り駅で下車し、トイレに入って制服に着替えて秀優高校に行き、校舎の中へ入っていった。
そのまま待っていたら30分もかからず出てきた。
別に学校に籍を残しているから用事があって来ること自体は違和感がないし、他の生徒には会いたくないからと休日に来ることもわかる。
・・・でも、それならどうして私に嘘をついたのだろう?
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