112 / 252
第112話
しおりを挟む
◆神坂春華 視点◆
敬老の日の翌日、放課後になって生徒会のお姉の手伝いでもしようかと思いながら帰りの支度をしていたらフユのクラスメイトの大山さんから声を掛けられ、予定があるのかと聞かれたので予定はないけど生徒会室へ行ってお姉の手伝いをしようと思っていると答えたら、あたしとお姉と3人で話をしたいと言われたので連れ立って生徒会室へ移動した。
「神坂君・・・って今は紛らわしいですね、冬樹君はもう学校へ来ないのですか?」
「率直なところ、私にも春華にもわからない。
なにせ5月に例の騒ぎがあってからすぐに家を出て一人暮らしを始めて、ほとんど接点がなくなってしまっているからな。
最近になって少しビデオチャットでやり取りをする様になったが、それだって微々たる時間だ」
「そうですか・・・あと、岸元さんはどうなのでしょうか?」
「美波か・・・やはり鷺ノ宮たちとの一連の動画流出が原因で登校したくないと言う感じになっているが・・・
春華、お前から見てどうだ?」
「う~ん、正直よくわかんないんだよね。最近は二之宮さんと一緒に勉強してて楽しそうだし」
「ええ?二之宮さんと一緒に勉強してるんですか?」
「うん。新学期になってすぐの頃に美波ちゃんから誘ってそれから一緒に勉強するようになって、一昨日は一緒に遊びにも行ってたよ」
はっきりしていない二之宮さんの疑いについては言えないよってことで当たり障りのない話をしているけど、何か聞いた方が良いのかな?
でも、そういうのは得意じゃないしお姉に任せて良いかな?
「そうなんですね・・・でも、ふたりとも引き籠もったりしていないみたいで良かったです」
「ところで、大山さん。クラスの雰囲気はどうなんだろう?
冬樹に美波、二之宮凪沙や鷺ノ宮など多くの生徒が欠けてしまっているだろう」
「そうですね・・・やはり暗いです。特に新学期になってすぐの時は神坂君への冤罪を広めた主犯扱いで学校中から後ろ指を指されていましたし・・・」
「そうだったな・・・私達もその件では大変だった」
「そうですよね。生徒会長は怪我をされたんでしたよね」
「そうだが、怪我の功名とでも言うのか校内の雰囲気を払拭できたので結果的には良かったな」
「たしかに、生徒会長が救急車で運ばれた翌日からうちのクラスも責められる雰囲気がかなり和らぎました」
「意図して起こしたわけではないが、そういう意味では私が怪我した甲斐があったというものだな、フフッ」
「ちょっとお姉、なにバカなこと言ってるのよ。あの時はすごく心配したんだからね!」
「すまない。でも、あれで春華への当たりも弱まったし結果的には良かったと思っている」
「たしかに・・・それで今学校へ来ているわけだしね。
って、そんなことより大山さんの話だよ」
「雰囲気が暗い原因のひとつに神坂君へ積極的に嫌がらせをしていた男子生徒たちが槍玉にあがっていて、先のクラス全体が責められていた時の分まで乗せてクラスメイト達から責めている状況があります」
「当人たちからすれば、積極的に冬樹に嫌がらせをしていた連中のせいで巻き込まれたという思いにもなって責め立てるか・・・」
「被害者である神坂君がいないから歯止めが掛からない様にも思います。全てがそれで解決するとは思いませんけど、神坂君が来てくれれば雰囲気も変わるかなって・・・それで・・・」
「たしかに、被害者の冬樹がいて、それで冬樹が何もしなければ周りはそれ以上何もできなくなるな。冬樹のことだから何もしないだろうし・・・でも大山さん、それだけじゃないだろう?」
「はい・・・せっかく話せるようになって仲良くなれると思っていたのに、会えないのは寂しいです・・・」
話はお姉に任せて様子を見ていたけど、大山さんはたぶんフユのことが好きなんだろう。そして、だから学校で会いたいのだろうということを察した。お姉は存外こういうことには鈍いのでクラスメイトがいないのが寂しい程度の受け止め方をしているように思う。
「あと、岸元さん、それと話をする事ができるなら二之宮さんにも伝えていただきたいのですけど、二人のことを変な目で見ている人はいないです。鷺ノ宮くんたちの被害者だってわかっているので、視線や噂を恐れているなら大丈夫だから一度学校へ来て欲しいです」
◆岸元美晴 視点◆
夜になって夏菜ちゃんから連絡があり、今日学校で冬樹くんのクラスメイトと話をして学校へ来て欲しいというような話をされたということだった。
また、そのクラスメイトが言うには美波や二之宮さんについて性的な動画について変な目で見る様な人はいないということらしい・・・案外ふたりきりで会うよりも学校へ行った方が良いのかもしれない。二之宮さんも他の生徒の視線がある方が牽制になる様に思うし・・・でも、冬樹くんのことを考えるとあまり安易に考えたくはないし・・・う~ん、悩むなぁ。
敬老の日の翌日、放課後になって生徒会のお姉の手伝いでもしようかと思いながら帰りの支度をしていたらフユのクラスメイトの大山さんから声を掛けられ、予定があるのかと聞かれたので予定はないけど生徒会室へ行ってお姉の手伝いをしようと思っていると答えたら、あたしとお姉と3人で話をしたいと言われたので連れ立って生徒会室へ移動した。
「神坂君・・・って今は紛らわしいですね、冬樹君はもう学校へ来ないのですか?」
「率直なところ、私にも春華にもわからない。
なにせ5月に例の騒ぎがあってからすぐに家を出て一人暮らしを始めて、ほとんど接点がなくなってしまっているからな。
最近になって少しビデオチャットでやり取りをする様になったが、それだって微々たる時間だ」
「そうですか・・・あと、岸元さんはどうなのでしょうか?」
「美波か・・・やはり鷺ノ宮たちとの一連の動画流出が原因で登校したくないと言う感じになっているが・・・
春華、お前から見てどうだ?」
「う~ん、正直よくわかんないんだよね。最近は二之宮さんと一緒に勉強してて楽しそうだし」
「ええ?二之宮さんと一緒に勉強してるんですか?」
「うん。新学期になってすぐの頃に美波ちゃんから誘ってそれから一緒に勉強するようになって、一昨日は一緒に遊びにも行ってたよ」
はっきりしていない二之宮さんの疑いについては言えないよってことで当たり障りのない話をしているけど、何か聞いた方が良いのかな?
でも、そういうのは得意じゃないしお姉に任せて良いかな?
「そうなんですね・・・でも、ふたりとも引き籠もったりしていないみたいで良かったです」
「ところで、大山さん。クラスの雰囲気はどうなんだろう?
冬樹に美波、二之宮凪沙や鷺ノ宮など多くの生徒が欠けてしまっているだろう」
「そうですね・・・やはり暗いです。特に新学期になってすぐの時は神坂君への冤罪を広めた主犯扱いで学校中から後ろ指を指されていましたし・・・」
「そうだったな・・・私達もその件では大変だった」
「そうですよね。生徒会長は怪我をされたんでしたよね」
「そうだが、怪我の功名とでも言うのか校内の雰囲気を払拭できたので結果的には良かったな」
「たしかに、生徒会長が救急車で運ばれた翌日からうちのクラスも責められる雰囲気がかなり和らぎました」
「意図して起こしたわけではないが、そういう意味では私が怪我した甲斐があったというものだな、フフッ」
「ちょっとお姉、なにバカなこと言ってるのよ。あの時はすごく心配したんだからね!」
「すまない。でも、あれで春華への当たりも弱まったし結果的には良かったと思っている」
「たしかに・・・それで今学校へ来ているわけだしね。
って、そんなことより大山さんの話だよ」
「雰囲気が暗い原因のひとつに神坂君へ積極的に嫌がらせをしていた男子生徒たちが槍玉にあがっていて、先のクラス全体が責められていた時の分まで乗せてクラスメイト達から責めている状況があります」
「当人たちからすれば、積極的に冬樹に嫌がらせをしていた連中のせいで巻き込まれたという思いにもなって責め立てるか・・・」
「被害者である神坂君がいないから歯止めが掛からない様にも思います。全てがそれで解決するとは思いませんけど、神坂君が来てくれれば雰囲気も変わるかなって・・・それで・・・」
「たしかに、被害者の冬樹がいて、それで冬樹が何もしなければ周りはそれ以上何もできなくなるな。冬樹のことだから何もしないだろうし・・・でも大山さん、それだけじゃないだろう?」
「はい・・・せっかく話せるようになって仲良くなれると思っていたのに、会えないのは寂しいです・・・」
話はお姉に任せて様子を見ていたけど、大山さんはたぶんフユのことが好きなんだろう。そして、だから学校で会いたいのだろうということを察した。お姉は存外こういうことには鈍いのでクラスメイトがいないのが寂しい程度の受け止め方をしているように思う。
「あと、岸元さん、それと話をする事ができるなら二之宮さんにも伝えていただきたいのですけど、二人のことを変な目で見ている人はいないです。鷺ノ宮くんたちの被害者だってわかっているので、視線や噂を恐れているなら大丈夫だから一度学校へ来て欲しいです」
◆岸元美晴 視点◆
夜になって夏菜ちゃんから連絡があり、今日学校で冬樹くんのクラスメイトと話をして学校へ来て欲しいというような話をされたということだった。
また、そのクラスメイトが言うには美波や二之宮さんについて性的な動画について変な目で見る様な人はいないということらしい・・・案外ふたりきりで会うよりも学校へ行った方が良いのかもしれない。二之宮さんも他の生徒の視線がある方が牽制になる様に思うし・・・でも、冬樹くんのことを考えるとあまり安易に考えたくはないし・・・う~ん、悩むなぁ。
0
あなたにおすすめの小説
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
恋人、はじめました。
桜庭かなめ
恋愛
紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。
明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。
ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。
「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」
「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」
明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。
一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!
※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)
※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想などお待ちしています。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる