113 / 252
第113話
しおりを挟む
◆神坂冬樹 視点◆
美波へ一緒に勉強をしようと誘ったらその日の内に次の日からと言う返事があったため、朝から図書館がある駅の前で待ち合わせをしていた。
まだ約束の時間にはなっていないけど、待ち合わせ場所に着くと既に美波は来ていた。
「おはよう。待たせちゃった?」
「ううん。わたしも今さっき着いたところ」
「そう?それなら良かった。
それに僕から呼びかけたのに、図書館へ呼び出したりしてごめんね」
「いいよ、どこでも。冬樹が一緒に勉強してくれるっていうのが嬉しいよ!
お姉ちゃんも一緒とかすごく久しぶりだよね」
「そうね。私が大学進学して一人暮らしをする様になってからは一緒に勉強する事はなくなっていたしね」
「まぁ、立ち話はそれくらいにして図書館へ行こうよ」
挨拶もそこそこに移動を開始した。
「それにしても、何で急に勉強に誘ってくれたの?」
「姉さんと直接会って話をしても大丈夫になったし、ハルともビデオチャットで話してても普通にやり取りできるようになってきたし、美波ともちゃんと向き合いたいと思ったからだよ。
特に美波とは二之宮の件でも意見がぶつかってしまったしね」
「それね。冬樹は二之宮さんの事を疑っているのよね?」
「そうだね」
「どうして信じられないの?」
「最初は違和感だったのだけど、調べていくと怪しい話が出てきたからね。どうしても警戒してしまうね」
「そうなんだ・・・」
「美波はさ、信じやすい性格だから心配なんだよ」
「そうかなぁ?」
「そうだよ。例えば、二之宮にパパ活に誘われてない?」
「え?
そ、そんなことない・・・けど?
どうして?」
美波の反応・・・歯切れの悪さと言い、仕草も誤魔化す時のそれなので、たぶん誘われたんだと思う。
「そっか。まぁ、仮にこれから誘われるかもしれないから参考までに聞いて欲しいんだけど、自分や友達もやっているし言わなければわからないとか、身体を洗うから汚くないとか忌避感を無くすような事を言うと思うんだよね。
そして、その誘いに乗ったとするよね。
そうしたら、二之宮は美波がパパ活をしたって僕に証拠を見せてくる。誘ったのが誰であれ美波がしたという事実は覆らないから印象が悪くなるよね?」
「あのさ?やっぱりパパ活って良くないよね?」
「それはそうだよ。言い方が違うだけで売春だし、本気で付き合いたいと思う相手がそんな事をしていたら幻滅するよ」
「そ、そうだよね」
「まぁ、どうしてもそうしなければならない事情があるならしょうがないと思うけど、そんなのよほどのことだと思う。
気にしないって男もいるだろうけど、そんな事を気にしないほど惚れ込んでいるとか、倫理観が一般的じゃないかだよ
美波に限った話ではないけど、人って親しいと思っている相手がなんとなく理に適ったようなことを言うと無視してしまいがちになるんだよね。
二之宮は話がうまいし、美波には気を付けてほしいかな」
「う、うん・・・気を付けるよ」
とりあえず、美波に釘を刺しつつ話をしてたら図書館へ着いたので、気持ちを切り替えて勉強した
◆岸元美波 視点◆
冬樹はわたしのことを気にかけてくれていた。
たしかに、言われてみれば二之宮さんに言い包められていた様に思う。
パパ活が普通とか言われなければわからないとか、一方的で身勝手な屁理屈だ。
そもそも、二之宮さんは冬樹と付き合いたいと思っているわけで、ライバルになるわたしを陥れる材料になる。
そう!人を陥れるのが二之宮さんのやり方だって冬樹が言っている。
そもそもわたしは何を勘違いしていたのだろう・・・冬樹と二之宮さんで信じられるのは冬樹に決まっている。
それにしても、冬樹はわたしのことを考えてくれていて嬉しく思う。
やっぱり信頼できるのは冬樹だ。それを間違えてはいけないと肝に銘じておかないと・・・
図書館は一度席を離れると他の人に取られてしまうので、昼食を後ろにずらしてひたすら勉強をしていたのだけど、さすがにそのやり方だと13時過ぎたあたりから腹も空いてきて集中力が大きく落ちてしまう。
14時過ぎになって集中力が途切れてしまって昼ごはんを食べようと提案したら、冬樹もお姉ちゃんも賛成してくれて駅前のファミレスへ入り、食事が終わったところでお姉ちゃんが話を切り出してきた。
「実は昨日の夜に夏菜ちゃんから連絡があって、冬樹くんと美波のクラスメイトがふたりのことを心配して夏菜ちゃんと春華ちゃんに様子を聞きに来てくれたんだって。
クラスの雰囲気もだいぶ変わっているから学校へ来ないかっていう話もあったのだけど・・・言付けだけね」
お姉ちゃんの話は、案外悪くないかなと思った。
冬樹は冤罪の被害者だし、わたしだって被害者だ。例の動画が出回ったせいで変な目で見てくる人もいるかも知れないけど、冬樹が一緒なら大丈夫な気がする。
それに、家に籠もっていると冬樹はお姉ちゃんとずっと一緒にいるし、わたしが一緒にいる時間を作ろうと思ったらこうやって勉強するくらいしかない。それだったら学校へ行った方が良い様に思う。
「わたしは学校へ行くのも悪くないと思う・・・冬樹が一緒に行ってくれるんだったら行きたいかな?」
美波へ一緒に勉強をしようと誘ったらその日の内に次の日からと言う返事があったため、朝から図書館がある駅の前で待ち合わせをしていた。
まだ約束の時間にはなっていないけど、待ち合わせ場所に着くと既に美波は来ていた。
「おはよう。待たせちゃった?」
「ううん。わたしも今さっき着いたところ」
「そう?それなら良かった。
それに僕から呼びかけたのに、図書館へ呼び出したりしてごめんね」
「いいよ、どこでも。冬樹が一緒に勉強してくれるっていうのが嬉しいよ!
お姉ちゃんも一緒とかすごく久しぶりだよね」
「そうね。私が大学進学して一人暮らしをする様になってからは一緒に勉強する事はなくなっていたしね」
「まぁ、立ち話はそれくらいにして図書館へ行こうよ」
挨拶もそこそこに移動を開始した。
「それにしても、何で急に勉強に誘ってくれたの?」
「姉さんと直接会って話をしても大丈夫になったし、ハルともビデオチャットで話してても普通にやり取りできるようになってきたし、美波ともちゃんと向き合いたいと思ったからだよ。
特に美波とは二之宮の件でも意見がぶつかってしまったしね」
「それね。冬樹は二之宮さんの事を疑っているのよね?」
「そうだね」
「どうして信じられないの?」
「最初は違和感だったのだけど、調べていくと怪しい話が出てきたからね。どうしても警戒してしまうね」
「そうなんだ・・・」
「美波はさ、信じやすい性格だから心配なんだよ」
「そうかなぁ?」
「そうだよ。例えば、二之宮にパパ活に誘われてない?」
「え?
そ、そんなことない・・・けど?
どうして?」
美波の反応・・・歯切れの悪さと言い、仕草も誤魔化す時のそれなので、たぶん誘われたんだと思う。
「そっか。まぁ、仮にこれから誘われるかもしれないから参考までに聞いて欲しいんだけど、自分や友達もやっているし言わなければわからないとか、身体を洗うから汚くないとか忌避感を無くすような事を言うと思うんだよね。
そして、その誘いに乗ったとするよね。
そうしたら、二之宮は美波がパパ活をしたって僕に証拠を見せてくる。誘ったのが誰であれ美波がしたという事実は覆らないから印象が悪くなるよね?」
「あのさ?やっぱりパパ活って良くないよね?」
「それはそうだよ。言い方が違うだけで売春だし、本気で付き合いたいと思う相手がそんな事をしていたら幻滅するよ」
「そ、そうだよね」
「まぁ、どうしてもそうしなければならない事情があるならしょうがないと思うけど、そんなのよほどのことだと思う。
気にしないって男もいるだろうけど、そんな事を気にしないほど惚れ込んでいるとか、倫理観が一般的じゃないかだよ
美波に限った話ではないけど、人って親しいと思っている相手がなんとなく理に適ったようなことを言うと無視してしまいがちになるんだよね。
二之宮は話がうまいし、美波には気を付けてほしいかな」
「う、うん・・・気を付けるよ」
とりあえず、美波に釘を刺しつつ話をしてたら図書館へ着いたので、気持ちを切り替えて勉強した
◆岸元美波 視点◆
冬樹はわたしのことを気にかけてくれていた。
たしかに、言われてみれば二之宮さんに言い包められていた様に思う。
パパ活が普通とか言われなければわからないとか、一方的で身勝手な屁理屈だ。
そもそも、二之宮さんは冬樹と付き合いたいと思っているわけで、ライバルになるわたしを陥れる材料になる。
そう!人を陥れるのが二之宮さんのやり方だって冬樹が言っている。
そもそもわたしは何を勘違いしていたのだろう・・・冬樹と二之宮さんで信じられるのは冬樹に決まっている。
それにしても、冬樹はわたしのことを考えてくれていて嬉しく思う。
やっぱり信頼できるのは冬樹だ。それを間違えてはいけないと肝に銘じておかないと・・・
図書館は一度席を離れると他の人に取られてしまうので、昼食を後ろにずらしてひたすら勉強をしていたのだけど、さすがにそのやり方だと13時過ぎたあたりから腹も空いてきて集中力が大きく落ちてしまう。
14時過ぎになって集中力が途切れてしまって昼ごはんを食べようと提案したら、冬樹もお姉ちゃんも賛成してくれて駅前のファミレスへ入り、食事が終わったところでお姉ちゃんが話を切り出してきた。
「実は昨日の夜に夏菜ちゃんから連絡があって、冬樹くんと美波のクラスメイトがふたりのことを心配して夏菜ちゃんと春華ちゃんに様子を聞きに来てくれたんだって。
クラスの雰囲気もだいぶ変わっているから学校へ来ないかっていう話もあったのだけど・・・言付けだけね」
お姉ちゃんの話は、案外悪くないかなと思った。
冬樹は冤罪の被害者だし、わたしだって被害者だ。例の動画が出回ったせいで変な目で見てくる人もいるかも知れないけど、冬樹が一緒なら大丈夫な気がする。
それに、家に籠もっていると冬樹はお姉ちゃんとずっと一緒にいるし、わたしが一緒にいる時間を作ろうと思ったらこうやって勉強するくらいしかない。それだったら学校へ行った方が良い様に思う。
「わたしは学校へ行くのも悪くないと思う・・・冬樹が一緒に行ってくれるんだったら行きたいかな?」
0
あなたにおすすめの小説
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
恋人、はじめました。
桜庭かなめ
恋愛
紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。
明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。
ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。
「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」
「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」
明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。
一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!
※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)
※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想などお待ちしています。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる