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第120話
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◆神坂冬樹 視点◆
3連休の最終日、特に用事はなかったので自室に籠もって勉強をしていたら、昼前にドアをノックされた。
「冬樹くん、ちょっといいかな?」
美晴さんの呼び掛けがあったので返事をした。
「はい、大丈夫です。すぐリビングへ行きますね」
リビングへ移動しようと部屋を出たら、美晴さんがその場に立っていた。
「あのね、今鷺ノ宮那奈さんから連絡があったのだけど、那奈さんが怪我をされて入院したというの」
「それは、穏やかじゃないですね。でも、御本人から連絡をもらったという事はそう大事ではないですよね?
なんで美晴さんに連絡があったのですか?」
「それが本題なんだけど、怪我をさせたのが二之宮さんなんですって」
「だから美晴さん、つまり僕へ連絡をくれたんですね」
「そういうことみたい。それでね、那奈さんは二之宮さんのことで冬樹くんに話しておきたい事があって、しかも早い方が良いと思っているみたい。
電話でもいいけど、できたら直接伝えたいから病院まで来てもらえないかというのが那奈さんの用件だったの」
「そういうことですか。わかりました。
僕は今日か明日でも大丈夫ですけど、美晴さんはどうしますか?」
「私も大丈夫。とりあえず、それで連絡してみるね」
那奈さんの都合も問題ないとのことで、その日の内に会いに行くことになった。
那奈さんを訪ねると、那奈さんの他に二人の女性がいて美晴さんが声を掛けてくれた。
「すみません、鷺ノ宮那奈さんのお見舞いに伺ったのですが」
「岸元さん、それに神坂さん、ご足労ありがとうございます。
こちらは私の母と祖母です。神坂さんは母には1度会っていますよね」
「そうですね。ご無沙汰しています」
「いえ、隆史が大変な迷惑をおかけしたのに那奈のためにありがとうございます」
「そんな、頭を上げてください。もう謝罪はいただいていますし、今日は那奈さんのお見舞いで伺っただけですから」
お母さんは前に謝罪で会った時よりもやつれていて、精神的に不安定になっていると聞いていた話と合致する印象だった。
お祖母さんは控えめにお辞儀するだけで余計なことを言わないというスタンスのようだ。お母さんも美人という印象だったけど、お祖母さんもその血縁を感じさせる雰囲気がある。
那奈さんは僕たちと話があるからとお母さん達に席を外してもらった。
「改めて、ご足労ありがとうございます。
岸元さんへ電話でお伝えした通り、この腕の怪我は二之宮凪沙さんが関係しています」
「つまり、二之宮と会ったんですね?」
「そうです。昨日、お仕事が休みだったところに何もしないのも落ち着かなかったので、アポイントも取らないまま二之宮さんに会いに行きました。
運良く彼女と会うことができ、近くのファミレスで話をしたんです」
鷺ノ宮から聞いた話を元に事実かどうか尋ねたら事実と匂わせるような対応をされ、恨みの感情も発露して挑発するように僕の名前を出してその場のやり取りを僕へ伝えると言って席を立ち離れようとしたところで、僕と執り成して欲しいと縋り付かれ、その際にバランスを崩し腕を強打して怪我をしてしまったそうだ。
「最初は飄々としたところもあったのですけど、神坂さんの名前を出したら余裕がない感じになりまして・・・
ボイスレコーダーでそのやり取りを録ったので、退院して余計なところをカットしたら神坂さんにお渡ししますね」
◆二之宮凪沙 視点◆
昨日隆史の姉が私を訪ねて来たので話をしたら、隆史が姉に語った事の真偽の問いだった。
加害者の家族が何を言ったところで世間は受け入れるわけがないと高を括っていたら、思わぬ反撃を受けた。
一連のやり取りを冬樹へ伝えるのだという。
いきなり冬樹の名前を出され苛立ってしまい、考えがまとまらなかった。
冬樹が岸元さん達へ向けていた笑顔を私にも向けて欲しいと思っていた矢先だったこともあり、私と冬樹を執り成してもらえないだろうかという考えも浮かんでいた。
そんな状況の中で隆史の姉が席を立って帰ろうとしてしまったため、慌てて後を追い抱き着いたために勢い余って押し倒してしまい腕に怪我を負わせてしまった。
いくら事故とは言え私が怪我をさせてしまったことには変わりがないので、母親とふたりで入院した隆史の姉へお詫びをしに行った。
実態がどうであれ、隆史は加害者で私が被害者という構図が前提である状況での逆転した立場はそれぞれに居心地が悪いものだったし、私としても冬樹との関係の執り成しをして欲しかったと言う動機も中途半端に伝えてしまっていた。
そういった状況であったために、改めてお詫びとお願いをするために隆史の姉、鷺ノ宮那奈さんの病室を訪れた。
3連休の最終日、特に用事はなかったので自室に籠もって勉強をしていたら、昼前にドアをノックされた。
「冬樹くん、ちょっといいかな?」
美晴さんの呼び掛けがあったので返事をした。
「はい、大丈夫です。すぐリビングへ行きますね」
リビングへ移動しようと部屋を出たら、美晴さんがその場に立っていた。
「あのね、今鷺ノ宮那奈さんから連絡があったのだけど、那奈さんが怪我をされて入院したというの」
「それは、穏やかじゃないですね。でも、御本人から連絡をもらったという事はそう大事ではないですよね?
なんで美晴さんに連絡があったのですか?」
「それが本題なんだけど、怪我をさせたのが二之宮さんなんですって」
「だから美晴さん、つまり僕へ連絡をくれたんですね」
「そういうことみたい。それでね、那奈さんは二之宮さんのことで冬樹くんに話しておきたい事があって、しかも早い方が良いと思っているみたい。
電話でもいいけど、できたら直接伝えたいから病院まで来てもらえないかというのが那奈さんの用件だったの」
「そういうことですか。わかりました。
僕は今日か明日でも大丈夫ですけど、美晴さんはどうしますか?」
「私も大丈夫。とりあえず、それで連絡してみるね」
那奈さんの都合も問題ないとのことで、その日の内に会いに行くことになった。
那奈さんを訪ねると、那奈さんの他に二人の女性がいて美晴さんが声を掛けてくれた。
「すみません、鷺ノ宮那奈さんのお見舞いに伺ったのですが」
「岸元さん、それに神坂さん、ご足労ありがとうございます。
こちらは私の母と祖母です。神坂さんは母には1度会っていますよね」
「そうですね。ご無沙汰しています」
「いえ、隆史が大変な迷惑をおかけしたのに那奈のためにありがとうございます」
「そんな、頭を上げてください。もう謝罪はいただいていますし、今日は那奈さんのお見舞いで伺っただけですから」
お母さんは前に謝罪で会った時よりもやつれていて、精神的に不安定になっていると聞いていた話と合致する印象だった。
お祖母さんは控えめにお辞儀するだけで余計なことを言わないというスタンスのようだ。お母さんも美人という印象だったけど、お祖母さんもその血縁を感じさせる雰囲気がある。
那奈さんは僕たちと話があるからとお母さん達に席を外してもらった。
「改めて、ご足労ありがとうございます。
岸元さんへ電話でお伝えした通り、この腕の怪我は二之宮凪沙さんが関係しています」
「つまり、二之宮と会ったんですね?」
「そうです。昨日、お仕事が休みだったところに何もしないのも落ち着かなかったので、アポイントも取らないまま二之宮さんに会いに行きました。
運良く彼女と会うことができ、近くのファミレスで話をしたんです」
鷺ノ宮から聞いた話を元に事実かどうか尋ねたら事実と匂わせるような対応をされ、恨みの感情も発露して挑発するように僕の名前を出してその場のやり取りを僕へ伝えると言って席を立ち離れようとしたところで、僕と執り成して欲しいと縋り付かれ、その際にバランスを崩し腕を強打して怪我をしてしまったそうだ。
「最初は飄々としたところもあったのですけど、神坂さんの名前を出したら余裕がない感じになりまして・・・
ボイスレコーダーでそのやり取りを録ったので、退院して余計なところをカットしたら神坂さんにお渡ししますね」
◆二之宮凪沙 視点◆
昨日隆史の姉が私を訪ねて来たので話をしたら、隆史が姉に語った事の真偽の問いだった。
加害者の家族が何を言ったところで世間は受け入れるわけがないと高を括っていたら、思わぬ反撃を受けた。
一連のやり取りを冬樹へ伝えるのだという。
いきなり冬樹の名前を出され苛立ってしまい、考えがまとまらなかった。
冬樹が岸元さん達へ向けていた笑顔を私にも向けて欲しいと思っていた矢先だったこともあり、私と冬樹を執り成してもらえないだろうかという考えも浮かんでいた。
そんな状況の中で隆史の姉が席を立って帰ろうとしてしまったため、慌てて後を追い抱き着いたために勢い余って押し倒してしまい腕に怪我を負わせてしまった。
いくら事故とは言え私が怪我をさせてしまったことには変わりがないので、母親とふたりで入院した隆史の姉へお詫びをしに行った。
実態がどうであれ、隆史は加害者で私が被害者という構図が前提である状況での逆転した立場はそれぞれに居心地が悪いものだったし、私としても冬樹との関係の執り成しをして欲しかったと言う動機も中途半端に伝えてしまっていた。
そういった状況であったために、改めてお詫びとお願いをするために隆史の姉、鷺ノ宮那奈さんの病室を訪れた。
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