131 / 252
第131話
しおりを挟む
◆神坂冬樹 視点◆
美晴さんが倒れてから一夜が明けた。学校へ行ったところで自習するだけなので休んで美晴さんのお世話をしようと思い学校を休むと言ったのだけど、当の美晴さんがほとんど回復していて大学へ行くので僕にも気にせず学校へ行って欲しいと言われたので登校することにした。
・・・ただ、大丈夫だと言う美晴さんの表情は暗くとても大丈夫とは思えるものではなかったので『何かあればすぐに迎えに行くので遠慮なく連絡をして欲しい』と伝え、了解してもらったけどそれだけでは不安が拭えない。
最寄り駅へ着くと今日も美波が改札を出たところで待っていて、そこから一緒に登校した。
美晴さんのことを考えていて美波の話を聞き流していたら、美波が怒り出した。
「ちょっと!わたしの話、聞いてないでしょ!」
「ごめん、美晴さんのことが気掛かりで集中できてなかった」
「そっか、お姉ちゃんの心配か・・・まだ調子悪いの?」
「身体は大丈夫みたいだけど、様子がずっと変なんだよね。
とにかく大丈夫とは言うのだけど、表情が暗くて心配事があるみたいな感じで・・・」
「心配事って赤堀さんのこと?」
「う~ん、みゆきさんのことは心配といえば心配だけど、そこまで暗くなるほどのことではないよう思うのだよね」
「え?そんなに軽いことなの?」
「軽いか重いかは難しいけど、みゆきさんは家出を止めて自宅へ帰っただけだし、しかも仲違いしていたご両親とは関係が修復したというからそれほど心配する様なことではないと思うよ・・・ところでなんでみゆきさんが帰ったことを知ってたの?」
「それは知らなかったから・・・」
「じゃあ、何だと思ったの?」
「うん、いや、昨日会った時に様子がおかしかったから何かあったのかなって・・・
それにしても、タイミングとしてはお姉ちゃんに気を遣っているのは間違いないだろうし、それでお姉ちゃんも気にしているんじゃないのかな?」
「まぁ、たしかに昨日の件はみゆきさんが原因で美晴さんに精神的な負担をかけたって言うのはあるけど、もう解決しているし・・・」
「え?解決してるの?」
「ん?そうだけど、何がそんなに意外なの?」
「えっと、早いなと思ったの」
「早い?」
「早くないの?」
「順番が逆で、問題が解決したから美晴さんの緊張の糸が切れて気を失った感じだったからさ」
「そうなの?」
「そうだよ。何か変かな?」
「ごめん、わたしが考えすぎだったかも」
あとは取り留めもない話をしながら登校し、教室へ入ると仲村先輩と高梨先生だけでなく昨日は出席していなかった芳川さんも来ていた。
芳川さんは満員だけでなく昼間の混雑具合でも電車に乗ることに抵抗感ができてしまっていて、自転車で登校することにしたとのことだった。なので、悪天の時は欠席するかもしれないというけど、それに対して高梨先生が気遣ってそもそも自習がメインの特別教室なので無理することはないし気を使う必要もないと言っていた。
また、僕からも『僕へ対しても抵抗感があるだろうから無理に声を掛けなくて良いし、何か言いたいことがある時は美波など誰か話せる人に伝えてもらえば良いから気にしないで欲しい』と高梨先生から言ってもらった。
通常クラスが昼休みになるとハルがやってきた。
◆神坂春華 視点◆
昼休みにお弁当を持って特別教室へ行った。一般の生徒と鉢合わせしにくいように時間をずらしているからフユ達はお昼ごはんを食べてしまっていたけど、教室で待機していたのでそこに混ざってお弁当を食べ始た。
雑談しながらお弁当を食べていたら、お姉も来たので呼び掛けたけど手のジェスチャーで待つように返されたので様子を見ていたら、仲村先輩と芳川さんに話しかけていて困ったことがないかと問いかけていた・・・こういう責任感の強いところはさすがだなぁと思うし、フユと美波ちゃんも同じ様に思っているようだった。
お姉はふたりとの問答が終わったらあたし達の元へやってきた。
「美波、冬樹、お前たちは困ったことがないか?」
「わたしは大丈夫だよ。夏菜お姉ちゃん、気にかけてくれてありがとう」
「僕も大丈夫だよ、姉さん」
「そうか、それは良かった。とは言え、困ったことがあったらすぐに相談してくれ。必ず力になるからな。
春華もここへ来ていたんだな・・・その、教室に居づらいのか?」
「う~ん、そうだね。どうしてもギクシャクした感じは残っているけど、居づらいと言うほど酷くはないかな?」
「そうか。まぁ、しょうがないところはあるな。私の方も周囲の人間に痼が残っている感じがあるし・・・負い目を感じているとどうしても態度に出てしまうものだしやむを得ないところか・・・
いずれにせよ、困ったことがあったら私に言ってくれよ」
「うん、ありがとう」
お姉のこういうところは尊敬できるし、かっこいいと思うけど、あたしにはできそうもないなぁって思う。
次期生徒会役員選挙でお姉の後継で『生徒会長に立候補しないか?』とお姉や顧問の先生方や他の先輩達にも言われたけど、お姉の抜ける穴を埋められる自信はまるでないし、自分なりに学校を良くしようとしたってお姉より良くできる未来像を描けないから断りたい・・・でも、同学年の現役役員など他の生徒もお姉の直後は荷が重く感じるのか『同じ役職なら良いけど、生徒会長は遠慮したい』と言っていて候補者の目処が立っていないらしいし、お姉もあたしが会長なら『卒業しても相談に乗ってあげやすい』なんて言うものだから、生徒会執行部の関係者からはあたしが立候補することを期待しているとヒシヒシと感じられるのだよね。
手伝いに行くことで顔を売ってしまったのも良くなかったと思うけど、今となっては後の祭りだ。
そんなことよりフユと赤堀さんのことだ!
気持ちがモヤモヤするのでハッキリさせたい。
「ところでさ、フユ。赤堀さんとも付き合ってるの?」
「何言ってるんだよ!
そんなわけないだろ。僕は美晴さんと付き合っているんだし、二股なんかするわけ無いだろ!」
「ほんとに?
浮気とかしてないの?
一緒に住んでるんだよね?」
お姉が咎める様な視線を向けるけど無視だ。後で怒られるかもしれないけど、それは未来のあたしに任せよう。
美波ちゃんは逆にあたしと一緒で聞き出したいと思っている感じで、でも何て言えばいいのか迷っている感じがする。お姉に怒られる時には緩衝役になってもらおう。
「浮気もするわけ無いだろ!怒るぞ!
たしかに昨日まで居候してて一緒に住んでいたのはその通りだけど、美晴さんに気を遣って自宅へ帰っていったよ」
「ごめんごめん。赤堀さん帰っちゃったんだ。
でも、ご両親と仲違いをしていたんじゃなかったっけ?
大丈夫なの?」
「それは大丈夫だったみたいだよ。ご両親と話をして和解したってさ」
「じゃあさ、昨日の美晴お姉が倒れた原因の精神的な疲れってそもそも何があったの?」
「それは・・・」
フユから聞いたその話は驚かされたけど、納得ができるものでもあった。
美晴お姉と付き合う前に赤堀さんに迫られて大人の関係になってしまい、赤堀さんが生理が来ないからと妊娠検査薬で確認したら陽性だった。相手はフユしかいないからフユの子供を身籠ったかもしれないとなり、相談された美晴お姉と産婦人科へ行ってちゃんと検査したら妊娠はしていなかったことがわかった。
その流れで知らず知らずに精神的に疲れていた美晴お姉の緊張の糸が切れて倒れたのだろうという話だった。ちなみに、赤堀さんに迫られてヤッちゃったことで美晴お姉は危機感を持ってフユに告白したらしい・・・たしかにフユから告白することはないだろうと思ってたし、美晴お姉にしてはらしくないタイミングだと思って不思議に思っていたけどそんな裏話があったと聞いて納得した。
話を切り出した時には怒っていそうな雰囲気だったお姉も怒りが鎮まってくれたみたいで良かったけど、美波ちゃんの表情は暗くなっている・・・もしかして、フユがハーレムを築いていたらそこに加わる気だった?
とにかく、あたしとしては今まで見えていなかった糸が見えてスッキリした気分になった。
美晴さんが倒れてから一夜が明けた。学校へ行ったところで自習するだけなので休んで美晴さんのお世話をしようと思い学校を休むと言ったのだけど、当の美晴さんがほとんど回復していて大学へ行くので僕にも気にせず学校へ行って欲しいと言われたので登校することにした。
・・・ただ、大丈夫だと言う美晴さんの表情は暗くとても大丈夫とは思えるものではなかったので『何かあればすぐに迎えに行くので遠慮なく連絡をして欲しい』と伝え、了解してもらったけどそれだけでは不安が拭えない。
最寄り駅へ着くと今日も美波が改札を出たところで待っていて、そこから一緒に登校した。
美晴さんのことを考えていて美波の話を聞き流していたら、美波が怒り出した。
「ちょっと!わたしの話、聞いてないでしょ!」
「ごめん、美晴さんのことが気掛かりで集中できてなかった」
「そっか、お姉ちゃんの心配か・・・まだ調子悪いの?」
「身体は大丈夫みたいだけど、様子がずっと変なんだよね。
とにかく大丈夫とは言うのだけど、表情が暗くて心配事があるみたいな感じで・・・」
「心配事って赤堀さんのこと?」
「う~ん、みゆきさんのことは心配といえば心配だけど、そこまで暗くなるほどのことではないよう思うのだよね」
「え?そんなに軽いことなの?」
「軽いか重いかは難しいけど、みゆきさんは家出を止めて自宅へ帰っただけだし、しかも仲違いしていたご両親とは関係が修復したというからそれほど心配する様なことではないと思うよ・・・ところでなんでみゆきさんが帰ったことを知ってたの?」
「それは知らなかったから・・・」
「じゃあ、何だと思ったの?」
「うん、いや、昨日会った時に様子がおかしかったから何かあったのかなって・・・
それにしても、タイミングとしてはお姉ちゃんに気を遣っているのは間違いないだろうし、それでお姉ちゃんも気にしているんじゃないのかな?」
「まぁ、たしかに昨日の件はみゆきさんが原因で美晴さんに精神的な負担をかけたって言うのはあるけど、もう解決しているし・・・」
「え?解決してるの?」
「ん?そうだけど、何がそんなに意外なの?」
「えっと、早いなと思ったの」
「早い?」
「早くないの?」
「順番が逆で、問題が解決したから美晴さんの緊張の糸が切れて気を失った感じだったからさ」
「そうなの?」
「そうだよ。何か変かな?」
「ごめん、わたしが考えすぎだったかも」
あとは取り留めもない話をしながら登校し、教室へ入ると仲村先輩と高梨先生だけでなく昨日は出席していなかった芳川さんも来ていた。
芳川さんは満員だけでなく昼間の混雑具合でも電車に乗ることに抵抗感ができてしまっていて、自転車で登校することにしたとのことだった。なので、悪天の時は欠席するかもしれないというけど、それに対して高梨先生が気遣ってそもそも自習がメインの特別教室なので無理することはないし気を使う必要もないと言っていた。
また、僕からも『僕へ対しても抵抗感があるだろうから無理に声を掛けなくて良いし、何か言いたいことがある時は美波など誰か話せる人に伝えてもらえば良いから気にしないで欲しい』と高梨先生から言ってもらった。
通常クラスが昼休みになるとハルがやってきた。
◆神坂春華 視点◆
昼休みにお弁当を持って特別教室へ行った。一般の生徒と鉢合わせしにくいように時間をずらしているからフユ達はお昼ごはんを食べてしまっていたけど、教室で待機していたのでそこに混ざってお弁当を食べ始た。
雑談しながらお弁当を食べていたら、お姉も来たので呼び掛けたけど手のジェスチャーで待つように返されたので様子を見ていたら、仲村先輩と芳川さんに話しかけていて困ったことがないかと問いかけていた・・・こういう責任感の強いところはさすがだなぁと思うし、フユと美波ちゃんも同じ様に思っているようだった。
お姉はふたりとの問答が終わったらあたし達の元へやってきた。
「美波、冬樹、お前たちは困ったことがないか?」
「わたしは大丈夫だよ。夏菜お姉ちゃん、気にかけてくれてありがとう」
「僕も大丈夫だよ、姉さん」
「そうか、それは良かった。とは言え、困ったことがあったらすぐに相談してくれ。必ず力になるからな。
春華もここへ来ていたんだな・・・その、教室に居づらいのか?」
「う~ん、そうだね。どうしてもギクシャクした感じは残っているけど、居づらいと言うほど酷くはないかな?」
「そうか。まぁ、しょうがないところはあるな。私の方も周囲の人間に痼が残っている感じがあるし・・・負い目を感じているとどうしても態度に出てしまうものだしやむを得ないところか・・・
いずれにせよ、困ったことがあったら私に言ってくれよ」
「うん、ありがとう」
お姉のこういうところは尊敬できるし、かっこいいと思うけど、あたしにはできそうもないなぁって思う。
次期生徒会役員選挙でお姉の後継で『生徒会長に立候補しないか?』とお姉や顧問の先生方や他の先輩達にも言われたけど、お姉の抜ける穴を埋められる自信はまるでないし、自分なりに学校を良くしようとしたってお姉より良くできる未来像を描けないから断りたい・・・でも、同学年の現役役員など他の生徒もお姉の直後は荷が重く感じるのか『同じ役職なら良いけど、生徒会長は遠慮したい』と言っていて候補者の目処が立っていないらしいし、お姉もあたしが会長なら『卒業しても相談に乗ってあげやすい』なんて言うものだから、生徒会執行部の関係者からはあたしが立候補することを期待しているとヒシヒシと感じられるのだよね。
手伝いに行くことで顔を売ってしまったのも良くなかったと思うけど、今となっては後の祭りだ。
そんなことよりフユと赤堀さんのことだ!
気持ちがモヤモヤするのでハッキリさせたい。
「ところでさ、フユ。赤堀さんとも付き合ってるの?」
「何言ってるんだよ!
そんなわけないだろ。僕は美晴さんと付き合っているんだし、二股なんかするわけ無いだろ!」
「ほんとに?
浮気とかしてないの?
一緒に住んでるんだよね?」
お姉が咎める様な視線を向けるけど無視だ。後で怒られるかもしれないけど、それは未来のあたしに任せよう。
美波ちゃんは逆にあたしと一緒で聞き出したいと思っている感じで、でも何て言えばいいのか迷っている感じがする。お姉に怒られる時には緩衝役になってもらおう。
「浮気もするわけ無いだろ!怒るぞ!
たしかに昨日まで居候してて一緒に住んでいたのはその通りだけど、美晴さんに気を遣って自宅へ帰っていったよ」
「ごめんごめん。赤堀さん帰っちゃったんだ。
でも、ご両親と仲違いをしていたんじゃなかったっけ?
大丈夫なの?」
「それは大丈夫だったみたいだよ。ご両親と話をして和解したってさ」
「じゃあさ、昨日の美晴お姉が倒れた原因の精神的な疲れってそもそも何があったの?」
「それは・・・」
フユから聞いたその話は驚かされたけど、納得ができるものでもあった。
美晴お姉と付き合う前に赤堀さんに迫られて大人の関係になってしまい、赤堀さんが生理が来ないからと妊娠検査薬で確認したら陽性だった。相手はフユしかいないからフユの子供を身籠ったかもしれないとなり、相談された美晴お姉と産婦人科へ行ってちゃんと検査したら妊娠はしていなかったことがわかった。
その流れで知らず知らずに精神的に疲れていた美晴お姉の緊張の糸が切れて倒れたのだろうという話だった。ちなみに、赤堀さんに迫られてヤッちゃったことで美晴お姉は危機感を持ってフユに告白したらしい・・・たしかにフユから告白することはないだろうと思ってたし、美晴お姉にしてはらしくないタイミングだと思って不思議に思っていたけどそんな裏話があったと聞いて納得した。
話を切り出した時には怒っていそうな雰囲気だったお姉も怒りが鎮まってくれたみたいで良かったけど、美波ちゃんの表情は暗くなっている・・・もしかして、フユがハーレムを築いていたらそこに加わる気だった?
とにかく、あたしとしては今まで見えていなかった糸が見えてスッキリした気分になった。
0
あなたにおすすめの小説
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
付き合う前から好感度が限界突破な幼馴染が、疎遠になっていた中学時代を取り戻す為に高校ではイチャイチャするだけの話
頼瑠 ユウ
青春
高校一年生の上条悠斗は、同級生にして幼馴染の一ノ瀬綾乃が別のクラスのイケメンに告白された事を知り、自身も彼女に想いを伝える為に告白をする。
綾乃とは家が隣同士で、彼女の家庭の事情もあり家族ぐるみで幼い頃から仲が良かった。
だが、悠斗は小学校卒業を前に友人達に綾乃との仲を揶揄われ、「もっと女の子らしい子が好きだ」と言ってしまい、それが切っ掛けで彼女とは疎遠になってしまっていた。
中学の三年間は拒絶されるのが怖くて、悠斗は綾乃から逃げ続けた。
とうとう高校生となり、綾乃は誰にでも分け隔てなく優しく、身体つきも女性らしくなり『学年一の美少女』と謳われる程となっている。
高嶺の花。
そんな彼女に悠斗は不釣り合いだと振られる事を覚悟していた。
だがその結果は思わぬ方向へ。実は彼女もずっと悠斗が好きで、両想いだった。
しかも、綾乃は悠斗の気を惹く為に、品行方正で才色兼備である事に努め、胸の大きさも複数のパッドで盛りに盛っていた事が発覚する。
それでも構わず、恋人となった二人は今まで出来なかった事を少しずつ取り戻していく。
他愛の無い会話や一緒にお弁当を食べたり、宿題をしたり、ゲームで遊び、デートをして互いが好きだという事を改めて自覚していく。
存分にイチャイチャし、時には異性と意識して葛藤する事もあった。
両家の家族にも交際を認められ、幸せな日々を過ごしていた。
拙いながらも愛を育んでいく中で、いつしか学校では綾乃の良からぬ噂が広まっていく。
そして綾乃に振られたイケメンは彼女の弱みを握り、自分と付き合う様に脅してきた。
それでも悠斗と綾乃は屈せずに、将来を誓う。
イケメンの企てに、友人達や家族の助けを得て立ち向かう。
付き合う前から好感度が限界突破な二人には、いかなる障害も些細な事だった。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる