132 / 252
第132話
しおりを挟む
◆岸元美晴 視点◆
昨日倒れて病院へ行ったこともあり無理をしないようにいつもよりも余裕を持って行動していて講堂へも早めに入って準備をしていたら声を掛けられた。
「みはるん、今日さ、飲み会があるんだけど来ない?」
声を掛けてきたのは髪を紫に染めてメイクも服装も派手で露出過多な容貌の津島さん。特に親しいわけでもない・・・と言うよりも苦手なタイプの人で、大学入学当初から馴れ馴れしく『みはるん』と呼んでくる。津島さんは見た目通りの言動や交友関係も派手で学部はおろか大学が違う人とも交流があるようで色々な噂を耳にする。
「ごめんなさい。せっかく誘ってもらったけど、やらないといけないことがあるし、体調も良くないし遠慮させてもらいますね」
「みはるんはいっつも用事があるとか言って来ないけどさ、アタシのこと嫌いなの?」
嫌いとまでは言わないけど避けたいのは間違いない。とは言え、大人としてそれを言うのは憚られるので返答に窮する。
「別に嫌いではないですよ。基本的に用事があるのです」
「とか言ってさ、知ってるんだよ。みはるん、夏休み前にアタシが誘った時は断ってそのまま自宅に帰って特に何もしてなかったの」
たしかに夏休みに入る前にもこの様に誘われて、特に用事があったわけではなかったけど用事があるからと断った事があった。
「人には言いづらい家で作業することを行っているんですよ」
「なになに?動画配信者やってるとか?マンガ描いているとか?」
「だから言いづらいと言っていますよね?
まぁ、想像するだけなら良いですし、そう思ってもらえればと思います」
「でもさー、入学してすぐの時の一回だけで、それ以降は一度も誘いに乗ってくれないじゃん。
アタシはみはるんと仲良くしたいんよ」
「でも、今日は困ります」
「わかったよー。じゃあさ、今度予定を合わせるようにするからさ、連絡先教えてよ。
メッセージのアプリ使っているでしょ?」
そんな感じで押し切られるように津島さんとメッセージの連絡先交換を行った。
そうしたらすぐにグループにも登録され、その参加メンバーを見るとわかる人がほとんどおらず、わかる人の多くは津島さんとよく一緒に行動している派手な人たちで、わからない人もプロフィール画像がいかにも派手で津島さんと同じ系統の人が多いなという印象だった。
更にそのグループの複数の人達から私の予定がいつ空いているのかや絶対に飲み会に参加するようにという予定の調整をするように仕向けられ、仕方なく明後日の金曜日に付き合うことにしてしまった。
◆高梨百合恵 視点◆
昨日美晴さんが倒れたと聞いた時は心配だったけど、いわゆる心労で病気とかもなく当日の内に退院したと連絡をもらってホッとしていたら、みゆきから自宅へ戻ったという連絡をもらった。
そもそも美晴さんが倒れた当日に冬樹君の家から出ていったのが不自然に思っていたけど、みゆきは自分が美晴さん達に迷惑をかけたからと言うだけで詳しく語ることはなかった。
そういうことでみゆきの居候先のマンションの家主である冬樹君に理由を聞いてみたら、冬樹君の子供を身籠ったかもしれないという騒動があり美晴さんが倒れてしまったことに責任を感じて距離を置こうとしたらしい。
たしかにみゆきが精神的に不安定になって冬樹君に迫って肌を重ねてしまったことがあったし、みゆきは男っ気がないと言うか恋愛対象がわたしだと言うので可能性がある相手が冬樹君だけだったと言うのもわかるし、妊娠したかもしれないと焦って美晴さんに縋ってしまったのもわかる・・・とは言え、よりにもよって自分の付き合っている相手の子供を身籠ったかもしれないなんて相談された美晴さんの心中を考えるとみゆきの軽率さに呆れるし、苛立たしさも覚える。
とは言え、わたしが何度も連絡するように言っていたのを無視していたのに、自宅へ戻ってくれたのはご両親から相談されていた身としてはホッとする部分もある。
生徒達がほとんど下校して、わたしも帰ろうかと思っていたところでお義姉さんからのメッセージの着信があった。
【今度の土日のどちらか空いているかしら?】
◆岸元美波 視点◆
春華ちゃんと一緒に帰ろうと学校と最寄り駅の通学路から少し外れたところにある公園のベンチで勉強しながら、春華ちゃんが下校するのを待っていた。
昨日はお姉ちゃんの運ばれた病院へ行ったからそれどころではなかったけど、今日からは用事がなければ春華ちゃんを待って一緒に帰ることにしていて、特別教室は他の生徒と鉢合わせしないように通常のクラスが終わる少し前に終わるので、わたしが先に学校を出て人目に付きにくい場所で待っている。
ほどなくして春華ちゃんがやってきた。
「お待たせ。まだ駅にはうちの生徒がいるだろうから少しここで待とうか」
「うん、気を遣ってくれてありがとう。待たせちゃってごめんね」
「いいんだよ。あたし達の仲じゃない。話をしてたら時間なんてすぐ過ぎるよ」
「それでも、ありがとう。春華ちゃんに何かあったら絶対に協力するからね」
「うん、何もないと良いけどその時はよろしくね。
それにしても、フユと赤堀さんの話は驚いたよね」
「うん、まさかそんな事をしていたなんてね・・・」
「まぁ、妊娠は間違いだったんだし、美晴お姉とフユがちゃんと付き合い始めたきっかけをくれたんだから結果的には良かったかな?
美波ちゃん的には納得できないかもしれないけど・・・」
「そうだね・・・今のところはね。
だからと言って将来はわからないよ?」
「また、そんなこと言ってー。
美波ちゃん、まだフユのこと諦めてないの?」
「チャンスがあれば・・・ね?」
素直な気持ちを春華ちゃんに伝えた。
昨日倒れて病院へ行ったこともあり無理をしないようにいつもよりも余裕を持って行動していて講堂へも早めに入って準備をしていたら声を掛けられた。
「みはるん、今日さ、飲み会があるんだけど来ない?」
声を掛けてきたのは髪を紫に染めてメイクも服装も派手で露出過多な容貌の津島さん。特に親しいわけでもない・・・と言うよりも苦手なタイプの人で、大学入学当初から馴れ馴れしく『みはるん』と呼んでくる。津島さんは見た目通りの言動や交友関係も派手で学部はおろか大学が違う人とも交流があるようで色々な噂を耳にする。
「ごめんなさい。せっかく誘ってもらったけど、やらないといけないことがあるし、体調も良くないし遠慮させてもらいますね」
「みはるんはいっつも用事があるとか言って来ないけどさ、アタシのこと嫌いなの?」
嫌いとまでは言わないけど避けたいのは間違いない。とは言え、大人としてそれを言うのは憚られるので返答に窮する。
「別に嫌いではないですよ。基本的に用事があるのです」
「とか言ってさ、知ってるんだよ。みはるん、夏休み前にアタシが誘った時は断ってそのまま自宅に帰って特に何もしてなかったの」
たしかに夏休みに入る前にもこの様に誘われて、特に用事があったわけではなかったけど用事があるからと断った事があった。
「人には言いづらい家で作業することを行っているんですよ」
「なになに?動画配信者やってるとか?マンガ描いているとか?」
「だから言いづらいと言っていますよね?
まぁ、想像するだけなら良いですし、そう思ってもらえればと思います」
「でもさー、入学してすぐの時の一回だけで、それ以降は一度も誘いに乗ってくれないじゃん。
アタシはみはるんと仲良くしたいんよ」
「でも、今日は困ります」
「わかったよー。じゃあさ、今度予定を合わせるようにするからさ、連絡先教えてよ。
メッセージのアプリ使っているでしょ?」
そんな感じで押し切られるように津島さんとメッセージの連絡先交換を行った。
そうしたらすぐにグループにも登録され、その参加メンバーを見るとわかる人がほとんどおらず、わかる人の多くは津島さんとよく一緒に行動している派手な人たちで、わからない人もプロフィール画像がいかにも派手で津島さんと同じ系統の人が多いなという印象だった。
更にそのグループの複数の人達から私の予定がいつ空いているのかや絶対に飲み会に参加するようにという予定の調整をするように仕向けられ、仕方なく明後日の金曜日に付き合うことにしてしまった。
◆高梨百合恵 視点◆
昨日美晴さんが倒れたと聞いた時は心配だったけど、いわゆる心労で病気とかもなく当日の内に退院したと連絡をもらってホッとしていたら、みゆきから自宅へ戻ったという連絡をもらった。
そもそも美晴さんが倒れた当日に冬樹君の家から出ていったのが不自然に思っていたけど、みゆきは自分が美晴さん達に迷惑をかけたからと言うだけで詳しく語ることはなかった。
そういうことでみゆきの居候先のマンションの家主である冬樹君に理由を聞いてみたら、冬樹君の子供を身籠ったかもしれないという騒動があり美晴さんが倒れてしまったことに責任を感じて距離を置こうとしたらしい。
たしかにみゆきが精神的に不安定になって冬樹君に迫って肌を重ねてしまったことがあったし、みゆきは男っ気がないと言うか恋愛対象がわたしだと言うので可能性がある相手が冬樹君だけだったと言うのもわかるし、妊娠したかもしれないと焦って美晴さんに縋ってしまったのもわかる・・・とは言え、よりにもよって自分の付き合っている相手の子供を身籠ったかもしれないなんて相談された美晴さんの心中を考えるとみゆきの軽率さに呆れるし、苛立たしさも覚える。
とは言え、わたしが何度も連絡するように言っていたのを無視していたのに、自宅へ戻ってくれたのはご両親から相談されていた身としてはホッとする部分もある。
生徒達がほとんど下校して、わたしも帰ろうかと思っていたところでお義姉さんからのメッセージの着信があった。
【今度の土日のどちらか空いているかしら?】
◆岸元美波 視点◆
春華ちゃんと一緒に帰ろうと学校と最寄り駅の通学路から少し外れたところにある公園のベンチで勉強しながら、春華ちゃんが下校するのを待っていた。
昨日はお姉ちゃんの運ばれた病院へ行ったからそれどころではなかったけど、今日からは用事がなければ春華ちゃんを待って一緒に帰ることにしていて、特別教室は他の生徒と鉢合わせしないように通常のクラスが終わる少し前に終わるので、わたしが先に学校を出て人目に付きにくい場所で待っている。
ほどなくして春華ちゃんがやってきた。
「お待たせ。まだ駅にはうちの生徒がいるだろうから少しここで待とうか」
「うん、気を遣ってくれてありがとう。待たせちゃってごめんね」
「いいんだよ。あたし達の仲じゃない。話をしてたら時間なんてすぐ過ぎるよ」
「それでも、ありがとう。春華ちゃんに何かあったら絶対に協力するからね」
「うん、何もないと良いけどその時はよろしくね。
それにしても、フユと赤堀さんの話は驚いたよね」
「うん、まさかそんな事をしていたなんてね・・・」
「まぁ、妊娠は間違いだったんだし、美晴お姉とフユがちゃんと付き合い始めたきっかけをくれたんだから結果的には良かったかな?
美波ちゃん的には納得できないかもしれないけど・・・」
「そうだね・・・今のところはね。
だからと言って将来はわからないよ?」
「また、そんなこと言ってー。
美波ちゃん、まだフユのこと諦めてないの?」
「チャンスがあれば・・・ね?」
素直な気持ちを春華ちゃんに伝えた。
0
あなたにおすすめの小説
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
恋人、はじめました。
桜庭かなめ
恋愛
紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。
明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。
ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。
「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」
「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」
明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。
一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!
※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)
※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想などお待ちしています。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる