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第133話
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◆岸元美晴 視点◆
津島さんから半ば強引に誘われ参加することになった飲み会の日になった。
集合場所のある駅に着いたけど、約束の時間のギリギリまで近くで時間を調整しようと近くの本屋へ入ろうとしたところで声を掛けられた。
「あれ?みはるん、もう着いてたの?」
「ええ、待たせるのが好きではないのでいつも余裕を持って行動するようにしているんです。
まだ約束まで時間があるので本でも見て待とうかと思っていました。
津島さんも早いですね」
「そうなんだ!アタシは前の用事が中途半端な時間に終わったからやることなくて来ちゃったんだけど、良かったよ、みはるんが居て!
ねぇねぇ、まだ時間あるしさ、そこのカフェでふたりで話をして待ってない?」
正直なところ、津島さんとふたりでいるのは避けたいのだけど、ここで断るのも角が立つので一緒に待つことにした。
カフェに入りふたりで待っている間、津島さんからはずっと私と仲良くなりたかったとか、共通の話題になる大学の履修科目についてなど話していたらあっという間に待ち合わせの時間になり飲み会のメンバーと合流する事になった。
「あの、津島さん。女子だけの飲み会じゃなかったのですか?」
「アタシそんなこと言ってないよ?」
「でも、メッセージのグループだと女子しか居なかったじゃないですか?」
「ああ、あのグループはね。アタシだってみはるんをいきなり男子もいるグループには入れないよー。
男子は別で連絡取ってただけだよ。女子でも男子と交流がある娘はそっちのグループでも連絡してるけど」
「あの・・・」
「まさか帰るなんて言わないよね?」
しっかり両肩を掴まれてしまった・・・やはり帰らせてくれるつもりはないらしい・・・
「帰るとは言いませんから、せめて津島さんは側に居てくださいよ」
「しょうがないなー、みはるんはー」
「それと、強くないですからお酒は1杯しか飲みませんからね」
「はいはい」
参加者がだいたい集まって時間になったところで飲み会が始まった。
津島さんなど中心になっている人達の繋がりで学部どころか大学すら違ったりOBOGの人も居てほとんど面識がない人だらけで、私は居心地が悪く津島さんの側にいたかったのもあり、離れないで欲しいと態度に出してしまっていたのか津島さんも「今日はアタシが呼んだみはるんの接待で側から離れないから、アタシに話があるならこっちへ来なねー」と宣言して実際側に居てくれたので今日は心強く感じたし、今まで見た目の派手や言動の印象から苦手意識を持っていたけど、話していると快活なだけで嫌な性格ではないと感じることができ、偏見で交流を避けていた自分の未熟さを申し訳なく思いもした。
津島さんの話を聞いていると、学部が同じ中でも選択している履修科目の重複が一番多い私とずっと仲良くなりたいと思ってくれていたようで、夏休み前の時はずっと断られ続けている悔しさが爆発して尾行してしまっていたから私が用事があると嘘をついて断ったことを知っていたと謝罪もされた。
津島さんは見た目は派手だけど難関大学に入学できるだけあって先輩の学生起業に参加してそれなりに収入を得ているらしく、その起業しているメンバーが経費で落とすから会費は取らないということらしい。その代わり「何かあった時には手伝って」などと言っているけど、他の人の話によると本当に些細な手伝いを頼まれるくらいで毎回飲食代を負担してもらっているのが申し訳ない気持ちになっているそうだ。おそらく人脈作りの一環なのだろうと思う。中央省庁に勤めているOBやプライム上場の有名企業に内定が決まっている先輩も参加している。
ちなみに、津島さんの派手なメイクや服装はそういう格好が好きなだけで他意はないらしい・・・実際に話した印象としては身持ちが硬そうだし、明言はされていないけど恐らく経験もしていないように思う・・・これは野暮で下世話な想像だけど。
お酒は最初の1杯しか飲まないつもりだったけど、気が付いたら楽しい雰囲気に呑まれて飲み過ぎてしまい・・・
◆津島玲香 視点◆
今日はみはるんに飲み会に参加してもらえ、入学当初から仲良くなりたくてずっと声を掛け続けたのがやっと報われた感じだ。とは言え、参加してもらうだけでは仲良くなれないのでとにかくずっと側に居ようと思っていたら、なんと集合時間の30分以上前に集合場所まで来ていて時間を潰すつもりか本屋へ入ろうとしていたのでカフェに誘って飲み会の前から話をすることができた。
みはるんはアタシのことをイケイケな人間だと思って苦手意識を持っている様なので今日のところはそのあたりをほぐしてこれからの足掛かりにしたいと思い臨んでいたけど、いきなりふたりきりで話をすることができたのは幸先がいい展開だ。
みはるんが知らない人が多いからか、飲み会が始まってからもアタシの側から離れようとしなかったのも良かった。こうなる事を狙っていたわけではないけど、結果的にはアタシに追い風が吹いている。
今日はとにかくみはるんと仲良くなることだけに集中していたら、同じ中高一貫の女子校出身で一番仲良しの大親友のアキラくんがやってきた。
「玲香、隣りにいるのがみはるんさん?
ぼくにも紹介してよ」
「うん、紹介するね。みはるん、アタシの中学からの大親友の松本明良。
滅茶苦茶カッコイイでしょ!
中学の時から学校イチのイケメンとして人気があったんだよ!」
「岸元美晴です。よろしくお願いします」
「松本明良だよ、よろしく。松本って好きじゃないからアキラって呼んで欲しいな。
それにしても、玲香から小さくて可愛い女の子と仲良くなりたいって聞いていたけど、本当に可愛らしいね。
ぼくとも仲良くなって欲しいかな?」
「またまた、津島さんとお付き合いしているのでしょう?」
「まさか、ぼくと玲香は親友なだけで付き合ってはいないよ。
玲香はこう見えても初心で臆病だし、まだ処・・・」
「こら!何を言い出すの!」
アキラくんの悪い癖が出てきた。自分が男だと間違われるからって誤解させて女の子をからかう・・・でも、そのアキラくんに狼狽えるみはるんは可愛いし、しばらくネタばらししないで様子を見ていよう・・・
・・・と思っていたら、ネタばらしする前にみはるんは酔い潰れて寝てしまった。
お酒に強くないと言っていたのに、雰囲気に飲まれてかけっこう飲んでいたのでしょうがないかもしれない。
アタシが誘ったのがそもそもの原因だから面倒を見ないといけないけど、みはるんは夏休みの間にカレシとの同棲をし始めてアタシが知っているアパートを引き払ってしまっているということで今はどこに住んでいるかわからないし、その上アタシは明日朝早くから出掛ける用事があるので、すぐ近くのアキラくんのアパートへ運んで後のことはアキラくんに任せることにすることにした。
みはるんをアキラくんのアパートへ運びアキラくんのベッドへ寝かせたところで、みはるんのスマホのバイブレーションが震えているのに気付いた。
悪いと思いつつもロック画面を見ると『冬樹くん』と言う人物からずいぶん前から連続して着信している様だった。
カレシだと思うし、今の酔い潰れて寝てしまっている状況を伝えてあげた方が良いよねとアキラくんと話していたらまた着信したので出ようとしたらアキラくんにスマホを取られて出られてしまった。
『もしもし美晴さん!
今どこ!?
大丈夫!?』
「もしもし彼氏君?
美晴ちゃんならオレの隣で寝てるよ。
今日は美晴ちゃんで最高に楽しませてもらったから、ごちそうさま。
明日にはちゃんと返すから心配しないで待っててねぇ。
・・・なーんちゃって」
そこまで言うと急に顔色が悪くなったアキラくんが縋る様な目線を向けてきて一言。
「バッテリーが切れちゃったみたい」
「アホー!みはるんのカレシが心配しちゃうでしょ!どうするの!」
「うん、ぼくが悪かったよ・・・美晴ちゃんが目を覚ましたら、一緒に電話に出て悪乗りして申し訳なかったってちゃんと謝るよ」
「そうよ!ちゃんと謝りなさいよ!
これで、アタシがみはるんに嫌われたら絶交するからね!」
津島さんから半ば強引に誘われ参加することになった飲み会の日になった。
集合場所のある駅に着いたけど、約束の時間のギリギリまで近くで時間を調整しようと近くの本屋へ入ろうとしたところで声を掛けられた。
「あれ?みはるん、もう着いてたの?」
「ええ、待たせるのが好きではないのでいつも余裕を持って行動するようにしているんです。
まだ約束まで時間があるので本でも見て待とうかと思っていました。
津島さんも早いですね」
「そうなんだ!アタシは前の用事が中途半端な時間に終わったからやることなくて来ちゃったんだけど、良かったよ、みはるんが居て!
ねぇねぇ、まだ時間あるしさ、そこのカフェでふたりで話をして待ってない?」
正直なところ、津島さんとふたりでいるのは避けたいのだけど、ここで断るのも角が立つので一緒に待つことにした。
カフェに入りふたりで待っている間、津島さんからはずっと私と仲良くなりたかったとか、共通の話題になる大学の履修科目についてなど話していたらあっという間に待ち合わせの時間になり飲み会のメンバーと合流する事になった。
「あの、津島さん。女子だけの飲み会じゃなかったのですか?」
「アタシそんなこと言ってないよ?」
「でも、メッセージのグループだと女子しか居なかったじゃないですか?」
「ああ、あのグループはね。アタシだってみはるんをいきなり男子もいるグループには入れないよー。
男子は別で連絡取ってただけだよ。女子でも男子と交流がある娘はそっちのグループでも連絡してるけど」
「あの・・・」
「まさか帰るなんて言わないよね?」
しっかり両肩を掴まれてしまった・・・やはり帰らせてくれるつもりはないらしい・・・
「帰るとは言いませんから、せめて津島さんは側に居てくださいよ」
「しょうがないなー、みはるんはー」
「それと、強くないですからお酒は1杯しか飲みませんからね」
「はいはい」
参加者がだいたい集まって時間になったところで飲み会が始まった。
津島さんなど中心になっている人達の繋がりで学部どころか大学すら違ったりOBOGの人も居てほとんど面識がない人だらけで、私は居心地が悪く津島さんの側にいたかったのもあり、離れないで欲しいと態度に出してしまっていたのか津島さんも「今日はアタシが呼んだみはるんの接待で側から離れないから、アタシに話があるならこっちへ来なねー」と宣言して実際側に居てくれたので今日は心強く感じたし、今まで見た目の派手や言動の印象から苦手意識を持っていたけど、話していると快活なだけで嫌な性格ではないと感じることができ、偏見で交流を避けていた自分の未熟さを申し訳なく思いもした。
津島さんの話を聞いていると、学部が同じ中でも選択している履修科目の重複が一番多い私とずっと仲良くなりたいと思ってくれていたようで、夏休み前の時はずっと断られ続けている悔しさが爆発して尾行してしまっていたから私が用事があると嘘をついて断ったことを知っていたと謝罪もされた。
津島さんは見た目は派手だけど難関大学に入学できるだけあって先輩の学生起業に参加してそれなりに収入を得ているらしく、その起業しているメンバーが経費で落とすから会費は取らないということらしい。その代わり「何かあった時には手伝って」などと言っているけど、他の人の話によると本当に些細な手伝いを頼まれるくらいで毎回飲食代を負担してもらっているのが申し訳ない気持ちになっているそうだ。おそらく人脈作りの一環なのだろうと思う。中央省庁に勤めているOBやプライム上場の有名企業に内定が決まっている先輩も参加している。
ちなみに、津島さんの派手なメイクや服装はそういう格好が好きなだけで他意はないらしい・・・実際に話した印象としては身持ちが硬そうだし、明言はされていないけど恐らく経験もしていないように思う・・・これは野暮で下世話な想像だけど。
お酒は最初の1杯しか飲まないつもりだったけど、気が付いたら楽しい雰囲気に呑まれて飲み過ぎてしまい・・・
◆津島玲香 視点◆
今日はみはるんに飲み会に参加してもらえ、入学当初から仲良くなりたくてずっと声を掛け続けたのがやっと報われた感じだ。とは言え、参加してもらうだけでは仲良くなれないのでとにかくずっと側に居ようと思っていたら、なんと集合時間の30分以上前に集合場所まで来ていて時間を潰すつもりか本屋へ入ろうとしていたのでカフェに誘って飲み会の前から話をすることができた。
みはるんはアタシのことをイケイケな人間だと思って苦手意識を持っている様なので今日のところはそのあたりをほぐしてこれからの足掛かりにしたいと思い臨んでいたけど、いきなりふたりきりで話をすることができたのは幸先がいい展開だ。
みはるんが知らない人が多いからか、飲み会が始まってからもアタシの側から離れようとしなかったのも良かった。こうなる事を狙っていたわけではないけど、結果的にはアタシに追い風が吹いている。
今日はとにかくみはるんと仲良くなることだけに集中していたら、同じ中高一貫の女子校出身で一番仲良しの大親友のアキラくんがやってきた。
「玲香、隣りにいるのがみはるんさん?
ぼくにも紹介してよ」
「うん、紹介するね。みはるん、アタシの中学からの大親友の松本明良。
滅茶苦茶カッコイイでしょ!
中学の時から学校イチのイケメンとして人気があったんだよ!」
「岸元美晴です。よろしくお願いします」
「松本明良だよ、よろしく。松本って好きじゃないからアキラって呼んで欲しいな。
それにしても、玲香から小さくて可愛い女の子と仲良くなりたいって聞いていたけど、本当に可愛らしいね。
ぼくとも仲良くなって欲しいかな?」
「またまた、津島さんとお付き合いしているのでしょう?」
「まさか、ぼくと玲香は親友なだけで付き合ってはいないよ。
玲香はこう見えても初心で臆病だし、まだ処・・・」
「こら!何を言い出すの!」
アキラくんの悪い癖が出てきた。自分が男だと間違われるからって誤解させて女の子をからかう・・・でも、そのアキラくんに狼狽えるみはるんは可愛いし、しばらくネタばらししないで様子を見ていよう・・・
・・・と思っていたら、ネタばらしする前にみはるんは酔い潰れて寝てしまった。
お酒に強くないと言っていたのに、雰囲気に飲まれてかけっこう飲んでいたのでしょうがないかもしれない。
アタシが誘ったのがそもそもの原因だから面倒を見ないといけないけど、みはるんは夏休みの間にカレシとの同棲をし始めてアタシが知っているアパートを引き払ってしまっているということで今はどこに住んでいるかわからないし、その上アタシは明日朝早くから出掛ける用事があるので、すぐ近くのアキラくんのアパートへ運んで後のことはアキラくんに任せることにすることにした。
みはるんをアキラくんのアパートへ運びアキラくんのベッドへ寝かせたところで、みはるんのスマホのバイブレーションが震えているのに気付いた。
悪いと思いつつもロック画面を見ると『冬樹くん』と言う人物からずいぶん前から連続して着信している様だった。
カレシだと思うし、今の酔い潰れて寝てしまっている状況を伝えてあげた方が良いよねとアキラくんと話していたらまた着信したので出ようとしたらアキラくんにスマホを取られて出られてしまった。
『もしもし美晴さん!
今どこ!?
大丈夫!?』
「もしもし彼氏君?
美晴ちゃんならオレの隣で寝てるよ。
今日は美晴ちゃんで最高に楽しませてもらったから、ごちそうさま。
明日にはちゃんと返すから心配しないで待っててねぇ。
・・・なーんちゃって」
そこまで言うと急に顔色が悪くなったアキラくんが縋る様な目線を向けてきて一言。
「バッテリーが切れちゃったみたい」
「アホー!みはるんのカレシが心配しちゃうでしょ!どうするの!」
「うん、ぼくが悪かったよ・・・美晴ちゃんが目を覚ましたら、一緒に電話に出て悪乗りして申し訳なかったってちゃんと謝るよ」
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