学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた

したらき

文字の大きさ
142 / 252

第142話

しおりを挟む
神坂冬樹かみさかふゆき 視点◆

鷺ノ宮さぎのみやの姉の那奈ななさんから連絡があった。内容は二之宮にのみやを引き取って一緒に暮らし始めたという。

さすがにすぐには理解できなかったけれど、両親の虐待とも言える状況を知り見かねて手を差し伸べたということなので、話を聞き終えた時には那奈さんらしいと得心した。

大して交流をしているわけではないけど、良く言えば優しい、悪く言えば甘い人だと言う印象で、その通りの行動だと思った。

また那奈さんはそういう背景だから二之宮を許してやって欲しいとは言わず、むしろ引き取った事を自分のわがままで僕や一連の事件に関係する人達に対しては申し訳ないと思っていると言っていてその事からも那奈さんの人柄を感じられた。


勃起障害EDは相変わらず続いていて精神科医せんせいにも精神的なものだろうと言われ、薬に頼る方法もあると選択肢を提示されたけどしばらくはこのまま様子を見ることにして、美晴みはるさんもそれで良いと理解してくれた。


他にはハルが生徒会役員選挙で会長に立候補することになり、姉さんと準備をし始めている。とは言え、そもそも他に立候補する生徒がいないからハルが推薦されて立候補する流れなので信任投票になる見込みらしい。僕も手伝ってあげられると良いけど、それは未知数だ。



高梨百合恵たかなしゆりえ 視点◆

悠一ゆういちさんと離婚し、荷物は後で落ち着いたら引き取ることにしてマンスリーマンションを仮住まいとしていたけど、悠一さんの再婚相手の希望で一度荷物を引き払うことにして、一時的に預かってくれる業者に預けることにした。費用は向こう持ちなので私としては少し手間が増えるくらいで済むけど、こうも早くわたしの住んでいた痕跡を消し去ろうとする悠一さん側の動きにはもやもやする。

自分でも身勝手だと思うけど、離婚してこういう風に再婚相手の影が色濃く見えてくると悠一さんの事を愛していたのだということを再認識する。離婚が成立する前は悪いところしか見えてなかったので不満が多かったけど、愛していたから別れたくはなかったのだということを今になって思う。ありきたりだけど、失ってから大切なことに気付くという愚かさを実感している。

とは言え、これからも音楽教師を続けたいわたしとは衝突を繰り返したと思うから、専業主婦を希望するお義姉ねえさんとも懇意な女性ひとと再婚した方が悠一さんのためになる様に思うし、悠一さんのことを想うのなら引くことも大事だと納得することにした。


実家を出て一人暮らしをしたいと言っていたみゆきをルームシェアに誘って準備を進め、賃貸の審査が通り部屋の契約もできたのでもう少しで新しい生活が始まる。

もうアラサーと言うのも憚られるようになってきているわたしがみゆきと同居するのは不思議に思うところもあるけど、一番気心が知れている相手でもあるので楽しみにしている。



◆神坂夏菜かな 視点◆

学校側へ掛け合うなどしたものの今年度の文化祭も体育祭も中止を覆せなかった。生徒会長として申し訳ない気持ちがあるが、一生徒として私も残念でならない。

大学へ行けば学祭はあるだろうけれどもきっとクラス単位でまとまって展示を行う高校の文化祭とは違うものになるし、前からの予定ではない非開催の喪失感は大きいと思う。

また、進学校とは言え大学へ進学しない者もいるし、そういった生徒の事を考えると最後の想い出作りができないのも残念だろうと思う。

そういうことで、二学期の大きなイベントを行えないまま生徒会長の任期が終わる時期が来た。私は特別なことをしたつもりはないが後輩達からの評価が高く、現役の役員に私の次の会長は荷が重いと難色を示され、頻繁に私を手伝いに来てくれていた春華はるかへ期待が寄せられ、申し訳ないと思う気持ちもあったが私も春華に立候補するよう促した。

最初こそ難色を示したものの引き受けてくれ、次期会長に現生徒会執行部擁立の候補として立ってもらうことになった。他に立候補しそうな生徒もなく信任投票になりそうな状況なのでとりあえずはホッとしている。

また、2年を中心に想定外に生徒が退学してしまっているため学校側は特例として転入基準の引き下げと、海外からの留学生の受け入れも積極的に行うことにし、実際に応募もあるらしい。


また五十嵐君はとっくに治っている怪我のことを引き合いにずっと気にかけてくれている。あまりに頻度が多いためクラスメイトたちから恋仲なのではないかとからかわれてしまっている。私だけでなく五十嵐君も否定しているというのにこの手の話を好きな人間はすぐに芽を見つけて広げたがるから困ったものだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

恋人、はじめました。

桜庭かなめ
恋愛
 紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。  明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。  ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。 「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」 「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」  明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。  一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!  ※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)  ※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想などお待ちしています。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

処理中です...