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第149話
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◆神坂春華 視点◆
修学旅行の初日は東京駅に集合して新幹線で京都駅まで移動し、クラスごとに用意された観光バスへ乗って京都駅から近い名所を巡りホテルへ行くという流れで、これと言った問題が起こることもなく学年一斉での夕食に交代制の入浴まで終わり消灯時間を迎えた。
消灯したとは言え、まだ高校生が寝るような時間ではないので部屋を暗くして布団に入ったところで眠れそうにない。
「あのさ、はるちゃん、まだ起きてる?」
すーちゃんから声を掛けられた。
「うん、起きてるよ」
「あのさ、本当にごめん。何回謝っても足りないと思うんだけど、はるちゃんを庇わないといけなかったのに率先して責めたこと悪かったと思ってるし、後悔してる・・・」
「もう何度目かわからないくらい謝ってもらってるよ」
「でもさ、ずっとよそよそしいじゃない。
もちろん私が悪いんだけど、はるちゃんは許してくれていないでしょ?」
思わず布団から起き上がりすーちゃんの方を向いた。
「そんなことないよ!
でも、そう思わせてしまったのだったらごめん・・・
許す許さないで言えば、当然許しているんだけど、やっぱり始業式の日のことが意識にあって・・・それが態度に出ちゃってるんだと思う・・・」
すーちゃんも起き上がってあたしの方を向いた。
「ごめん、はるちゃん・・・私、やっぱり自分のことしか考えてなかったんだね・・・
謝ったんだから許されて当たり前だと思っていたんだ・・・私、馬鹿だ・・・」
「ううん、すーちゃんの気持ちを考えてなかったあたしが悪いんだよ。
態度だけじゃなくて、お姉の手伝いを口実に生徒会の手伝いばかりしに行ってすーちゃんと向き合うことから逃げてたと思うし、来週からのクラス異動だって無意識だったけど学校からの依頼を口実にしてたと思う。
あたしはさ、ずっと双子のフユや幼馴染みの美波ちゃんにべったりだったから人付き合いが苦手なところがあるんだよね。
すーちゃん、それによっちゃんもなんだけど、今までクラスメイトになった誰よりも仲良くなれたと思っていたから、また拒絶されたら怖いって気持ちも大きくなって逃げちゃってたんだ・・・」
「はるちゃん・・・本当にごめん。私が空気に飲まれて馬鹿なことをしたから、ぐすっ」
話しながらすーちゃんは泣き出してしまったので、側に寄って抱きしめた。
「ううん、そもそもあたしがフユを信じなかったのが悪かったんだよ。
それが全ての始まりで、しかもすぐに違うかもって引っ掛かっていたのに怖くなってフユから逃げて、真相が判明するまで逃げて逃げて逃げ続けた結果、大事な分身を傷付けて自業自得だったんだ。
そんな愚かなあたしは友達に見限られてもしょうがなかったんだよ・・・あたしはすーちゃんのこと許してるし、また仲良くしたいと思ってるから・・・」
あたしも泣き出してしまった。
「わがっだ・・・ばるぢゃん・・・」
すーちゃんはとうとうまともに発音できないくらいに崩れてしまって、あたしもちゃんと声を発せなそうだったのでお互いに強く抱きしめることで気持ちを伝えあった。
そして、そんなあたしたちを包み込むようによっちゃんも抱きしめてきて一言。
「わたしも忘れないでよね」
今この瞬間から、もう大丈夫という確信が持てた・・・
・・・どれくらいその姿勢のままでいたのかはっきりしないけど、先生が見回りに来て『あなたたち何してるの?』と突っ込まれるまで続けていた。
◆岸元美波 視点◆
夏菜お姉ちゃんから知らされた裏サイトの事を聞かされて恐怖心に支配されてしまった。
ひとりで居るのが怖かったので夏菜お姉ちゃんに一緒に寝てもらうようにお願いしたら、わたしの部屋か夏菜お姉ちゃんの部屋か選ばせてくれたのでできるだけ環境を変えたくて夏菜お姉ちゃんの部屋に泊まらせてもらうことにした。
いつも厳しいし春華ちゃんや冬樹を優先するところがあるので少し怖いと思うことも有るけど、それでも頼りになるしこういう時は信頼できる人だ。
夏菜お姉ちゃんが先に戻っていった後に支度をして神坂家を訪問した。
そして、寝る時間になって夏菜お姉ちゃんと一緒にベッドへ入った。
「夏菜お姉ちゃん・・・わたしどうなっちゃうのかな?」
「さすがにわからんが、私はできる限りのことをするからお前も自分をちゃんと守るように心構えをしておけ」
「うん・・・ありがとう、頑張るよ・・・
・・・それはそれとして、春華ちゃん今頃なにしてるかなぁ」
「さすがに消灯時間だし寝てるんじゃないか?」
「この時間ならおしゃべりしてないかな?」
「たしかにそういうのはあるかも知れないな・・・
私は消灯時間過ぎたらすぐに寝ていたんだがな」
「そっか、夏菜お姉ちゃんはそういうのはちゃんと守る人だもんね」
「まぁ、規則は守らないと落ち着かない性分なのはあるな・・・
特にあの時は生徒会長に就任したばかりで他人に付け入られる様な隙を見せてはいけないと気を引き締めていたし、尚更だ」
「そういえば、春華ちゃんも生徒会長になったんだよね・・・大丈夫かな?」
「大丈夫だろう。生徒会長と言ってもやらないといけない事は大したことないし、そもそも量も多くない。
私は色々やらないで良いこともやっていたけど、できないことをする必要もないし、そのくらいの分別は春華もあるはずだ」
「でもさ、夏菜お姉ちゃんと比べられちゃうのは可哀想だなって思うんだよね」
「私と比べられる?」
「うん。夏菜お姉ちゃんはカリスマ生徒会長って感じだし、姉妹なんだから人によっては比較するよ。
『お姉ちゃんはすごかったのに』って言われてプレッシャーにならないかなって心配してるんだよね」
「そういう生徒もいるかもしれないが、やるべきことをやっていたら大丈夫だろう」
「う~ん・・・どうだろ?
でも、春華ちゃんは内向的なところがあるし、本来生徒会長なんてやるような性格じゃないと思うんだよね。
だから余計に夏菜お姉ちゃんとの差を意識しちゃうんじゃないかな?」
「まぁ、その時はフォローするさ。
私は進学しても家にいるからOGとして見てやれるし・・・
まぁ、あとお前もいるんだし大丈夫だよ」
「うん、わたしも支えるように頑張るよ」
◆神坂冬樹 視点◆
学校の裏サイトに対していくつか投稿した。
いくら進学校の生徒とは言え全員が全員ネットや法の知識を備えているわけでもないし、だからこそ他人を傷付けるようなことを面白半分に書き込める。
その甘さに対して『匿名でも発信元の情報から契約者の特定はできるし、そういった事を行った事実を将来進学した大学や就職した企業へ知らされたら退学や解雇されることもあり得る』という内容を詳細に説明しつつ書き込み、最後に以降繰り返し書き込みを行うなら書き込んだ人間の特定と将来の進路先への報告を行うという警告も行った。
これだけやっておけば楔になると思うし、それでも書き込み続ける人間がいるならそれは見せしめの対象になってもらえば良いだけ。
美波には裏切られた気持ちになった時期もあるけど今になれば大事な幼馴染みだし、何より美晴さんの妹なのだから守らないと美晴さんが気に病んでしまうだろうし、それは僕の本意ではない。
それに仲村先輩も芳川さんも同じ特別教室の仲間だと思っているし、できることはしてあげたい。
そのために必要なひと押しとして視線を向ける先を逸らさないとダメかなと思う・・・
修学旅行の初日は東京駅に集合して新幹線で京都駅まで移動し、クラスごとに用意された観光バスへ乗って京都駅から近い名所を巡りホテルへ行くという流れで、これと言った問題が起こることもなく学年一斉での夕食に交代制の入浴まで終わり消灯時間を迎えた。
消灯したとは言え、まだ高校生が寝るような時間ではないので部屋を暗くして布団に入ったところで眠れそうにない。
「あのさ、はるちゃん、まだ起きてる?」
すーちゃんから声を掛けられた。
「うん、起きてるよ」
「あのさ、本当にごめん。何回謝っても足りないと思うんだけど、はるちゃんを庇わないといけなかったのに率先して責めたこと悪かったと思ってるし、後悔してる・・・」
「もう何度目かわからないくらい謝ってもらってるよ」
「でもさ、ずっとよそよそしいじゃない。
もちろん私が悪いんだけど、はるちゃんは許してくれていないでしょ?」
思わず布団から起き上がりすーちゃんの方を向いた。
「そんなことないよ!
でも、そう思わせてしまったのだったらごめん・・・
許す許さないで言えば、当然許しているんだけど、やっぱり始業式の日のことが意識にあって・・・それが態度に出ちゃってるんだと思う・・・」
すーちゃんも起き上がってあたしの方を向いた。
「ごめん、はるちゃん・・・私、やっぱり自分のことしか考えてなかったんだね・・・
謝ったんだから許されて当たり前だと思っていたんだ・・・私、馬鹿だ・・・」
「ううん、すーちゃんの気持ちを考えてなかったあたしが悪いんだよ。
態度だけじゃなくて、お姉の手伝いを口実に生徒会の手伝いばかりしに行ってすーちゃんと向き合うことから逃げてたと思うし、来週からのクラス異動だって無意識だったけど学校からの依頼を口実にしてたと思う。
あたしはさ、ずっと双子のフユや幼馴染みの美波ちゃんにべったりだったから人付き合いが苦手なところがあるんだよね。
すーちゃん、それによっちゃんもなんだけど、今までクラスメイトになった誰よりも仲良くなれたと思っていたから、また拒絶されたら怖いって気持ちも大きくなって逃げちゃってたんだ・・・」
「はるちゃん・・・本当にごめん。私が空気に飲まれて馬鹿なことをしたから、ぐすっ」
話しながらすーちゃんは泣き出してしまったので、側に寄って抱きしめた。
「ううん、そもそもあたしがフユを信じなかったのが悪かったんだよ。
それが全ての始まりで、しかもすぐに違うかもって引っ掛かっていたのに怖くなってフユから逃げて、真相が判明するまで逃げて逃げて逃げ続けた結果、大事な分身を傷付けて自業自得だったんだ。
そんな愚かなあたしは友達に見限られてもしょうがなかったんだよ・・・あたしはすーちゃんのこと許してるし、また仲良くしたいと思ってるから・・・」
あたしも泣き出してしまった。
「わがっだ・・・ばるぢゃん・・・」
すーちゃんはとうとうまともに発音できないくらいに崩れてしまって、あたしもちゃんと声を発せなそうだったのでお互いに強く抱きしめることで気持ちを伝えあった。
そして、そんなあたしたちを包み込むようによっちゃんも抱きしめてきて一言。
「わたしも忘れないでよね」
今この瞬間から、もう大丈夫という確信が持てた・・・
・・・どれくらいその姿勢のままでいたのかはっきりしないけど、先生が見回りに来て『あなたたち何してるの?』と突っ込まれるまで続けていた。
◆岸元美波 視点◆
夏菜お姉ちゃんから知らされた裏サイトの事を聞かされて恐怖心に支配されてしまった。
ひとりで居るのが怖かったので夏菜お姉ちゃんに一緒に寝てもらうようにお願いしたら、わたしの部屋か夏菜お姉ちゃんの部屋か選ばせてくれたのでできるだけ環境を変えたくて夏菜お姉ちゃんの部屋に泊まらせてもらうことにした。
いつも厳しいし春華ちゃんや冬樹を優先するところがあるので少し怖いと思うことも有るけど、それでも頼りになるしこういう時は信頼できる人だ。
夏菜お姉ちゃんが先に戻っていった後に支度をして神坂家を訪問した。
そして、寝る時間になって夏菜お姉ちゃんと一緒にベッドへ入った。
「夏菜お姉ちゃん・・・わたしどうなっちゃうのかな?」
「さすがにわからんが、私はできる限りのことをするからお前も自分をちゃんと守るように心構えをしておけ」
「うん・・・ありがとう、頑張るよ・・・
・・・それはそれとして、春華ちゃん今頃なにしてるかなぁ」
「さすがに消灯時間だし寝てるんじゃないか?」
「この時間ならおしゃべりしてないかな?」
「たしかにそういうのはあるかも知れないな・・・
私は消灯時間過ぎたらすぐに寝ていたんだがな」
「そっか、夏菜お姉ちゃんはそういうのはちゃんと守る人だもんね」
「まぁ、規則は守らないと落ち着かない性分なのはあるな・・・
特にあの時は生徒会長に就任したばかりで他人に付け入られる様な隙を見せてはいけないと気を引き締めていたし、尚更だ」
「そういえば、春華ちゃんも生徒会長になったんだよね・・・大丈夫かな?」
「大丈夫だろう。生徒会長と言ってもやらないといけない事は大したことないし、そもそも量も多くない。
私は色々やらないで良いこともやっていたけど、できないことをする必要もないし、そのくらいの分別は春華もあるはずだ」
「でもさ、夏菜お姉ちゃんと比べられちゃうのは可哀想だなって思うんだよね」
「私と比べられる?」
「うん。夏菜お姉ちゃんはカリスマ生徒会長って感じだし、姉妹なんだから人によっては比較するよ。
『お姉ちゃんはすごかったのに』って言われてプレッシャーにならないかなって心配してるんだよね」
「そういう生徒もいるかもしれないが、やるべきことをやっていたら大丈夫だろう」
「う~ん・・・どうだろ?
でも、春華ちゃんは内向的なところがあるし、本来生徒会長なんてやるような性格じゃないと思うんだよね。
だから余計に夏菜お姉ちゃんとの差を意識しちゃうんじゃないかな?」
「まぁ、その時はフォローするさ。
私は進学しても家にいるからOGとして見てやれるし・・・
まぁ、あとお前もいるんだし大丈夫だよ」
「うん、わたしも支えるように頑張るよ」
◆神坂冬樹 視点◆
学校の裏サイトに対していくつか投稿した。
いくら進学校の生徒とは言え全員が全員ネットや法の知識を備えているわけでもないし、だからこそ他人を傷付けるようなことを面白半分に書き込める。
その甘さに対して『匿名でも発信元の情報から契約者の特定はできるし、そういった事を行った事実を将来進学した大学や就職した企業へ知らされたら退学や解雇されることもあり得る』という内容を詳細に説明しつつ書き込み、最後に以降繰り返し書き込みを行うなら書き込んだ人間の特定と将来の進路先への報告を行うという警告も行った。
これだけやっておけば楔になると思うし、それでも書き込み続ける人間がいるならそれは見せしめの対象になってもらえば良いだけ。
美波には裏切られた気持ちになった時期もあるけど今になれば大事な幼馴染みだし、何より美晴さんの妹なのだから守らないと美晴さんが気に病んでしまうだろうし、それは僕の本意ではない。
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