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第163話
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◆岸元美波 視点◆
クラスに復帰してから2日目の夜、学校での出来事を思い返していたら凪沙さんからのメッセージで話をしたいとあり、そのままアプリ通話で繋げた。
「もしもし、話をしたいって何かな?」
『ごめんなさい、急に通話をさせてしまって。
実は相談したいことができてしまって・・・』
「もちろん良いよ。それでどんな相談事?」
『実は今日高梨先生にうちまでお越しいただいたのだけど、駅の近くまで見送りして別れた直後に塚田先生をお見掛けしたの。
平日に学校が終わってからわざわざ川崎まで来るのは不自然でしょ?
それで私は高梨先生にストーカーしているのではないかと思ったの』
「それ、ストーカーだと思う。夏休みの前にね冬樹が学校の近くのマンションに住んでいた時なのだけど、高梨先生が旦那さんと揉めて家出をしていた時に何日か冬樹の家に居候してて・・・あっ、その時お姉ちゃんも一緒だからふたりきりにはなってないよっ・・・それで話を戻すと、その時に塚田先生が高梨先生を尾行していたのを見掛けたの」
『前にも尾行していたのね。今日は急いで学校を出て川崎へ来てくれたから、その急いでる様子が気になって尾行してきたような気がするわね』
「なるほど、有り得そうだね」
『それで相談なのだけど・・・』
「え?ストーカー退治ではなくて?」
『それはもちろんしないといけないと思うけど、高梨先生へお伝えするかどうかなの。
推測だけでいたずらにお知らせしては先生を不安にさせる様に思うし、ある程度確証を掴むまでは伏せておいた方が良いかなと思って・・・』
「そういうことね。たしかに凪沙さんが家の近所で見たという話だけだとはっきりしないよね。
この件はさ、わたしが夏菜お姉ちゃんや春華ちゃんに相談して決めて良いかな?
さっき言った夏休み前の尾行を夏菜お姉ちゃんと春華ちゃんも見てるからわかってくれると思うし・・・」
『わかったわ。私は中々そちらへは行けないし、美波さん達におまかせするわね』
「了解。状況はできるだけ共有するようにするね」
◆神坂夏菜 視点◆
夜遅い時間だったが、美波が『すぐに話したいことがあるから』とやってきて、春華の部屋で話をすることになった。
「凪沙さんからさっき連絡があったのだけど、塚田先生が高梨先生のストーカーしているのではないかもしれないというの」
「美波ちゃん、それあたしたち夏休み前に見たよね?」
「うん、凪沙さんは今川崎に住んでて今日の放課後に高梨先生が会いに行ったらしいのだけど、高梨先生を駅へ見送りに行って別れたところで見掛けたらしいの」
「たしかに不自然だな。高梨先生が二之宮凪沙を訪問するのは当然理解できることだが、塚田教諭には平日の放課後にわざわざ二之宮凪沙の家の近くへ理由などなさそうだ。
ちなみに、駅周辺に教職者が平日の放課後に行きそうな施設があったりするのだろうか?」
「ちょっと質問してみるね」
そう言うと美波はスマホを操作し始めた。
「頼む。でも、ないだろうな。とりあえず、私と春華で教師陣に探りを入れてみよう。春華もいいな?」
「もちろん。生徒会長の肩書きを活かして頑張るよ」
「まぁ、今回は生徒ではなく高梨先生だがな。
とは言え、先生には私達だけでなく冬樹がお世話になっているのだから恩返しはしたい」
「そうだね」
「凪沙さんから返答が来たよ。なんでも駅の近くはわからないけど、見掛けたところはその先が住宅街でそう言った施設はなさそうだって」
「わかっていたことだが、怪しさが増したな」
「そうだよね。それとね、凪沙さんは高梨先生に伝えるかどうかも悩んでて、怪しいだけで知らせて不安にさせるだけなんじゃないかって」
「その懸念はわかるが、無防備でいて何かが起こる方が怖くないか?
不安にさせてしまっても万が一の事態を抑止することを優先するべきだろう。
それに万が一が起きてしまった時に美波や二之宮凪沙は後悔すると思うぞ」
「そうだよね。じゃあ、伝えようか・・・でも、メッセージや電話よりも直接の方が良いよね?」
「そうだな。明日の放課後に私達3人と高梨先生だけで話をする時間を作ってもらうようにしよう。
私としては冬樹にも手を貸してもらった方が良いと思うが、そこは高梨先生に了承してもらってからでも良いだろう」
クラスに復帰してから2日目の夜、学校での出来事を思い返していたら凪沙さんからのメッセージで話をしたいとあり、そのままアプリ通話で繋げた。
「もしもし、話をしたいって何かな?」
『ごめんなさい、急に通話をさせてしまって。
実は相談したいことができてしまって・・・』
「もちろん良いよ。それでどんな相談事?」
『実は今日高梨先生にうちまでお越しいただいたのだけど、駅の近くまで見送りして別れた直後に塚田先生をお見掛けしたの。
平日に学校が終わってからわざわざ川崎まで来るのは不自然でしょ?
それで私は高梨先生にストーカーしているのではないかと思ったの』
「それ、ストーカーだと思う。夏休みの前にね冬樹が学校の近くのマンションに住んでいた時なのだけど、高梨先生が旦那さんと揉めて家出をしていた時に何日か冬樹の家に居候してて・・・あっ、その時お姉ちゃんも一緒だからふたりきりにはなってないよっ・・・それで話を戻すと、その時に塚田先生が高梨先生を尾行していたのを見掛けたの」
『前にも尾行していたのね。今日は急いで学校を出て川崎へ来てくれたから、その急いでる様子が気になって尾行してきたような気がするわね』
「なるほど、有り得そうだね」
『それで相談なのだけど・・・』
「え?ストーカー退治ではなくて?」
『それはもちろんしないといけないと思うけど、高梨先生へお伝えするかどうかなの。
推測だけでいたずらにお知らせしては先生を不安にさせる様に思うし、ある程度確証を掴むまでは伏せておいた方が良いかなと思って・・・』
「そういうことね。たしかに凪沙さんが家の近所で見たという話だけだとはっきりしないよね。
この件はさ、わたしが夏菜お姉ちゃんや春華ちゃんに相談して決めて良いかな?
さっき言った夏休み前の尾行を夏菜お姉ちゃんと春華ちゃんも見てるからわかってくれると思うし・・・」
『わかったわ。私は中々そちらへは行けないし、美波さん達におまかせするわね』
「了解。状況はできるだけ共有するようにするね」
◆神坂夏菜 視点◆
夜遅い時間だったが、美波が『すぐに話したいことがあるから』とやってきて、春華の部屋で話をすることになった。
「凪沙さんからさっき連絡があったのだけど、塚田先生が高梨先生のストーカーしているのではないかもしれないというの」
「美波ちゃん、それあたしたち夏休み前に見たよね?」
「うん、凪沙さんは今川崎に住んでて今日の放課後に高梨先生が会いに行ったらしいのだけど、高梨先生を駅へ見送りに行って別れたところで見掛けたらしいの」
「たしかに不自然だな。高梨先生が二之宮凪沙を訪問するのは当然理解できることだが、塚田教諭には平日の放課後にわざわざ二之宮凪沙の家の近くへ理由などなさそうだ。
ちなみに、駅周辺に教職者が平日の放課後に行きそうな施設があったりするのだろうか?」
「ちょっと質問してみるね」
そう言うと美波はスマホを操作し始めた。
「頼む。でも、ないだろうな。とりあえず、私と春華で教師陣に探りを入れてみよう。春華もいいな?」
「もちろん。生徒会長の肩書きを活かして頑張るよ」
「まぁ、今回は生徒ではなく高梨先生だがな。
とは言え、先生には私達だけでなく冬樹がお世話になっているのだから恩返しはしたい」
「そうだね」
「凪沙さんから返答が来たよ。なんでも駅の近くはわからないけど、見掛けたところはその先が住宅街でそう言った施設はなさそうだって」
「わかっていたことだが、怪しさが増したな」
「そうだよね。それとね、凪沙さんは高梨先生に伝えるかどうかも悩んでて、怪しいだけで知らせて不安にさせるだけなんじゃないかって」
「その懸念はわかるが、無防備でいて何かが起こる方が怖くないか?
不安にさせてしまっても万が一の事態を抑止することを優先するべきだろう。
それに万が一が起きてしまった時に美波や二之宮凪沙は後悔すると思うぞ」
「そうだよね。じゃあ、伝えようか・・・でも、メッセージや電話よりも直接の方が良いよね?」
「そうだな。明日の放課後に私達3人と高梨先生だけで話をする時間を作ってもらうようにしよう。
私としては冬樹にも手を貸してもらった方が良いと思うが、そこは高梨先生に了承してもらってからでも良いだろう」
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