学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた

したらき

文字の大きさ
177 / 252

第177話

しおりを挟む
高梨百合恵たかなしゆりえ 視点◆

あっという間に週末が過ぎ去り迎えた週明けの朝、土曜日に春華はるかさんから月曜日のSHRの前に話をしたいことがあるというメッセージを受けていたので早めに登校していた。

美晴みはるさんが妊娠検査薬の結果が陽性だったことを知った直後に関係の深い春華はるかさんから美波みなみさん夏菜かなさんの3人で話があるというので驚いたものの、美晴さん自身が病院の検査結果が出るまでは口外しないと言っていたので別件だと判断できたけれど、それでも動揺してしまっていた。


登校後のルーチンワークを終えたタイミングで春華さん達がわたしを尋ねて職員室へやってきたので場を第二音楽室の準備室へ移し話を始めた。


内容は金曜日にクラスの生徒で梅田うめださん達の歓迎会を行っていて、解散した後に冬樹君が行方不明になるというトラブルが起きていたことで、その原因はクラスメイトによる美波さんや春華さんへの悪意ある言動を直視して精神的に疲れさせてしまった事だろうと推測しているとのことだった。一昨日お家へ訪問した時は風邪を引いたとしか聞いていなかったけど、電車で眠ってしまい終点で起こされるまで起きなかったことで、一夜を屋外で過ごしたことが原因だったのだと知った。

一時期よりは安定していて先週登校をし始めてからも普通にしていたので失念していたけど、意識を失うほど強い精神的なストレスを抱え込んで通院していたので何かキッカケがあれば一気に問題が表面化する可能性は考えられたのに見落としていたことに気付かされてショックを受けたけど、わたし以上にショックを受けているはずの春華さん達の手前それを表へ出さないように気を付けつつ話を続けた。

美波さんは自分が復帰したことが原因だと思ってしまっている様で退学することも考えたようだけど、それは安易に過ぎるし美波さんが嫌じゃないのだったら思い留まるように話した。

どちらにしても一度は冬樹君と話をするべきだし、その冬樹君は発熱したので念のため明日までは登校しないのでそれまでは保留ということで今のところは納得してくれたと思う。



神坂かみさか春華 視点◆

週末のフユの行方不明の一件があり、その後屋外で一夜を過ごしたこともあり発熱してしまったと言う。美晴お姉がてくれているし、解熱剤を飲んで昨日の朝には平熱まで下がったと言うので過度に心配はしていないけど、その発端についてはどうしても引っかかる。

そんなモヤモヤを抱えて高梨先生に朝イチで相談をしたら、更にもっと根底にあるあたし達の良くなかった点を指摘された思いだった。

何か困った事があるとお姉や美波ちゃんと相談して判断してしまいがちで、フユのことであってもお姉や美波ちゃんとだけ話して考え、今回のことも実際にフユ抜きで判断しようとしていた。フユを信頼していないわけではないけど、性差を意識するようになってから男の子に知られたら恥ずかしいという気持ちが湧く悩みが多くなり、無意識に相談相手からフユを外すようになっていて、それはあたしだけでなくお姉や美波ちゃんもそうだし、今回のこともまさにフユのことなのにフユには一言も聞かずにあたし達3人で決めようとしてしまっていた。

お姉だって長年培った習慣だからかその事への違和感がなかったようだし・・・そう考えると、フユが二之宮にのみやさんを襲ったと第一報を受けた時もあたしと美波ちゃんで話をしてしまってフユとちゃんと話をしようとしなかったし、お姉も一旦はあたしの言うことを重く取っていた。


そういう意味では先生と話ができたのは良かったと思う。今は時間がないから後で思ったことをふたりにも共有しようと思う。


SHRの始まるギリギリに教室へ戻ったところローラン君から声を掛けられた。


「おはよう!ハルカ!」


「お、おはよ」


「これを見てください!」


そう言うとローラン君はスマホをあたしへ見せてきた。


「ウタリンが出演するアニメの先行上映会があって、ウタリンも登壇するんだよ!」


「そ、そうなんだ」


「これ、一緒に行きませんか?
 もちろん、ウタリンファンの同士カオリも一緒に!」


あたしに問い掛けつつ香織かおりちゃんの方へ振り向き香織ちゃんへも誘った。


「ええと、先のことなので予て・・・」


香織ちゃんはそのウタリンこと愛島唄あいしまうたちゃんなので当然応じられるわけがないけど、下手に予定が合わないなどと言うと『では次の機会に』となっていき、ずっと予定が合わないということになりかねないのであたしが割って入った。


「香織ちゃんはお家の人からそういうイベントへ行くのがダメって言われてるんだって。
 あたしが付き合うからさ、それで我慢して」


「そうですか・・・カオリが行けないなのは残念です。
 でも、ハルカが一緒に行ってくれるのは嬉しいです!
 ふたりでデートですね!」


「ええぇぇ!」


デートという言葉に頭が真っ白になって助けを求めるように美波ちゃんを見ると『しょうがないなぁ』と言う表情になって、


「春華ちゃんは奥手だし、デートというのは刺激が強いからわたしも一緒に『友達と遊びに行く』というのじゃダメかな?」


「良いですよ!ウタリンの素晴らしさをミナミにも感じてもらいます!」


「僕も興味があります!
 参加して良いですか!?」


「ケンゴもですか?
 もちろん歓迎です!」


心のなかで『美波ちゃんありがとう!』と思いながら、ふたりきりのデートになる事を回避できたことにほっとしつつ香織ちゃんを見ると『助かりました。ありがとうございます』という感じの視線を送ってくれてるから『結果的には良かったかな?』と思うことにしようと思う。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

恋人、はじめました。

桜庭かなめ
恋愛
 紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。  明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。  ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。 「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」 「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」  明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。  一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!  ※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)  ※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想などお待ちしています。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

処理中です...