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第178話
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◆神坂冬樹 視点◆
昨日の朝には平熱に戻っていたのだけど、インフルエンザ等感染症に伴うガイドラインで2日は自宅待機する様にとなっているので健康なのに家にいると言う状況になっていたため、教室に設置した防犯カメラを使って自主的にオンライン授業を受けることにした。
独力で勉強していても良いのだけど、やはり先生の説明を聞きながらだと理解しやすくて捗る。
また、学校の授業時間に則しているので適度に休憩を入れられるのも良いと思う。
進学校だけあって授業中に遊ぶような生徒は居ないけど休み時間はさもあらず、生徒によってはふざけている生徒が居て、性質が悪い事にスマホで動画を再生しながら美波を見て嘲るような嫌な笑い方をしている男子がいた。
あの位置からだと意図的に後ろへ回り込まないとスマホの画面を見られないし、それを理解しての行動だと思う。なんとも慣れた様子で、先週も学校で同じ様にやっていたのだろう。
性的な興味なのか自分より不幸な人間を嘲笑したいのか、それはわからないけど本人に気付かれないようにしているとは言え美波を貶めて愉しんでいる奴には制裁を加えたい・・・すぐ高梨先生やハルへ連絡して注意させたい衝動に駆られたけど、既にある程度のことを知られているとは言え、現在それを僕が知っていることを先生やハル達に明確に認識されるのは避けたい気持ちもあり、悔しくもあるけど今は先週見たという事にして注意喚起するくらいしかない。
◆神坂春華 視点◆
フユからクラスメイトの内の男子がスマホで動画を見ながら美波ちゃんのことを嘲るように振る舞っていたから注意するようにと言うメッセージが届いた。
さすがに教室でそんな事はしないだろうと思いつつも、その男子の様子を見ると背後に人が回り込みにくい位置でスマホで動画を見ながらあたし達・・・美波ちゃんのことを見ている雰囲気だった。
元々はクラスが違うし1年の時も同じクラスではなかったのでどういう生徒なのかよくわからないけど、あたしからしたらこれだけでも敵としてマークする対象だし、そもそも先週フユが連絡もせずに電車で乗り過ごし続けたのもアイツせいかもしれないと考えると非常に腹立たしい思いになった。
今はもう休み時間が終わるので、次の休み時間以降で同じ事をしていたらその瞬間を押さえて学校に突き出し処分させる。
次の休み時間になって、様子を見ているとまた同じ事をし始めたので、美波ちゃん達に断りを入れて席を立ち彼らが想像通り美波ちゃんが凌辱されていた時の動画を再生しながら美波ちゃんを見ている様子の動画をスマホの撮影機能で収めることができた。
本当は今すぐ止めさせたいけど、変に騒ぎにすると返って美波ちゃんを傷付けるかもしれないと思い今は我慢することにした。
お姉に撮影した動画を送り、この件で昼休みに職員室へ直談判しに行くと連絡したら、一緒に行ってくれると返してくれ、あと先に高梨先生にも送っておくべきと言うアドバイスもしてくれたので、高梨先生へも動画を送りつつ昼休みにお姉と職員室へ行くことを連絡した。
◆高梨百合恵 視点◆
春華さんから動画とメッセージが送られてきた。
わたしのクラスの生徒が美波さんが凌辱されていた時の動画を再生しながら美波さんを見るという悍ましい事をしている状況で、それを持って彼らへの処罰を求めるべく昼休みに夏菜さんと職員室へ来るつもりだというのだ。
恐らく女目線で絶対に許せないと言う思いがあるのだと思うけど、中にはそのくらいでと軽く見そうな男性教員もいるので変に騒ぎを起こしたと春華さんの立場が悪くなるかもしれないし、騒ぎになったことがきっかけで模倣犯が出てくる可能性まで考えると悪手でやめるべきだと思い、春華さん達へはこの件をわたしへ預けて欲しいとメッセージを送り返したら、本意を理解してくれたのかはわからないけど、一旦はわたしに任せてくれるということで、昼休みに春華さん達が職員室へ訴えに来ることは回避できた。
とは言え、猶予はあまりない。放っておいたら春華さん達の信頼を裏切ることになるし、失望されるだけならまだしもわたしに任せておけないと実力行使に出られたら春華さん達が傷付くことになりかねない。
だからと言って、良さそうな策も思い浮かばない・・・とりあえずは問題の男子から話を聞くところからでしょうか。
◆津島玲香 視点◆
先週辺りからみはるんの様子がおかしかったのだけど、今日は特におかしい。何か困ったことがあるならなんでもしてあげたいと思い講義の終わったタイミングで声を掛けた。
「みはるん。最近何か困ったことができてない?」
「ええ?玲香さん、そんな困っている風に見えますか?」
「うん。先週から気にはなっていたんだけど、今日は特に違和感の塊だよ。
アタシで良かったら協力させてもらいたいのだけど、どうかな?」
「お気持ちは嬉しいです。恐らく、玲香さんが気にしてくれたことは近日中にはっきりするはずなので、もう少し見守ってもらえればと思います。
玲香さんに相談したいこともあるのですけど、今はそれより優先しないといけないことがあるので、それがはっきりしてから改めて相談させてください」
「うん、わかった。その時はなんでもするから言ってね。
でもさ、今はひとりで対応してるの?」
「そうですね。先週まではひとりで抱えていたのですけど、頼りになる友人が寄り添ってくれているので今は大丈夫です。
このあと、その友人と一緒にはっきりさせに行くんですよ」
そう笑顔で返すみはるんを見て嫉妬した。御門違いなのはわかっているけど、みはるんに頼られる友人という存在に・・・
恐らく冬樹君なら名前を言っただろうし、別人なのだろう。普段大学ではそんな頼っている友人の影が・・・大学で一番仲が良いのはアタシだと自負できるくらい・・・ないので高校以前からの関係など学外の人間なのだろうけど嫉妬してしまう。
この後は予定がないのでみはるんの『頼りになる友人』とやらを見てやろうという気持ちになってこっそり尾行することにした。
昨日の朝には平熱に戻っていたのだけど、インフルエンザ等感染症に伴うガイドラインで2日は自宅待機する様にとなっているので健康なのに家にいると言う状況になっていたため、教室に設置した防犯カメラを使って自主的にオンライン授業を受けることにした。
独力で勉強していても良いのだけど、やはり先生の説明を聞きながらだと理解しやすくて捗る。
また、学校の授業時間に則しているので適度に休憩を入れられるのも良いと思う。
進学校だけあって授業中に遊ぶような生徒は居ないけど休み時間はさもあらず、生徒によってはふざけている生徒が居て、性質が悪い事にスマホで動画を再生しながら美波を見て嘲るような嫌な笑い方をしている男子がいた。
あの位置からだと意図的に後ろへ回り込まないとスマホの画面を見られないし、それを理解しての行動だと思う。なんとも慣れた様子で、先週も学校で同じ様にやっていたのだろう。
性的な興味なのか自分より不幸な人間を嘲笑したいのか、それはわからないけど本人に気付かれないようにしているとは言え美波を貶めて愉しんでいる奴には制裁を加えたい・・・すぐ高梨先生やハルへ連絡して注意させたい衝動に駆られたけど、既にある程度のことを知られているとは言え、現在それを僕が知っていることを先生やハル達に明確に認識されるのは避けたい気持ちもあり、悔しくもあるけど今は先週見たという事にして注意喚起するくらいしかない。
◆神坂春華 視点◆
フユからクラスメイトの内の男子がスマホで動画を見ながら美波ちゃんのことを嘲るように振る舞っていたから注意するようにと言うメッセージが届いた。
さすがに教室でそんな事はしないだろうと思いつつも、その男子の様子を見ると背後に人が回り込みにくい位置でスマホで動画を見ながらあたし達・・・美波ちゃんのことを見ている雰囲気だった。
元々はクラスが違うし1年の時も同じクラスではなかったのでどういう生徒なのかよくわからないけど、あたしからしたらこれだけでも敵としてマークする対象だし、そもそも先週フユが連絡もせずに電車で乗り過ごし続けたのもアイツせいかもしれないと考えると非常に腹立たしい思いになった。
今はもう休み時間が終わるので、次の休み時間以降で同じ事をしていたらその瞬間を押さえて学校に突き出し処分させる。
次の休み時間になって、様子を見ているとまた同じ事をし始めたので、美波ちゃん達に断りを入れて席を立ち彼らが想像通り美波ちゃんが凌辱されていた時の動画を再生しながら美波ちゃんを見ている様子の動画をスマホの撮影機能で収めることができた。
本当は今すぐ止めさせたいけど、変に騒ぎにすると返って美波ちゃんを傷付けるかもしれないと思い今は我慢することにした。
お姉に撮影した動画を送り、この件で昼休みに職員室へ直談判しに行くと連絡したら、一緒に行ってくれると返してくれ、あと先に高梨先生にも送っておくべきと言うアドバイスもしてくれたので、高梨先生へも動画を送りつつ昼休みにお姉と職員室へ行くことを連絡した。
◆高梨百合恵 視点◆
春華さんから動画とメッセージが送られてきた。
わたしのクラスの生徒が美波さんが凌辱されていた時の動画を再生しながら美波さんを見るという悍ましい事をしている状況で、それを持って彼らへの処罰を求めるべく昼休みに夏菜さんと職員室へ来るつもりだというのだ。
恐らく女目線で絶対に許せないと言う思いがあるのだと思うけど、中にはそのくらいでと軽く見そうな男性教員もいるので変に騒ぎを起こしたと春華さんの立場が悪くなるかもしれないし、騒ぎになったことがきっかけで模倣犯が出てくる可能性まで考えると悪手でやめるべきだと思い、春華さん達へはこの件をわたしへ預けて欲しいとメッセージを送り返したら、本意を理解してくれたのかはわからないけど、一旦はわたしに任せてくれるということで、昼休みに春華さん達が職員室へ訴えに来ることは回避できた。
とは言え、猶予はあまりない。放っておいたら春華さん達の信頼を裏切ることになるし、失望されるだけならまだしもわたしに任せておけないと実力行使に出られたら春華さん達が傷付くことになりかねない。
だからと言って、良さそうな策も思い浮かばない・・・とりあえずは問題の男子から話を聞くところからでしょうか。
◆津島玲香 視点◆
先週辺りからみはるんの様子がおかしかったのだけど、今日は特におかしい。何か困ったことがあるならなんでもしてあげたいと思い講義の終わったタイミングで声を掛けた。
「みはるん。最近何か困ったことができてない?」
「ええ?玲香さん、そんな困っている風に見えますか?」
「うん。先週から気にはなっていたんだけど、今日は特に違和感の塊だよ。
アタシで良かったら協力させてもらいたいのだけど、どうかな?」
「お気持ちは嬉しいです。恐らく、玲香さんが気にしてくれたことは近日中にはっきりするはずなので、もう少し見守ってもらえればと思います。
玲香さんに相談したいこともあるのですけど、今はそれより優先しないといけないことがあるので、それがはっきりしてから改めて相談させてください」
「うん、わかった。その時はなんでもするから言ってね。
でもさ、今はひとりで対応してるの?」
「そうですね。先週まではひとりで抱えていたのですけど、頼りになる友人が寄り添ってくれているので今は大丈夫です。
このあと、その友人と一緒にはっきりさせに行くんですよ」
そう笑顔で返すみはるんを見て嫉妬した。御門違いなのはわかっているけど、みはるんに頼られる友人という存在に・・・
恐らく冬樹君なら名前を言っただろうし、別人なのだろう。普段大学ではそんな頼っている友人の影が・・・大学で一番仲が良いのはアタシだと自負できるくらい・・・ないので高校以前からの関係など学外の人間なのだろうけど嫉妬してしまう。
この後は予定がないのでみはるんの『頼りになる友人』とやらを見てやろうという気持ちになってこっそり尾行することにした。
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