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第179話
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◆岸元美晴 視点◆
午前中で予定通り大学の用事は終わったので、玲香さんに別れを告げてみゆきさんとの待ち合わせ場所へ向かった。
約束の時間まで少し早かったけどカフェへ行って待つほどではないので病院の最寄り駅の改札を出てすぐの待ち合わせた目印の場所で待つことにした。
「美晴ちゃん、おまたせ~」
約束の時間の3分前くらいになって、みゆきさんが声を掛けてきてくれたのでそちらを振り向いたらみゆきさんの隣に玲香さんが居た。
「すみません、今日はわざわざありがとうございます。
ところで、玲香さんはどうしてここに?」
「この娘、やっぱり美晴ちゃんの知り合いだったのね。
ちょっと前に着いてたんだけど、この娘がずっと美晴ちゃんの事を見てたからストーカーかと思って声を掛けたの」
「ごめん、みはるん・・・みはるんがさっき言った『頼りになる友人』が気になってひと目見てみたくて尾行てきちゃった・・・」
「何あなた、美晴ちゃんの友達が気になってって・・・美晴ちゃんも面白い娘と友達なのね」
「はい・・・付き合いが深まったのは最近なのですけど、今大学で一番仲良くさせてもらっています。
紹介しますね。こちら同じ大学で学部と学科も同じで取っている講義も同じものが多い津島玲香さん。
玲香さん、こちらが私の友人の赤堀みゆきさんです」
「玲香ちゃんね、私のことは美晴ちゃんも呼んでくれている感じでみゆきで良いわ。私も美晴ちゃんと仲良くなったのは割りと最近なんだけど、お家に居候させてもらっていたり他にも色々と妙な距離の詰め方をしてるのもあって信頼してるんだ」
「先程はお見苦しいところをお見せしました・・・改めまして、津島です。みはるんの人間性も容姿も大好きなのでつい嫉妬してしまいました」
「そうよね。美晴ちゃんはいい子だし、大好きになっちゃうわよね。気が合いそうね」
「はい・・・それでなんだけど、みはるん。アタシも一緒についていって良い?」
玲香さんは仲良しの友達が他の友達と仲良くすることに嫉妬する小学生みたいな気持ちでついていきたいみたいだし、どうせ白黒はっきりしたら伝えるつもりのことなのでそのことは構わないのだけど、みゆきさんと先約があるので・・・と、みゆきさんを見ると私の判断で決めれば良いと言った雰囲気で玲香さんへの返答を見守ってくれている。
「私は構いませんけど、みゆきさんは良いですか?」
「私こそ構わないわよ。そもそも美晴ちゃんにしてもらったことを返したいのが一番なのだし」
「ありがとうございます。では、玲香さん。どのくらい時間がかかるかわかりませんけど、大丈夫ですか?」
「もちろん!むしろ、急に押し掛けたのにありがとう。それと、ごめん!」
玲香さんは私の返答に嬉しそうに応じた後、申し訳無さそうに謝罪の言葉を続けた。
私へ向ける愛が重い気がしないでもないけど、根が明るくて気持ちが良い人だし悪い気はしない。むしろ、これから妊娠しているかの検査へ臨む前の不安な気持ちが和らいだので良かったと思う。
「ええっ?みはるん、妊娠したの?」
目的地である産婦人科の病院へ着くと驚くように尋ねてきた。
「それをはっきりさせるために来たのですけど、検査薬では陽性でした」
「って、相手は・・・彼しかいないよね」
「そうです。他の人などありえないです」
「しっかし、ずいぶんと進んでるねぇ・・・オネエチャンビックリシタヨ」
「オネエチャンモビックリシタヨ」
「ふたりして急にカタコトで煽ってこないでください!」
◆赤堀みゆき 視点◆
「私も身長は低いから、ちっちゃくて可愛いという感覚はないけど、美晴ちゃんは性格が可愛いとは思っているわね」
美晴ちゃんが検査でいなくなり、待合室でさっき知り合ったばかりの玲香ちゃんとふたりきりになったけど、美晴ちゃんが好きという共通点があるのもあって話題に困ることはなかったし、そもそも社交的な様で話していて嫌な気持ちにもならずにいられる。
「見た目が若々しいですし、とても30代に見えなかったですよ。第一印象はアタシ達より少し上くらいかなって思いました」
「まぁ、私も美晴ちゃんと同じでちっちゃい方だしね。ピアノ教室でもよく若いからって年配の人には敬遠されやすいわよ。逆に小学生とかこどもには警戒されにくいからやりやすかったりするけど」
「アタシも小学の時はピアノを習ってましたけど、如何にも芸術家って感じの怖い先生でそれが嫌で辞めちゃったから、みゆきさんみたいな先生だったら嬉しいと思いますよ」
「そう言ってもらえるのは嬉しいわね。キッカケが親御さんだったとしてもせっかく習うのだから、どうせなら大人になっても続けたいと思ってもらいたいものね。怖いと思わせちゃうのは論外よ」
玲香ちゃんは最難関と言われる大学の生徒だけあって頭の回転も早く話題の振り方も巧いし、するすると私の情報を引き出していくので危うく私が冬樹に襲いかかってしまったことを告白してしまいそうになったりもした・・・流石にそれを初対面の彼女に知られるのは気不味いので、ちゃんと回避できて良かった。
玲香ちゃんと話をしている内に美晴ちゃんが戻ってきた。
「・・・妊娠してました」
「おめでとう!考えることは多いでしょうけど、私も協力するから頑張りましょう」
「みはるん、おめでとう。みゆきさんの言う通り大変なこともあると思うけど、力になるからね」
「ありがとうございます。どんな問題も絶対に乗り越えてこの子を無事に産みます」
会計を待っている間に冬樹や他の人に伝えるのはどうするのかという話をしたら、まずは帰ってすぐに冬樹に伝えて家族や他の人へは相談して決めるということだった。
「美晴ちゃんさ、冬樹へ伝えるのに一緒に行こうか?」
「えーと、はい、側にいていただけると助かります」
「アタシも行って良い?」
「もちろん、玲香さんも居てくださったら心強いです。
覚悟を決めててもやっぱり怖いですから・・・」
午前中で予定通り大学の用事は終わったので、玲香さんに別れを告げてみゆきさんとの待ち合わせ場所へ向かった。
約束の時間まで少し早かったけどカフェへ行って待つほどではないので病院の最寄り駅の改札を出てすぐの待ち合わせた目印の場所で待つことにした。
「美晴ちゃん、おまたせ~」
約束の時間の3分前くらいになって、みゆきさんが声を掛けてきてくれたのでそちらを振り向いたらみゆきさんの隣に玲香さんが居た。
「すみません、今日はわざわざありがとうございます。
ところで、玲香さんはどうしてここに?」
「この娘、やっぱり美晴ちゃんの知り合いだったのね。
ちょっと前に着いてたんだけど、この娘がずっと美晴ちゃんの事を見てたからストーカーかと思って声を掛けたの」
「ごめん、みはるん・・・みはるんがさっき言った『頼りになる友人』が気になってひと目見てみたくて尾行てきちゃった・・・」
「何あなた、美晴ちゃんの友達が気になってって・・・美晴ちゃんも面白い娘と友達なのね」
「はい・・・付き合いが深まったのは最近なのですけど、今大学で一番仲良くさせてもらっています。
紹介しますね。こちら同じ大学で学部と学科も同じで取っている講義も同じものが多い津島玲香さん。
玲香さん、こちらが私の友人の赤堀みゆきさんです」
「玲香ちゃんね、私のことは美晴ちゃんも呼んでくれている感じでみゆきで良いわ。私も美晴ちゃんと仲良くなったのは割りと最近なんだけど、お家に居候させてもらっていたり他にも色々と妙な距離の詰め方をしてるのもあって信頼してるんだ」
「先程はお見苦しいところをお見せしました・・・改めまして、津島です。みはるんの人間性も容姿も大好きなのでつい嫉妬してしまいました」
「そうよね。美晴ちゃんはいい子だし、大好きになっちゃうわよね。気が合いそうね」
「はい・・・それでなんだけど、みはるん。アタシも一緒についていって良い?」
玲香さんは仲良しの友達が他の友達と仲良くすることに嫉妬する小学生みたいな気持ちでついていきたいみたいだし、どうせ白黒はっきりしたら伝えるつもりのことなのでそのことは構わないのだけど、みゆきさんと先約があるので・・・と、みゆきさんを見ると私の判断で決めれば良いと言った雰囲気で玲香さんへの返答を見守ってくれている。
「私は構いませんけど、みゆきさんは良いですか?」
「私こそ構わないわよ。そもそも美晴ちゃんにしてもらったことを返したいのが一番なのだし」
「ありがとうございます。では、玲香さん。どのくらい時間がかかるかわかりませんけど、大丈夫ですか?」
「もちろん!むしろ、急に押し掛けたのにありがとう。それと、ごめん!」
玲香さんは私の返答に嬉しそうに応じた後、申し訳無さそうに謝罪の言葉を続けた。
私へ向ける愛が重い気がしないでもないけど、根が明るくて気持ちが良い人だし悪い気はしない。むしろ、これから妊娠しているかの検査へ臨む前の不安な気持ちが和らいだので良かったと思う。
「ええっ?みはるん、妊娠したの?」
目的地である産婦人科の病院へ着くと驚くように尋ねてきた。
「それをはっきりさせるために来たのですけど、検査薬では陽性でした」
「って、相手は・・・彼しかいないよね」
「そうです。他の人などありえないです」
「しっかし、ずいぶんと進んでるねぇ・・・オネエチャンビックリシタヨ」
「オネエチャンモビックリシタヨ」
「ふたりして急にカタコトで煽ってこないでください!」
◆赤堀みゆき 視点◆
「私も身長は低いから、ちっちゃくて可愛いという感覚はないけど、美晴ちゃんは性格が可愛いとは思っているわね」
美晴ちゃんが検査でいなくなり、待合室でさっき知り合ったばかりの玲香ちゃんとふたりきりになったけど、美晴ちゃんが好きという共通点があるのもあって話題に困ることはなかったし、そもそも社交的な様で話していて嫌な気持ちにもならずにいられる。
「見た目が若々しいですし、とても30代に見えなかったですよ。第一印象はアタシ達より少し上くらいかなって思いました」
「まぁ、私も美晴ちゃんと同じでちっちゃい方だしね。ピアノ教室でもよく若いからって年配の人には敬遠されやすいわよ。逆に小学生とかこどもには警戒されにくいからやりやすかったりするけど」
「アタシも小学の時はピアノを習ってましたけど、如何にも芸術家って感じの怖い先生でそれが嫌で辞めちゃったから、みゆきさんみたいな先生だったら嬉しいと思いますよ」
「そう言ってもらえるのは嬉しいわね。キッカケが親御さんだったとしてもせっかく習うのだから、どうせなら大人になっても続けたいと思ってもらいたいものね。怖いと思わせちゃうのは論外よ」
玲香ちゃんは最難関と言われる大学の生徒だけあって頭の回転も早く話題の振り方も巧いし、するすると私の情報を引き出していくので危うく私が冬樹に襲いかかってしまったことを告白してしまいそうになったりもした・・・流石にそれを初対面の彼女に知られるのは気不味いので、ちゃんと回避できて良かった。
玲香ちゃんと話をしている内に美晴ちゃんが戻ってきた。
「・・・妊娠してました」
「おめでとう!考えることは多いでしょうけど、私も協力するから頑張りましょう」
「みはるん、おめでとう。みゆきさんの言う通り大変なこともあると思うけど、力になるからね」
「ありがとうございます。どんな問題も絶対に乗り越えてこの子を無事に産みます」
会計を待っている間に冬樹や他の人に伝えるのはどうするのかという話をしたら、まずは帰ってすぐに冬樹に伝えて家族や他の人へは相談して決めるということだった。
「美晴ちゃんさ、冬樹へ伝えるのに一緒に行こうか?」
「えーと、はい、側にいていただけると助かります」
「アタシも行って良い?」
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覚悟を決めててもやっぱり怖いですから・・・」
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