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第197話
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◆岸元美波 視点◆
昨日は『凪沙さんが怪我をして病院で処置をしてもらったものの、意識が戻らない』という連絡をもらってからずっと心配をしていた。
就寝時間になっても連絡がなかったので、申し訳ないと思いつつも鷺ノ宮君のお姉さんへ質問のメッセージを送り『まだ意識が戻っていません』という返答で不安が膨らんでしまい、ぐっすり眠れなかった・・・
そんな状況で眠りが浅かったせいで起きたのは昼過ぎになってからだった。
スマホの目覚ましアラームをセットしていたものの、無意識のうちに止めてしまっていたようだ。
テスト勉強をするつもりで特別な予定を入れていなかった日曜日なので問題はないけれど、さすがにちょっと寝坊が過ぎたように思う。
そして、鷺ノ宮君のお姉さんから連絡がないかとスマホを確認したらメッセージが入っていた。
【病院から凪沙さんが目を覚ましたという連絡をもらいました】
【わたしはこれから病院へ行って凪沙さんの様子を見てきます】
【病院で詳しいことがわかったらまた連絡します】
詳細はわからないけど目を覚ましたというのはホッとした。お見舞いに行って凪沙さんの顔を見たいけど、迷惑にならないだろうか?という不安もある。
とりあえず、お姉さんから追加の連絡が来たらその時に相談させてもらおうと思う。
続いて、メッセージアプリに着信していた岸元姉妹と神坂姉弟妹の5人が登録されているグループを見ると、お姉ちゃんから凪沙さんについて鷺ノ宮君のお姉さんから連絡があった事を共有していた。
内容はわたしがもらったものと同じで、それに加えて美波も同じ連絡をもらっているはずだから、続報については美波が先に共有するかもしれないという説明も書かれていた。
わたしはグループへ『お見舞いに行きたいけど、行っても大丈夫かな?』と書き込んだら、夏菜お姉ちゃんと冬樹が鷺ノ宮君のお姉さんに迷惑になるだろうから我慢するようにと書いてきた一方で、春華ちゃんとお姉ちゃんは迷惑をかけて申し訳ないけれどと尋ねるのは良いのではないかと返してくれた。
ここは2対2なので、わたしの気持ちで3票にして鷺ノ宮君のお姉さんから次の連絡あって問題がなさそうなら打診をしてみようと思った。
遅すぎるブランチを食べ終えてから、勉強しようと机へ向かったものの凪沙さんの事が気になってしまい捗らないので、春華ちゃんや夏菜お姉ちゃんと一緒に勉強しようと思って勉強道具を持って神坂家へ行こうと思ったら、スマホが通話着信した。
「はい、岸元です」
『お電話では初めましてになります、鷺ノ宮と申します。
お休みのところすみません、今お話しても大丈夫でしょうか?』
「いえ、こちらからお願いしていましたし、わざわざ連絡していただいてありがとうございます。
通話はもちろん大丈夫です」
『ありがとうございます。先程病院へ着いて凪沙さんに会ったのですが、最近の記憶を失ってしまっているようでして・・・
医師が仰るには、脳に衝撃を受けたことが原因で記憶喪失の一種である一過性全健忘になってしまっているのではないかということです』
「記憶・・・喪失ですか?
それはどのくらい前まで・・・?」
『はっきりとはわからないのですけど、少なくとも私の事は認識してくれませんでした』
「それは、言いづらいことをすみません・・・」
『いえいえ、事実ですから、岸元さんこそ気遣ってくれてありがとうございます。
それで、お願いになるのですけど・・・凪沙さんが今言った状況なので、いつまでの記憶があっていつからの記憶がないのか、あるいは時期に関係なく記憶が失われてしまっているところがあるのかなどの確認をするのに協力をしていただけないかと言うのがお願いになります』
「もちろん協力させてもらいます。むしろ協力させてください・・・でも、さすがに冬樹や春華ちゃんに協力のお願いは言いづらいです」
『当然、無理はして欲しくないです。他に高梨先生が凪沙さんの事を気にしてくれていて、状況が分かる前からお見舞いに来てくださると連絡をくださっていたので、病院へお見えになったら改めてお願いしようと思っていますし、すぐに好転しないようなら鷺ノ宮の隆史にも協力させようと連絡だけはしています』
「状況はだいたいわかりました。支度をしてすぐに病院へ向かいます」
昨日は『凪沙さんが怪我をして病院で処置をしてもらったものの、意識が戻らない』という連絡をもらってからずっと心配をしていた。
就寝時間になっても連絡がなかったので、申し訳ないと思いつつも鷺ノ宮君のお姉さんへ質問のメッセージを送り『まだ意識が戻っていません』という返答で不安が膨らんでしまい、ぐっすり眠れなかった・・・
そんな状況で眠りが浅かったせいで起きたのは昼過ぎになってからだった。
スマホの目覚ましアラームをセットしていたものの、無意識のうちに止めてしまっていたようだ。
テスト勉強をするつもりで特別な予定を入れていなかった日曜日なので問題はないけれど、さすがにちょっと寝坊が過ぎたように思う。
そして、鷺ノ宮君のお姉さんから連絡がないかとスマホを確認したらメッセージが入っていた。
【病院から凪沙さんが目を覚ましたという連絡をもらいました】
【わたしはこれから病院へ行って凪沙さんの様子を見てきます】
【病院で詳しいことがわかったらまた連絡します】
詳細はわからないけど目を覚ましたというのはホッとした。お見舞いに行って凪沙さんの顔を見たいけど、迷惑にならないだろうか?という不安もある。
とりあえず、お姉さんから追加の連絡が来たらその時に相談させてもらおうと思う。
続いて、メッセージアプリに着信していた岸元姉妹と神坂姉弟妹の5人が登録されているグループを見ると、お姉ちゃんから凪沙さんについて鷺ノ宮君のお姉さんから連絡があった事を共有していた。
内容はわたしがもらったものと同じで、それに加えて美波も同じ連絡をもらっているはずだから、続報については美波が先に共有するかもしれないという説明も書かれていた。
わたしはグループへ『お見舞いに行きたいけど、行っても大丈夫かな?』と書き込んだら、夏菜お姉ちゃんと冬樹が鷺ノ宮君のお姉さんに迷惑になるだろうから我慢するようにと書いてきた一方で、春華ちゃんとお姉ちゃんは迷惑をかけて申し訳ないけれどと尋ねるのは良いのではないかと返してくれた。
ここは2対2なので、わたしの気持ちで3票にして鷺ノ宮君のお姉さんから次の連絡あって問題がなさそうなら打診をしてみようと思った。
遅すぎるブランチを食べ終えてから、勉強しようと机へ向かったものの凪沙さんの事が気になってしまい捗らないので、春華ちゃんや夏菜お姉ちゃんと一緒に勉強しようと思って勉強道具を持って神坂家へ行こうと思ったら、スマホが通話着信した。
「はい、岸元です」
『お電話では初めましてになります、鷺ノ宮と申します。
お休みのところすみません、今お話しても大丈夫でしょうか?』
「いえ、こちらからお願いしていましたし、わざわざ連絡していただいてありがとうございます。
通話はもちろん大丈夫です」
『ありがとうございます。先程病院へ着いて凪沙さんに会ったのですが、最近の記憶を失ってしまっているようでして・・・
医師が仰るには、脳に衝撃を受けたことが原因で記憶喪失の一種である一過性全健忘になってしまっているのではないかということです』
「記憶・・・喪失ですか?
それはどのくらい前まで・・・?」
『はっきりとはわからないのですけど、少なくとも私の事は認識してくれませんでした』
「それは、言いづらいことをすみません・・・」
『いえいえ、事実ですから、岸元さんこそ気遣ってくれてありがとうございます。
それで、お願いになるのですけど・・・凪沙さんが今言った状況なので、いつまでの記憶があっていつからの記憶がないのか、あるいは時期に関係なく記憶が失われてしまっているところがあるのかなどの確認をするのに協力をしていただけないかと言うのがお願いになります』
「もちろん協力させてもらいます。むしろ協力させてください・・・でも、さすがに冬樹や春華ちゃんに協力のお願いは言いづらいです」
『当然、無理はして欲しくないです。他に高梨先生が凪沙さんの事を気にしてくれていて、状況が分かる前からお見舞いに来てくださると連絡をくださっていたので、病院へお見えになったら改めてお願いしようと思っていますし、すぐに好転しないようなら鷺ノ宮の隆史にも協力させようと連絡だけはしています』
「状況はだいたいわかりました。支度をしてすぐに病院へ向かいます」
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