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第225話
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◆佐々木雷斗 視点◆
高校の頃から原作が好きでずっと読んでいたラノベがアニメ化し、年明けの冬クールに放送されるという情報を見た時は中高のガッツリオタクをしていた頃の気持ちが蘇ってガッツポーズをしたほどだった。
しかも、俺が一番好きなキャラには俺が高校に上がってすぐの頃にデビュー作でハマって以来ずっとファンでいる藤堂佳さんが担当すると言うことで放送がますます楽しみになっていた。
先行上映会の情報が出てきた時にはメインヒロイン役の金沢朱乃さんと愛島唄ちゃんの二人だけだったから、興味はあったものの放送開始まで待てば良いと思って上映会まで行く必要ないと思っていた・・・しかし、チケットの抽選販売の締め切りの後になって追加で佳さんの登壇が発表され、それなら行きたかったという想いが込み上げ、中学の頃からのオタク友達である栗山の家で愚痴ったものだった。
その1週間後に栗山の妹の優希ちゃん・・・俺に好意を持ってくれてる様だけど、俺と優希ちゃんでは年齢差があるし、高校大学と環境が変われば同世代の男に目が向くだろうと気付かない振りをしている・・・が、高校の先輩から上映会のチケットを譲ってもらったから一緒に観に行かないかと誘ってくれたので、その厚意に甘えて一緒に観に来たのが今だ。
先行上映の2話までには佳さんのキャラは登場してないけど、登壇に合わせて少しだけ先行で初登場の場面の切り抜きを上映して、それが想像以上にハマっていて、これをいち早く観ることができ、更に生で佳さんが意気込みやキャラについて思っていることを語っているのを聞くことができて、本当に良かったと思っている。
問題は隣の席に座っている優希ちゃんのそのまた隣りに座っている岸元ちゃんだ・・・優希ちゃんにチケットを譲ってくれた先輩というのは岸元ちゃんのカレシではないみたいだけど、一緒のグループだというのだから何か知らされているかもしれない・・・優希ちゃんが譲ってもらう時に俺が観たいからと言って譲ってもらったと言ったらしいし、そう言った話も共有されているかもしれない。
いや、この際俺がオタクなのはバレても良い。岸元ちゃんは良識があるからお願いするまでもなく俺がオタクだと大学で吹聴する様なことはしないだろう・・・でも、俺の意志がどうであれ優希ちゃんと二人でデートのような事をしていたのは事実で、それをアキラに言われてしまう可能性は否めない。せっかくアキラと付き合い始めたこのタイミングで関係に亀裂が入るようなことは避けたい。
趣味は告白したものの、まだ見栄もありオタク活動することをアキラに言いたくなくて黙って来たのは本当に良くなかった。岸元ちゃんからアキラへ伝わってしまったらどんな風に思われるのかと考えると怖い。
上映会が終わったらすぐに岸元ちゃんに声を掛けてアキラへ伝わらないようにお願いしたいと思っていたけど、上映会が終わるとすぐに席を立ってカレシと去ってしまった。
優希ちゃんに先輩へ挨拶しないで良いのかと問うと、事前に『今日は仲間内で行動しているから合流したり連絡したりしないで良いよ』と言われていたという。むしろ、こんな貴重なイベントのチケットを用意してもらっていて優希ちゃんをないがしろにするわけにもいかないし、岸元ちゃんにお願いするために引き止めることもできずに劇場を後にすることになった。
その後も、岸元ちゃんにアプリでメッセージを送ろうか迷ったけど、変にメッセージでやり取りすると思わぬ誤解を招きかねないと考えそれも躊躇した。
◆松本明良 視点◆
雷斗さんからメッセージアプリの連絡があった。
理由は書いてないので何でなのかわからないけど、近い内に会って謝らせて欲しいとのこと。更にもしかすると美晴さんから何か聞かされるかもしれないけど、会ってちゃんと釈明させて欲しいという。
そして、その少し後に美晴さんから連絡があって、今日美晴さんが行っていたアニメの上映会イベントで美晴さんが雷斗さんと会ったらしく、しかも雷斗さんは冬樹君の高校の後輩の女の子と一緒に居たという事で、一度ちゃんと話し合うべきではないかと言ってくれている。
感情としては付き合い始めたこのタイミングにこの様な流れで知るのは面白くないけど、あらかじめ約束していた事の様に思うし、謝りたいと言ってくれているのだからとりあえず話を聞いてみようと思う。
高校の頃から原作が好きでずっと読んでいたラノベがアニメ化し、年明けの冬クールに放送されるという情報を見た時は中高のガッツリオタクをしていた頃の気持ちが蘇ってガッツポーズをしたほどだった。
しかも、俺が一番好きなキャラには俺が高校に上がってすぐの頃にデビュー作でハマって以来ずっとファンでいる藤堂佳さんが担当すると言うことで放送がますます楽しみになっていた。
先行上映会の情報が出てきた時にはメインヒロイン役の金沢朱乃さんと愛島唄ちゃんの二人だけだったから、興味はあったものの放送開始まで待てば良いと思って上映会まで行く必要ないと思っていた・・・しかし、チケットの抽選販売の締め切りの後になって追加で佳さんの登壇が発表され、それなら行きたかったという想いが込み上げ、中学の頃からのオタク友達である栗山の家で愚痴ったものだった。
その1週間後に栗山の妹の優希ちゃん・・・俺に好意を持ってくれてる様だけど、俺と優希ちゃんでは年齢差があるし、高校大学と環境が変われば同世代の男に目が向くだろうと気付かない振りをしている・・・が、高校の先輩から上映会のチケットを譲ってもらったから一緒に観に行かないかと誘ってくれたので、その厚意に甘えて一緒に観に来たのが今だ。
先行上映の2話までには佳さんのキャラは登場してないけど、登壇に合わせて少しだけ先行で初登場の場面の切り抜きを上映して、それが想像以上にハマっていて、これをいち早く観ることができ、更に生で佳さんが意気込みやキャラについて思っていることを語っているのを聞くことができて、本当に良かったと思っている。
問題は隣の席に座っている優希ちゃんのそのまた隣りに座っている岸元ちゃんだ・・・優希ちゃんにチケットを譲ってくれた先輩というのは岸元ちゃんのカレシではないみたいだけど、一緒のグループだというのだから何か知らされているかもしれない・・・優希ちゃんが譲ってもらう時に俺が観たいからと言って譲ってもらったと言ったらしいし、そう言った話も共有されているかもしれない。
いや、この際俺がオタクなのはバレても良い。岸元ちゃんは良識があるからお願いするまでもなく俺がオタクだと大学で吹聴する様なことはしないだろう・・・でも、俺の意志がどうであれ優希ちゃんと二人でデートのような事をしていたのは事実で、それをアキラに言われてしまう可能性は否めない。せっかくアキラと付き合い始めたこのタイミングで関係に亀裂が入るようなことは避けたい。
趣味は告白したものの、まだ見栄もありオタク活動することをアキラに言いたくなくて黙って来たのは本当に良くなかった。岸元ちゃんからアキラへ伝わってしまったらどんな風に思われるのかと考えると怖い。
上映会が終わったらすぐに岸元ちゃんに声を掛けてアキラへ伝わらないようにお願いしたいと思っていたけど、上映会が終わるとすぐに席を立ってカレシと去ってしまった。
優希ちゃんに先輩へ挨拶しないで良いのかと問うと、事前に『今日は仲間内で行動しているから合流したり連絡したりしないで良いよ』と言われていたという。むしろ、こんな貴重なイベントのチケットを用意してもらっていて優希ちゃんをないがしろにするわけにもいかないし、岸元ちゃんにお願いするために引き止めることもできずに劇場を後にすることになった。
その後も、岸元ちゃんにアプリでメッセージを送ろうか迷ったけど、変にメッセージでやり取りすると思わぬ誤解を招きかねないと考えそれも躊躇した。
◆松本明良 視点◆
雷斗さんからメッセージアプリの連絡があった。
理由は書いてないので何でなのかわからないけど、近い内に会って謝らせて欲しいとのこと。更にもしかすると美晴さんから何か聞かされるかもしれないけど、会ってちゃんと釈明させて欲しいという。
そして、その少し後に美晴さんから連絡があって、今日美晴さんが行っていたアニメの上映会イベントで美晴さんが雷斗さんと会ったらしく、しかも雷斗さんは冬樹君の高校の後輩の女の子と一緒に居たという事で、一度ちゃんと話し合うべきではないかと言ってくれている。
感情としては付き合い始めたこのタイミングにこの様な流れで知るのは面白くないけど、あらかじめ約束していた事の様に思うし、謝りたいと言ってくれているのだからとりあえず話を聞いてみようと思う。
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