学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた

したらき

文字の大きさ
224 / 252

第224話

しおりを挟む
岸元美晴きしもとみはる 視点◆

冬樹ふゆきくん達とアニメの先行上映会を観るために劇場までやってきた。

冬樹たちのクラスメイトとは現地集合にしていたけど、私たち家が近い兄弟姉妹と幸博ゆきひろ君は一緒に向かった。


「ハルカ!久しぶりです!」


「久しぶりって1週間じゃん」


「1週間でも長いですよ」


まず留学生のクラスメイトというローラン君と合流し、春華はるかちゃんが熱烈なアプローチを受けて応対していたら幸博君は気が気でなさそうな雰囲気になった・・・さすがに冬樹くん一筋の私から見ても留学生の彼はカッコよく見えるし、当然かも知れない。

次に合流した新谷しんたに君というクラスメイトもローラン君ほどではないにせよ春華ちゃんへの好意を伺わせる対応で、やはり幸博君は焦っている。


最後のひとりのクラスメイトが到着した時に驚いた。


「お姉さん!どうしてこちらに?」


江藤えとう君、美晴さんのこと知ってるの?」


江藤君と呼ばれた彼は、冬樹くんと連絡が取れなくなってしまった1件で私が夜遅く外に居たために酔っ払いに絡まれてしまっていたところ助けてくれた男の子だった。


「この男の子はね、私がこのあいだ酔っ払い絡まれてしまっていた時に助けてくれたの。
 まさか冬樹くん達のクラスメイトだったのね」


「はい、神坂かみさか君達のクラスへ転校してきた江藤と言います。
 お姉さんとお会いできて良かったです。もう会えないかと思っていたので」


「確かにそうよね。連絡先を交換したわけでもなかったし、すごい偶然よね」


「江藤君、感動の再会をしているところ悪いんだけど、美晴お姉はフユと付き合ってるからね」


「え!そうなんですか!?」


「うん、そうなの・・・少し歳の差があるから世間の目が気になるし、秘密にしておいてね」


「・・・はい」


春華ちゃんが唐突に私と冬樹くんが付き合っていることを説明してくれた流れで秘密にして欲しいとお願いをさせてもらった。



上映開始までまだ少し時間があったのでロビーで話しながら時間調整をしていた。

春華ちゃんから私達の他に学校の後輩の女の子とそのお兄さんのお友達が来るけど、後輩の女の子には既にチケットを渡しているから座席で合流することになるとだろうという説明を受けた。

そして、私達は作品や登壇される声優さんに強い興味があるわけではないので前の方の席は春華ちゃん達へ譲り、少しだけ後ろの席になる後輩の女の子ペアと隣同士になる座席のチケットをもらった。



上映時間が近くなり、劇場内へ入り座席に着こうとしたところで意外な人を見掛けた。


「あれ?佐々木ささき先輩じゃないですか?」


「き、岸元ちゃん?」


「美晴さん、こちらの方はお知り合いですか?」


佐々木先輩がいらっしゃってその隣が高校生っぽい女の子なので、春華ちゃんがチケットを譲った後輩の女の子なのだろうと思う。そして、その女の子は私へ対して強い警戒をしてる・・・恐らく、この女の子は佐々木先輩が好きで誘ったのに、その先輩の知り合いに遭遇したためにどんな関係なのか気になってしまっているのだろうなと思う。


「そうだよ、冬樹くん。大学の先輩で最近色々とご縁がある方なの。例のリフォームで業者さんを紹介してくれたのもこの佐々木先輩だよ」


「岸元ちゃんのカレシが歳下っていうのは聞いてたけど、ずいぶん若そうだね」


「神坂先輩、そちらの岸元さんとおっしゃる方の彼氏さんなのですか?」


先輩の連れの女の子が心配事を解消できそうなキーワードを聞いて質問をしてきた。


「うん、そうだよ。ちょっとだけ年の差があって今は微妙だから口外しないでもらえると嬉しいかな」


「はい!わかりました!」


冬樹くんは先輩の連れの女の子に口止めをして、その返答に喜色が混じっているのは私が先輩と色恋の関係でないと知って嬉しかったからだと思うけど、現実を知る身としては少し申し訳ない気持ちになる。


優希ゆうきちゃんの先輩って事は高校生か?」


「はい、そちらの栗山くりやまさんと同じ高校の2年で神坂と申します」


次いで佐々木先輩が冬樹くんに質問をして、補完するように冬樹くんが自己紹介をした。


その流れでそれぞれの名前を自己紹介したところで、上映会が始まったため会話は打ち切った。

それにしても、栗山さんがお兄さんのお友達を誘ったと聞いていたけど、佐々木先輩はどうして栗山さんに誘われてこの上映会に来たのでしょうか?



◆江藤しゅん 視点◆

もう会えないかと思っていたあのお姉さんに再会することができたし、何なら岸元さんのお姉さんだという素性まで知れたのは良かったと思う。

しかし、まさか冬樹と付き合っているとは・・・生まれた時から隣同士に住んでいる幼馴染みという事だから付き合いの深さは相当なものだろうし、俺が割って入れないような強固な結びつきがあるのだろう・・・付き合いはまだまだ短いけど冬樹が良い奴なのはわかっているし、お姉さん・・・美晴さんもきっと幸せになれるのだろうから俺の恋心はそっと散らそうと思う。



それにしても、北海道にいた時は周囲に全然アニメとかに興味を持っている友人がいなかったのもあって興味を持たなかったけど、いざ見てみるととても面白い。春華さんやローランがハマっているのも頷ける。


そして、アニメの先行上映が終わって出演声優のトークショーが始まって驚いた。

愛島唄あいしまうたと言う声優は大人びていて、事前に春華さん達から聞いていたけど俺と同い年とは思えないくらい凛としていて、また時折見せる笑顔がとても魅力的だ。

アニメの声優に対して不純かもしれないけど、大人びていてしかも美人な愛島唄さんに大変興味を持った・・・俺の失恋を癒すのにファン活動をしてみるのも良いかと思った。

上映会が終わったら春華さんやローランから詳しく教えてもらおうと思う。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

恋人、はじめました。

桜庭かなめ
恋愛
 紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。  明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。  ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。 「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」 「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」  明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。  一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!  ※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)  ※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想などお待ちしています。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

処理中です...