223 / 252
第223話
しおりを挟む
◆神坂冬樹 視点◆
クリスマスが過ぎ、僕らの引っ越しも鷺ノ宮那奈さん達の引っ越しも予定通り問題なく行われた。
僕らの引っ越しの翌日にハル達が顔を出してくれて、その時一緒に来ていた幸博君と美晴さんとを互いに紹介した。美晴さんもすぐに幸博君がハルへ対して思慕の情を持っていることを見抜いて微笑ましく思ったらしく、やはりわかりやすいのだなと思った。
その際に話題にあがったアニメの上映会のチケットを幸博君が2枚持っていて1枚余るという話をし、それに対して美晴さんが行きたいと言ったので譲ってもらうことになり美晴さんも行くことになった。妊婦である美晴さんが人の多いところへ行く事は少し不安もあったけど、いくらなんでも気にし過ぎだと思い直した。
また、引っ越しと同時に防犯カメラの見た目だけの偽物が届いたので部活を装って入れ替えてきて、余った分は適当な教室へ設置してきた。これで学校で公になっても深く追求されないだろう。
そうして今年もいよいよ終わりだと思っていたら、高梨先生の元旦那さんである春日さんからメッセージの連絡があって高梨先生に取り次いで欲しいというお願いをされた。
◆岸元美晴 視点◆
無事引っ越しが終わり、荷物が多くなかったことも有り1日ちょっとでほとんど片付いて実家から美波や春華ちゃん達が新居の様子を見にやってきて、神坂姉弟妹の従兄弟の幸博君を紹介してもらった。
ひと目見て春華ちゃんの事が好きなのがわかるくらいにわかりやすい男の子で微笑ましく思い、冬樹くんに聞いてもやっぱりわかっているようで昔からずっと春華ちゃんの事を好きでいるみたいだ。春華ちゃんは最近色々な男子からモテているみたいだからライバルが多くて大変だろうけど、頑張って欲しいと思う。
また、話の流れで今度冬樹くんも行くアニメの上映会のチケットが1枚余っているという話になって、余っているなら欲しいとお願いしたら快く譲ってもらえた。
たぶん、来年になったらお腹が大きくなってみんなで遊びに行くことも難しくなるだろうし、出産したらそれこそこどもが第一でゆっくり遊びに行くなんてできやしないだろうからと思い冬樹くんのクラスメイトの集まりだとわかっていても混ぜてもらうことにした。
他に友達がいるとしても冬樹くんとデートができるのは貴重な機会なのでそういう意味でも譲ってもらえて良かったと思う。
◆高梨百合恵 視点◆
クリスマスから何度か悠一さんから会って話をしたいという要望の連絡を何度かもらっていて『今更話すことなどない』と断り続けていたけど、悠一さんが冬樹君へ取り次ぎをお願いしたという連絡を冬樹君からもらい、流石に冬樹君を巻き込まれてしまっては無視できないと渋々会うことにした。
冬樹君は気にしないで欲しいと言ってくれていたけど、言葉通りに気にしないわけにはないかないし、二度と同じ事をさせないようにしないといけない。
「百合恵さん、私が悪かったわ、この通り」
悠一さんについてきたお義姉さんが深く頭を下げ謝罪の言葉を口にしている。
これまでの付き合いで他人へ謝る印象のなかった人がその様な事をしているので内心では驚いている。
話をまとめると、お義姉さんが悠一さんの後妻に推した後輩は悠一さんの再婚の前から付き合っていた男の人がいて再婚後もずっと付き合い続けていたらしく、更には悠一さんがこどもを作りにくい体質であったこともあり、私のせいでこどもができないなどと言っていたことも悪かったと思ってくれているらしい。
悠一さんもその事を深く反省していると言い、お義姉さんと同様に私への謝罪をしてくれている・・・悠一さんのこの様な神妙な表情は初めて見たかもしれない・・・しかし、今更言われてもという気持ちがある。
悠一さんも私の気持ちがわかっているのか謝罪をするだけで縒りを戻したいとは口にしないし、お義姉さんが口にした時も窘めるほどだった。ただただ本当に今までの非礼を詫たいという思いだけで会いたがっていたように思える。
「百合恵は今後どうしていくんだ?
誰か善い人でもいるのか?」
「私には天職の音楽教師がありますから・・・幸い、みゆきと一緒に暮らすことになりましたし、今は充実していますよ」
「・・・そうか。百合恵が充実しているなら良かった・・・」
正直なところ、当て擦りの意図もあって言ったことだけれどそう言った含んだ意味は意に介さず言葉の通りに受け止めた様で、逆に意地悪く言った自分が居た堪れなくなる。
お義姉さんも交え悠一さんと私の3人で世間話をして別れることとなった。
もう、話したくもないと思っていたけど、自分の非を認めしおらしい態度の悠一さんと対していたら縒りを戻しても良いのではないかと思ってしまった。
◆梅田香織 視点◆
「ねぇねぇ唄ちゃん。明後日の上映会の後なんだけどさ、お友達ちゃんに控室に来てもらって会えないかな?」
学校が冬休みに入り、アフレコも年内最後となった今日の収録が終わったところで、雑談の流れで朱乃さんからお話をされました。
「お友達と仰るのは上映会に来る予定の私のことを見破った方のことですよね?」
「うん、そう。ダメかな?」
「ダメということはないと思いますが、他に同行される方が何人もいらっしゃるので、それほど長い時間は難しいと思いますがよろしいでしょうか?」
「うん、いいよ」
「承知しました。少し時間を割いてもらえないか聞いておきますね」
「よろしくね!
唄ちゃんのお友達ちゃん、楽しみだなぁ」
クリスマスが過ぎ、僕らの引っ越しも鷺ノ宮那奈さん達の引っ越しも予定通り問題なく行われた。
僕らの引っ越しの翌日にハル達が顔を出してくれて、その時一緒に来ていた幸博君と美晴さんとを互いに紹介した。美晴さんもすぐに幸博君がハルへ対して思慕の情を持っていることを見抜いて微笑ましく思ったらしく、やはりわかりやすいのだなと思った。
その際に話題にあがったアニメの上映会のチケットを幸博君が2枚持っていて1枚余るという話をし、それに対して美晴さんが行きたいと言ったので譲ってもらうことになり美晴さんも行くことになった。妊婦である美晴さんが人の多いところへ行く事は少し不安もあったけど、いくらなんでも気にし過ぎだと思い直した。
また、引っ越しと同時に防犯カメラの見た目だけの偽物が届いたので部活を装って入れ替えてきて、余った分は適当な教室へ設置してきた。これで学校で公になっても深く追求されないだろう。
そうして今年もいよいよ終わりだと思っていたら、高梨先生の元旦那さんである春日さんからメッセージの連絡があって高梨先生に取り次いで欲しいというお願いをされた。
◆岸元美晴 視点◆
無事引っ越しが終わり、荷物が多くなかったことも有り1日ちょっとでほとんど片付いて実家から美波や春華ちゃん達が新居の様子を見にやってきて、神坂姉弟妹の従兄弟の幸博君を紹介してもらった。
ひと目見て春華ちゃんの事が好きなのがわかるくらいにわかりやすい男の子で微笑ましく思い、冬樹くんに聞いてもやっぱりわかっているようで昔からずっと春華ちゃんの事を好きでいるみたいだ。春華ちゃんは最近色々な男子からモテているみたいだからライバルが多くて大変だろうけど、頑張って欲しいと思う。
また、話の流れで今度冬樹くんも行くアニメの上映会のチケットが1枚余っているという話になって、余っているなら欲しいとお願いしたら快く譲ってもらえた。
たぶん、来年になったらお腹が大きくなってみんなで遊びに行くことも難しくなるだろうし、出産したらそれこそこどもが第一でゆっくり遊びに行くなんてできやしないだろうからと思い冬樹くんのクラスメイトの集まりだとわかっていても混ぜてもらうことにした。
他に友達がいるとしても冬樹くんとデートができるのは貴重な機会なのでそういう意味でも譲ってもらえて良かったと思う。
◆高梨百合恵 視点◆
クリスマスから何度か悠一さんから会って話をしたいという要望の連絡を何度かもらっていて『今更話すことなどない』と断り続けていたけど、悠一さんが冬樹君へ取り次ぎをお願いしたという連絡を冬樹君からもらい、流石に冬樹君を巻き込まれてしまっては無視できないと渋々会うことにした。
冬樹君は気にしないで欲しいと言ってくれていたけど、言葉通りに気にしないわけにはないかないし、二度と同じ事をさせないようにしないといけない。
「百合恵さん、私が悪かったわ、この通り」
悠一さんについてきたお義姉さんが深く頭を下げ謝罪の言葉を口にしている。
これまでの付き合いで他人へ謝る印象のなかった人がその様な事をしているので内心では驚いている。
話をまとめると、お義姉さんが悠一さんの後妻に推した後輩は悠一さんの再婚の前から付き合っていた男の人がいて再婚後もずっと付き合い続けていたらしく、更には悠一さんがこどもを作りにくい体質であったこともあり、私のせいでこどもができないなどと言っていたことも悪かったと思ってくれているらしい。
悠一さんもその事を深く反省していると言い、お義姉さんと同様に私への謝罪をしてくれている・・・悠一さんのこの様な神妙な表情は初めて見たかもしれない・・・しかし、今更言われてもという気持ちがある。
悠一さんも私の気持ちがわかっているのか謝罪をするだけで縒りを戻したいとは口にしないし、お義姉さんが口にした時も窘めるほどだった。ただただ本当に今までの非礼を詫たいという思いだけで会いたがっていたように思える。
「百合恵は今後どうしていくんだ?
誰か善い人でもいるのか?」
「私には天職の音楽教師がありますから・・・幸い、みゆきと一緒に暮らすことになりましたし、今は充実していますよ」
「・・・そうか。百合恵が充実しているなら良かった・・・」
正直なところ、当て擦りの意図もあって言ったことだけれどそう言った含んだ意味は意に介さず言葉の通りに受け止めた様で、逆に意地悪く言った自分が居た堪れなくなる。
お義姉さんも交え悠一さんと私の3人で世間話をして別れることとなった。
もう、話したくもないと思っていたけど、自分の非を認めしおらしい態度の悠一さんと対していたら縒りを戻しても良いのではないかと思ってしまった。
◆梅田香織 視点◆
「ねぇねぇ唄ちゃん。明後日の上映会の後なんだけどさ、お友達ちゃんに控室に来てもらって会えないかな?」
学校が冬休みに入り、アフレコも年内最後となった今日の収録が終わったところで、雑談の流れで朱乃さんからお話をされました。
「お友達と仰るのは上映会に来る予定の私のことを見破った方のことですよね?」
「うん、そう。ダメかな?」
「ダメということはないと思いますが、他に同行される方が何人もいらっしゃるので、それほど長い時間は難しいと思いますがよろしいでしょうか?」
「うん、いいよ」
「承知しました。少し時間を割いてもらえないか聞いておきますね」
「よろしくね!
唄ちゃんのお友達ちゃん、楽しみだなぁ」
0
あなたにおすすめの小説
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
黒に染まった華を摘む
馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。
高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。
「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」
そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。
彼女の名は、立石麻美。
昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。
この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。
その日の放課後。
明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。
塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。
そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。
すべてに触れたとき、
明希は何を守り、何を選ぶのか。
光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる