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第229話
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◆岸元美波 視点◆
年が明けて、元日はわたしとお姉ちゃんに神坂三姉弟妹にその従兄弟のユッキー君の6人で初詣に行ってきた。お姉ちゃんが妊婦であることや夏菜お姉ちゃんやユッキー君が受験生で風邪を引いたらいけないという事で、有名なところではなく近所の神社にしたのだけど、それでも参拝客でけっこうな行列になっていて待つことになってしまったけど、みんなで話をしていたらあっという間で特に問題なく終わり、おみくじを引いてお守りを授かってから帰宅すると神坂家に小母さんの側のお婆さんが年始の挨拶に来ていて一緒にご挨拶させてもらい、お話をさせてもらった。
お婆さんが去年の冬樹が冤罪のいざこざで家を出て行った時に陰ながら支えてくれていたことの話をしてくれていたけど、正直なところ耳が痛かった・・・でも、お姉ちゃんにはすごく好意的で気遣ってくれてたので神坂の家族以外にも歓迎されていることを知れて良かったと思う。
そして、新年2日目になり凪沙さんと鷺ノ宮君と初詣に行く・・・家を出る時間がちょうど春華ちゃんが春原さんや田井中さんと約束していた時間と近くて途中まで一緒に行動してて、約束したは良いけれどどういう顔をして会えば良いのかと悩むわたしに反して春華ちゃんは楽しそうで羨ましく思えた。
「美波さん、こっちです!」
待ち合わせ場所に着くと他にも初詣で来ている人が多いからか混雑していてすぐに凪沙さんを見付けられずにキョロキョロしていたら凪沙さんがわたしを見付けてくれた。そして、凪沙さんの隣には鷺ノ宮君が立っていて、その姿は覚えていた時よりもかなり凛々しくなっていて凪沙さんと同行しているということを知っていなかったら気付けなかったかもしれない。
「あっ、凪沙さん、あけましておめでとう。
鷺ノ宮君もあけましておめでとう」
二人に近寄り新年の挨拶をした。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「あの、あけましておめでとう。今年も・・・よろしくなんか・・・」
「いいよ、去年のことはもう。
鷺ノ宮君も今年もよろしくね」
「岸元さん・・・その本当にすまない」
鷺ノ宮君はずっと悲壮な表情でほとんど定形の新年の挨拶すら詰まってしまっていたけど、その真摯な態度から本当に反省してくれていたんだなと感じるし、学校を退学してからの経験なのか纏う雰囲気が大人びていてびっくりした。
合流してからは3人で参拝の列に並んで順番を待ちながら互いの近況を話し合った。鷺ノ宮君は期間工で九州の工場で働いていて、昼間働いて夜と休日はほとんど勉強をしていて遊ぶこともなければスマホで動画やテレビ番組を見たりすることもしてないそうで、今は少しでも良い大学へ進学して少しでも収入の良い就職先へ進みたいと思っていると語ってくれた。
学校に居た時とは違うカッコよさが滲み出ていて、残っていた蟠りも霧散して凪沙さんがわたしに引き合わせたかった気持ちもわかった気がする。
初詣が終わり落ち着いて話をしようとなってファミレスに入り、軽食をつまみながらドリンクバーで喉を湿らせつつ会話に花を咲かせてた。
「私が言えた義理ではないのですけど、隆史は美波さんの事が本当にお好きだったんです。サッカー部の先輩達がおかしくしてしまいましたけど・・・」
「え!?」
「おいっ、凪沙!」
そんな中で凪沙さんから唐突に聞かされた事は驚かされた。鷺ノ宮君の反応を見ると本当のようにも思える。
「そ、それは本当なの?」
「・・・本当の事だけど、どんな経緯があったにしても岸元さんにそんな事を言う資格は俺にはないと思うから忘れて欲しい」
「あの時は恨みもしたけど、鷺ノ宮君が反省している事はもう痛いほど伝わっているし、資格とかはいいかな・・・
冬樹や春華ちゃん達とギクシャクしちゃって鷺ノ宮君に依存するように付き合ったけど、今の鷺ノ宮君とだったらそういうの関係なく付き合いたいと思うよ」
「え?」
これは本心。冬樹の事はお姉ちゃんが妊娠し新しい家族になろうとしていてみんなから祝福されているから、その間に割って入るチャンスを窺う気もなくなっている。そして、あの1件だって鷺ノ宮君や凪沙さんが悪かったところがあったとは言えサッカー部の人たちがエゴで起こした不幸な事故みたいなもので、深く反省している鷺ノ宮君や凪沙さんに対して悪感情はなくなっているし、むしろ今の鷺ノ宮君は見た目だけでなく人としてもカッコよく思える。
◆鷺ノ宮隆史 視点◆
「鷺ノ宮君が良いと思ってくれているなら、わたしと付き合ってくれないかな?」
驚いた・・・岸元さんは俺のせいで酷い目に遭ったというのに、その俺なんかと付き合いたいと言うなんて・・・考えれば俺も凪沙が反省して謝罪してくれた姿を見て惚れたし、岸元さんからは俺がそう見える対象だったのかもしれないと思える。
たしかに岸元さんは俺が退学する前よりもその魅力が増して見えるけど、今の俺は凪沙の事が好きになってしまっている。それなのに岸元さんと付き合って良いのだろうかと言う気持ちもある・・・でも、俺には拒否することはできない。
俺は岸元さんを不幸にすることは許されない・・・彼女が俺を望んでくれるなら、俺は彼女を大事にし続けないといけない。
「本当に俺なんかでいいのか?」
「わたしは鷺ノ宮君が良いから言ったんだよ」
「そうか・・・ありがとう。今度こそ岸元さんを不幸にしないように頑張るよ」
岸元さんの隣りに座ってる凪沙は嬉しそうに微笑んでいて、それを見て胸が苦しくなった。
年が明けて、元日はわたしとお姉ちゃんに神坂三姉弟妹にその従兄弟のユッキー君の6人で初詣に行ってきた。お姉ちゃんが妊婦であることや夏菜お姉ちゃんやユッキー君が受験生で風邪を引いたらいけないという事で、有名なところではなく近所の神社にしたのだけど、それでも参拝客でけっこうな行列になっていて待つことになってしまったけど、みんなで話をしていたらあっという間で特に問題なく終わり、おみくじを引いてお守りを授かってから帰宅すると神坂家に小母さんの側のお婆さんが年始の挨拶に来ていて一緒にご挨拶させてもらい、お話をさせてもらった。
お婆さんが去年の冬樹が冤罪のいざこざで家を出て行った時に陰ながら支えてくれていたことの話をしてくれていたけど、正直なところ耳が痛かった・・・でも、お姉ちゃんにはすごく好意的で気遣ってくれてたので神坂の家族以外にも歓迎されていることを知れて良かったと思う。
そして、新年2日目になり凪沙さんと鷺ノ宮君と初詣に行く・・・家を出る時間がちょうど春華ちゃんが春原さんや田井中さんと約束していた時間と近くて途中まで一緒に行動してて、約束したは良いけれどどういう顔をして会えば良いのかと悩むわたしに反して春華ちゃんは楽しそうで羨ましく思えた。
「美波さん、こっちです!」
待ち合わせ場所に着くと他にも初詣で来ている人が多いからか混雑していてすぐに凪沙さんを見付けられずにキョロキョロしていたら凪沙さんがわたしを見付けてくれた。そして、凪沙さんの隣には鷺ノ宮君が立っていて、その姿は覚えていた時よりもかなり凛々しくなっていて凪沙さんと同行しているということを知っていなかったら気付けなかったかもしれない。
「あっ、凪沙さん、あけましておめでとう。
鷺ノ宮君もあけましておめでとう」
二人に近寄り新年の挨拶をした。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「あの、あけましておめでとう。今年も・・・よろしくなんか・・・」
「いいよ、去年のことはもう。
鷺ノ宮君も今年もよろしくね」
「岸元さん・・・その本当にすまない」
鷺ノ宮君はずっと悲壮な表情でほとんど定形の新年の挨拶すら詰まってしまっていたけど、その真摯な態度から本当に反省してくれていたんだなと感じるし、学校を退学してからの経験なのか纏う雰囲気が大人びていてびっくりした。
合流してからは3人で参拝の列に並んで順番を待ちながら互いの近況を話し合った。鷺ノ宮君は期間工で九州の工場で働いていて、昼間働いて夜と休日はほとんど勉強をしていて遊ぶこともなければスマホで動画やテレビ番組を見たりすることもしてないそうで、今は少しでも良い大学へ進学して少しでも収入の良い就職先へ進みたいと思っていると語ってくれた。
学校に居た時とは違うカッコよさが滲み出ていて、残っていた蟠りも霧散して凪沙さんがわたしに引き合わせたかった気持ちもわかった気がする。
初詣が終わり落ち着いて話をしようとなってファミレスに入り、軽食をつまみながらドリンクバーで喉を湿らせつつ会話に花を咲かせてた。
「私が言えた義理ではないのですけど、隆史は美波さんの事が本当にお好きだったんです。サッカー部の先輩達がおかしくしてしまいましたけど・・・」
「え!?」
「おいっ、凪沙!」
そんな中で凪沙さんから唐突に聞かされた事は驚かされた。鷺ノ宮君の反応を見ると本当のようにも思える。
「そ、それは本当なの?」
「・・・本当の事だけど、どんな経緯があったにしても岸元さんにそんな事を言う資格は俺にはないと思うから忘れて欲しい」
「あの時は恨みもしたけど、鷺ノ宮君が反省している事はもう痛いほど伝わっているし、資格とかはいいかな・・・
冬樹や春華ちゃん達とギクシャクしちゃって鷺ノ宮君に依存するように付き合ったけど、今の鷺ノ宮君とだったらそういうの関係なく付き合いたいと思うよ」
「え?」
これは本心。冬樹の事はお姉ちゃんが妊娠し新しい家族になろうとしていてみんなから祝福されているから、その間に割って入るチャンスを窺う気もなくなっている。そして、あの1件だって鷺ノ宮君や凪沙さんが悪かったところがあったとは言えサッカー部の人たちがエゴで起こした不幸な事故みたいなもので、深く反省している鷺ノ宮君や凪沙さんに対して悪感情はなくなっているし、むしろ今の鷺ノ宮君は見た目だけでなく人としてもカッコよく思える。
◆鷺ノ宮隆史 視点◆
「鷺ノ宮君が良いと思ってくれているなら、わたしと付き合ってくれないかな?」
驚いた・・・岸元さんは俺のせいで酷い目に遭ったというのに、その俺なんかと付き合いたいと言うなんて・・・考えれば俺も凪沙が反省して謝罪してくれた姿を見て惚れたし、岸元さんからは俺がそう見える対象だったのかもしれないと思える。
たしかに岸元さんは俺が退学する前よりもその魅力が増して見えるけど、今の俺は凪沙の事が好きになってしまっている。それなのに岸元さんと付き合って良いのだろうかと言う気持ちもある・・・でも、俺には拒否することはできない。
俺は岸元さんを不幸にすることは許されない・・・彼女が俺を望んでくれるなら、俺は彼女を大事にし続けないといけない。
「本当に俺なんかでいいのか?」
「わたしは鷺ノ宮君が良いから言ったんだよ」
「そうか・・・ありがとう。今度こそ岸元さんを不幸にしないように頑張るよ」
岸元さんの隣りに座ってる凪沙は嬉しそうに微笑んでいて、それを見て胸が苦しくなった。
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