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第230話
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◆神坂春華 視点◆
正月に入って三ヶ日が終わろうとしている夕食の席でユッキーが相談事を持ちかけてきた。
ユッキーの幼馴染みが東京に来ていて、その流れで神坂家へ来たいと言っているので訪問させても良いかというもので、パパ達もあたしも反対しないしそれは良いのだけど、わざわざ神坂家へ来なくても繁華街のある街へ出て待ち合わせれば良いのにと思ってその疑問を口にしたら、あくまでユッキーが秀優へ進学したら生活することになる環境を見たがっているということで、それならと思いそれ以上は気にしないことにした。
「お世話になります。幸博の幼馴染みの※△詩音と言います。よろしくお願いします」
「ユッキーの従姉妹で神坂春華です。よろしくね」
昼過ぎになってユッキーの幼馴染みの娘がやってきた。フルネームで名乗ってくれたのだけど、名字の部分が聞き取れなくてユッキーは『詩音』と呼ぶし何と無く聞き返しづらくてあたしは『詩音ちゃん』と呼ぶことにした・・・長野に住んでいる娘だし、今後会うこともそうないだろうという思いもある。
リビングにはユッキーと詩音ちゃんとあたしの3人・・・パパとママは今日から仕事でいなくて、お姉は受験勉強があるからと最初の顔合わせだけして後は用があったら呼んで欲しいと言って部屋へ戻っている・・・で話をしているのだけど、詩音ちゃんはやたらあたしに突っかかってくる。雰囲気から察するに詩音ちゃんはユッキーの事が好きで、そのユッキーが親しげなあたしに対して良くない感情を抱いていると感じられるので、ユッキーには詩音ちゃんを気遣うようにと然りげ無く話を振っているのだけど気付いてくれず、それどころか詩音ちゃんの神経を逆撫でする振る舞いをするせいであたしへのヘイトが溜まっていくようになっている。普段のユッキーは気遣いができるし良く気が利くのだけど、今日は良くない感じだ。
珍しく空気を読まないユッキーと敵愾心を向けてくる詩音ちゃんとの3人での会話は険悪さを纏いながらも話は尽きず、主に詩音ちゃんが質問してそれにユッキーとあたしが答える流れで進んでいった。
◆若林幸博 視点◆
詩音のヤツが東京に来ているからとわざわざ連絡してきて、俺がお世話になっている神坂の家まで押し掛けてきた。
夏菜姉が顔合わせの挨拶だけして勉強をするからと部屋へ戻って春華との3人になると、まずは俺が冬休みに入ってすぐに東京へ来ていたことへの文句を言い、それが終わるとやたらと春華に対して不躾な質問を繰り返し、最初はやんわり諌めようとしていたのだけど、何度繰り返し言ってもまったく態度を改めようとしない詩音に腹が立って言い方がキツくなってしまった。
それにしても普段は気の良いヤツなのに今日に限ってどうしてこんなにも攻撃的なのか不思議だ・・・神坂家へ来るまでに嫌なことでもあったのだろうか?
「詩音、お前今日はホントどうしたんだ?
いつもはこんな攻撃的な物言いをするヤツじゃないだろ?
俺の好きなお前はこんなんじゃないぞ」
詩音の態度に堪りかねて思わず口にしてしまった。
「ごめん・・・私、嫌な感じだったよね。
・・・春華さんもすみませんでした」
「いや、良いんだよ、詩音ちゃん。すぐに気付けるのって大事だよ。
誰だって完璧じゃないんだし、あたしだって・・・」
春華はそこから冬兄とあったことを詩音に語って聞かせ、それを聞いている内に詩音はしおらしくなった。
◆藤堂詩音 視点◆
私が住むのは長野県でもあまり人が居ないご近所全てが農家をやっている様な田舎だ。近所に同世代などほとんど居なくて、一番近くに居た同世代が幸博だった。
子育てを協力し合うということもあって幸博の家と私の家は家族ぐるみで付き合う様になって、物心が付いた時にはずっと側にいたしそれが当たり前になっていた。しかし、それの終わりを感じさせる出来事があった。
『若林君は東京へ進学したいのですね』
『はい。まだ親には納得してもらえてないですけど、親戚が東京に居るので頼らせてもらって、なんとか許してもらえる様に話しています』
『そうですか。親御さんの協力が不可欠ですからよく話し合ってくださいね』
3年に進級してすぐの進路希望面談の時の話で、幸博がどの学校へ進みたいと思っているのか気になって廊下で聞き耳を立てていたらそんな話をしていて、当たり前だと思っていた幸博との生活が終わる可能性を突き付けられるのと同時に幸博の事が好きなのだと自覚した。
それからは今まで当たり前だと思っていた幸博のあれこれがカッコよく見え、それで好きという気持ちが膨らんでいった。
また、幸博が東京へ行くのなら私も行けば良いと勉強を頑張りつつ幸博の進路希望についても調べていたら12月になって秀優高校という学校を目指していることと、若林の小父さん達も東京の高校は秀優高校だけ受験を許可して合格したら認めることにしたと聞いた。
条件が整ったので、私も両親に幸博が受験する秀優高校への進学を希望してお願いした。
やはりすぐには許してもらえなかったけど、叔母さん・・・もう何年も会っていないので普段意識することがないのだけど・・・が東京で働いてて一人暮らしをしているからそこでお世話になる事を条件になんとか認めてもらった。
そして、年が明けて3日から1泊でお父さんと東京へ出てきて叔母さんに挨拶をして改めて顔を合わせてお願いをさせてもらった。
叔母さんは全然帰ってこないし、お祖父ちゃん達もお父さんも話題にしないから知らなかったのだけど、声優をやっていてアニメ好きの人にはそれなりに名の知れた活躍をしている人だという。昔会った事があるはずだけど、今回はほぼ初対面の感覚で一方的なお願いをすることもあり緊張したけど、想像していたよりも砕けていて優しそうな人だったので、お世話になってもうまくやっていけそうだと思った。
そして、挨拶で出てきた翌日お父さんはどこへも寄らずにすぐ帰るけど、私は東京で行きたいところがあるなら寄って良いと言ってもらったので、幸博がお世話になる親戚の家にお邪魔させてもらうことにした。
その幸博の親戚の家で従姉妹の春華さんを交えて話をするとすぐにわかった。
幸博は春華さんが好きで、だから春華さんが通う秀優高校に進学したがったし、この家にお世話になりたがったのだと。
突然の強力なライバルの存在に冷静さを失って失礼な態度で接してしまったけれど、優しい人で謝ったらすぐに許してくれたし、幸博が好きになるのもわかる人柄に・・・容姿だ。
本当に吃驚した。挨拶だけした受験生のお姉さんもだけど、何でそんなに美人なのかと驚かされる。
叔母さんもすごく綺麗だったけど、それは芸能活動をしているからというのもあるはずとして、春華さんやお姉さんはただの高校生のはずで、その事について触れるとお隣りに住んでいる春華さん達の幼馴染みの方や学校のご友人にはもっと綺麗な美人さんがいるというのだから驚愕する。
住んでいるのが長野の田舎とは言え、テレビやインターネットで情報が入るし、アイドルとか可愛かったりする人は探せばいくらでも見ることができる。でもその人達は選ばれた人だから輝いているのだと思っていたけど、東京は芸能活動をしてない人でも美人が多いのだと思わされたし、幸博の側に居るためには容姿でも頑張らないといけないと思った。
幸いと言っては難だけど、春華さんは幸博の事を弟だとしか見てない様子だった。想いの矢印が一方通行だからまだ私にもチャンスがあるはず。
色々考えることもあったけど『俺の好きなお前』ってフレーズは反芻するたびにニヤニヤが止まらず、帰りの電車の中で周囲の人に不審がられていたのではないかと思ってしまうけど、幸せな気分だから良しとしようと思う。
正月に入って三ヶ日が終わろうとしている夕食の席でユッキーが相談事を持ちかけてきた。
ユッキーの幼馴染みが東京に来ていて、その流れで神坂家へ来たいと言っているので訪問させても良いかというもので、パパ達もあたしも反対しないしそれは良いのだけど、わざわざ神坂家へ来なくても繁華街のある街へ出て待ち合わせれば良いのにと思ってその疑問を口にしたら、あくまでユッキーが秀優へ進学したら生活することになる環境を見たがっているということで、それならと思いそれ以上は気にしないことにした。
「お世話になります。幸博の幼馴染みの※△詩音と言います。よろしくお願いします」
「ユッキーの従姉妹で神坂春華です。よろしくね」
昼過ぎになってユッキーの幼馴染みの娘がやってきた。フルネームで名乗ってくれたのだけど、名字の部分が聞き取れなくてユッキーは『詩音』と呼ぶし何と無く聞き返しづらくてあたしは『詩音ちゃん』と呼ぶことにした・・・長野に住んでいる娘だし、今後会うこともそうないだろうという思いもある。
リビングにはユッキーと詩音ちゃんとあたしの3人・・・パパとママは今日から仕事でいなくて、お姉は受験勉強があるからと最初の顔合わせだけして後は用があったら呼んで欲しいと言って部屋へ戻っている・・・で話をしているのだけど、詩音ちゃんはやたらあたしに突っかかってくる。雰囲気から察するに詩音ちゃんはユッキーの事が好きで、そのユッキーが親しげなあたしに対して良くない感情を抱いていると感じられるので、ユッキーには詩音ちゃんを気遣うようにと然りげ無く話を振っているのだけど気付いてくれず、それどころか詩音ちゃんの神経を逆撫でする振る舞いをするせいであたしへのヘイトが溜まっていくようになっている。普段のユッキーは気遣いができるし良く気が利くのだけど、今日は良くない感じだ。
珍しく空気を読まないユッキーと敵愾心を向けてくる詩音ちゃんとの3人での会話は険悪さを纏いながらも話は尽きず、主に詩音ちゃんが質問してそれにユッキーとあたしが答える流れで進んでいった。
◆若林幸博 視点◆
詩音のヤツが東京に来ているからとわざわざ連絡してきて、俺がお世話になっている神坂の家まで押し掛けてきた。
夏菜姉が顔合わせの挨拶だけして勉強をするからと部屋へ戻って春華との3人になると、まずは俺が冬休みに入ってすぐに東京へ来ていたことへの文句を言い、それが終わるとやたらと春華に対して不躾な質問を繰り返し、最初はやんわり諌めようとしていたのだけど、何度繰り返し言ってもまったく態度を改めようとしない詩音に腹が立って言い方がキツくなってしまった。
それにしても普段は気の良いヤツなのに今日に限ってどうしてこんなにも攻撃的なのか不思議だ・・・神坂家へ来るまでに嫌なことでもあったのだろうか?
「詩音、お前今日はホントどうしたんだ?
いつもはこんな攻撃的な物言いをするヤツじゃないだろ?
俺の好きなお前はこんなんじゃないぞ」
詩音の態度に堪りかねて思わず口にしてしまった。
「ごめん・・・私、嫌な感じだったよね。
・・・春華さんもすみませんでした」
「いや、良いんだよ、詩音ちゃん。すぐに気付けるのって大事だよ。
誰だって完璧じゃないんだし、あたしだって・・・」
春華はそこから冬兄とあったことを詩音に語って聞かせ、それを聞いている内に詩音はしおらしくなった。
◆藤堂詩音 視点◆
私が住むのは長野県でもあまり人が居ないご近所全てが農家をやっている様な田舎だ。近所に同世代などほとんど居なくて、一番近くに居た同世代が幸博だった。
子育てを協力し合うということもあって幸博の家と私の家は家族ぐるみで付き合う様になって、物心が付いた時にはずっと側にいたしそれが当たり前になっていた。しかし、それの終わりを感じさせる出来事があった。
『若林君は東京へ進学したいのですね』
『はい。まだ親には納得してもらえてないですけど、親戚が東京に居るので頼らせてもらって、なんとか許してもらえる様に話しています』
『そうですか。親御さんの協力が不可欠ですからよく話し合ってくださいね』
3年に進級してすぐの進路希望面談の時の話で、幸博がどの学校へ進みたいと思っているのか気になって廊下で聞き耳を立てていたらそんな話をしていて、当たり前だと思っていた幸博との生活が終わる可能性を突き付けられるのと同時に幸博の事が好きなのだと自覚した。
それからは今まで当たり前だと思っていた幸博のあれこれがカッコよく見え、それで好きという気持ちが膨らんでいった。
また、幸博が東京へ行くのなら私も行けば良いと勉強を頑張りつつ幸博の進路希望についても調べていたら12月になって秀優高校という学校を目指していることと、若林の小父さん達も東京の高校は秀優高校だけ受験を許可して合格したら認めることにしたと聞いた。
条件が整ったので、私も両親に幸博が受験する秀優高校への進学を希望してお願いした。
やはりすぐには許してもらえなかったけど、叔母さん・・・もう何年も会っていないので普段意識することがないのだけど・・・が東京で働いてて一人暮らしをしているからそこでお世話になる事を条件になんとか認めてもらった。
そして、年が明けて3日から1泊でお父さんと東京へ出てきて叔母さんに挨拶をして改めて顔を合わせてお願いをさせてもらった。
叔母さんは全然帰ってこないし、お祖父ちゃん達もお父さんも話題にしないから知らなかったのだけど、声優をやっていてアニメ好きの人にはそれなりに名の知れた活躍をしている人だという。昔会った事があるはずだけど、今回はほぼ初対面の感覚で一方的なお願いをすることもあり緊張したけど、想像していたよりも砕けていて優しそうな人だったので、お世話になってもうまくやっていけそうだと思った。
そして、挨拶で出てきた翌日お父さんはどこへも寄らずにすぐ帰るけど、私は東京で行きたいところがあるなら寄って良いと言ってもらったので、幸博がお世話になる親戚の家にお邪魔させてもらうことにした。
その幸博の親戚の家で従姉妹の春華さんを交えて話をするとすぐにわかった。
幸博は春華さんが好きで、だから春華さんが通う秀優高校に進学したがったし、この家にお世話になりたがったのだと。
突然の強力なライバルの存在に冷静さを失って失礼な態度で接してしまったけれど、優しい人で謝ったらすぐに許してくれたし、幸博が好きになるのもわかる人柄に・・・容姿だ。
本当に吃驚した。挨拶だけした受験生のお姉さんもだけど、何でそんなに美人なのかと驚かされる。
叔母さんもすごく綺麗だったけど、それは芸能活動をしているからというのもあるはずとして、春華さんやお姉さんはただの高校生のはずで、その事について触れるとお隣りに住んでいる春華さん達の幼馴染みの方や学校のご友人にはもっと綺麗な美人さんがいるというのだから驚愕する。
住んでいるのが長野の田舎とは言え、テレビやインターネットで情報が入るし、アイドルとか可愛かったりする人は探せばいくらでも見ることができる。でもその人達は選ばれた人だから輝いているのだと思っていたけど、東京は芸能活動をしてない人でも美人が多いのだと思わされたし、幸博の側に居るためには容姿でも頑張らないといけないと思った。
幸いと言っては難だけど、春華さんは幸博の事を弟だとしか見てない様子だった。想いの矢印が一方通行だからまだ私にもチャンスがあるはず。
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