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507.使節団20
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『それは一体どういうことですか?』
『停戦の可能性もあるとそれとなく匂わせたいということです。
それでダンブルの正規軍で使節団を虐殺してしまえば、
元の木阿弥でしょう。
だから、ゾンビや表向きはダンブルと全く関係ないジェイコブ王の軍に
襲わせたのよ』
誠一は千晴というハンドルネームのプレーヤーのことを
誤解していたと感じた。
『選択肢があれば、それに惑わされる者もいて、
王国の判断が遅れるかもしれないと言うことですね』
『ご明察』
と言う言葉の後に千晴の講釈が続いた。
『やらないよりまし程度の効果でしょうし、
建前を守るためにあんな兵をダンブルは動かしたんでしょうけど、
政治ではそれが重要ですから』
間断なく千晴の言葉が誠一の脳に響いた。
こういう話が好きな人なのかと思い、
竜公国の軍の動きについて質問した。
千晴の言葉がぴたりと止んだ。
そして、そのまま待てど暮らせど千晴の声が聞こえることはなかった。
「アル、どうしたの?」
シエンナが心配そうに誠一の顔を覗き込む。
「ああ、ごめんごめん。神様がダンブルの動きについて講義してくれて」
そう言うと、誠一は千晴の講釈を二人に説明した。
「それだけじゃないと思うけど、納得できる説明よね」
キャロリーヌは若干、懐疑的であったが、納得はしているようだった。
過去に糞の様な啓示を下した女に妄信しないキャロリーヌに安堵した。
「流石はアルの信奉する神様。素晴らしい慧眼です」
シエンナは、普段の明晰な頭脳が隠れてしまい、妄信してようだった。
千晴と言う女の奥底にある本性を知らずに妄信するシエンナが
物凄く心配な誠一だった。
「まあ、神は全能でもないし、あくまで予想だから。
気が変わって、ダンブルが僕らを殺すために
追手を繰り出すかもしれない。
できる限り王都に向かって進もう」
誠一たちと『清き兵団』は、歩みを再び進めた。
その夜、誠一は頭に響く千晴の言葉で起きた。
『竜公国は、恐らくですね両国の間を上手く立ち回って、
漁夫の利を得るつもりですよ。
だから、今回はヴェルトール王国に与してあなた方を
助けたのでしょうね。
それに一体どの程度の効果があるかは、
後々になってみないと分からないわ。
それに助けたのが国政の中枢を担う人物でなく、
誠一さんたちだから、誠一さんたちが声を高らかに
主張しないと全く王国には伝わりません。
その辺りを竜公国がどう考えているか
予想つきません』
誠一は頭の中に物凄く疑問符が湧いていた。
今更、昼に応えの無かった話題を千晴が話だした。
しかも昼と同じように間断なく説明していた。
しかしそれは、どこからかコピペして貼り付けているよう
であった。
『停戦の可能性もあるとそれとなく匂わせたいということです。
それでダンブルの正規軍で使節団を虐殺してしまえば、
元の木阿弥でしょう。
だから、ゾンビや表向きはダンブルと全く関係ないジェイコブ王の軍に
襲わせたのよ』
誠一は千晴というハンドルネームのプレーヤーのことを
誤解していたと感じた。
『選択肢があれば、それに惑わされる者もいて、
王国の判断が遅れるかもしれないと言うことですね』
『ご明察』
と言う言葉の後に千晴の講釈が続いた。
『やらないよりまし程度の効果でしょうし、
建前を守るためにあんな兵をダンブルは動かしたんでしょうけど、
政治ではそれが重要ですから』
間断なく千晴の言葉が誠一の脳に響いた。
こういう話が好きな人なのかと思い、
竜公国の軍の動きについて質問した。
千晴の言葉がぴたりと止んだ。
そして、そのまま待てど暮らせど千晴の声が聞こえることはなかった。
「アル、どうしたの?」
シエンナが心配そうに誠一の顔を覗き込む。
「ああ、ごめんごめん。神様がダンブルの動きについて講義してくれて」
そう言うと、誠一は千晴の講釈を二人に説明した。
「それだけじゃないと思うけど、納得できる説明よね」
キャロリーヌは若干、懐疑的であったが、納得はしているようだった。
過去に糞の様な啓示を下した女に妄信しないキャロリーヌに安堵した。
「流石はアルの信奉する神様。素晴らしい慧眼です」
シエンナは、普段の明晰な頭脳が隠れてしまい、妄信してようだった。
千晴と言う女の奥底にある本性を知らずに妄信するシエンナが
物凄く心配な誠一だった。
「まあ、神は全能でもないし、あくまで予想だから。
気が変わって、ダンブルが僕らを殺すために
追手を繰り出すかもしれない。
できる限り王都に向かって進もう」
誠一たちと『清き兵団』は、歩みを再び進めた。
その夜、誠一は頭に響く千晴の言葉で起きた。
『竜公国は、恐らくですね両国の間を上手く立ち回って、
漁夫の利を得るつもりですよ。
だから、今回はヴェルトール王国に与してあなた方を
助けたのでしょうね。
それに一体どの程度の効果があるかは、
後々になってみないと分からないわ。
それに助けたのが国政の中枢を担う人物でなく、
誠一さんたちだから、誠一さんたちが声を高らかに
主張しないと全く王国には伝わりません。
その辺りを竜公国がどう考えているか
予想つきません』
誠一は頭の中に物凄く疑問符が湧いていた。
今更、昼に応えの無かった話題を千晴が話だした。
しかも昼と同じように間断なく説明していた。
しかしそれは、どこからかコピペして貼り付けているよう
であった。
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