転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた

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860. 神からの下賜品2

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『回復薬とか少し可哀そうでしょ』

『こんにちは、千晴さん。
本当にエリクサーをありがとうございました』
誠一は一先ず挨拶で返した。
エリクサーには本当に感謝しているが、
誠一の思う千晴の性格からして、
つけあがって何を言いだすか分からず
不安だった。

『そう何度もお礼を言わなくてもいいよ。
うーん、それより報酬がアレじゃあね。
やる気が出ないわ。
何かレア物じゃないけど、アミュレトとか
短剣とか残る物を渡した方がいいわよ。
結構な数のストックがあるから、今、送ります』

誠一の元に突然、いくつものアイテムが
落ちてきた。
理由は分からないが、千晴の機嫌は
すこぶる良いようだった。
誠一は、この機嫌の良さが続くことを
願うばかりであった。

『ありがとうございます。
皆へ千晴さんの代わりに渡します』
誠一は、受け取った下賜品をテーブルに置いた。
誠一はそれらの性能を鑑定眼で確認した。
魔術付与されていたが、どれもこの世界で
入手もしくは製作できる程度の品物であった。
しかし、仲間たちはテーブルの品に釘付けだった。

「千晴さんから今回の戦の活躍に対しての
褒美だそうです」

「ファブにはこれを」
誠一はアミュレットを仰々しい仕草で手渡した。
ファブリッツィオは膝を折り、恭しくそれを受け取った。
持っていればささやかながら身軽になる魔術が
込められている品であった。
気のせいかファブリッツィオが震えているように
誠一には見えた。

「ラムデールにはこれを」
誠一はアミュレットを仰々しい仕草で手渡した。
ラムデールも膝を折り、恭しくそれを受け取った。
持っていればささやかながら精神汚染を
緩和させる魔術が込められている品であった。
気のせいかラムデールが上気した顔をしているように
誠一には見えた。

「ロジェさんにはこれを」
誠一はアミュレットを仰々しい仕草で手渡した。
ロジェも膝を折り、恭しくそれを受け取った。
持っていればささやかながら防御力を
高める魔術が込められている品であった。
気のせいかロジェががたがたと
激しく震えているように誠一には見えた。

何だろ気付かなかったが、みんな体調不良なのかも
しれないと誠一は思い、さっさと配り終えようと急いだ。
そのため、既に渡した3人に比べて、
次の下賜品をぞんざいに扱ってしまった。

「ヴェル、これはい。それとこれをアミラにね」
誠一は掴んだアミュレットとネックレスを
ヴェルに渡した。

「おま、おまえ、千晴様からの下賜品だぞ。
アル、おまえはその代行者だぞ。
もっと大切に扱えよ」
ぶつくさといいながら、ヴェルは、膝を折り、
恭しくそれを受け取った。
持っていればささやかながら炎の力を
高める魔術が込められている品であった。
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