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ケーキバース(血流なし)
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最低な叔父に売られてしまったケーキくんと
それを買ったヤクザ(フォーク)の話
―――――――――――――――――――
本当にクソッタレな人生だった。
もう何年前になる?両親が事故で死んで幼い俺と弟の家に上がり込んできたのは、葬式くらいでしかみたことのない叔父だった。
【今日から俺が君の家族だよ。頼りないだろうけど、頑張るからね】
愛想のいい笑顔で、男は俺たちの後継人になった事を告げた。
まだ俺は中学生で妹と弟も幼い、最初は頼れる大人ができて安心したのに… それから俺達の地獄が始まった
酒にギャンブル、酔えば酷く暴れて暴言の嵐。
両親の大事にしていた金目のものは男によって売り飛ばされ、まるで俺たちを奴隷か道具のように扱った。だけどまだ耐えれた、だって俺は長男だ。
この家と土地だけは男の思い通りにはできない。だから俺が成人すればこの男を追い出せる。
「大丈夫だ、兄ちゃんがお前たちは絶対守るから」
弟も妹も、うんうんと俺の言葉に何度も頷く。
そしたら三人で平穏な暮らしを送れるんだと希望があった。――――――――――だけど叔父は愚かでも馬鹿ではなかった、邪魔な俺を排除すべく、ヤクザなんてものに売っぱらいやがった。
「健康体。顔は…まぁまぁってところだな」
「……」
「そんな情熱的な目で見られるとお兄さん困っちゃうな」
うるせぇよ。ヒトを値踏みするような目にイラっときただけだ。
それよりあのクソ野郎は何処だ?もし弟と妹に何かしようもんなら、いま殺されてもぶっ殺しに行く。
「ん?お前、この状況で他の事考えてるな?」
「俺を売ったクソ野郎への復讐だ」
「面白いな、で?お前は対価として何を払う?俺はアイツから金でお前を買った。お前はどうやって自由になる?」
「……アンタ、フォークなんだろ」
そして俺はケーキだ。
フォークは味覚がイカれてるせいで常にケーキを喰いたいとか考えてるマジもんの狂人だ。だから金で俺(ケーキ)を買った。
「で、なんだ?その身体はとっくに俺のモノだぞ」
「復讐に協力してくれんなら、心もやるよ」
「は?」
俺の心残りは弟と妹だけだ。だから叔父さえ消せるんなら、あとはお前を心から敬愛して尽くして奴隷以下にも成り下がってやる。
ケーキとフォークはただ喰う喰われるだけの関係じゃない。そりゃ猟奇的なフォークに喰われた可哀想なケーキもいるけど、自分を食べてくれる相手(フォーク)を強く想い熟れたケーキはさらに極上の味になると聞く。
その誘惑に常に味覚に飢えているフォークが、喉を鳴らさないはずがない。
「アンタだけに喰われるよ、文字通り身も心もな」
「その前に味見させろ。お前に協力して少しでも変化するんなら、考えてやるよ」
「いいよ。俺は空っぽだ、下ごしらえは自分でやれよ」
それを聞いたフォークは余程可笑しかったのか腹を抱えて大爆笑した。
そうしてひとしきり笑って満足したのか。「いいよ、お前に協力してやる」と悪い笑顔だ。
――――――――――――――――
あとがき(設定)
こうしてフォークに気に入られたケーキ君。
無事に家から叔父を追い出して、「じゃあ約束だ。好きにしろよ」と言えばキスをされて何故かフォークから愛の告白をされる。
(いっそ美味しくさせる為の演技か)
けれど約束は約束だ。
受け入れて交際をスタートさせるも、どこまでが本音か演技か分からなくて困惑するようになるケーキ君
一方でフォークには鼻っからケーキ君を食すつもりはなく、あくまでも味わう為のケーキだった。
彼に惹かれてしまったのは予想外だったけど見ていて飽きない。喜怒哀楽のハッキリした彼は愛おしい。
ケーキくんも最初の頃は吸って舐めて甘噛みされて…その度に恐怖でふるふる震えてたはずなのに、半年後くらいには警戒心0。ソファーでTV観てるフォーク(ヤクザ)に近づいてきてごろんと膝枕。
「今日は吸わないんだ?」と、自ら食べてアピールしてくるケーキくんに涎垂らすフォーク
それを買ったヤクザ(フォーク)の話
―――――――――――――――――――
本当にクソッタレな人生だった。
もう何年前になる?両親が事故で死んで幼い俺と弟の家に上がり込んできたのは、葬式くらいでしかみたことのない叔父だった。
【今日から俺が君の家族だよ。頼りないだろうけど、頑張るからね】
愛想のいい笑顔で、男は俺たちの後継人になった事を告げた。
まだ俺は中学生で妹と弟も幼い、最初は頼れる大人ができて安心したのに… それから俺達の地獄が始まった
酒にギャンブル、酔えば酷く暴れて暴言の嵐。
両親の大事にしていた金目のものは男によって売り飛ばされ、まるで俺たちを奴隷か道具のように扱った。だけどまだ耐えれた、だって俺は長男だ。
この家と土地だけは男の思い通りにはできない。だから俺が成人すればこの男を追い出せる。
「大丈夫だ、兄ちゃんがお前たちは絶対守るから」
弟も妹も、うんうんと俺の言葉に何度も頷く。
そしたら三人で平穏な暮らしを送れるんだと希望があった。――――――――――だけど叔父は愚かでも馬鹿ではなかった、邪魔な俺を排除すべく、ヤクザなんてものに売っぱらいやがった。
「健康体。顔は…まぁまぁってところだな」
「……」
「そんな情熱的な目で見られるとお兄さん困っちゃうな」
うるせぇよ。ヒトを値踏みするような目にイラっときただけだ。
それよりあのクソ野郎は何処だ?もし弟と妹に何かしようもんなら、いま殺されてもぶっ殺しに行く。
「ん?お前、この状況で他の事考えてるな?」
「俺を売ったクソ野郎への復讐だ」
「面白いな、で?お前は対価として何を払う?俺はアイツから金でお前を買った。お前はどうやって自由になる?」
「……アンタ、フォークなんだろ」
そして俺はケーキだ。
フォークは味覚がイカれてるせいで常にケーキを喰いたいとか考えてるマジもんの狂人だ。だから金で俺(ケーキ)を買った。
「で、なんだ?その身体はとっくに俺のモノだぞ」
「復讐に協力してくれんなら、心もやるよ」
「は?」
俺の心残りは弟と妹だけだ。だから叔父さえ消せるんなら、あとはお前を心から敬愛して尽くして奴隷以下にも成り下がってやる。
ケーキとフォークはただ喰う喰われるだけの関係じゃない。そりゃ猟奇的なフォークに喰われた可哀想なケーキもいるけど、自分を食べてくれる相手(フォーク)を強く想い熟れたケーキはさらに極上の味になると聞く。
その誘惑に常に味覚に飢えているフォークが、喉を鳴らさないはずがない。
「アンタだけに喰われるよ、文字通り身も心もな」
「その前に味見させろ。お前に協力して少しでも変化するんなら、考えてやるよ」
「いいよ。俺は空っぽだ、下ごしらえは自分でやれよ」
それを聞いたフォークは余程可笑しかったのか腹を抱えて大爆笑した。
そうしてひとしきり笑って満足したのか。「いいよ、お前に協力してやる」と悪い笑顔だ。
――――――――――――――――
あとがき(設定)
こうしてフォークに気に入られたケーキ君。
無事に家から叔父を追い出して、「じゃあ約束だ。好きにしろよ」と言えばキスをされて何故かフォークから愛の告白をされる。
(いっそ美味しくさせる為の演技か)
けれど約束は約束だ。
受け入れて交際をスタートさせるも、どこまでが本音か演技か分からなくて困惑するようになるケーキ君
一方でフォークには鼻っからケーキ君を食すつもりはなく、あくまでも味わう為のケーキだった。
彼に惹かれてしまったのは予想外だったけど見ていて飽きない。喜怒哀楽のハッキリした彼は愛おしい。
ケーキくんも最初の頃は吸って舐めて甘噛みされて…その度に恐怖でふるふる震えてたはずなのに、半年後くらいには警戒心0。ソファーでTV観てるフォーク(ヤクザ)に近づいてきてごろんと膝枕。
「今日は吸わないんだ?」と、自ら食べてアピールしてくるケーキくんに涎垂らすフォーク
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