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2章 脇役と不死の王龍
『よく聞け、高潔なる名前を』
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正体不明の女の子を前に、叫んだシオウの悲鳴。
「シオウッ!?」
ゼアロルドが飛び起き、扉が壊れそうな勢いで他の騎士たちも駆けつけてきた。
そして―――
「……は?」
である。
謎の美少女を前に、全員が言葉を失った。
そして、中でも冷静だったアルタイルさんの指示があって全員が騎士舎の食堂へと移動することになったのだが、
(んーーー……)
見た感じ、小学校低学年くらいか?
甘栗色の髪に、大きな翡翠の瞳。
ちょっとだけ尖った耳が印象的な少女は、今は俺の隣でホットミルクを両手で抱えている。
(……親とはぐれた迷子かな?)
ひとりなのに泣かない。強い子だな。
……けど、食堂の空気が落ち着かない。
なんたって―――見れば見るほど、似てるんだ。
「隊長に似てますね」
「あぁ、ゼアロルドさんに似ている」
「むしろ隊長以外に誰がいますかね?」
(……やっぱ、ゼアロンさんにすんごい似てないか?)
でも本人は俺の正面で周囲のざわめきを聞きながら、ムスッとしている。
……どうやら血縁ではないらしい。
その時、食堂の空気が一変。
ざわっ――と揺れた。
「やぁ。君たち、久しぶりだね」
美しい青銀の長髪と、薄い青色の瞳。
顔半分を覆う眼帯をしていたって分かる。
食堂に現れた彼の名前は――――
「……イーリエさん!」
「シオウ様。復帰後の再会は、はじめてだね」
「もう立って大丈夫なんですか!?お元気そうで良かったです!」
「ありがとう。また君に会えて嬉しいよ」
大半はお互いに聞き取れない会話だが、ぴょこぴょこした雰囲気で喜ぶシオウがたまらず可愛い。イーリエも花が咲いたように微笑み、シオウの頭を撫でた。
(あ、でもイーリエさんって結構背があるんだなぁ…)
記憶にあるのは、いつも誰かに運ばれていた小柄なイーリエさんの姿だった。こうして再会してみると、彼のほうが俺よりもずっと高かったのだと知った。
俺だって170センチはちょっとはあるのに… ちょっとショックだ。
すると近寄ってきたアルタイルさんに何かを促され、イーリエは少女を見た。
「さて……お嬢さん。君の名前を教えてくれるかな?」
「………」
少女はぷいっと顔を背け――なぜか、俺を見た。
(あ、そうだよね。先に自己紹介しないとね)
日々の勉強のおかげで俺も挨拶くらいは完璧にできるようになっていた。
「おはよう、俺は左都志央。シオウだよ」
「………」
「君の名前は?」
「ママ。おはよう、今日はいい天気ね」
「あはは… ママじゃないけど……え?」
その一瞬の静寂。
そして―――
「我は、唐揚げの妖精さん」
はっきりと聞こえた少女の声。
本日何度目かの、困惑する一同。
だが少女はすくっと椅子の上に立ち、胸を張って宣言した。
「よく聞け、人間ども!」
「我こそは精霊王オルベリオンの眷属、“唐揚げの妖精さん”じゃ」
「控えおろう!!」と、ファンタジー世界のはずなのに
どこぞの御奉行様のように鼻息を漏らす唐揚げの妖精さんだった。
正体不明の女の子を前に、叫んだシオウの悲鳴。
「シオウッ!?」
ゼアロルドが飛び起き、扉が壊れそうな勢いで他の騎士たちも駆けつけてきた。
そして―――
「……は?」
である。
謎の美少女を前に、全員が言葉を失った。
そして、中でも冷静だったアルタイルさんの指示があって全員が騎士舎の食堂へと移動することになったのだが、
(んーーー……)
見た感じ、小学校低学年くらいか?
甘栗色の髪に、大きな翡翠の瞳。
ちょっとだけ尖った耳が印象的な少女は、今は俺の隣でホットミルクを両手で抱えている。
(……親とはぐれた迷子かな?)
ひとりなのに泣かない。強い子だな。
……けど、食堂の空気が落ち着かない。
なんたって―――見れば見るほど、似てるんだ。
「隊長に似てますね」
「あぁ、ゼアロルドさんに似ている」
「むしろ隊長以外に誰がいますかね?」
(……やっぱ、ゼアロンさんにすんごい似てないか?)
でも本人は俺の正面で周囲のざわめきを聞きながら、ムスッとしている。
……どうやら血縁ではないらしい。
その時、食堂の空気が一変。
ざわっ――と揺れた。
「やぁ。君たち、久しぶりだね」
美しい青銀の長髪と、薄い青色の瞳。
顔半分を覆う眼帯をしていたって分かる。
食堂に現れた彼の名前は――――
「……イーリエさん!」
「シオウ様。復帰後の再会は、はじめてだね」
「もう立って大丈夫なんですか!?お元気そうで良かったです!」
「ありがとう。また君に会えて嬉しいよ」
大半はお互いに聞き取れない会話だが、ぴょこぴょこした雰囲気で喜ぶシオウがたまらず可愛い。イーリエも花が咲いたように微笑み、シオウの頭を撫でた。
(あ、でもイーリエさんって結構背があるんだなぁ…)
記憶にあるのは、いつも誰かに運ばれていた小柄なイーリエさんの姿だった。こうして再会してみると、彼のほうが俺よりもずっと高かったのだと知った。
俺だって170センチはちょっとはあるのに… ちょっとショックだ。
すると近寄ってきたアルタイルさんに何かを促され、イーリエは少女を見た。
「さて……お嬢さん。君の名前を教えてくれるかな?」
「………」
少女はぷいっと顔を背け――なぜか、俺を見た。
(あ、そうだよね。先に自己紹介しないとね)
日々の勉強のおかげで俺も挨拶くらいは完璧にできるようになっていた。
「おはよう、俺は左都志央。シオウだよ」
「………」
「君の名前は?」
「ママ。おはよう、今日はいい天気ね」
「あはは… ママじゃないけど……え?」
その一瞬の静寂。
そして―――
「我は、唐揚げの妖精さん」
はっきりと聞こえた少女の声。
本日何度目かの、困惑する一同。
だが少女はすくっと椅子の上に立ち、胸を張って宣言した。
「よく聞け、人間ども!」
「我こそは精霊王オルベリオンの眷属、“唐揚げの妖精さん”じゃ」
「控えおろう!!」と、ファンタジー世界のはずなのに
どこぞの御奉行様のように鼻息を漏らす唐揚げの妖精さんだった。
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