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その日は長旅の疲れがどっと出て夕食の時間までベッドの住人となった。
コルセットはもちろん外させてもらって、準備されていたワンピースに着替えた。衣装部屋にはコルセット必須なドレスも並んでいたが見なかったことにする。
それにしてもいつの間に私のサイズの服を用意したんだろう。
メイドさんに聞いてみたら私が来る三日前に早馬で伝令が来て知らされたらしい。
三日で私の部屋など整えてくれたと知ってありがたいやら申し訳ないやら。
そしてあの辺境伯だが、四十五歳らしい。
メイドさんがコッソリ教えてくれたけど、獣人ということで世の女性が嫌厭して嫁のなり手がなかったそうだ。過去には彼に嫁ぐくらいならとそこらの男と駆け落ちしてしまった貴族女性もいるらしい。
なんだろう。私のいた世界には獣人がいないから逆にフラットに見れるというか、そんなに嫌悪するようなことか?と思う。
そのあたりもメイドさんに聞いてみた。ミミアというまだ若いメイドはおしゃべり好きで、私がこちらの風習とか詳しくないからとおねだりをすればあっさりと教えてくれた。
そもそも獣人というのは普通の人間から突然変異で産まれるのだそうだ。
はるか昔の血筋に獣人の血が混じっていたりすると先祖返りをして産まれてくるそうな。
獣人は大抵力が強く戦闘に向いている。だから獣人の就職先と言ったら基本的に軍隊なのだそうだ。
けれど獣人はその強さから気性も荒い者も多く、野蛮だと言われてきた。だから嫌われてきたのだと。
でもですね、とミミアは教えてくれる。旦那様は本当はとてもお優しい方ですよ、と。
だからどうか旦那様に歩み寄ってみてくださいと言われた。
うーん、と思いながらとりあえず夕食の時間になったのでミミアに連れられて降りていく。
食堂に案内されて席につくとすぐに辺境伯がやってきた。
「待たせたか」
「いえ、私もいま来たところです」
「そうか」
彼が席につくと食事が運ばれてくる。フランス料理のようなものかと思っていたら一度に皿をテーブルの上に並べられる。
「食べたいものをおっしゃってください。お取りします」
「えっと、じゃあスープから」
「かしこまりました」
ミミアが野菜たっぷりのスープの皿を目の前に置いてくれる。ちらりと辺境伯を見ると彼は肉から食べていた。らしいっちゃらしい。
お次は、お次は、と次から次へと食べていき、流石にお腹いっぱいになってデザートに移ってもらった。
デザートは柚子みたいな果実のシャーベットだった。さっぱりして良い。
そこでふと気づいた。ここって電気なのかな。明かりとかろうそくには見えないしでもこういう世界に電気が通っているというのもなんだか変な感じだ。
「あの」
食事が終わったのを見計らって声をかけた。
「なんだ」
「この明かりとかってどうやって灯しているんですか?」
「魔法だが?」
「え!魔法があるんですか?!」
すると彼は心底呆れたような顔をされた。
「きみはどうやって自分がこの世界に来たのか忘れたのか」
「あっ」
そうか、あれ魔法だったんだ。いっぱいいっぱいで気づいていなかった。
「言われてみればそうですね。全然気づいていなかったです。じゃあ私も魔法使えたりするんですかね」
「聖女であれば聖なる魔法が使えるはずだが巫女に違うと言われたのだろう?ならば使えないな」
ああ。あの感じの悪い人、巫女さんなんだ。
「そうですか……」
「使ってみたかったか」
「そりゃあそうですよ。私のいた世界では魔法なんて夢みたいなものでしたから。使ってみたいって思います」
「そうか……」
そう言って彼はなにやら考え込んでいた。なんだろう。
「明日、朝食を食べたら少し時間をもらっていいか」
「?良いですよ」
その日はお風呂に入った後は疲れからぐっすりと朝まで眠ってしまった。
奥様、奥様、と声がして誰のことだと思いながら目を覚ますとミミアがにっこり笑顔で私を見下ろしていた。
「起床のお時間ですよ、奥様」
そうだった、私はこの屋敷の主、ヴィルフォア辺境伯の妻になったのだった。まあ女主人と言われても何もわからないので名目上だけのものだが。
でもお世話になっているからにはきちんと覚えるべきことは覚えていきたいと思いう。
洗面台でミントみたいな味の葉っぱを噛み潰して歯を磨くらしい。この世界の歯ブラシはなんと馬の尻尾を切りろえたものらしくてナイロンに慣れている私の歯茎にはちょっと痛い。
そろそろと加減をしながら歯を磨いて口を濯ぎ、顔を洗うととさっとタオルを差し出された。
「ありがとう」
ミミアに礼を述べて顔を拭いてふう、と一息つく。
「今日はどのお召し物になさいますか?」
衣装部屋であれこれと見せられて一番楽そうなワンピースを選ぶ。ミミアはもっと派手なものを勧めてきたが私にはこれで十分だ。
食堂に入るとちょっと遅れて辺境伯が入ってきて席についた。
「パンは小麦のパンとライ麦のパンがありますがどちらになさいますか?」
ミミアの言葉にその辺は私のいた世界と同じなんだな、と思う。昨日食べたお肉やお魚はよくわからない名前のものだったのに。
ということは昨日のパンは普通に小麦のパンだったのだろう。ふむふむ。
「じゃあライ麦で」
「かしこまりました」
パンの入ったカゴを持ったメイドがやってきてひとつ皿の上に置いた。
「おひとつで大丈夫ですか?」
「あ、はい」
並んでいる皿はサラダにベーコンエッグにソーセージ、オムレツとあった。
辺境伯の方を見ると彼の前にはチキンレッグらしきものがあった。彼は朝から結構食べるらしい。まああの体格ならそれを維持するためにそれくらいは食べるか。
「なんだ、欲しいのか」
「いえ、たくさん食べるなあって。見ていて気持ちが良いです。シェフも作りがいがあるでしょうね」
そう思ったまま言うと、彼は意外そうな顔をした。なぜだ。
「……そうか」
彼はそう言ってまた食事を再開した。私もパンをちぎって口に運ぶ。
彼がどこか照れているように感じたのは気のせいだろう。
(続く)
コルセットはもちろん外させてもらって、準備されていたワンピースに着替えた。衣装部屋にはコルセット必須なドレスも並んでいたが見なかったことにする。
それにしてもいつの間に私のサイズの服を用意したんだろう。
メイドさんに聞いてみたら私が来る三日前に早馬で伝令が来て知らされたらしい。
三日で私の部屋など整えてくれたと知ってありがたいやら申し訳ないやら。
そしてあの辺境伯だが、四十五歳らしい。
メイドさんがコッソリ教えてくれたけど、獣人ということで世の女性が嫌厭して嫁のなり手がなかったそうだ。過去には彼に嫁ぐくらいならとそこらの男と駆け落ちしてしまった貴族女性もいるらしい。
なんだろう。私のいた世界には獣人がいないから逆にフラットに見れるというか、そんなに嫌悪するようなことか?と思う。
そのあたりもメイドさんに聞いてみた。ミミアというまだ若いメイドはおしゃべり好きで、私がこちらの風習とか詳しくないからとおねだりをすればあっさりと教えてくれた。
そもそも獣人というのは普通の人間から突然変異で産まれるのだそうだ。
はるか昔の血筋に獣人の血が混じっていたりすると先祖返りをして産まれてくるそうな。
獣人は大抵力が強く戦闘に向いている。だから獣人の就職先と言ったら基本的に軍隊なのだそうだ。
けれど獣人はその強さから気性も荒い者も多く、野蛮だと言われてきた。だから嫌われてきたのだと。
でもですね、とミミアは教えてくれる。旦那様は本当はとてもお優しい方ですよ、と。
だからどうか旦那様に歩み寄ってみてくださいと言われた。
うーん、と思いながらとりあえず夕食の時間になったのでミミアに連れられて降りていく。
食堂に案内されて席につくとすぐに辺境伯がやってきた。
「待たせたか」
「いえ、私もいま来たところです」
「そうか」
彼が席につくと食事が運ばれてくる。フランス料理のようなものかと思っていたら一度に皿をテーブルの上に並べられる。
「食べたいものをおっしゃってください。お取りします」
「えっと、じゃあスープから」
「かしこまりました」
ミミアが野菜たっぷりのスープの皿を目の前に置いてくれる。ちらりと辺境伯を見ると彼は肉から食べていた。らしいっちゃらしい。
お次は、お次は、と次から次へと食べていき、流石にお腹いっぱいになってデザートに移ってもらった。
デザートは柚子みたいな果実のシャーベットだった。さっぱりして良い。
そこでふと気づいた。ここって電気なのかな。明かりとかろうそくには見えないしでもこういう世界に電気が通っているというのもなんだか変な感じだ。
「あの」
食事が終わったのを見計らって声をかけた。
「なんだ」
「この明かりとかってどうやって灯しているんですか?」
「魔法だが?」
「え!魔法があるんですか?!」
すると彼は心底呆れたような顔をされた。
「きみはどうやって自分がこの世界に来たのか忘れたのか」
「あっ」
そうか、あれ魔法だったんだ。いっぱいいっぱいで気づいていなかった。
「言われてみればそうですね。全然気づいていなかったです。じゃあ私も魔法使えたりするんですかね」
「聖女であれば聖なる魔法が使えるはずだが巫女に違うと言われたのだろう?ならば使えないな」
ああ。あの感じの悪い人、巫女さんなんだ。
「そうですか……」
「使ってみたかったか」
「そりゃあそうですよ。私のいた世界では魔法なんて夢みたいなものでしたから。使ってみたいって思います」
「そうか……」
そう言って彼はなにやら考え込んでいた。なんだろう。
「明日、朝食を食べたら少し時間をもらっていいか」
「?良いですよ」
その日はお風呂に入った後は疲れからぐっすりと朝まで眠ってしまった。
奥様、奥様、と声がして誰のことだと思いながら目を覚ますとミミアがにっこり笑顔で私を見下ろしていた。
「起床のお時間ですよ、奥様」
そうだった、私はこの屋敷の主、ヴィルフォア辺境伯の妻になったのだった。まあ女主人と言われても何もわからないので名目上だけのものだが。
でもお世話になっているからにはきちんと覚えるべきことは覚えていきたいと思いう。
洗面台でミントみたいな味の葉っぱを噛み潰して歯を磨くらしい。この世界の歯ブラシはなんと馬の尻尾を切りろえたものらしくてナイロンに慣れている私の歯茎にはちょっと痛い。
そろそろと加減をしながら歯を磨いて口を濯ぎ、顔を洗うととさっとタオルを差し出された。
「ありがとう」
ミミアに礼を述べて顔を拭いてふう、と一息つく。
「今日はどのお召し物になさいますか?」
衣装部屋であれこれと見せられて一番楽そうなワンピースを選ぶ。ミミアはもっと派手なものを勧めてきたが私にはこれで十分だ。
食堂に入るとちょっと遅れて辺境伯が入ってきて席についた。
「パンは小麦のパンとライ麦のパンがありますがどちらになさいますか?」
ミミアの言葉にその辺は私のいた世界と同じなんだな、と思う。昨日食べたお肉やお魚はよくわからない名前のものだったのに。
ということは昨日のパンは普通に小麦のパンだったのだろう。ふむふむ。
「じゃあライ麦で」
「かしこまりました」
パンの入ったカゴを持ったメイドがやってきてひとつ皿の上に置いた。
「おひとつで大丈夫ですか?」
「あ、はい」
並んでいる皿はサラダにベーコンエッグにソーセージ、オムレツとあった。
辺境伯の方を見ると彼の前にはチキンレッグらしきものがあった。彼は朝から結構食べるらしい。まああの体格ならそれを維持するためにそれくらいは食べるか。
「なんだ、欲しいのか」
「いえ、たくさん食べるなあって。見ていて気持ちが良いです。シェフも作りがいがあるでしょうね」
そう思ったまま言うと、彼は意外そうな顔をした。なぜだ。
「……そうか」
彼はそう言ってまた食事を再開した。私もパンをちぎって口に運ぶ。
彼がどこか照れているように感じたのは気のせいだろう。
(続く)
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