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初めての狩り⑤
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代わりとなる武器を探して周囲を見回して、持参した手製の槍が目に留まった。
獲物を突き殺すのを想定して作ったその武器は、投げて使うこともできる。的は小さいが、素手よりも可能性は遥かに高いはずだ。
音を立てないように慎重に槍を掴み、構える。鳥は逃げない。右腕を大きく引き、的を目がけて思い切り投げた。槍は縦に膨らんだ放物線を描き、地面に突き刺さった。枝には掠りもしなかった。落下地点付近の草が揺れたのに驚いたらしく、鳥は羽音を立てて飛び去った。灰色の体はたちまちジャングルの闇に紛れた。
「なにを遊んどるんだ。随分と余裕があるようだな。経験者でもないくせに」
笑いを含んだ声が僕を嘲った。
僕は藪から抜け出して槍の柄を掴む。深く刺さっているらしく、抜けない。無理矢理引き抜こうとすると、真ん中から二つに折れた。
* * *
壊れた武器を前に僕は途方に暮れた。
「武器が全て壊れました」と正直に申告する? 狩りの失敗を嘲笑されたあとだけに、怖い。
武器を新調する? 工具なしで作るなんて、とても無理だ。
「シロともたっぷり遊んだし、そろそろ帰るかな」
ひとり言のようなシルヴァーの声を聞いて、冷たい汗が噴き出した。彼女は切り株から立ち上がり、両手で尻を払う。視線の方向は僕だ。
「どうだ、クロよ。獲物はとれたか?」
「いえ……まだです」
こちらの戦果を把握していて、冷やかしたような口ぶりだった。だから、正直にそう答えた。
「最善は尽くしたのですが、なにぶん初心者なので、短時間でしとめるのは難しかったです。いざ実践してみると、武器も思うように機能しなくて」
「言い訳がましいな。お前の言い分だと、もう少し時間をかければしとめられるそうだが」
「はい。可能性ならば充分に」
前向きな返事をしたのは、言い訳がましいと指摘された失敗を取り返したかったからであって、本気で狩れると思ったわけではない。
「ああ、そうか。じゃあ、あたしはシロと先に帰るから、お前は獲物をしとめるまで帰ってくるなよ」
「え……」
「もしくは、日が落ちるまでだな。お前は夕食の支度をしなければならない。自分が奴隷であることを片時も忘れるなよ」
シルヴァーはまとわりつくシロとともに、来た道を引き返していく。元気いっぱいに振られる白いしっぽと、鬱蒼としたジャングルには場違いな煌びやかさの銀色の後ろ髪は、すぐに植物の陰に隠れた。
「……どうすればいいんだ」
僕はまたしても途方に暮れた。しかし、制限時間が設定されていることを思い出し、とにもかくにも動き出す。
獲物を突き殺すのを想定して作ったその武器は、投げて使うこともできる。的は小さいが、素手よりも可能性は遥かに高いはずだ。
音を立てないように慎重に槍を掴み、構える。鳥は逃げない。右腕を大きく引き、的を目がけて思い切り投げた。槍は縦に膨らんだ放物線を描き、地面に突き刺さった。枝には掠りもしなかった。落下地点付近の草が揺れたのに驚いたらしく、鳥は羽音を立てて飛び去った。灰色の体はたちまちジャングルの闇に紛れた。
「なにを遊んどるんだ。随分と余裕があるようだな。経験者でもないくせに」
笑いを含んだ声が僕を嘲った。
僕は藪から抜け出して槍の柄を掴む。深く刺さっているらしく、抜けない。無理矢理引き抜こうとすると、真ん中から二つに折れた。
* * *
壊れた武器を前に僕は途方に暮れた。
「武器が全て壊れました」と正直に申告する? 狩りの失敗を嘲笑されたあとだけに、怖い。
武器を新調する? 工具なしで作るなんて、とても無理だ。
「シロともたっぷり遊んだし、そろそろ帰るかな」
ひとり言のようなシルヴァーの声を聞いて、冷たい汗が噴き出した。彼女は切り株から立ち上がり、両手で尻を払う。視線の方向は僕だ。
「どうだ、クロよ。獲物はとれたか?」
「いえ……まだです」
こちらの戦果を把握していて、冷やかしたような口ぶりだった。だから、正直にそう答えた。
「最善は尽くしたのですが、なにぶん初心者なので、短時間でしとめるのは難しかったです。いざ実践してみると、武器も思うように機能しなくて」
「言い訳がましいな。お前の言い分だと、もう少し時間をかければしとめられるそうだが」
「はい。可能性ならば充分に」
前向きな返事をしたのは、言い訳がましいと指摘された失敗を取り返したかったからであって、本気で狩れると思ったわけではない。
「ああ、そうか。じゃあ、あたしはシロと先に帰るから、お前は獲物をしとめるまで帰ってくるなよ」
「え……」
「もしくは、日が落ちるまでだな。お前は夕食の支度をしなければならない。自分が奴隷であることを片時も忘れるなよ」
シルヴァーはまとわりつくシロとともに、来た道を引き返していく。元気いっぱいに振られる白いしっぽと、鬱蒼としたジャングルには場違いな煌びやかさの銀色の後ろ髪は、すぐに植物の陰に隠れた。
「……どうすればいいんだ」
僕はまたしても途方に暮れた。しかし、制限時間が設定されていることを思い出し、とにもかくにも動き出す。
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