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腸詰地獄
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我が家の食卓で異常事態が発生している。
ソーセージ。比喩でもなんでもなく、ソーセージ。ソから始まりジで終わるあの加工食品に、献立が蹂躙されているのだ。
初めは、最近よくソーセージが出てくるなあ、くらいの感覚だった。頻度で言えば、三日に一回、三食のうちのいずれかにソーセージを使用した料理が登場する、程度のことだったと思う。それが毎日一回は必ず出てくるようになり、何かおかしい、と思い始めた。やがて毎食主菜がソーセージになり、これはただごとではない、と危機感を覚えた。
毎日三回食事を作っているのだから、料理を作る手間を省いて楽をしたい日が続く時だって、たまにはあるだろう。そう自らに言い聞かせ、事態が収束するのを黙して待ったが、攻勢は次第にエスカレートしていった。そして今や、ソテーされたソーセージの上にみじん切りのソーセージが散りばめられた料理が公然と食卓に並ぶ始末だ。
我慢も限界だった。しかしながら、食事面以外では実によくしてくれている妻を頭ごなしに叱責するのは憚られた。そこで私は、この異常事態の元凶を秘密裏に突き止め、それを取り除くことによって問題を解決しようと考えた。
私の見立てでは、冷蔵庫が疑わしかった。妻は、キッチンを自らのプライベートルームの一つと見なしている節があり、私といえども、妄りに冷蔵庫のドアを開けることを禁じていた。何が原因なのかは想像もつかないが、冷蔵庫の内部のどこかに、何らかの手がかりが隠されているに違いない。
冷蔵室は毎日のように覗いているが、不審な物体を見かけたことは一度もない。怪しむべきは、普段全く覗くことのない野菜室だ。
問題のドアを一思いに開けて、私は思わず絶叫してしまった。
冷え切った暗室の中に、ボイルされた娘のスーザンが膝を抱えて座っていたのだ!
ソーセージ。比喩でもなんでもなく、ソーセージ。ソから始まりジで終わるあの加工食品に、献立が蹂躙されているのだ。
初めは、最近よくソーセージが出てくるなあ、くらいの感覚だった。頻度で言えば、三日に一回、三食のうちのいずれかにソーセージを使用した料理が登場する、程度のことだったと思う。それが毎日一回は必ず出てくるようになり、何かおかしい、と思い始めた。やがて毎食主菜がソーセージになり、これはただごとではない、と危機感を覚えた。
毎日三回食事を作っているのだから、料理を作る手間を省いて楽をしたい日が続く時だって、たまにはあるだろう。そう自らに言い聞かせ、事態が収束するのを黙して待ったが、攻勢は次第にエスカレートしていった。そして今や、ソテーされたソーセージの上にみじん切りのソーセージが散りばめられた料理が公然と食卓に並ぶ始末だ。
我慢も限界だった。しかしながら、食事面以外では実によくしてくれている妻を頭ごなしに叱責するのは憚られた。そこで私は、この異常事態の元凶を秘密裏に突き止め、それを取り除くことによって問題を解決しようと考えた。
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