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一章 幼少期
その後
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│カチャカチャ
「おいしー!」
ティナは相当お腹が減っていたのか、吸い込むようにご飯をたいらげていく。
「・・・ティナ。ご飯は逃げない。ゆっくり食べろ。」
「うん!」
「しっかし、本当によく食べるな!!」
「ふふっ可愛いね。」
ティナがいるせいか、普段より穏やかな空気が食卓に流れている。
「そーいえばさ、ティナって俺らのこと怖くねぇーの?」
カイの一言で空気が緊張を含んだものにかわる。ルイドもヒュースも不安そうだ。周りの獣人も耳をたてているのがわかる。
「?ぜんぜんこわくないよ??ふわふわのおみみすき!!」
ティナは満面の笑顔でそう答えた。
「!ふーん、そっか!!」
カイは一瞬目を見開き、照れたように頬をかいた。
「へぇ、ルイドが言ってたこと本当だったんだ。」
ヒュースも嬉しそうにルイドに尋ねる。
「・・・あぁ。そうみたいだな。」
ルイドも目を細めた。心なしか口元がゆるんでみえる。
周りの獣人も嬉しかったのか、しっぽがリズムよく揺れていた。
「おーす!ん?何だこの空気は。」
団長はライオンの獣人で、人型のときはいかつい顔をしている。ちなみに、獣人には三段階変身できて、人型、獣人型、完全獣型の、三種だ。
「あっ!おはようございます団長!!」
「「「おはようございます!!!」」」
「・・・おはようございます。」
「おはようございます!」
「おはよぉございます。」
「あぁ。おはよう。お!元気そうだな?お嬢ちゃん。」
「・・・ティアーナです。ハンカチに刺繍で縫ってありました。」
「そーそー!俺達はティナって呼んでるです!」
「へぇー、俺がみねぇーうちに随分親しくなってるみたいじゃねぇか?」
(あ!やべぇよ!さすがに団長の顔見たらティナちゃん泣いちゃうんじゃないか?)
(((!確かに!!)))
(しかも!団長寝起きで、獣人型になってる!)
(((やっべぇぇぇ~!!・・・ごくり)))
「・・・ふ」
「「「「ふ?」」」」
「ふっわふわぁぁ~!!」
ティナは目をキラキラさせ、団長を見つめている。
「ん~?ふわふわぁ?あ!俺獣人型になってるじゃねぇーか!これじゃ怖がられるっ・・・ってん?」
「はわぁ~!さわっていい?」
「おぉう?まぁ、怖くねぇーなら・・・ほれ。」
団長は戸惑いつつもティナのためにかがみこんだ。
「うわぁ~ふわふわぁぁ♪」
ティナはというと、団長のたてがみに顔を埋め、スリスリとしている。その顔は、まさに砂漠をさ迷っていたところに、オアシスを見つけたような顔だ。
「おっ、おう?」
団長は、人間から初めて向けられた好意に、戸惑いまくっている。周りも、まさか獣人型になった団長が怖がられるどころか、好意を向けられている、という事実に驚きまくっている。そして、こう思ったのだ。この子は他の人間とは違うのではと。
「おいしー!」
ティナは相当お腹が減っていたのか、吸い込むようにご飯をたいらげていく。
「・・・ティナ。ご飯は逃げない。ゆっくり食べろ。」
「うん!」
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「ふふっ可愛いね。」
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「そーいえばさ、ティナって俺らのこと怖くねぇーの?」
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「!ふーん、そっか!!」
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ヒュースも嬉しそうにルイドに尋ねる。
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ルイドも目を細めた。心なしか口元がゆるんでみえる。
周りの獣人も嬉しかったのか、しっぽがリズムよく揺れていた。
「おーす!ん?何だこの空気は。」
団長はライオンの獣人で、人型のときはいかつい顔をしている。ちなみに、獣人には三段階変身できて、人型、獣人型、完全獣型の、三種だ。
「あっ!おはようございます団長!!」
「「「おはようございます!!!」」」
「・・・おはようございます。」
「おはようございます!」
「おはよぉございます。」
「あぁ。おはよう。お!元気そうだな?お嬢ちゃん。」
「・・・ティアーナです。ハンカチに刺繍で縫ってありました。」
「そーそー!俺達はティナって呼んでるです!」
「へぇー、俺がみねぇーうちに随分親しくなってるみたいじゃねぇか?」
(あ!やべぇよ!さすがに団長の顔見たらティナちゃん泣いちゃうんじゃないか?)
(((!確かに!!)))
(しかも!団長寝起きで、獣人型になってる!)
(((やっべぇぇぇ~!!・・・ごくり)))
「・・・ふ」
「「「「ふ?」」」」
「ふっわふわぁぁ~!!」
ティナは目をキラキラさせ、団長を見つめている。
「ん~?ふわふわぁ?あ!俺獣人型になってるじゃねぇーか!これじゃ怖がられるっ・・・ってん?」
「はわぁ~!さわっていい?」
「おぉう?まぁ、怖くねぇーなら・・・ほれ。」
団長は戸惑いつつもティナのためにかがみこんだ。
「うわぁ~ふわふわぁぁ♪」
ティナはというと、団長のたてがみに顔を埋め、スリスリとしている。その顔は、まさに砂漠をさ迷っていたところに、オアシスを見つけたような顔だ。
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