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一章 幼少期
その後の騎士たち。ステータス確認
しおりを挟むティナが眠りについたあと、ルイドたちは、ティナを心配していた騎士達にティナが起きたことを伝え、騎士団長にティナが記憶を戻したらしいと報告した。
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「つまり、ティナは自分が捨てられた時のことを思い出したみたいなんだな?」
「・・・はい。ティナもまだ三歳ですから、覚えていることは少ないでしょうが、『もう会えない。』と泣いていました。」
ルイドは苦しいそうにそう報告する。
「まぁ、何がともあれティナが目を覚まして良かったよ。おい、ルイド。今から騎士どもを集めることは出来るか?」
「?・・・可能ですが。」
ルイドは団長のいきなりの申し出に目を瞬く。
「なら、いつも集会をする部屋に集めてくれ。警備をしている奴らを除いて全員だ。カイ達も手伝ってくれ。」
「おう!任せてくれ!!」
元気よくカイが答え、部屋を飛び出す。
「いきなりだけど、団長にもなにか考えがあるんですよね?了解です。」
とヒュースも一礼してから音もなく部屋をでた。
「・・・では、俺も集めてきます。」
一礼してから、ルイドもヒュース達を追って部屋をでた。
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「・・・ってことだ!お前らぁ!!いいか。ティナは人間だが、そんなことはどうでもいい!この寄宿舎で暮らすからには、寂しい思いはさせんなよ!」
団長はこの寄宿舎で暮らす騎士達にティナの生い立ちを説明し、ティナを守っていこうと話した。
騎士達はというと、
「当たり前です!」「当然ですよ団長!」
「言われなくても!なぁ?」「おう!!」
そこには人間と獣人との溝は何処にもなかった。
その様子を見ていた騎士団長は、他の人間とのわだかまりがいつか消えることを祈った。
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翌朝、騎士達がそんな話をしていたなど知らないティナは、ベッドの上で一人悶えていた。
(うわぁー!やらかした!いくら精神が三歳だとはいえ、あんなに泣きじゃくるとかはっず!穴があったら入りたいぃい!!)
と騎士が置いていったであろう人形を、半分首をしめる形で抱きしめ、昨日のことを振り替える。前世では十五歳だったティナは、人前で泣きじゃくったことを後悔した。
(・・・はぁ、はぁ、過ぎたことはしょうがない。次から気を付けよう。)
そう気持ちを切り替え、ベッドから降りる。
(そういえば、私どうしてここに居るんだろ?確かルイドに拾われたんだよね??何で森にいたのかな・・・だめだ。思い出せない。)
ティナは思い出すことを一端諦め、部屋を出ようとドアノブに手をかけた。
ガチャ!「わっ!」
ティナはいきなり空いたドアに驚き尻もちをつく。
「!・・・あぁ、すまない。もう起きていたか。」
そこには朝食が乗ったトレーをもったルイドが立っていた。
「まだ安静にしていたほうがいい。朝食を持ってきた。食べるといい。」
ルイドは病み上がりのティナの為に消化に良さそうなスープとパンを持ってきたようだ。
ティナの部屋にスープとパンの匂いが広がる。
(やった!お腹減ってたんだよね!!)
「ありがとー!!」
ティナはいそいそと小さいテーブルに向かう。そんなティナをみたルイドは、
「・・・もう大丈夫そうだな。」
と呟く。
ティナは聞こえなかったのか、忙しく頬にパンを詰めこんでいた。
│││││││││││││││││││││
しばらくたち、ティナが食べ終わったのを確認したルイドはトレーを持って部屋を出ていった。このあと騎士の仕事に向かうのだろう。
優雅?な朝食を終えたティナはこれからのことを考えていた。
(せっかく異世界転生したんだもん!楽しまなきゃね!!もしかしたら魔法使えるかも!燃えてきたぁぁ!!!)
ティナは目に闘志を秘め、憧れの魔法を絶対に使ってやる!と息巻いていた。
(ラノベとかでは魔法を使うには魔力が必要で、魔力とは血液みたいなもの、とかだったかな?んー、血液、血液・・・)
前世で培った知識と創造力で魔力を必死に感じようとする。
(お!体がポカポカしてきた!この血液の中にあるなんかが魔力かな!?うわぁ!異世界っぽい!!ラノベの知識万歳!!!もしかして、私、魔法使えるかも!唸れ私の創造力!!水よ出ろ~~)
ティナは魔力らしき物を感じたことで興奮し、魔法を使えるのでは?と思った。水を出そうと、頭の中で水を思い浮かべ、血液の中にある魔力?を使いその魔力を水に変えるイメージをする。
バシャッ!!
勢いよく水が床にこぼれる。
「おぉふ!」
(やっちまったぁ!よかった!ベッドの上でやらなくて!!危うくお漏らしみたくなってたよ!!!)
さすがに、ベッドで漏らしたことになり、シーツを誰かに洗ってもらう。なんてことになったら一生部屋から出れない。ティナは三歳なので、笑って許されるだろうが、ティナのプライドが許さなかった。
(ふー、とりあえず魔法使えた!あ!そういえば、私のステータスって見れるのかな?)
・・・「ステータスオープン!!!」
フォン♪(で、でたぁぁぁあ!!)
叫ばなかったのを褒めてほしい。
(本当に異世界なんだ!いよいよラノベだな!!ふむふむ、これが私のステータスか。)
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ティアーナ・シウス・ルクシール:人間
レベル/1
体力:50/50
魔力:100/100(+0000まだ解放できません)
筋力:10/10
敏捷:20/20
運 :100
属性:火、水、風、地、光、闇、無
称号:転生者、精霊の愛し子
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!?
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