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本編
第101話 当主会談と御神木、そして乱入者約一名②
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「い、異世界から……ですか? で、でも……どうしてまた……」
驚きつつも質問を発した千陽に、リリアはいつになく真面目な表情で答える。
「ふむ。簡単に言えば、『私たちの世界の神様からの依頼』を受けたからだな。曰く、『地球から異世界に転移――連れ去られるケースが増えている。その原因を突き止め、問題を解消して欲しい』とな」
「えっ? は、はいっ!? か、神様からの依頼……? 異世界転移が増えている?」
――そんなの、まるで漫画か小説の中でのみのフィクションじゃないか、と「冗談も休み休み言え」と言いたい千陽だったが、答えたリリアは至極真面目な面持ちで話を続ける。
「それで、だ。こちらにやって来て、本格的に調べようとした矢先、どういうワケか今回の戦いの契機ともなったナイトオーガ……つまり、魔物が持つ『魔煌石』を人の身に埋め込んだ輩が出現した。貴方がたはかの石を埋め込まれ、その石の力に侵食された結果、魔物に堕ちた者を『魔喰ワレ』、魔物の力を制御できるまでに至った者を『魔喰人』と言うらしいが……そのルーツを辿ればどちらも同じく異世界の技術だ」
「っ――!?」
リリアの衝撃的な言葉に、その場に居合わせた健介たちが息を呑んだ。
「もっとも、この魔喰ワレや魔喰人を生み出す技法は、私たちの世界では『禁忌』とされたもので、今ではその実験自体行ってはならないとされている代物だ」
「で、ですが現に……」
リリアの発言に、健介はあの戦闘で目にした者たちの姿を脳裏に思い浮かべながら言葉を返す。
「あぁ。その禁忌を犯し、あまつさえその力を戦力として運用する組織が現れた。『魔喰人』を生み出す実験はそれ自体の悍ましさもさることながら、成功率も極めて低いことも要因にある。そして、魔煌石は魔物の体内からしか採取できない特殊な鉱物だ。そして私たちが受けた依頼……この二つを並べると……」
「っ――! ま、まさか!?」
健介はリリアの発言に含まれた意図を察し、思わずゴクリと喉を鳴らす。
「その『組織』とやらが異世界転移を行い、代わりに魔物を地球に引き込んでいる、と?」
「あくまで現時点での推測に過ぎないがな……」
(仮にこの話が真実だとしたら……とてもじゃないが御水瀬家だけでどうこうできる話ではない。いや、そもそも相手は二つの世界に影響を及ぼせるほどの力を持つ存在だ。五家門の力を結集して対処することなど――)
リリアが軽く頷きながら口にした言葉を、健介はゆっくりと頭の中で反芻しながら彼女らの真意に気付く。
「……なるほど。お話は分かりました。だが、ただ単にそれだけではない……違いますか?」
健介はスッと目をツグナに向けながら、確認するように問いかける。
「――えぇ。仰る通りです。俺たちは……貴方たちと友好的な関係を築きたい、と考えています。敵は考えてみるに強大だ。戦うにはそれ相応の準備がいる。両手で数えられるだけの人数しかいない俺たちだけでは、到底陣容が足りているとは思えませんからね」
健介からの問いに、ツグナは頷きながらもしっかりとした口調で自分たちの主張を言葉にする。
「友好的な関係……ですか。同盟ではなく?」
やや予想外だと思えた健介は、ツグナにその真意を訊ねる。彼の口にした「友好的関係」は、両者ともに歩み寄った前向きな関係性だと表現できるが、「同盟」のそれより比較的弱いものだとも言える。
魔煌石を利用し、「魔喰人」を生みだすような実験を繰り返しながらも戦力を拡大させようとしている存在が明確となった今、同じ敵を見据えるものに対し、「同盟」という強固な関係性ではなく、あえて「友好的関係」を提案するその意図を健介は訊ねた。
「……はい。確かにお互い共通の敵を打倒する必要を考えれば、同盟を結べばより親密な関係を構築できるでしょう。ですが、俺たちはこことは異なる世界からやって来た者だ。見てくれはほぼ同じと言えど、俺たちはまだ出会って間もない。完全に信用することはできない言うべきだ。国同士がいざこざを起こすほどなのだから、異なる世界ならばなおさらだ」
「だから、あえて『友好的関係』にとどめる、と?」
「えぇ、『まずは友だちから始めましょう』ということですね」
ツグナの説明を聞いた健介は、顎を撫でながら「なるほど」と小さく呟く。そして同時に「悪くない」とも感じていた。
驚きつつも質問を発した千陽に、リリアはいつになく真面目な表情で答える。
「ふむ。簡単に言えば、『私たちの世界の神様からの依頼』を受けたからだな。曰く、『地球から異世界に転移――連れ去られるケースが増えている。その原因を突き止め、問題を解消して欲しい』とな」
「えっ? は、はいっ!? か、神様からの依頼……? 異世界転移が増えている?」
――そんなの、まるで漫画か小説の中でのみのフィクションじゃないか、と「冗談も休み休み言え」と言いたい千陽だったが、答えたリリアは至極真面目な面持ちで話を続ける。
「それで、だ。こちらにやって来て、本格的に調べようとした矢先、どういうワケか今回の戦いの契機ともなったナイトオーガ……つまり、魔物が持つ『魔煌石』を人の身に埋め込んだ輩が出現した。貴方がたはかの石を埋め込まれ、その石の力に侵食された結果、魔物に堕ちた者を『魔喰ワレ』、魔物の力を制御できるまでに至った者を『魔喰人』と言うらしいが……そのルーツを辿ればどちらも同じく異世界の技術だ」
「っ――!?」
リリアの衝撃的な言葉に、その場に居合わせた健介たちが息を呑んだ。
「もっとも、この魔喰ワレや魔喰人を生み出す技法は、私たちの世界では『禁忌』とされたもので、今ではその実験自体行ってはならないとされている代物だ」
「で、ですが現に……」
リリアの発言に、健介はあの戦闘で目にした者たちの姿を脳裏に思い浮かべながら言葉を返す。
「あぁ。その禁忌を犯し、あまつさえその力を戦力として運用する組織が現れた。『魔喰人』を生み出す実験はそれ自体の悍ましさもさることながら、成功率も極めて低いことも要因にある。そして、魔煌石は魔物の体内からしか採取できない特殊な鉱物だ。そして私たちが受けた依頼……この二つを並べると……」
「っ――! ま、まさか!?」
健介はリリアの発言に含まれた意図を察し、思わずゴクリと喉を鳴らす。
「その『組織』とやらが異世界転移を行い、代わりに魔物を地球に引き込んでいる、と?」
「あくまで現時点での推測に過ぎないがな……」
(仮にこの話が真実だとしたら……とてもじゃないが御水瀬家だけでどうこうできる話ではない。いや、そもそも相手は二つの世界に影響を及ぼせるほどの力を持つ存在だ。五家門の力を結集して対処することなど――)
リリアが軽く頷きながら口にした言葉を、健介はゆっくりと頭の中で反芻しながら彼女らの真意に気付く。
「……なるほど。お話は分かりました。だが、ただ単にそれだけではない……違いますか?」
健介はスッと目をツグナに向けながら、確認するように問いかける。
「――えぇ。仰る通りです。俺たちは……貴方たちと友好的な関係を築きたい、と考えています。敵は考えてみるに強大だ。戦うにはそれ相応の準備がいる。両手で数えられるだけの人数しかいない俺たちだけでは、到底陣容が足りているとは思えませんからね」
健介からの問いに、ツグナは頷きながらもしっかりとした口調で自分たちの主張を言葉にする。
「友好的な関係……ですか。同盟ではなく?」
やや予想外だと思えた健介は、ツグナにその真意を訊ねる。彼の口にした「友好的関係」は、両者ともに歩み寄った前向きな関係性だと表現できるが、「同盟」のそれより比較的弱いものだとも言える。
魔煌石を利用し、「魔喰人」を生みだすような実験を繰り返しながらも戦力を拡大させようとしている存在が明確となった今、同じ敵を見据えるものに対し、「同盟」という強固な関係性ではなく、あえて「友好的関係」を提案するその意図を健介は訊ねた。
「……はい。確かにお互い共通の敵を打倒する必要を考えれば、同盟を結べばより親密な関係を構築できるでしょう。ですが、俺たちはこことは異なる世界からやって来た者だ。見てくれはほぼ同じと言えど、俺たちはまだ出会って間もない。完全に信用することはできない言うべきだ。国同士がいざこざを起こすほどなのだから、異なる世界ならばなおさらだ」
「だから、あえて『友好的関係』にとどめる、と?」
「えぇ、『まずは友だちから始めましょう』ということですね」
ツグナの説明を聞いた健介は、顎を撫でながら「なるほど」と小さく呟く。そして同時に「悪くない」とも感じていた。
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