2 / 6
2
しおりを挟む
「どうせ、また聞きに来るんでしょ? だったらずっと、俺のファンでいなよ。可愛がってあげるからさ」
(なんだよ、このセリフ、恥ずかしい)
部屋の中で一人。パソコン画面を見つめながら、自作のダミーヘッドに向かって話しかける。
配信までに何度も目を通しているけれど、実際に声に出して言ってみると、かなり照れくさい。
だって、普段の鈴木は絶対に言わないような言葉、なのだ。
自分に自信がある、陽キャの人しか言わないような言葉。だから、言い慣れないし、どういう顔をしていいのかわからなくなる。
(まあ、見えてないけど……)
チャンネルを立ち上げる時に、イラストを注文した。イラストは普段の鈴木とは似ても似つかない、イケメンだ。
百七十センチ、中肉中背。
数か月切っていない髪の毛は少々もっさりしていて、眼鏡にかかっている。髪色も自然体の黒だ。
けれど、配信用のイラストは違う。イラストを決める時、今村に相談したら『絶対イケメンにしたほうがいい』と言われて、オーダーを出した。
黒髪だけど、綺麗に整えた艶のある髪。アニメキャラみたいなイラストだから髪型だってスッキリとしている。ついでに服装も、カジュアルすぎず、かっちりしすぎていない、雑誌のイケメンがきているような服。
「みんな、ありがとう。順番に名前呼んでくね。呼ばれてない人はコメントで教えて」
配信すると何人もの人が投げ銭をくれる。ものすごく人気の配信者というわけではないけれど、バイトをする必要がないくらいにはもらえているのだと思う。半年たって、毎回配信時に投げ銭をしてくれる人もできてきた。
順番にお礼を言って、見慣れたアイコンを見つけた。
『リリ』カタカナの名前で覚えやすい。彼女(名前から言って女だと思っている)は、今村とゲーム配信をしていた時、はじめに投げ銭をしてくれた人だ。
金額は多くはない。けれど、無料のスタンプをくれたり、コメントをくれたりする。
「リリさん、いつもありがとう」
読み上げたら、『リリさん』がコメントに可愛いスタンプを押してくれた。
配信画面を閉じて、ヘッドフォンを外す。
(ん、これでいい)
どうせ、普段の鈴木はモテないのだ。男と話すのはまだいいけれど、かわいい女子となんて話せるわけがない。
そりゃ、本音を言ったら可愛い彼女が欲しいけれど、鈴木の見た目はあまりにも普通、なのだ。背が高いわけでも、運動ができるわけでも、勉強ができるわけでもない。
(このイラスト、ほんと俺に似てない)
同じ黒髪なのに、どうしてこうも違うのだと思ってしまうほど、配信用のイラストはかっこいい。まあ、アニメや漫画に出てくるようなキャラにしてもらったから当たり前なのだけれど。
(なんだよ、このセリフ、恥ずかしい)
部屋の中で一人。パソコン画面を見つめながら、自作のダミーヘッドに向かって話しかける。
配信までに何度も目を通しているけれど、実際に声に出して言ってみると、かなり照れくさい。
だって、普段の鈴木は絶対に言わないような言葉、なのだ。
自分に自信がある、陽キャの人しか言わないような言葉。だから、言い慣れないし、どういう顔をしていいのかわからなくなる。
(まあ、見えてないけど……)
チャンネルを立ち上げる時に、イラストを注文した。イラストは普段の鈴木とは似ても似つかない、イケメンだ。
百七十センチ、中肉中背。
数か月切っていない髪の毛は少々もっさりしていて、眼鏡にかかっている。髪色も自然体の黒だ。
けれど、配信用のイラストは違う。イラストを決める時、今村に相談したら『絶対イケメンにしたほうがいい』と言われて、オーダーを出した。
黒髪だけど、綺麗に整えた艶のある髪。アニメキャラみたいなイラストだから髪型だってスッキリとしている。ついでに服装も、カジュアルすぎず、かっちりしすぎていない、雑誌のイケメンがきているような服。
「みんな、ありがとう。順番に名前呼んでくね。呼ばれてない人はコメントで教えて」
配信すると何人もの人が投げ銭をくれる。ものすごく人気の配信者というわけではないけれど、バイトをする必要がないくらいにはもらえているのだと思う。半年たって、毎回配信時に投げ銭をしてくれる人もできてきた。
順番にお礼を言って、見慣れたアイコンを見つけた。
『リリ』カタカナの名前で覚えやすい。彼女(名前から言って女だと思っている)は、今村とゲーム配信をしていた時、はじめに投げ銭をしてくれた人だ。
金額は多くはない。けれど、無料のスタンプをくれたり、コメントをくれたりする。
「リリさん、いつもありがとう」
読み上げたら、『リリさん』がコメントに可愛いスタンプを押してくれた。
配信画面を閉じて、ヘッドフォンを外す。
(ん、これでいい)
どうせ、普段の鈴木はモテないのだ。男と話すのはまだいいけれど、かわいい女子となんて話せるわけがない。
そりゃ、本音を言ったら可愛い彼女が欲しいけれど、鈴木の見た目はあまりにも普通、なのだ。背が高いわけでも、運動ができるわけでも、勉強ができるわけでもない。
(このイラスト、ほんと俺に似てない)
同じ黒髪なのに、どうしてこうも違うのだと思ってしまうほど、配信用のイラストはかっこいい。まあ、アニメや漫画に出てくるようなキャラにしてもらったから当たり前なのだけれど。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
婚約者の幼馴染?それが何か?
仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた
「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」
目の前にいる私の事はガン無視である
「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」
リカルドにそう言われたマリサは
「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」
ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・
「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」
「そんな!リカルド酷い!」
マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している
この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ
タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」
「まってくれタバサ!誤解なんだ」
リカルドを置いて、タバサは席を立った
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる