好きなのは俺の声だけですか?

高羽流生

文字の大きさ
3 / 6

3

しおりを挟む
(はぁ……、昨日ちょっと遅くまでやりすぎたな)

 昨日、久々に今村とコラボのゲーム配信をした。

 人気ゲームの最新作が出て、二人してハマってしまったのだ。ゲームの話で盛り上がって、『一緒に配信しねぇ?』と今村に言われて、急遽コラボ配信をしたのだけれど、人気のゲームだからか視聴してくれる人が多くて、今村も鈴木もテンションが上がってしまったのだ。

 結果、0時近くまでゲームをしてしまって、少々寝不足である。

(まあ、親がいないのはやりやすいよな)

 鈴木の両親は共働きだ。二人とも飲食のサービス業だから、週末はほとんど家にいない。鈴木が小さい頃は母親は家にいたのだけど、今年になって母親も仕事に行くようになった。

 小さい子供ではないし、まして鈴木は男だ。

 一人で留守番させても問題ないと思っているのだろう。どちらかと言えば、バイトをしろと言われるくらいだ。

 ただ、バイトに行くよりも配信しているほうが稼げるのも事実である。両親にはチラッと言ってみたが、よくわからないからなのか理解は得られなかった。

 二人とも家にいないから、遅くまで配信していても何か言われるわけではないし、配信する日は『部屋に来ないで』と言っているから、邪魔が入ることはない。

「ふぁっ……、ねむ……」

 腹がいっぱいになると余計に睡魔が襲ってくる。午後の授業が始まるまで、少しだけ昼寝でもしようかと机に突っ伏した。

「ゆーり、何してんの? ……あ、ゲーム配信? 結構面白いよね?」
「うん」
「何のゲーム?」

 うとうととしていたら、相川と高野の話し声が聞こえてきた。『ゲーム配信』という言葉を聞いて、なんとなく気になり、聞き耳を立てる。

(高野さん、ゲーム配信とか見るんだ。まあ、いろいろあるもんな)

 同じクラスにはいるけれど、関わることなんてほとんどないから、当たり前だけれど、高野たちが何に興味があるのか知らない。ただ、勝手に二人みたいな日常がキラキラしている人たちは、外に出かけて遊んでいる、そういうイメージだった。

「なんか、間違い探しみたいなやつ」
「あー、これ知ってる。誰の配信?」
「村田って人」
「その人知ってる。何個も配信してるよね?」

(……え? ムラタ?)

 『ムラタ』というのは、今村が配信するときに使っている名前だ。よくある名前だけれど、ゲーム配信者で『ムラタ』という名前を使っている人を鈴木は他に知らない。

 驚いて顔を上げそうになったが、グッと堪えて寝たふりを続ける。相川が「誰かとコラボしてなかったっけ?」と言った声が聞こえたからだ。

「あ、そうそう、この間『サク』って人とやってたの見た。『サク』のチャンネルもあるみたいだけど……」
「うん。台本読んでるね」

(ええ! 嘘だろ? そっちも知ってんの?)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

婚約者の幼馴染?それが何か?

仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた 「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」 目の前にいる私の事はガン無視である 「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」 リカルドにそう言われたマリサは 「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」 ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・ 「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」 「そんな!リカルド酷い!」 マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している  この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」 「まってくれタバサ!誤解なんだ」 リカルドを置いて、タバサは席を立った

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...