3 / 4
記憶編
嫌な予感
しおりを挟む
「・・・で、その警察の方が何の用で・・・?」
「今雨降ってるってこと解ってる?」
そう言いながらその青年・・・
というか警察の柚希圭は、私の方に手を伸ばし、傘を差しだす。
「・・・入れっていうことですか?」
「そう。入らないと風邪ひくよ?」
「・・・ありがとうございます。」
その言葉に甘え、そのままその小さめなビニール傘にお邪魔する。
「えーっと・・・
近くの病院は・・・ああ、向こうだね」
ふと、隣にいる柚希圭という人を見てみる。
体の半分ほどが傘からはみ出て、左半身が濡れていることに気付いた。
「・・・柚希圭さん、ですっけ?」
「圭でいいよ~」
この人こんなふわふわした喋り方するのか。
「・・・圭さん。体出てますけど。」
「ん~・・・あ、本当だ・・・」
気付いてなかったんですか。
この人警察やってて大丈夫なんだろうか。
「・・・もうすぐ病院なので、そのまま走って帰りますよ?」
「仮にも女の子だからね。ちゃんと送ってから帰すよ。」
・・・台詞だけ聞くと少し胡散臭いが、お言葉に甘えて病院まで送ってもらった。
「それじゃあまたいつか、会う時まで。」
ご丁寧に病院の敷地内まで入って送ってくれた。
・・・ああ。そうだった・・・
勝手に病院を抜け出したから叱られるな・・・
など、考えたのは看護士に呼び止められた後だった。
「山本さん!今日のリハビリ頑張ったわね!」
今日の、リハビリ・・・?
私は今日リハビリが始まる前に逃げ出したはず・・・
「・・・あ、いや看護士さん・・・?」
「ああ、今日頑張りすぎて疲れちゃったのね。ゆっくりお休みなさい?」
・・・まさか、私が知らないうちに別の私がいて・・・
なんて、空想をしてみる。
「そうだ!山本さん、言い忘れてたわ」
「・・・何をですか?」
いやな予感がする。
「明日からご両親のご希望でね、
山本さんのカウンセリングが行われることになったのよ!」
いやな予感・・・が、的中したのかどうかわからないな
「・・・わかりました。
カウンセリングがあるときは呼んでください」
「ええ、わかったわ
それじゃあゆっくり休んでね」
・・・
「ドッペルゲンガー・・・か。」
病室に戻りながら一人そんなことを呟くのだった。
もしかしたら病室の中に誰かいるのかも、
など思いながらドアを開けても誰もいない。
・・・ああ。無駄に怖がってしまったな。
そう思いながら私は固い布団にくるまって寝るのだった。
ーーー私のいやな予感が、的中してるとも知らないで。
そのカウンセリングが、どう影響を与えるかも知らないで・・・
「今雨降ってるってこと解ってる?」
そう言いながらその青年・・・
というか警察の柚希圭は、私の方に手を伸ばし、傘を差しだす。
「・・・入れっていうことですか?」
「そう。入らないと風邪ひくよ?」
「・・・ありがとうございます。」
その言葉に甘え、そのままその小さめなビニール傘にお邪魔する。
「えーっと・・・
近くの病院は・・・ああ、向こうだね」
ふと、隣にいる柚希圭という人を見てみる。
体の半分ほどが傘からはみ出て、左半身が濡れていることに気付いた。
「・・・柚希圭さん、ですっけ?」
「圭でいいよ~」
この人こんなふわふわした喋り方するのか。
「・・・圭さん。体出てますけど。」
「ん~・・・あ、本当だ・・・」
気付いてなかったんですか。
この人警察やってて大丈夫なんだろうか。
「・・・もうすぐ病院なので、そのまま走って帰りますよ?」
「仮にも女の子だからね。ちゃんと送ってから帰すよ。」
・・・台詞だけ聞くと少し胡散臭いが、お言葉に甘えて病院まで送ってもらった。
「それじゃあまたいつか、会う時まで。」
ご丁寧に病院の敷地内まで入って送ってくれた。
・・・ああ。そうだった・・・
勝手に病院を抜け出したから叱られるな・・・
など、考えたのは看護士に呼び止められた後だった。
「山本さん!今日のリハビリ頑張ったわね!」
今日の、リハビリ・・・?
私は今日リハビリが始まる前に逃げ出したはず・・・
「・・・あ、いや看護士さん・・・?」
「ああ、今日頑張りすぎて疲れちゃったのね。ゆっくりお休みなさい?」
・・・まさか、私が知らないうちに別の私がいて・・・
なんて、空想をしてみる。
「そうだ!山本さん、言い忘れてたわ」
「・・・何をですか?」
いやな予感がする。
「明日からご両親のご希望でね、
山本さんのカウンセリングが行われることになったのよ!」
いやな予感・・・が、的中したのかどうかわからないな
「・・・わかりました。
カウンセリングがあるときは呼んでください」
「ええ、わかったわ
それじゃあゆっくり休んでね」
・・・
「ドッペルゲンガー・・・か。」
病室に戻りながら一人そんなことを呟くのだった。
もしかしたら病室の中に誰かいるのかも、
など思いながらドアを開けても誰もいない。
・・・ああ。無駄に怖がってしまったな。
そう思いながら私は固い布団にくるまって寝るのだった。
ーーー私のいやな予感が、的中してるとも知らないで。
そのカウンセリングが、どう影響を与えるかも知らないで・・・
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる