父の後妻に婚約者を盗られたようです。

和泉 凪紗

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8.エピローグ

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 いろいろな手続きは無事終わった。本当に大変だった。あの後もユーシス様は何度も『やり直したい。愛している』といった内容の手紙が届いた。屋敷の前にまで来たこともある。
 この点に関してはユーシス様の家に強く抗議した。屋敷にくることはなくなったが、手紙は何度か届いた。ユーシス様の家族は手紙を出せないようにしていたはずなのに、どうやって出していたのか……。

 ユーシス様の家とロレッタ様の家からの慰謝料はかなり大きな額になった。ロレッタ様の家はかなり事業で成功している。過去に傾いていたことは知らなかったのでお祖父様といろんな取り決めがあったことは想像もしていなかった。
 ユーシス様の家は我が家との取り引きや援助がなくなり若干傾きかけている。ある程度は支払ってもらったが慰謝料が全て回収できるかは怪しい。
 ロレッタ様の父親は誠意として慰謝料を一括で支払ってくれた。取り決めたこと以外にもいろいろと便宜をはかってくれる。このこともあり、わたしたちはその後、事業でさらなる成功を納めつつある。

 ユーシス様はロレッタ様との結婚を渋っているそうだ。なんでもわたしと結婚するからできない、とか。そんなことは天地がひっくり返ってもあり得ないというのに……。それでも子供のために一緒になるように周囲に言われ一緒に暮らしてはいるらしい。現実を受け入れられず、いろんな女性のところに入り浸っているみたいだけど……。わたしには関係のないことだ。
 あんな男と結婚しなくて本当に良かった。

 今度の婚約者選びはもっと慎重に行おうと思う。結婚する人はやはり誠実な人が良い。今回のことを知ったもう一人のお祖父様がわたしの婚約者にふさわしい人と探してくれているようだ。
 もう一人のお祖父様はわたしがお父様の娘として育てられているため、わたしのお祖父様と名乗ることはなかったそうだ。それでもわたしのことは孫娘と思ってくれているようで、わたしが幸せになれるよう力を尽くしてくれている。今後はお祖父様との交流も深めていきたい。

 わたしは今、充実した毎日を送っている。お父様もいろいろと吹っ切れたようだ。仕事に打ち込んでいる。
 思い切ってロレッタ様の浮気を暴いて良かったと思う。あの時勇気を出さなければ、わたしは婚約者の子供ときょうだいになるところだった。結婚後もユーシス様とロレッタ様の関係は続いたのだろう。
 もしかしたら、妊娠を知ったロレッタ様の父親がロレッタ様を連れ帰ったかもしれない。でもその場合はユーシス様との関係は明らかにならず、わたしが結婚後も二人の関係は続いた可能性がある。
 皆の前ではっきりさせなければ、お父様もわたしも不幸になる未来しかなかった。
 

 わたしとお父様は変わらず仲の良い親子だ。これからも変わらない。わたしたちは頑張って幸せになります。
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