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はじめての採集
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翌朝、ワントさんとは協会の前で待ち合わせた。
町は早朝から人で賑わっており、昨日初めて来たときよりも屋台がたくさん道に出ていて、どこからもおいしそうな匂いがする。
ワントさんは片手にチーズや肉を挟んだパンを齧りながらやって来た。同じものをもう一つ持っていて、当然のようにこちらへ渡す。
「俺のおすすめ」
「え? わ、あ、ありがとうございますっ」
私の顔ほどもあるそれは、両手で持たないと具がこぼれてしまう。
表面はかりかりに焼かれていて、齧り付くと中のチーズがとろーっと手に垂れてくる。気を付けないと右の弓篭手にかかってしまう。
肉は香ばしいソースの味がして、脂がとても甘かった。
「おいしいです!」
「良かった。でもリズにはでか過ぎたな」
「大丈夫です! いけます!」
「そう?」
胃袋はわりと強いほう。
これを食べておけば夜までもちそうだ。何があるかわからないもんね。
「あとで売ってるとこ教えてあげるよ。とりあえず行こっか」
ワントさんは残りの半分を三口くらいで食べ終えてしまった。
私はまだまだ食べ終わらないので、もぐもぐしながら付いて行く。
人ごみの隙間を抜けて、向かうのは町の西のほう。家屋の並びが途切れる頃、街道に出た。
町の外には草原が広がっている。
そこにテントがあって、灰色の肌の大きな獣が思い思いに草を食べていた。
「おーい、グラーザには乗らんかー?」
獣の横で、身長よりも長い鞭を持っている人が呼びかけてきた。
グラーザはずんぐりした体形からもわかる通り、とてもパワーのある動物だ。その割には温厚で人に優しい。体の大きさに対して足は短く見えるが、けっこう速度は出るらしく、一日中走り続けることができるらしい。
冒険者や考古学者たちが村に来る時によく乗っていた。私もせがんで乗せてもらったことがある。視界がとても高くなり楽しいのだ。
「あれは、グラーザを貸し出しているんですか?」
最後の一口を飲み込み、ワントさんに訊くと、やはりそうだった。
「けっこう手頃な値段で貸してくれるよ。グラーザに乗れば森まですぐに行ける。人の足で普通に歩くと半日くらいかかるらしい」
「じゃあ借りるんですか?」
私、あんまりお金ないんだよなあ。下宿の入居費の支払いも待ってもらったんだよね。一人だったら絶対歩くけど、でもワントさんが借りるなら合わせなきゃかなあ。値引き交渉できるかなあ。
ところが先回りしてうんうん悩む私を尻目に、ワントさんは「借りない」ときっぱり言った。
「俺のほうがグラーザより速い」
「え?」
どういうこと?
と思って、気づいた。そういえばこの人、竜人だ。
「乗る?」
広い背中を指し、誘ってくる。
彼の背には、遺跡の壁画で見たような竜の翼はないが、かわりに折り畳まれたヒレが背筋に沿って付いている。
どこもかしこも平凡な私と違う。その大きな太い足で、竜人はどのくらい速く走れるのだろう。
「い、いいんですかぁ? 乗っていいんですかぁ?」
「いいよぉ」
「じゃあお願いします!」
思いきり跳んで彼の首にしがみつく。それですらワントさんは全然びくともしなかった。
「しっかり掴まってろよ」
ワントさんはぐっと身を低くし、次の瞬間、発射された矢のように飛び出した。
草原の緑が、風が、高速で過ぎていく。
本気でしがみつかなきゃ振り落とされてしまう。だけど私は顔を上げて、その速度をいっぱいに感じたかった。
「速過ぎるーっ! あはははっ!!」
笑い出したらもう止まらなくて、着くまでずっとはしゃいでた。
降ろしてもらったのは森の前。ワントさんは少しも速度を落とさず、着いた時にもほとんど息を切らしていなかった。
「ありがとうございます!」
「どういたしまして。めちゃくちゃ楽しんでたね」
「うるさくしてごめんなさい! すごい楽しかったです!」
「また帰りも乗せてあげるよ」
ワントさんは余裕でクエストを終わらせるつもりなんだろう。
足を引っ張らないようにしなければ。
私は深呼吸をし、はしゃいだ気分を一度落ち着けてから、弓を握った。
「行きましょうワントさん!」
「おう。よろしく」
気合十分な私に対し、ワントさんは気軽な様子で森に入っていった。
森の中にも整備された道が続いている。
一応私は矢をつがえて周囲を警戒していたが、生き物の気配は鳥くらいで、ポポルの姿はすぐには現れなかった。
それよりも私のメインクエストの薬草を見つけるほうが早かった。
「リズ、リズ。あれ。ネバ草」
道から外れた木陰に、手のひらのような葉を放射状に五枚ほど広げている草があった。
私はすぐ、ポーチから小さな図鑑を取り出し、しおりを挟んでいたページを開く。
ワントさんが上からそれを覗き込んでいた。
「それなに?」
「【これでキミも冒険者! ゴールデン・オッドの採集物大全ハンドブックバージョン】です。知り合いの冒険者に譲ってもらったんです」
初心者用の図鑑みたいなもの。
ネバ草のイラストが描いてあり、確かにワントさんの指すものにそっくり。良かった、この本はちゃんと正しいものだった。
「あー知ってる! ベルスターのゴールドランク冒険者オッドの本だろ? ゴーストライターが書いてるっていう」
「そうなんですか?」
「まあでも、内容は間違ってないっぽいし、いいんじゃない?」
実はこれ、本人からもらったのだけど。わざわざ自分で書いてないですとは言わないか。
とにかく採集だ。
私は矢筒の側面に付けているホルダーからナイフを抜いて、ネバ草を根本から切り取った。
すると、
「うわっ」
ねばーっと白い液が茎からたくさん垂れてくる。それが止まらない。
「あー、ネバ草は切っちゃだめだよ。そのネバネバの汁を薬に使うんだ。根っこごと引き抜いたほうがいい」
「わ、わかりました」
採取方法、そういえばちゃんと説明読んでなかった……反省。
切ってしまったものは仕方がないのでその辺に捨て、近くにあった別のネバ草を取る。無理に引き抜こうとすると千切れてしまうので、ある程度はナイフで地面をぐりぐり掘り、根の土を軽く払って採集用の袋に入れた。
その場所にはネバ草が群生しており、大体ここの分を取ってしまえば、最低ノルマは達成できそうだ。
やらなくていいのに、ワントさんも大きな体を丸めて採集を手伝ってくれた。
このクエストは私が一人として受けたけど、こうなると良くない。
「採集クエストの報酬も折半しましょうね!」
「えー? いいよ、これくらい」
「だめです! 私がお世話になり過ぎです!」
そりゃあ、私のクエストの報酬なんて、シルバーランクのワントさんにとってはアリの子程度のもんだろうけど、額の問題じゃないと私は思う。これは誠意の話だ。
「大丈夫。リズにはこの後きっちり役に立ってもらうから」
ワントさんがふと立ち上がる。
彼のほんわりしていた雰囲気が突然引っ込み、心なしか、緑青の鱗がさざ波立って見えた。
「そこ採り終わったら、よけいな荷物は木のうろにでも突っ込んでおいて。ここからはクエストが終わるまで無駄口はなしだ」
獣の気配がすると、竜人は言った。
町は早朝から人で賑わっており、昨日初めて来たときよりも屋台がたくさん道に出ていて、どこからもおいしそうな匂いがする。
ワントさんは片手にチーズや肉を挟んだパンを齧りながらやって来た。同じものをもう一つ持っていて、当然のようにこちらへ渡す。
「俺のおすすめ」
「え? わ、あ、ありがとうございますっ」
私の顔ほどもあるそれは、両手で持たないと具がこぼれてしまう。
表面はかりかりに焼かれていて、齧り付くと中のチーズがとろーっと手に垂れてくる。気を付けないと右の弓篭手にかかってしまう。
肉は香ばしいソースの味がして、脂がとても甘かった。
「おいしいです!」
「良かった。でもリズにはでか過ぎたな」
「大丈夫です! いけます!」
「そう?」
胃袋はわりと強いほう。
これを食べておけば夜までもちそうだ。何があるかわからないもんね。
「あとで売ってるとこ教えてあげるよ。とりあえず行こっか」
ワントさんは残りの半分を三口くらいで食べ終えてしまった。
私はまだまだ食べ終わらないので、もぐもぐしながら付いて行く。
人ごみの隙間を抜けて、向かうのは町の西のほう。家屋の並びが途切れる頃、街道に出た。
町の外には草原が広がっている。
そこにテントがあって、灰色の肌の大きな獣が思い思いに草を食べていた。
「おーい、グラーザには乗らんかー?」
獣の横で、身長よりも長い鞭を持っている人が呼びかけてきた。
グラーザはずんぐりした体形からもわかる通り、とてもパワーのある動物だ。その割には温厚で人に優しい。体の大きさに対して足は短く見えるが、けっこう速度は出るらしく、一日中走り続けることができるらしい。
冒険者や考古学者たちが村に来る時によく乗っていた。私もせがんで乗せてもらったことがある。視界がとても高くなり楽しいのだ。
「あれは、グラーザを貸し出しているんですか?」
最後の一口を飲み込み、ワントさんに訊くと、やはりそうだった。
「けっこう手頃な値段で貸してくれるよ。グラーザに乗れば森まですぐに行ける。人の足で普通に歩くと半日くらいかかるらしい」
「じゃあ借りるんですか?」
私、あんまりお金ないんだよなあ。下宿の入居費の支払いも待ってもらったんだよね。一人だったら絶対歩くけど、でもワントさんが借りるなら合わせなきゃかなあ。値引き交渉できるかなあ。
ところが先回りしてうんうん悩む私を尻目に、ワントさんは「借りない」ときっぱり言った。
「俺のほうがグラーザより速い」
「え?」
どういうこと?
と思って、気づいた。そういえばこの人、竜人だ。
「乗る?」
広い背中を指し、誘ってくる。
彼の背には、遺跡の壁画で見たような竜の翼はないが、かわりに折り畳まれたヒレが背筋に沿って付いている。
どこもかしこも平凡な私と違う。その大きな太い足で、竜人はどのくらい速く走れるのだろう。
「い、いいんですかぁ? 乗っていいんですかぁ?」
「いいよぉ」
「じゃあお願いします!」
思いきり跳んで彼の首にしがみつく。それですらワントさんは全然びくともしなかった。
「しっかり掴まってろよ」
ワントさんはぐっと身を低くし、次の瞬間、発射された矢のように飛び出した。
草原の緑が、風が、高速で過ぎていく。
本気でしがみつかなきゃ振り落とされてしまう。だけど私は顔を上げて、その速度をいっぱいに感じたかった。
「速過ぎるーっ! あはははっ!!」
笑い出したらもう止まらなくて、着くまでずっとはしゃいでた。
降ろしてもらったのは森の前。ワントさんは少しも速度を落とさず、着いた時にもほとんど息を切らしていなかった。
「ありがとうございます!」
「どういたしまして。めちゃくちゃ楽しんでたね」
「うるさくしてごめんなさい! すごい楽しかったです!」
「また帰りも乗せてあげるよ」
ワントさんは余裕でクエストを終わらせるつもりなんだろう。
足を引っ張らないようにしなければ。
私は深呼吸をし、はしゃいだ気分を一度落ち着けてから、弓を握った。
「行きましょうワントさん!」
「おう。よろしく」
気合十分な私に対し、ワントさんは気軽な様子で森に入っていった。
森の中にも整備された道が続いている。
一応私は矢をつがえて周囲を警戒していたが、生き物の気配は鳥くらいで、ポポルの姿はすぐには現れなかった。
それよりも私のメインクエストの薬草を見つけるほうが早かった。
「リズ、リズ。あれ。ネバ草」
道から外れた木陰に、手のひらのような葉を放射状に五枚ほど広げている草があった。
私はすぐ、ポーチから小さな図鑑を取り出し、しおりを挟んでいたページを開く。
ワントさんが上からそれを覗き込んでいた。
「それなに?」
「【これでキミも冒険者! ゴールデン・オッドの採集物大全ハンドブックバージョン】です。知り合いの冒険者に譲ってもらったんです」
初心者用の図鑑みたいなもの。
ネバ草のイラストが描いてあり、確かにワントさんの指すものにそっくり。良かった、この本はちゃんと正しいものだった。
「あー知ってる! ベルスターのゴールドランク冒険者オッドの本だろ? ゴーストライターが書いてるっていう」
「そうなんですか?」
「まあでも、内容は間違ってないっぽいし、いいんじゃない?」
実はこれ、本人からもらったのだけど。わざわざ自分で書いてないですとは言わないか。
とにかく採集だ。
私は矢筒の側面に付けているホルダーからナイフを抜いて、ネバ草を根本から切り取った。
すると、
「うわっ」
ねばーっと白い液が茎からたくさん垂れてくる。それが止まらない。
「あー、ネバ草は切っちゃだめだよ。そのネバネバの汁を薬に使うんだ。根っこごと引き抜いたほうがいい」
「わ、わかりました」
採取方法、そういえばちゃんと説明読んでなかった……反省。
切ってしまったものは仕方がないのでその辺に捨て、近くにあった別のネバ草を取る。無理に引き抜こうとすると千切れてしまうので、ある程度はナイフで地面をぐりぐり掘り、根の土を軽く払って採集用の袋に入れた。
その場所にはネバ草が群生しており、大体ここの分を取ってしまえば、最低ノルマは達成できそうだ。
やらなくていいのに、ワントさんも大きな体を丸めて採集を手伝ってくれた。
このクエストは私が一人として受けたけど、こうなると良くない。
「採集クエストの報酬も折半しましょうね!」
「えー? いいよ、これくらい」
「だめです! 私がお世話になり過ぎです!」
そりゃあ、私のクエストの報酬なんて、シルバーランクのワントさんにとってはアリの子程度のもんだろうけど、額の問題じゃないと私は思う。これは誠意の話だ。
「大丈夫。リズにはこの後きっちり役に立ってもらうから」
ワントさんがふと立ち上がる。
彼のほんわりしていた雰囲気が突然引っ込み、心なしか、緑青の鱗がさざ波立って見えた。
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