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狙えない的
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ティーラの村は深い森を抜けた先にある。
そこに辿り着くまでの道は、村人たちの手によってきちんと整備されており、獣よけの対策もなされ、本来は特に危険というほどでもない。
賊の出没が噂されるようになったのは、ごくごく最近のこと。
ティーラ村を経由し、その先の大都市セレネに向かおうとしていた行商の一団が襲われたのだという。
相手はけっこうな大人数で、どこからともなく現れ、襲われた商人は荷を残して命辛々に逃げた。幸い、人死には出なかったそう。行商の一団には護衛もいたが、人数差が大きく歯が立たなかったようだ。
これ以上被害が広がれば王国の兵士が討伐に動くか、協会にクエストがくることもあるだろうが、まだそこまでの事態には至っていない。
賊が今も森にいるかは不明だが、もし現れても荷車は止めずに走らせ続けるよう、ワントさんとは打ち合わせしている。いざとなったら彼が足止めとなり、村までは私がイーヴォさんたちを守ることになる。なかなかに責任重大だ。
協会のクエストでも、護衛は討伐より比較的難度の高い部類に分けられる。よって色々と不安もあるし、今さらながら本当に私で良かったのだろうかという思いもあるが、まずはこの身に求められている見張りとしての役割を果たそう。
私は御者台でグラーザの手綱を握るカヤさんの隣に立ち、流れる景色に目を凝らしていた。
背後はワントさんが荷台から見張ってくれている。
しばらく、怪しい影や罠のようなものはなかった。
「――リズ」
あるところでワントさんに呼びかけられ、私は少しだけ後ろを振り向いた。
「なんですか?」
「そっち異常ない?」
「はい今のところは。何か気になるものでもありました?」
「いや。けど一瞬、変な匂いが」
話の途中で、カヤさんが急に手綱を引いた。
立っていた私は危うく落ちそうになり、慌てて幌の端を掴む。
グラーザは速度を落としてゆっくり止まり、カーブした道の先に散乱していた木箱やらなんやらの色んなガラクタを、どうにか踏まずに済んだ。
「うひゃあ、なんでしょう? どかさないと通れませんよねえ」
カヤさんの判断はもっともだ。
でも、なんだかすごく、嫌な予感がする。
「ワントさん罠っぽいです!」
私が言う前に、もうワントさんは荷車を下りていたし、木陰からぞろぞろと敵が現れていた。
ほんの一瞬前まで影も見えなかったのに!
賊は見るからに賊らしい格好をして、剣や槍などの武器を手に手に持ち、雄叫びを上げて荷車を目がけてやってくる。
その鼻先にワントさんが火のブレスを吐き、まずは牽制した。
「俺が前の敵を薙ぎ払う! 隙ができ次第グラーザを走らせろ! リズはそこで荷を守れ!」
素早く指示を出し、ワントさんは大剣を抜き放つ。
私は見張りの役目を全然果たせなかった。が、落ち込む暇すらなく敵は次々と木陰から現れる。
ワントさんが吐いた炎にも、大剣を振るう竜人の姿にも、賊たちはちっとも怯む気色がなかった。たとえ味方が切り伏せられても、それを踏み付けて襲いかかってくる。
あまりに敵の数が多く、荷車を走らせる隙は簡単にはできなかった。
「来る、なあ!」
別方向から荷車の近くまで来た賊を、カヤさんが蹄の足で蹴り飛ばす。
私もナイフを抜いて荷車に取りつく賊の手を切りつけた。
「ぎゃあ!」
と人間らしい悲鳴を上げて後退するが、それを押しのけて次々と手が伸びる。
気づいたワントさんが一掃してくれた隙に、私はすでに麻痺毒を鏃に付けている矢をつがえ、ワントさんの斬撃を避けた賊を狙った。とにかく一人でも敵を減らすしかない。
ところが狙いを定めた的は、突然その姿がぶれた。
「っ、ん?」
思わず目を閉じる。
頭を振って、もう一度見ると敵の姿は消えていた。
どこに行った――?
何か違和感を覚えつつ、他の敵に狙いを定める。
けど、やっぱりまた、視界の中で姿がぶれた。
霧か霞のように消えるその前に矢を放つも、すり抜けて後方の木に刺さった。
おかしい。
まるで最初からそこに何もなかったみたいだ。
倒されたら倒された分だけ、賊は無限に木陰から湧いてくる。
古代魔術を駆使したこの目を欺いて、こんな人数が一体どこに潜んでいた?
絶対におかしい!
私は思いきって御者台から飛び降り、敵の真っただ中に立った。
弓を引き絞って目を凝らすと、私に襲いかかろうとする多くの敵が霧散する。そして私を切りつける衝撃は一向にない。
これって……
「ワントさんっ、ワントさん!」
私は大声を張り上げて呼んだ。周囲の賊の叫び声は、こちらの声をかき消すほどに響いて聞こえるが、実はそれも真実ではないのかもしれない。
「この人たち幻覚かもしれません!」
「はっ?」
「ほら!」
私は賊の刃の前で無防備に手を広げてみせた。
切りつけられる直前でそれは消えたが、ワントさんにはどう見えただろう。おそらく助けようとして私のほうへ駆け出しかけた姿勢で止まり、目を丸くしていた。
「こういう魔法か魔術的なものありますか!? 知ってます!?」
「そっ、れは知らないけどっ、あっちのほうから何か変な匂いはしてる! ずっと!」
ワントさんは幻覚らしき賊を大剣で薙ぎ払いつつ、左のほうを指し示す。
「見てきます!」
私は先に木々の中に入り、目を凝らす。
どこからともなく湧いていた人影は掻き消え、ある木の上に一つだけ、残った。
枝葉の陰にいるが隙間から見える。
私は射程範囲のぎりぎりから、限界まで弓を引き絞り、放った。
弓は剣と違い、敵に攻撃を当てた際の反動を直接受けることはないのに、不思議と的に当たった時にはその感覚が手の内に生じる。
この時にもそれがあった。
人の大きさほどの影が落ちた。
無限に湧いていた賊の姿も同時に消え、目を凝らさなくても新たな人影は生まれない。
その後すぐにワントさんもやってきて、まだ矢の麻痺毒が回っておらず逃げようとする敵を追いかけた。私も新たな矢をつがえて追った。
間もなく、地面に倒れ伏した敵は、左の肩に人の頭と同じくらい大きな黒いコブを、しかもなぜか口と歯のあるコブを生やした、不気味な男だった。
「……これ、なんですか?」
矢はコブを貫いていた。そのコブの口から薬臭い匂いがする。近づいて初めて感じられた。
左腕は全体が炭のように真っ黒で、木の根のように変形している。
それ以外の体のパーツは私と同じだが、肩と腕だけがあまりに奇妙過ぎる。なんだか、まるで――。
「【魔物憑き】か?」
痺れている男を見下ろし、ワントさんがぽつりと言った。
そこに辿り着くまでの道は、村人たちの手によってきちんと整備されており、獣よけの対策もなされ、本来は特に危険というほどでもない。
賊の出没が噂されるようになったのは、ごくごく最近のこと。
ティーラ村を経由し、その先の大都市セレネに向かおうとしていた行商の一団が襲われたのだという。
相手はけっこうな大人数で、どこからともなく現れ、襲われた商人は荷を残して命辛々に逃げた。幸い、人死には出なかったそう。行商の一団には護衛もいたが、人数差が大きく歯が立たなかったようだ。
これ以上被害が広がれば王国の兵士が討伐に動くか、協会にクエストがくることもあるだろうが、まだそこまでの事態には至っていない。
賊が今も森にいるかは不明だが、もし現れても荷車は止めずに走らせ続けるよう、ワントさんとは打ち合わせしている。いざとなったら彼が足止めとなり、村までは私がイーヴォさんたちを守ることになる。なかなかに責任重大だ。
協会のクエストでも、護衛は討伐より比較的難度の高い部類に分けられる。よって色々と不安もあるし、今さらながら本当に私で良かったのだろうかという思いもあるが、まずはこの身に求められている見張りとしての役割を果たそう。
私は御者台でグラーザの手綱を握るカヤさんの隣に立ち、流れる景色に目を凝らしていた。
背後はワントさんが荷台から見張ってくれている。
しばらく、怪しい影や罠のようなものはなかった。
「――リズ」
あるところでワントさんに呼びかけられ、私は少しだけ後ろを振り向いた。
「なんですか?」
「そっち異常ない?」
「はい今のところは。何か気になるものでもありました?」
「いや。けど一瞬、変な匂いが」
話の途中で、カヤさんが急に手綱を引いた。
立っていた私は危うく落ちそうになり、慌てて幌の端を掴む。
グラーザは速度を落としてゆっくり止まり、カーブした道の先に散乱していた木箱やらなんやらの色んなガラクタを、どうにか踏まずに済んだ。
「うひゃあ、なんでしょう? どかさないと通れませんよねえ」
カヤさんの判断はもっともだ。
でも、なんだかすごく、嫌な予感がする。
「ワントさん罠っぽいです!」
私が言う前に、もうワントさんは荷車を下りていたし、木陰からぞろぞろと敵が現れていた。
ほんの一瞬前まで影も見えなかったのに!
賊は見るからに賊らしい格好をして、剣や槍などの武器を手に手に持ち、雄叫びを上げて荷車を目がけてやってくる。
その鼻先にワントさんが火のブレスを吐き、まずは牽制した。
「俺が前の敵を薙ぎ払う! 隙ができ次第グラーザを走らせろ! リズはそこで荷を守れ!」
素早く指示を出し、ワントさんは大剣を抜き放つ。
私は見張りの役目を全然果たせなかった。が、落ち込む暇すらなく敵は次々と木陰から現れる。
ワントさんが吐いた炎にも、大剣を振るう竜人の姿にも、賊たちはちっとも怯む気色がなかった。たとえ味方が切り伏せられても、それを踏み付けて襲いかかってくる。
あまりに敵の数が多く、荷車を走らせる隙は簡単にはできなかった。
「来る、なあ!」
別方向から荷車の近くまで来た賊を、カヤさんが蹄の足で蹴り飛ばす。
私もナイフを抜いて荷車に取りつく賊の手を切りつけた。
「ぎゃあ!」
と人間らしい悲鳴を上げて後退するが、それを押しのけて次々と手が伸びる。
気づいたワントさんが一掃してくれた隙に、私はすでに麻痺毒を鏃に付けている矢をつがえ、ワントさんの斬撃を避けた賊を狙った。とにかく一人でも敵を減らすしかない。
ところが狙いを定めた的は、突然その姿がぶれた。
「っ、ん?」
思わず目を閉じる。
頭を振って、もう一度見ると敵の姿は消えていた。
どこに行った――?
何か違和感を覚えつつ、他の敵に狙いを定める。
けど、やっぱりまた、視界の中で姿がぶれた。
霧か霞のように消えるその前に矢を放つも、すり抜けて後方の木に刺さった。
おかしい。
まるで最初からそこに何もなかったみたいだ。
倒されたら倒された分だけ、賊は無限に木陰から湧いてくる。
古代魔術を駆使したこの目を欺いて、こんな人数が一体どこに潜んでいた?
絶対におかしい!
私は思いきって御者台から飛び降り、敵の真っただ中に立った。
弓を引き絞って目を凝らすと、私に襲いかかろうとする多くの敵が霧散する。そして私を切りつける衝撃は一向にない。
これって……
「ワントさんっ、ワントさん!」
私は大声を張り上げて呼んだ。周囲の賊の叫び声は、こちらの声をかき消すほどに響いて聞こえるが、実はそれも真実ではないのかもしれない。
「この人たち幻覚かもしれません!」
「はっ?」
「ほら!」
私は賊の刃の前で無防備に手を広げてみせた。
切りつけられる直前でそれは消えたが、ワントさんにはどう見えただろう。おそらく助けようとして私のほうへ駆け出しかけた姿勢で止まり、目を丸くしていた。
「こういう魔法か魔術的なものありますか!? 知ってます!?」
「そっ、れは知らないけどっ、あっちのほうから何か変な匂いはしてる! ずっと!」
ワントさんは幻覚らしき賊を大剣で薙ぎ払いつつ、左のほうを指し示す。
「見てきます!」
私は先に木々の中に入り、目を凝らす。
どこからともなく湧いていた人影は掻き消え、ある木の上に一つだけ、残った。
枝葉の陰にいるが隙間から見える。
私は射程範囲のぎりぎりから、限界まで弓を引き絞り、放った。
弓は剣と違い、敵に攻撃を当てた際の反動を直接受けることはないのに、不思議と的に当たった時にはその感覚が手の内に生じる。
この時にもそれがあった。
人の大きさほどの影が落ちた。
無限に湧いていた賊の姿も同時に消え、目を凝らさなくても新たな人影は生まれない。
その後すぐにワントさんもやってきて、まだ矢の麻痺毒が回っておらず逃げようとする敵を追いかけた。私も新たな矢をつがえて追った。
間もなく、地面に倒れ伏した敵は、左の肩に人の頭と同じくらい大きな黒いコブを、しかもなぜか口と歯のあるコブを生やした、不気味な男だった。
「……これ、なんですか?」
矢はコブを貫いていた。そのコブの口から薬臭い匂いがする。近づいて初めて感じられた。
左腕は全体が炭のように真っ黒で、木の根のように変形している。
それ以外の体のパーツは私と同じだが、肩と腕だけがあまりに奇妙過ぎる。なんだか、まるで――。
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