【生に神の唄】 ~護る強さと弱さ~

やっさん@ゆっくり小説系Vtuber

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【ハニ×カミ のカ からあげちゃん】 

ーP1ー

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 笛の音が割れて嫌な音を出してしまった。それだけで、駆け寄って全力で謝罪。そんな人間は初めて見た。

 その少女は、はにわ という名前らしい。

 はにわ は、変わった人間。
 『神の子であるボクが見える』というのも珍しいのだが、それだけではない。

 稀に、ボクたち神の存在に気付く人間がいる。人間はそれを『霊感』とか『第六感』等と呼び、特別な能力だと思っている。
 しかし、そんなことはない。左利きの人間がいるように、低気圧で体調を崩す人間がいるように、辛い食べ物を好きな人間がいるように、神の存在に気付ける人間がいる。それだけのこと。

 ただ、はにわ のように、見えるだけでなくボクと会話が出来る人間は極めて稀。昔は時々いたらしいが、ボクがそういう人間に出会ったのは初めて。

 はにわ が何より変わっているのは、ボクが神の子 ということを、疑わなかったこと。そして、ボクを神の子だと知ったうえで、願ったりあがめたりもしない。ただ当たり前のように、友達として接したこと。

 ボクの名前を教えたら、
 「『フィガ』って変わった名前だね。名字が『比嘉』だったら、『ひが ふぃが』だね。」
 と、笑っていた。

 神とは何か、神の子とは何かを はにわ に質問された。余程、興味がわいたのだろう。

 神は、世の中の『せい』を創った根源であること。
 神の子は、神の創ったものを守る為にいること。

 ボクは知っている。この意味を本質的に理解出来る人間など、いないということを。
 だけど、はにわ は理解しようとして何度も何時間もボクに質問を繰り返した。

 そして

 「どうしよう、いつの間にか真っ暗だ。お母さんに怒られるぅ」
 そう言って、慌てて走り出した。かと思えば、急に立ち止まり、ベンチまで戻ってランドセルを背負う。
 そして、ボクに向かって言った。

 「また明日ね」 
 
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