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次はドゥアーロ達の順番だった。
彼らこの約半年ほどで己に馴染んだ名前を誇らしげに告げた。
もうここに来た時の面影はない。健康を取り戻した、年齢に見合った成長を始めた彼らは同じ境遇にいたトリアーロ達わや歓迎した。
神殿の思惑もあってみんな年齢が近く、自己紹介のあと、自然に遊び始め、その日の内にドゥアーロとトリアーロの壁はなくなった。
テオーリオとラジィトもすんなりとその中に混ざって遊んでいた。
その日の夕食のとき、セルティスとアウルとホークがテルマに屋敷の外に出てみたいとお願いをした。
「テルマーお願い!」
「僕たちも展望台行ってみたい!!」
昼にテオとラジから話を聞いたんだろう。3人だけでなく、子ども達全員の目がキラキラと訴えかけてきた。
"わかったよ。明日、展望台に連れて行こう"
「やったー!」
「テルマありがとー」
"そのかわり、今日もちゃんとハミガキして早く寝るんだよ"
テルマがそう言いつけると、
リリィがテルマの服の裾をクイクイと引いた。
「テルマ、今日も絵本読んでくれる?」
"勿論だとも"
この約半年ですっかり習慣になった寝かしつけの絵本を読む約束をして、子ども達は就寝準備に入った。
子ども達の部屋は人数が増えたことによって少し改造してあった。
テオとラジで1部屋
それ以外は3人ずつ
カトレア、カナリー、ダヴの女子年長部屋
フェザンド、アウル、ホークの男子年長部屋
セルティス、ファルコン、カイトの男子年少部屋
リリィ、パキラート、ガーデニアの女子年少部屋
そしてウィロー以下の幼児部屋
テルマはリリィ達に寝かし付けの絵本を読み、セルティスたちの部屋で創作話をし、ソフィが幼児部屋を寝かしつけてくれた。
全員が眠りについたことを確認してソフィにおやすみの挨拶をしてテルマは外に出た。
"展望台かぁ…"
確か、あの周辺は公園に整備してあったはず。
ちびっ子組は意外と距離あるから徒歩じゃキツイだろうな。
と、なると…
テルマは移動手段の乗り物を作ることにした。
んーバスかな?人数多いし
テルマは故郷で数え切れないほど繰り返された映画に出て来たあのバスを元ネタにして、駆動部を魔法を込めた石、魔石で補った。
"ふわふわの座り心地に衝撃対策もバッチリだ。色々とおぼろげだから見た目が箱にしか見えない…センスの問題か?"
テルマは試乗を兼ねて展望台に向かうことにした。
前方の真ん中に配置した自動人形に向かって行き先を告げた。
"展望台に向かってくれ"
《かしこまりました》
無機質な音声が自動人形から流れた。
《毎度ご乗車ありがとうございます。このバスは、展望台入口行きでございます。やむを得ず急停車をかけることがございますので、お立ちになりませんよう、お願い申し上げます》
"このアナウンス、昔よく聞いたな"
テルマは存外に乗り心地の良いバスに揺られ、少しの間想い出に浸った。
《ピンポンパンポーン。展望台入口に到着しました。お降りの際はお忘れ物・落し物なさいませんよう、今一度お確かめください。
車内事故防止のため、バスが止まってから席をお立ちください。》
バスが到着し、テルマは下車した。
以前整備したので、少し手を加えるだけだった。
彼らこの約半年ほどで己に馴染んだ名前を誇らしげに告げた。
もうここに来た時の面影はない。健康を取り戻した、年齢に見合った成長を始めた彼らは同じ境遇にいたトリアーロ達わや歓迎した。
神殿の思惑もあってみんな年齢が近く、自己紹介のあと、自然に遊び始め、その日の内にドゥアーロとトリアーロの壁はなくなった。
テオーリオとラジィトもすんなりとその中に混ざって遊んでいた。
その日の夕食のとき、セルティスとアウルとホークがテルマに屋敷の外に出てみたいとお願いをした。
「テルマーお願い!」
「僕たちも展望台行ってみたい!!」
昼にテオとラジから話を聞いたんだろう。3人だけでなく、子ども達全員の目がキラキラと訴えかけてきた。
"わかったよ。明日、展望台に連れて行こう"
「やったー!」
「テルマありがとー」
"そのかわり、今日もちゃんとハミガキして早く寝るんだよ"
テルマがそう言いつけると、
リリィがテルマの服の裾をクイクイと引いた。
「テルマ、今日も絵本読んでくれる?」
"勿論だとも"
この約半年ですっかり習慣になった寝かしつけの絵本を読む約束をして、子ども達は就寝準備に入った。
子ども達の部屋は人数が増えたことによって少し改造してあった。
テオとラジで1部屋
それ以外は3人ずつ
カトレア、カナリー、ダヴの女子年長部屋
フェザンド、アウル、ホークの男子年長部屋
セルティス、ファルコン、カイトの男子年少部屋
リリィ、パキラート、ガーデニアの女子年少部屋
そしてウィロー以下の幼児部屋
テルマはリリィ達に寝かし付けの絵本を読み、セルティスたちの部屋で創作話をし、ソフィが幼児部屋を寝かしつけてくれた。
全員が眠りについたことを確認してソフィにおやすみの挨拶をしてテルマは外に出た。
"展望台かぁ…"
確か、あの周辺は公園に整備してあったはず。
ちびっ子組は意外と距離あるから徒歩じゃキツイだろうな。
と、なると…
テルマは移動手段の乗り物を作ることにした。
んーバスかな?人数多いし
テルマは故郷で数え切れないほど繰り返された映画に出て来たあのバスを元ネタにして、駆動部を魔法を込めた石、魔石で補った。
"ふわふわの座り心地に衝撃対策もバッチリだ。色々とおぼろげだから見た目が箱にしか見えない…センスの問題か?"
テルマは試乗を兼ねて展望台に向かうことにした。
前方の真ん中に配置した自動人形に向かって行き先を告げた。
"展望台に向かってくれ"
《かしこまりました》
無機質な音声が自動人形から流れた。
《毎度ご乗車ありがとうございます。このバスは、展望台入口行きでございます。やむを得ず急停車をかけることがございますので、お立ちになりませんよう、お願い申し上げます》
"このアナウンス、昔よく聞いたな"
テルマは存外に乗り心地の良いバスに揺られ、少しの間想い出に浸った。
《ピンポンパンポーン。展望台入口に到着しました。お降りの際はお忘れ物・落し物なさいませんよう、今一度お確かめください。
車内事故防止のため、バスが止まってから席をお立ちください。》
バスが到着し、テルマは下車した。
以前整備したので、少し手を加えるだけだった。
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