叡知の夢

松本羊平

文字の大きさ
18 / 69
同の章

運命の赤い糸 後編

しおりを挟む
麻綾(叡知と彩夏、引いては亜里沙達(元春と美樹)や鈴夜と恕が、朱雀に憑依された亜樹ら怪鳥族と激闘を繰り広げる中、真悟は、マルセイユ・タロットの杯の3を引く。)

真悟(杯の3の意味は、離れていた仲間と再び合流する。この様子だと、叡知と彩夏は、亜樹を朱雀から解放出来たようだな。尤も、此奴の意味合いはそれだけじゃねえだろうが・・・亜里沙達(元春と美樹)は既に2人3脚。俺様も鈴夜と恕が来れば成立する。)

真悟(だが、叡知の側に麻綾がいない以上は、近い内に合流する鋭気や利沙を上手い具合に調整してやって行かないと行けねえし、今回の件は、主に亜里沙派(保守派)の助力によるのも大きい。こりゃあ、叡知の行動次第では、俺様達は危ないかもしれねえな。)

麻綾(叡知が亜里沙派(保守派)に靡けば鈴夜を始めとした鈴夜派(革新派)は犠牲となり、その逆もまた然り。真悟は、前者の危険性が極めて高い状況を危惧する。一方、亜里沙達(元春と美樹)は、怪鳥族の群れを撃退し、水晶堂に引き返そうとしていた。)

元春「さて、晴れて朱雀を撃破した訳だが、今後の展開はどうだろうか亜里沙?」

亜里沙「朱雀が撃破され、また白虎が身動き取れない以上は、天空、勾陳、玄武が総力戦を仕掛けて来る可能性がありますが、準備に時間が掛かるでしょう。私達としても次の長期凌犯期間を考慮すれば10月16日(水)までは、束の間の休息と言うことですね。」

美樹(お兄ちゃん・・・。)

???「久しぶりね亜里沙。」

亜里沙「鈴夜・・・。」

鈴夜「お人好しの叡知に何を吹き込んだかは知らないけど、全ては貴女の掌って所かしらね。」

亜里沙「そうですね。叡知は、私の意図通りに動いてくれました。素直な彼は、鋭気達(亜樹と利沙)を交えて勾陳戦に備えるでしょう。私達(元春と美樹)は、玄武戦に備えます。貴女も真悟と合流して、天空戦に備えて下さい。」

鈴夜「言われなくてもそのつもりよ。でも、1つ忠告して置いて上げる。あまり叡知を見縊らない方が良いわよ。彼は貴女と考え方が似てるようで異なる。もしかしたら、朱雀戦の勝ちに驕って、天空戦も自分達で戦うってなるかもしれないわ。」

麻綾(亜里沙と鈴夜は、犬猿関係。また、叡知を弄んだ亜里沙と、叡知に弄ばれた鈴夜で、叡知に対する印象は様々。2人の女の戦いをそこそこに、その場をさる。)

元春「亜里沙。鈴夜の言う通りの展開になれば、叡知は返り討ちに、鈴夜に対しての緩衝材を失い、安・壊の相性の三つ巴は台無しどころか、二十七人の宿曜師のそのものがバランス崩壊し、引いては大和の秩序の崩壊に繋がるが?」

亜里沙「私がそのような軽率な者に、あれこれ世話を焼くと思いますか?仮に叡知がそのような者ならそれまでです。心配しなくても、叡知がそう言ったとしても、彩夏か亜樹、若しくは親友の鋭気が止めるでしょう。」

美樹「亜里沙・・・怖い・・・。」

麻綾(普段、温厚な亜里沙も、鈴夜との絡みで少し感情的になっていた。一方、鈴夜も亜里沙との絡みで苛々していた。)

鈴夜「相変わらず、あの澄ました態度はムカツクわ。」

恕「だったら相手にしなきゃ良いじゃん。今は、みんなで力を合わせて異変解決だよ。それに、叡知が勾陳戦に専念しないと、君の親友の理英を救うことも叶わないよ。」

鈴夜「あら?私は事実を言ったまでよ。叡知が強行手段に出る可能性が高い内は、下手に動けば巻き添えを喰らうことになるのよ?長期凌犯期間の2ヶ月前(10月16日(水))までの満月の日と新月の日を教えて頂戴。」

恕「満月の日は、8月15日(木)は水瓶座、9月14(土)は魚座、10月14日(月)は牡羊座。新月の日は、8月30日(金)は乙女座、9月29日(日)は天秤座。新月の日に、亜樹が挨拶に来れば、安心して天空戦に挑めるね。」

麻綾(果たして、叡知はどう動くのか?一方、叡知と彩夏は、意識を失った亜樹を担いでSAIVIAN(サビアン)天文科学館に引き返す。)

叡知「ふぅ・・・仮眠室を貸してもらえて良かった。今回はみんなに助けてもらってばかりで、俺1人ではどうにもならんかったな・・・。」

彩夏「叡知、一人称が僕から俺に戻ってるよ。」

叡知「言われてみれば・・・彩夏も髪と目の色が戻ってるし、後は亜樹の意識を呼び覚ませば・・・。」

彩夏「・・・あたいは、退出するね・・・。」

麻綾(彩夏は叡知に背を向けた瞬間、一筋の涙を流す。叡知も彩夏に対しての申し訳無さを感じつつも、叡知は亜樹の陰部に摩羅を挿入!凶夢を吉夢に変える呪文を唱えると、お互いの霊糸を絡めると亜樹の領域(SLF(セルフ)銀行)に踏み入る。)

亜樹「遅い・・・貴方の帰りを待っていたのは、私だけじゃない。彩夏、利沙、智恵、麻綾もそうよ。」

叡知「ごめんな亜樹・・・。」

亜樹「これまでの経緯は大体察したわ。でも、ここで私達が傷の舐め合いをしていても仕方ないわ。」

叡知「せやな。彩夏も不安や・・・。」

麻綾(叡知はそう言い切る前に射精!現実(リアル)の領域に戻ってくると、房宿曜星(そいぼし)の紋章が刻まれる。2人は彩夏のもとに向かう。)

彩夏「亜樹・・・大丈夫?」

亜樹「なんとかね。それよりも、これからどうするの?」

叡知「今日はここで休もう。明日には、水星の逆行期間(2019年7月8日(月)から2019年8月1日(木)が終了する言うても、まだ油断は出来んから、六合との対面は、運気の流れが変わる8月8日(木)にしよ。」

彩夏「それじゃあ、それまでは陰陽館でゆっくりしようよ。元春の梅花心易堂も何日も開けちゃってるし、身辺整理も兼ねてね。」

麻綾(叡知達(亜樹と彩夏)は、SAIVIAN(サビアン)天文科学館の仮眠室で一夜を過ごす。そして、8月8日(木)、陽の刻、上弦の月。身辺整理を済ませた叡知達(亜樹と彩夏)は、六合のいる和合の館を訪れる。)

六合「和合の館にようこそ。早速ですが、彩夏。私の召喚の系譜を唱えなさい。」

彩夏「それじゃあ、早速・・・。」

彩夏「六合木神家在卯主陰私和合吉将!」

彩夏「これで六合の恩恵を得たよ。貴人の恩恵も相まった奇門遁甲の勝利の活用術その2の交渉術が使用可能になったよ。後は、あんたの通常攻撃(見切ると同時に属性攻撃)を合わせれば、他の宿曜師との距離感を縮めることが出来るようになったよ。」

叡知「つまり、遠距離の距離感が中距離の距離感になったってことやな。それも吉作用の働かない暗黒期間の遠距離の宿曜星も例外なく・・・これなら、天空戦も行けるな。」

彩夏「駄目だよ、天空が憑依しているの軫宿曜星(みつかけぼし)の宿曜師の美緒は、叡知にとって壊の遠距離なんだよ。万全の状態でも苦戦は免れないのに、実力の源の一部を取り戻したくらいで、どうこう出来る相手じゃないよ。」

叡知「じゃあ、如何すれば?軫宿曜星(みつかけぼし)の系譜を刻むには、美緒と接触せんとあかんねんで?」

亜樹「鈴夜達(真悟と恕)に天空を撃破してもらった後で、美緒を救出すれば良いのよ。それに、恕に今回のことを謝罪したいしね。」

六合「そう言うことです。今日は疲れたでしょうから、ゆっくりして行ってくださいね。」

麻綾(こうして叡知は、六合の恩恵を得て奇門遁甲の勝利の活用術その2(交渉術)が使用可能となり、同時に通常攻撃(見切ると同時に属性攻撃)が可能となる。また以降、亜樹は松平姓から松本姓となる。)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

処理中です...