叡知の夢

松本羊平

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意の章

月兎のDNA 前編

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麻綾(あれから14日が経過し、長期凌犯期間(2019年12月17日(火)から2020年1月12日(日)。2020年1月25日(土)から2020年2月9日(日)。2020年2月24日(月)から2020年3月8日(日))が終了。)

麻綾(勇樹を瀕死状態に追い込んだ事もあって、束の間の休息期間(3月9日(火)から4月1日(水))に入る。凌犯期間(6月2日(火)から6月28日(日)の1・2ヶ月前までの満月の日は3月10日(火)の乙女座の満月。新月の日は3月24日(火)の牡羊座の新月。)

麻綾(天空戦、勾陳戦、玄武戦は、叡知を始めとした宿曜師達の活躍によって勝利したものの、多くの命が犠牲となっていた。また、生き残った者達も長きに渡る戦闘で疲弊し切っていた。)

麻綾(そして、更に1日後の3月10日(火)の乙女座の満月の陽の刻。前回の10月14日(月)の牡羊座の満月から約5ヶ月。子孫繁栄を祈願した性交渉が行われる。そんな中、玄武戦で行方を眩ませていた美言は戌亥町にある異教の館にいた。)

麻綾(美言はケルティック・ウィッカ・オラクルカードで、ワンオラクルを試みる。)

美言(Candle(キャンドル):真理への道標となる光。正位置は曇りの無い洞察。逆位置は物事の成否が見極められない。エレメントは火。星座は牡羊座・獅子座。惑星は火星・太陽。神格はブリジット、フレイア、ウェスタ、ミネルヴァ。)

美言(叡知の日干支は丁未(陰の火)。玄武戦での叡知は、まだ陰陽の波動(マナ)の均衡が安定していなかった様子だけど、智恵を相手に臆する事無く向かっていたのは格好良いわね。)

美言(それに司龍と合流したと言う事は、彼の生まれた曜日(日曜日)を考慮すると、髪の色は黄色で、目の色は紫。でも、それは私達月神(シャトラ)の眷属の一面を表しているに過ぎない。)

美言(となると気になるのが火星・・・火曜日。利沙や理英と同じね。今宵は満月。月神(シャトラ)の眷属の玄孫。月兎のDNAを叡知の秘めたる情熱が感じれるなんて今から楽しみね。)

麻綾(叡知の属性は水と地・・・果たして、美言の言う火とは?一方、叡知達(智恵と司龍)は、元春達(彩夏と亜里沙)にSLF(セルフ)銀行を預けて、美言のいる異教の館を目指す。)

司龍「彰・・・悔しいが彼奴のお陰で殆ど被害が出ていねえな・・・。」

智恵「奴等の目的は大和の秩序の崩壊。となると最終目標は天帝山の五帝龍王廟の龍神様を抹消する事ぢゃ。」

叡知「何にしても白虎を撃破し、天后と対面してからやな。その前に、美言に会わんとな。」

麻綾(果たして、神威の領域に近い彰と渡り合えるのか?一方、SLF(セルフ)銀行を預かった元春達(彩夏と亜里沙)は、山海(丑寅・卯町)の街並みを眺める。)

彩夏「叡知達(智恵と司龍)は、異教の館についたかな?」

元春「美言は、はっきり言うからな。彼女は亜里沙に対して、水晶の導きばかりでは無く、周囲の人達に親身になる事を覚えろと苦言を呈されたものだ。」

亜里沙「今にして思えば、私が愚かでした。そもそも、私が天空戦でもたついていなければ、こうはならなかった。美言に会ったら謝らないと行けませんね。」

麻綾(亜里沙は、天空戦での一件と、これまでの激戦が堪えていた。一方、仁と美緒は、五輪霊園の五輪塔(タットワタワー)に留まっていた。)

仁「本当に一段落したって感じだね。元春達(彩夏と亜里沙)は、SLF(セルフ)銀行で、美樹と康史は、青龍港の近くの遊園地でセフィランドか。」

美緒「みんな頑張ったもの。束の間の休息期間(3月9日(火)から4月1日(水))だけでも、ゆっくりしないとね。それに、此処からなら異国情緒溢れる卯町を一望出来るしね。」

麻綾(2人は、中宮府の勇樹ら妖魔群(龍蛇族、怪鳥族、幻妖族、金剛族、怪魚族)を警戒しつつ、束の間の休息期間(3月9日(火)から4月1日(水))を楽しむ。一方、美樹と康史はセフィランドの観覧車に乗っていた。)

康史「凄いな。此処からなら、青龍港、SLF(セルフ)銀行、それに五輪塔(タットワタワー)まで見えるね。」

美樹「楽しそうだね康史♪」

麻綾(2人は観覧車から山海(丑寅・卯町)を一望する。一方、桃矢は星空学園にいる亜矢を訪ねて来た。)

亜矢「無事だったようだな桃矢。理英なら大和牧場に向かった所だ。」

桃矢「さっきそこで会ったよ。生徒のいない学校ってのも妙な光景だが、俺達の母校だし、出来る限りの事は手伝うぜ。」

麻綾(2人は生徒がいつ戻って来ても良いように校内の掃除整理整頓に取り掛かる。一方、理英は大和牧場にいる吉平を訪ねて来た。)

吉平「その様子だと星空学園は無事だったようだな。」

理英「あんたこそ、律儀に此処の家畜の面倒を見ているのね。」

麻綾(2人は大和牧場の家畜の世話をする。一方、鈴夜達(真悟と恕)は、天帝山の五帝龍王廟にいた。)

真悟「悪りぃな2人共。俺様の女達が青龍港のターミナルホテルに避難しているらしいから、ちょっとばかり暇をもらうぜ。」

鈴夜「木星はOKだと言っています。天空戦以来、ずっと会っていなかったものね。此処は私と恕が見ているから行ってらっしゃい。」

恕「思えば、SYBILLA CLUB(シビラクラブ)も久しく行って無いけど、山海(丑寅・卯町)にも、ASTRO DICE(アストロダイス)と言うカジノがあったよね⭐︎機会があれば行って見たいね⭐︎」

麻綾(真悟は120人の妾の安否の確認のため、一時離脱する。一方、香里と達哉は朱雀港なにいた。)

香里「本来、朱雀港の倉庫は香天商会が監視していて手が出せないけど、今ならお宝の山が取り補題よ。」

達哉「少々気が引けるが、残していても仕方ない。俺達で、有効利用するさ。」

麻綾(2人は九鬼衆を始めとした海賊衆と共に、朱雀港の倉庫にある宝の山を運び出す。一方、鋭気達(亜樹と利沙)は陰陽館にいた。)

亜樹「束の間の休息期間(3月9日(火)から4月1日(水))に入って、魔獣族も大人しくなったわね。麻綾も少しは休めると良いけど・・・。」

鋭気「麻綾には悪いが、3月24日(火)の牡羊座の新月の日に、御霊神宮を奪取して、白虎牽制の態勢を立て直す他に道は無いな。」

利沙「そうだな。此処まで連戦につぐ連戦で疲れているし、今は休んだ方が良いな。」

麻綾(鋭気達(亜樹と利沙)は、御霊神宮奪取に備えて休息を取る。一方、叡知達(智恵と司龍)は、異教の館に到着していた。異教の館はOGHAM(オガム)森林公園の中にある洋館であり、波動(マナ)の宿った道具等も扱う店としても有名だ。)

麻綾(叡知が美言と交渉の最中、智恵と司龍はOGHAM(オガム)果樹園を訪れる。)

司龍「やっぱり、葡萄酒はOGHAM(オガム)産だよな♪彩夏も連れてくれば良かったかな?」

智恵「寄せ寄せ。此処の果実酒が全部無くなってしまうわい。それよりも、ワインと言うと葡萄酒ぢゃが、儂は林檎酒がオススメぢゃぞ♪」

麻綾(智恵と司龍がOGHAM(オガム)産の果実酒を堪能する中、叡知はこれまでの経緯を美言に話す。)

美言「貴方は少しも間違っていないわ。強いて言うなら、決め手に欠いてるって所かしらね。」

叡知「相変わらず、優しそうに見えてはっきり言うな。」

美言「それが親切と言うものよ。夜まで時間があるし、少し散歩でもしましょ。」

麻綾(美言は叡知を連れて散歩に出る。)
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