叡知の夢

意の章

運命数と密教九字 前編

麻綾（あれから14日が経過し、3月24日（火）の牡羊座の新月の陽の刻。玄武戦で消息不明となっていた一樹は、山海（丑寅・卯町）にある四葉庵にいた。）

麻綾（四葉庵は、波動（マナ）の込められた帽子や服を扱う専門店であり、鍛錬に鍛錬を重ねた猛者がルーン製の武器の性能を引き出すための最後の一押しに購入しに訪れる。中でも女性専用装備も充実している事から、女性の猛者から支持されている。）

麻綾（また、それらの軽装備や魔装備には、自身の受胎年月日の九星の色によっては魔除けの効果が発揮され、鍛錬次第では実体無き悪霊悪魔を捉える事が出来るようになる。一樹は来るべき決戦に備えて鳳凰の剣と共に己を極限にまで鍛え上げようとしていた。）

一樹（良し！刀身が鮮やかな蒼色・・・良い感じだ！後は、鳳凰の剣の性能を一押しする防具を装備すれば・・・。）

？？？「鮮やかな鳳凰が天へと舞い上がる。やっぱり此処にいたのね。」

一樹「美緒に仁じゃないか。お前達も決戦に備えて、防具の新調か？」

美緒「新調かじゃないわよ！あれから何の音沙汰も無く、心配してたのよ！」

仁「まあまあ美緒。蒼き炎は赤い炎よりも温度が高い。この刀身の鮮やかな蒼色こそが、一樹の情熱の炎が燃えている何よりの証拠だよ。それじゃあ早速、防具を新調するから、宜しく頼むよ一樹。」

麻綾（２人は、一樹の案内で四葉庵に来店する。一方、叡知達（智恵、司龍、美言）は、一樹を尋ねるべく、四葉庵を目指していた。また、その道中で彩夏と合流して、叡知の家で小休止。）

美言「良い眺めね。以前、此処に来た時は玄武戦で大変だったけど、この束の間の休息期間（3月9日（火）から4月1日（水））の限られた期間で良く此処まで復興出来たわね。」

司龍「だが、それ以外の区域が敵の手に堕ちてしまっている。達哉を始め、鋭気達（亜樹と利沙）、吉平達（理英と香里）が先んじて、四隅（未申・酉町）の亜矢、桃矢の応援に行っている訳だが、時間経過を考慮すると白虎ら魔獣族も相当手強くなってるだろうしな。」

智恵「彼奴らなら大丈夫ぢゃ。近い内に儂等も乗り込むが、ルーン製の武器に一押しを掛けておかんと、足手纏いに成りかねん。尤も、その上で受胎年月日が重要になるが、その辺は把握しておるか叡知？」

叡知「俺の受胎年月日は1984年10月16日（火）の天秤座の活動の風。旧暦は9月22日の乙女座の柔軟の地で、人物像はプリンセスのソード。日干支は生年月日が丁未（陰の火）で、受胎年月日が癸未（陰の水）って所やな。」

彩夏「算命占星術の観点では生年月日が貫索星の寅卯天中殺で、受胎年月日が龍高星の申酉天中殺だね。叡知の通常攻撃（弱点を見切ると同時に属性攻撃）と司龍の通常攻撃（徐々にダメージが上昇）を合わせて見ると面白そうだね。」

麻綾（彩夏の何気ない一言で、新たな戦法を見出す叡知。一方、元春と亜里沙は、天帝山の五帝龍王廟にいた。）

元春「叡知は美言に会えたのだろうか？もし、会えたなら次は一樹。叡知の生年月日の九星は六白金星。受胎年月日は・・・。」

亜里沙「本命星は七赤金星で、月命星は九紫火星です。傾斜宮は震宮と、十二支の方位は坎宮で、雷水解と水雷屯。利沙の補助攻撃（追加効果の猛毒）と同じで、九星に対応した色は六白金星が白、金、銀。七赤金星は赤、茶、金です。」

亜里沙「また、叡知が極めている職業の騎士、魔法剣士、忍者。そして、月神（シャトラ）の眷属の特性である狂戦士。そこに侍が極まる事で、護るばかりでは無く、渾身の一撃や回避率も飛躍して、攻めでも活躍出来ます。」

亜里沙「ただ、一樹の宿曜星である畢宿曜星(あめふりぼし)は、二十七宿曜星（ナクシャトラ）の中で最も強く、何より叡知にとっては壊の中距離に当たります。美言の助力を得ても生半可な腕や小賢しさでは通用しません。どう対処するのか見ものですね。」

麻綾（亜里沙は一樹との交渉は叡知には少々厳しいと見ていた。一方、美樹と康史は、五輪霊園の五輪塔（タットワタワー）にいた。）

美樹「叡知の生年月日の守護仏は虚空蔵菩薩の加護の下、拳法家と守護師を極めた訳だけど、受胎年月日の守護仏は千手観音には気づけたかな？」

康史（星・・・希望、愛、運命等の象徴。形は五芒星だから、スピリチュアルな気付き。）

康史「叡知が六壬神課式盤に刻んだ宿曜星の紋章は21。此処に至るまでに、みんなに教えてもらった事を自分のものに出来ているなら大丈夫じゃない？」

麻綾（２人は叡知が千手観音の加護を得ている事に気づいていると信じる。一方、鈴夜達（真悟と恕）は、山海（丑寅・卯町）のカジノASTRO DICE（アストロダイス）で遊んでいた。）

真悟「叡知は大アルカナは3の女帝を主軸に、小アルカナのエースのカップとコートカードのクィーンのカップを補助に盗賊を極めて来たが、それでも一樹相手はきついんだろうな。」

鈴夜「力のカードが出ました。貴方にはきちんと整理してやり遂げる力があります。叡知にとって良い所を拾い上げ、悪い所を捨て去れば、知識と経験の差で一樹を上回る事が出来るわ。」

恕「大アルカナは3の女帝は知恵と理解を繋ぐ管（パス）だし、どちらも王冠に直結しているから左右の脳のバランスが良いもんね⭐︎これだけでも実力の80%が発揮出来るよね⭐︎」

鈴夜「カップのプリンスが出ました。自分の中の女性性を恐れる事の無い男性の協力が得られるのなら答えはイエスです。とにかく今の叡知は、恕の言う80%の状態を維持する事ね。もし、安易に超集中力を発動させれば、これまでの頑張りが水の泡になるわね。」

麻綾（鈴夜は、叡知が一樹との交渉は恕の言う恕の言う80%の状態を維持が重要だと言う。一方、理英と亜矢は星空学園にいた。）

理英「叡知の補助攻撃（物理攻撃のダメージ⒈5倍）。叡知の通常攻撃（弱点を見切ると同時に属性攻撃）と第三の眼（第6チャクラ（アージュニヤー））を合わせる事で、安定した大ダメージを与える事が出来るわ。」

亜矢「その大ダメージをものともしなかった理英先輩は凄いっすね。亜樹の加勢が間に合わなかければ、自棄を起こした叡知が無謀な攻めに転じて、理英先輩の通常攻撃（ダメージ反射）の餌食になってたんだからな。」

理英「私達にとって一撃必殺の威力の連続攻撃は当たり前よ。叡知は、そこに属性攻撃を付与しているに過ぎない。あの時だって、渾身の一撃を安定して出されてたら、確実に負けていたわ。」

麻綾（叡知にとって、理英は最も苦手な相手。その理英ですら、叡知が渾身の一撃を安定して出せるようになれば勝てないと踏んでいた。一方、桃矢と吉平は大和牧場にいた。）

桃矢「叡知の運命数は1で、勇気と意志で力強く人生を切り開く。まあ、此処まで来た叡知には愚問だろうが、奇門遁甲の勝利の活用術その６（通霊術）を習得する上で重要になって来るぜ。」

吉平「叡知の生年月日の曜日は日曜日で、受胎年月日の曜日が火曜日。生年月日の色を表面に出し、受胎年月日をの色を秘めるイメージを持てば、魔除けの効果は成立する。問題は、一樹相手に、それを維持出来るかだがな。」

桃矢「叡知にとっては壊の中距離だもんな。まあ、理英相手に一歩も退かなかったから何とかなるじゃねえか？」

麻綾（魔除けの効果の生年月日の色を表面に出し、受胎年月日の色を内に秘めるイメージを崩さない事が絶対条件のようだ。）