叡知の夢

松本羊平

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意の章

運命数と密教九字  中編

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麻綾(男性は一撃必殺、女性は連続攻撃。得意な事を1つ極めて、第7チャクラ(サハスラーラ)を開眼だけでは実力の40%だが、苦手を克服すれば実力の80%が発揮出来るようになり、理英の言う一撃必殺の威力の連続攻撃が可能になる。)

麻綾(こうなれば実力と才能は申し分無し。しかし、宿曜師同士に置いては当たり前。まして、男性は女性よりも精神年齢が5歳低く、何より装備品に恵まれないと言う時点で、大きなハンデを背負ってしまっている。)

麻綾(よって男性宿曜師は、最後の一押しで渾身の一撃を安定して出す。若しくは、時間と空間を巧みに利用して攻撃回数を増やす。或いは、如何にして先手を取るか等の創意工夫が不可欠となる。他のみんなは、叡知は渾身の一撃の安定化が推奨だが、果たして叡知は?)

彰(此処まで良く頑張ってるね。酉町は白虎ら魔獣族や勇樹ら妖魔群(龍蛇族、怪鳥族、幻妖族、金剛族、怪魚族)の魔の手が及んでいないのは麻綾の孤軍奮闘のお陰だよ。)

麻綾(高みの見物とは良い御身分ね・・・この場に居たら殺して殺る所だけど何か用?)

彰(言葉には気をつけなよ。今日、鋭気達(亜樹と利沙)が御霊神宮の奪取に乗り出す。これで少しは君の負担も軽くなる。叡知に会えるまで・・・。)

麻綾(その透かした態度が、ムカつくのよ!あんたの声なんて聞きたくも無いわ!二度と話しかけないで!)

麻綾(私は彰の精神体に攻撃を加えて、精神世界から追い出す。)

彰(女性の情念は恐ろしい・・・擦り傷とは言え、遥か先にいる僕に傷をつけるとは・・・それでも僕を起こすには至らない。)

彰(邪神に憑依された訳でも無いのに髪の色が赤く、目の色が緑に変わっている。叡知に会えない寂しさと、魔獣族と戦い続ける日々が彼女の感情を昂らせたのだろう。)

彰(仮に叡知が実力の根源を全て取り戻せたとしても、麻綾にやられてしまえば、全てが水の泡・・・彼が僕の所に辿りつき次第、簡単な試練で起きるつもりたっだけど、そうも行かないようだね・・・。)

麻綾(私の変貌ぶりに、彰は勇樹以上の脅威を感じ取っていた。一方、香里と達哉は朱雀港にいた。)

香里「ついに、3月24日(火)。後8日か・・・。」

達哉「以降は2020年6月2日(火)から2020年6月28日(日)の1・2ヶ月前。今日までに、鋭気達(亜樹と利沙)が御霊神宮を奪取すれば、叡知も安心して亜矢、桃矢との交渉に臨める。」

香里「叡知に関しては心配していないよ。あたしが危惧しているのは、寧ろ今日まで孤軍奮闘している麻綾の事よ。一時期、恕、亜樹、鋭気が一緒にいたようだけど、今頃感情が昂っているんじゃないの?」

達哉「だが、大変な思いをしているのは麻綾だけでは無い。もし、麻綾がその鬱憤を晴らすために妖魔と戦っているなら宿曜師失格と言わざるを得ないな。俺達と妖魔の関係性はあくまで対等であってこその大和の秩序なのだからな。」

麻綾(人間と妖魔は殺し殺される運命。どちらかが一方的に虐殺するような事はあってならない。一方、鋭気達(亜樹と利沙)は、魔獣族から御霊神宮を奪取に成功する。)

亜樹「紫電一閃とはまさにこの事・・・貴方の画竜点睛からの居合い抜きの斬れ味に益々磨きが掛かっているじゃない。」

鋭気「俺は叡知と違って、何でも出来る訳じゃないからな。一つの事をとことん追求する。それしか無いからな。」

利沙「それはそれで天才だな。鋭気以外だと、火をとことん追求した一樹は鳳凰の剣。水をとことん追求した亜里沙は水晶の剣。雷をとことん追求した美里は雷獣の剣。全ての属性を自在にこなす叡知の剣で、どう対処するかだな。」

麻綾(何でも器用に熟せる天才。1つの事をとことん追求した天才。果たして、どちらが優れているのだろうか?一方、叡知達(彩夏、智恵、司龍、美言)は、一樹に会うべく四葉庵を目指していた。)

司龍「それにしても、女性は良いよな。能力値の強化や状態異常防止を装備品で解決出来るもんな。男性は化粧とアクセサリーは許容出来ても、女性専用の服装は駄目だしな。」

智恵「そう言う事を言う取るから御主は未熟者なのぢゃぞ!何のために、儂が時空術を教えたと思う取る!御主の槍術を最大限に活かすためぢゃろ!?」

叡知「まあ、男性がどうとか女性がどうとか言う前に、白蛇の槍の性能を最大限に引き出す事だけを考える事やな。勿論、俺も叡知の剣の性能を最大限に引き出すための装備を見つけるつもりや。」

彩夏「一樹の鳳凰の剣は火属性特化。火属性には水属性で挑めば良いけど、鳳凰の剣が相手となると対の水晶の剣で無いと、水分が蒸発しちゃうんじゃない?」

美言「確かに叡知の剣は、何でも熟せるけど、所詮は2倍の威力。最後の一押しをしても3倍では、4倍の威力を発揮する鳳凰の剣には、どう足掻いても勝ち目は無いわね。」

美言「でも、叡知の秘めたる力である生命(ライフ)の源の太陽を叡知の剣に乗せる事が出来れば、鳳凰の剣、水晶の剣、雷獣の剣にも十分対抗出来るわ。尤も、叡知がその事に気づいていればの話だけどね。」

麻綾(叡知の剣では鳳凰の剣は勿論、水晶の剣や雷獣の剣には勝てない。果たして、美言の言う。叡知の秘めたる力である生命(ライフ)の源の太陽とは?そうこうしている内に、四葉庵に到着する。)

一樹「太陽ね・・・彼奴は無意識だろうけど、美樹と一緒に特訓に付き合ってる時も、鋼鉄の剣で、この鳳凰の剣を圧倒していただよな。」

美言「叡知の母方の家系は文武両道のエリート。また、叡知の月兎のDNAで最も色濃いのが豹猫族。貴方が炎の化身の鳳凰で、叡知は幸運の招き猫って所ね。」

司龍「叡知の生年月日が日曜日で、受胎年月日が火曜日だから、それを活かすための軽装備、若しくは魔装備を新調して、俺1番のポーズをすれば・・・。」



智恵「ふむ。緑は赤の反対色だし、猫用の首輪の赤色やスボンの茶色が魔除けの効果となるのぅ。四葉庵の服は運命の女神が作りし糸を、月のオーバーテクノロジーで精製されたものは、下手な鎧よりも丈夫で軽いぞ。」

彩夏「剣と盾は生年月日の色だね。因みに叡知にとって金色は、生年月日と受胎年月日どちらにも該当するからアクセサリーで代用したのは偉いね。これで、ありとあらゆる運気を上昇させつつ、厄を回避出来るよ。」

叡知「服装一つで、以前の俺を遥かに凌いだ気分やな。」

司龍「だが、それはあくまで最後の一押しに過ぎず、陰陽の波動(マナ)の均衡を保てている事が絶対条件。だよな美言。」

美言「そう。今から叡知の無意識化にある太陽を私の占歌で引き出し、その上で一樹と一対一で戦ってもらうわ。」

叡知「無意識化の太陽か・・・たまに、自分でもびっくりするほどの力が出る時があるけど、疲労感も半端無いんよな。以前、彼岸花の社で、亜里沙や一樹の特訓を受けた時も、ヘトヘトやったし・・・。」

智恵「ぢゃが、其奴をものに出来んと、羅刹の剣から無尽蔵に産まれる暗黒生命体には通用せん事は痛感しておるぢゃろ?それに時間経過から美里と白虎は同化しておるし、魔獣族の中から中亭に昇格しておるものもおるぢゃろしのぅ。」

彩夏「それに叡知は知識と経験も豊富な上に、此処まで色んな宿曜師の戦い振りを見て来たんじゃないか。きっと無意識化の太陽を自在に操る術はあるよ。」

叡知「せやな。それじゃあ一樹いっちょ頼むで。」

麻綾(こうして、叡知と一樹の一対一の戦いが始まる。)
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