9 / 280
被験者で金持ちになる
第9話
しおりを挟む
「ま、これで俺の負けず嫌いはわかったろ。
だから、お前が新生院サポートの被験者に負ける事は絶対に許さないし、認めない!
そこは覚悟しておいてくれ。」
「が!頑張ります。
僕も、母さんを楽にしてあげて、幸せにするまでは辞められない!」
僕と奈落はテーブル越しにガッチリと握手した。
「よし!その心構えが大事だ。
いいか、人はな、自分の為より他人の為の方が何十倍もの力を発揮する。
忘れるな、自分の為にばかりかまけてると、足元を必ず掬われる!」
「はい…まあ、僕は自分の事があまり好きではないからかもしれないけど。」
「ヘェ~?俺が知ってる奴らの中じゃ、性格的にはいい方だぜ、有村は。
ま、優しすぎるのも付け入れる隙を与えてるのかもしれないがな。」
ぶっきらぼうで、俺様口調なのに…すごく優しい言葉に感じた。
僕は始めて信頼出来ると、心から思える相手に巡り合えた幸せに、また泣きそうになり、慌ててハンバーガーを頬張った。
嬉しくて嬉しくて…。
駅前のスーパーは中学の同級生に会いたくないから、滅多に来なかった。
今日も本当は、ビクビクしていた。
そして…確かにそれらしい人を見かけたが、接触して来なかった。
多分、奈落のおかげだろう。
見かけからしてケンカ強そうな、奈落を引き連れて歩くと、いつものように周りを気にしなくて済むんだ。
「うふふ。」
昼ご飯を食べて、自転車を取りに行き、帰宅する途中で思わず含み笑いをしてしまった。
「ん?何だ?」
「ご…ゴメンなさい。嬉しくて。
駅前のスーパーなんて久しぶりだったし。」
「明日からはそいつで通学だな。
電動アシスト自転車だから、いつもと同じ時間に出ると早く着きすぎるぞ。」
僕が手押しする自転車を見ながら、奈落が呟いた。
「あ!そう言えば…24時間監視って学校はどうなってるんです?」
「そこは、企業秘密!けど…呼べばすぐに現れる!
正義のヒーローじゃないがな。
有料ヒーローだし。」
「そうか、それも金銭的契約が必要なんだ。」
「当たり前だ!無償で怪我なんか出来るか!
俺の女じゃあるまいし!
高額請求だからな!」
「あははは。
本当、奈落を雇うには相当なお金が必要だね。」
「その分仕事はキチンとこなすぜ!」
本当に心強い…。
あんなに怖かった学校が今は、あまり怖くない。
あ、でも安心ばかりはしてられない。
本気で『有意義』なお金の使い道を考えないと。
奈落がここまでしてくれてんだ。
僕もキチンとしないと…奈落の仕事を台無しにしたくない。
家までの帰り道に、夢にまで見た、何気ない会話で笑い合う経験をして僕は浮かれていた。
アパートのポストの中に見慣れない、ハガキが入っていた。
…当選…?
手に持っていたハガキを奈落が覗き込んだ。
「お!さすが爽ちゃん!仕事が早い!
偽装工作の消印付き電動アシスト自転車当選ハガキ!
スーパーに行く前に、爽に頼んでおいたんだ。」
「こんな事も出来るの?やってくれるの?」
僕は目をパチクリした。
「言ったろ。サポートだって。
あ、1万円な。
大金を極秘に使うには、こういう手段は必須なんだ。
参考になったろ。
これで、母親にも怪しまれないだろう。」
「うわぁ!ありがとう!1万円払うよ。」
「嬉しいけど、ありがとう言い過ぎ。
これは、俺の仕事だから。」
「わかってるけど…。
言いたくなっちゃうんだ。」
奈落は部屋には入らずに、戻って行った。
僕は駐輪場に自転車を停めて、バッテリーを抜き、アパートに入った。
偽装工作のハガキをキッチンのテーブルに置いて、寝室に行った。
机から、書きかけのリクエストノートを取り出した。
自分にとって…家族にとって…何が1番幸せなのか…僕は幸せを掴む為にお金を使いたい。
イジメた人間に復讐だけとかはしない、解決はしたいけど。
そんなの自分の幸せにはならないからだ。
せっかく、大金を使うんだ、1年後も幸せが続かなきゃ意味がない。
明日は登校日だし、対策も考えないと。
やる事が急に増えたな…。
ピロリン。
奈落からメッセージが来た。
『言い忘れたが、自慰行為、エッチとかは気にせずしてくれ。
別に、コッチは興味がない。
俺は童貞じゃないし、事足りてる。』
ガクッ!
思わず、肩を落とした。
この連絡…必要かな…。
『…わかりました。』
送信。
力が抜けた指先で何とか返信した。
だから、お前が新生院サポートの被験者に負ける事は絶対に許さないし、認めない!
そこは覚悟しておいてくれ。」
「が!頑張ります。
僕も、母さんを楽にしてあげて、幸せにするまでは辞められない!」
僕と奈落はテーブル越しにガッチリと握手した。
「よし!その心構えが大事だ。
いいか、人はな、自分の為より他人の為の方が何十倍もの力を発揮する。
忘れるな、自分の為にばかりかまけてると、足元を必ず掬われる!」
「はい…まあ、僕は自分の事があまり好きではないからかもしれないけど。」
「ヘェ~?俺が知ってる奴らの中じゃ、性格的にはいい方だぜ、有村は。
ま、優しすぎるのも付け入れる隙を与えてるのかもしれないがな。」
ぶっきらぼうで、俺様口調なのに…すごく優しい言葉に感じた。
僕は始めて信頼出来ると、心から思える相手に巡り合えた幸せに、また泣きそうになり、慌ててハンバーガーを頬張った。
嬉しくて嬉しくて…。
駅前のスーパーは中学の同級生に会いたくないから、滅多に来なかった。
今日も本当は、ビクビクしていた。
そして…確かにそれらしい人を見かけたが、接触して来なかった。
多分、奈落のおかげだろう。
見かけからしてケンカ強そうな、奈落を引き連れて歩くと、いつものように周りを気にしなくて済むんだ。
「うふふ。」
昼ご飯を食べて、自転車を取りに行き、帰宅する途中で思わず含み笑いをしてしまった。
「ん?何だ?」
「ご…ゴメンなさい。嬉しくて。
駅前のスーパーなんて久しぶりだったし。」
「明日からはそいつで通学だな。
電動アシスト自転車だから、いつもと同じ時間に出ると早く着きすぎるぞ。」
僕が手押しする自転車を見ながら、奈落が呟いた。
「あ!そう言えば…24時間監視って学校はどうなってるんです?」
「そこは、企業秘密!けど…呼べばすぐに現れる!
正義のヒーローじゃないがな。
有料ヒーローだし。」
「そうか、それも金銭的契約が必要なんだ。」
「当たり前だ!無償で怪我なんか出来るか!
俺の女じゃあるまいし!
高額請求だからな!」
「あははは。
本当、奈落を雇うには相当なお金が必要だね。」
「その分仕事はキチンとこなすぜ!」
本当に心強い…。
あんなに怖かった学校が今は、あまり怖くない。
あ、でも安心ばかりはしてられない。
本気で『有意義』なお金の使い道を考えないと。
奈落がここまでしてくれてんだ。
僕もキチンとしないと…奈落の仕事を台無しにしたくない。
家までの帰り道に、夢にまで見た、何気ない会話で笑い合う経験をして僕は浮かれていた。
アパートのポストの中に見慣れない、ハガキが入っていた。
…当選…?
手に持っていたハガキを奈落が覗き込んだ。
「お!さすが爽ちゃん!仕事が早い!
偽装工作の消印付き電動アシスト自転車当選ハガキ!
スーパーに行く前に、爽に頼んでおいたんだ。」
「こんな事も出来るの?やってくれるの?」
僕は目をパチクリした。
「言ったろ。サポートだって。
あ、1万円な。
大金を極秘に使うには、こういう手段は必須なんだ。
参考になったろ。
これで、母親にも怪しまれないだろう。」
「うわぁ!ありがとう!1万円払うよ。」
「嬉しいけど、ありがとう言い過ぎ。
これは、俺の仕事だから。」
「わかってるけど…。
言いたくなっちゃうんだ。」
奈落は部屋には入らずに、戻って行った。
僕は駐輪場に自転車を停めて、バッテリーを抜き、アパートに入った。
偽装工作のハガキをキッチンのテーブルに置いて、寝室に行った。
机から、書きかけのリクエストノートを取り出した。
自分にとって…家族にとって…何が1番幸せなのか…僕は幸せを掴む為にお金を使いたい。
イジメた人間に復讐だけとかはしない、解決はしたいけど。
そんなの自分の幸せにはならないからだ。
せっかく、大金を使うんだ、1年後も幸せが続かなきゃ意味がない。
明日は登校日だし、対策も考えないと。
やる事が急に増えたな…。
ピロリン。
奈落からメッセージが来た。
『言い忘れたが、自慰行為、エッチとかは気にせずしてくれ。
別に、コッチは興味がない。
俺は童貞じゃないし、事足りてる。』
ガクッ!
思わず、肩を落とした。
この連絡…必要かな…。
『…わかりました。』
送信。
力が抜けた指先で何とか返信した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
異世界で姪が勇者になったけれど、俺はのんびり料理屋を開く
夕日(夕日凪)
ファンタジー
突然姉が亡くなり、その遺児である姪の『椛音』を男手一つで育てていた元料理人の『翔』。
椛音が十六歳になった時。二人は異世界に召喚されて…!?
椛音は勇者として異世界を飛び回ることになり、椛音のおまけとして召喚された翔は憧れていた料理人の夢を異世界で叶えることに。
デスクレイフィッシュ、大猪、オボロアナグマ──。
姪が旅先から持ち込む数々の食材(モンスター)を使った店を、翔は異世界で開店する。
翔の料理を食べると不思議と力が湧くようで、いろいろな人物が店を来訪するように──。
※表紙は小鶴先生に描いていただきました!
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる