『有意義』なお金の使い方!~ある日、高1の僕は突然金持ちになっちゃった!?~

平塚冴子

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悩めるお金の使い方とサポーターとの関係

第6話

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 「あの…。
 奈落は友達いるの?」
 
 ズッ!奈落は椅子からコケた。

「はああ?何だよそれ!」
「ちょっと素朴な疑問なんだけど…。」
「バッ!バカにすんなよ!友達くらいいる…!
ってか、家族関係者、親戚含めたらエライ人数いるわ!」
「そっか…家族関係者が多いんだ…。」
「悪いかよ!オムツしてる頃から何十人もの同世代に囲まれてんだ!
 自然とそうなっちまうだろうが!」
 
 奈落の顔が見る見る赤くなった。

「いや…バカになんて…羨ましいな。
 楽しそうだな、毎日が。」
「ま、まあ騒がしいっちゃ騒がしいけど。
 普通の環境じゃねーから、参考にならないよ。」
「家族関係者って女性もいるの?」
「いるけど、世代的には男子が多いんだって…もう!いいだろ!俺の事は!」
「はは…ゴメン。
 面白くて、そういう話聞くの。
 他愛もない話しなんて、する相手いなかったし。」
 
 奈落はバツが悪いような顔で頭を掻いた。

「別に、人生まだまだ長いんだ。
 焦らなくても、いんじゃね。
 ま、俺で良けりゃ家族の話しを話すくらい何でもねぇけど。」
「ふふふ。奈落って本当にいい奴だね。」
「はあ?甘く見んなよ!
 厳しくする時はビシバシ行くぞ!」
「わかってるよ。ドSだもんねー。」
「バカにしてんだろ!?
 テメェ!俺の怖さ知らねぇな!」
「大丈夫、大丈夫。わかってるよ。」

 本当に…いい人だって、わかってるよ。
 口は悪いけど、暖かい人柄が滲み出てる。

ピロリン。

 奈落のスマホにメッセージが入った。

「おっ!呼び出しかよ!
 悪い。呼び出しだ。」
「帰るの?」
「ああ、ちょっとな。」
「仕事だもんね。」

 僕は淋しさを見せないように、無理に笑った。
 奈落はそんな僕に気が付いたようだった。

「何かあったら、メッセージ送れ。
 愚痴でも、何でもいいから。
 俺に気兼ねはすんなよ!」
「うん!気をつけて。
 さよ…ううん。
 行ってらっしゃい!」
「はっ!おう!行ってくる!」

 奈落に仕事があるように…僕にはやらなきゃならない事がある…!

 僕は奈落を送り出した後に、宮地達の情報資料をテーブルに広げた。

「さてと…先ずは情報を頭に入れないと。
 情報が無ければ、アイデアさえ浮かばない。」

資料には2種類あって個人の生年月日、出身地、小学校名、中学校名、習い事や資格など履歴書に書いてある様な物とは別に家族構成や、状況についての情報が書かれてるものがあった。
 僕はその、家族構成や家族状況について書かれてる方を先ずは頭に入れる事にした。

 宮地 保15歳

 自営業の印刷工場の跡取り息子。
 赤字経営で母親はパート
 父親は酔っ払うと暴れる性格。
 小学生の妹1人。
 妹を溺愛している。
 週末には印刷工場を手伝わされて、本人は跡を継ぎたくないと思っている。
 父親との中はかなり悪い。
 数回、警察沙汰になっている。


 田中 明 15歳

 父が会社員の一般家庭。
 母親は専業主婦。
 1人っ子。
 かなり甘やかされて育った。
 マザコン。
 身体が大きく、柔道に打ち込んでいたが、怪我をしてから断念している。
 

安村 浩二 15歳

社会科教師の父親。
母親はパート。
大学生の兄が成績いいのを比べられてる。
兄と比べられる事でストレスが溜まる。
成績が良くない事がコンプレックス。
両親との中は悪い。
兄との中は微妙な感じ。

 意外だった…普通の家庭環境で、極幸せに暮らして、苦労も何も知らない奴等だと思い込んでいたのだ。
 人それぞれ、十人十色…彼等が僕を知らない様に、僕もまた彼等を知らなかった。
 側面だけで、好き、嫌い、ムカつく、毛嫌い…。
 お互いに、思い込みのままに、相手の肖像を作り出していたのだ。
 向こうも、酷い勝手な思い込みをしてるんだろうけど、僕もまた勝手な思い込みのイメージで彼等を見ていた事に気が付いた。
 かといってイジメを正当化するなんておかしいとは思うけど。

 ここに…何かしらのヒントがある…!
 明日、これらを踏まえて観察してみよう。
 3人の欲求不満、ストレスが他人を傷つけ自分の自尊心を保つ事になってるはず。

 明日も早めに登校しよう。
 神谷先輩にも声を掛けたいし…。
 そうだ…奈落に頼ってばかりじゃダメだ。
 自分の身の守り方を考えて、ICレコーダーとか、証拠が残る物を揃えておこう。
 少し、僕も行動的にならなきゃ。
 奈落のおかげで僕は少し勇気が湧いてきた。

 後は自分のやりたい事を少しづつ、文字に書いて、実現出来る物を選別して、その方法も考えなきゃ。
 イジメを辞めさせたいのもあるけど、お金を掛けてどうしたらいいか、今はまだ皆目見当がつかないし、もう少しプラスの発想も必要な気がして来た。

 あれ…?
 今まで、こんなに物事を沢山考えた事…あったっけ…?
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