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『有意義』な1日をエンジョイ!
第4話
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江戸村パークは郊外にあり、映画やドラマの撮影にも利用されているせいか、広々とした敷地は気持ちがいい。
江戸村と言うだけあって江戸屋敷や長屋の低い建物も空の青さを引き立てていた。
従業員専用の駐車場に車を停めて、僕等は裏口から入り、一応チケットに入所印を押してもらった。
まだ開場前とあって、歩く人々は着物の役者さんが多く、江戸時代にタイムスリップしたみたいだった。
「キャー!リアルよ!リアル!」
土屋さんは狂喜乱舞状態で飛び跳ねていた。
「うわぁ。凄い~!」
僕もこの現実離れした世界に胸躍らせていた。
「とりあえず、まだ開場前だから、こっちね。
忍者役者の控え室。
色々小道具もあるから開場まで楽しんでよ。」
拓也さんにそう言われ、僕等は忍者役者専用の控え室に向かった。
忍者役者専用の控え室は、なんか男子部活独特の臭いがした。
「くノ一はいないんですか?」
土屋さんは鼻を摘んで、失礼な格好で聞いた。
「くノ一と言えど、女子だから別室に控え室があるんだ。
まぁ、ここより狭いけど。
土屋さんはそこに案内するね。
窒息したら可哀想だし。」
「すみません。」
拓也さんは土屋さんをくノ一の控え室に連れて行った。
「おはよう。神谷の弟達か?
宜しく。
忍者パフォーマンス集団、闇写楽一座へようこそ。
座長の豊田です。
ゆっくりして行って下さい。
ゴールデンウィーク限定のパフォーマンスもありますので、楽しみにしていて下さい。」
「あ、ありがとうございます。
宜しくお願いします。」
僕等は一斉に頭を下げて挨拶した。
本物の忍者のお頭かと思うほど、イカついガタイの大きな体で、優しく豊田さんは微笑んでくれた。
「手裏剣発見!凄え!鎖鎌まである!
刀も鍔にちゃんと細工が施してある!
くぅー!かっけー!」
僕の後ろで奈落が小道具を見つけてテンション上げて喜んだ。
「無くさなければ、いくらでも触ってみて良いよ。
そいつは古くなって、修理に出す予定の物だ。」
豊田さんの言葉に甘えて、小道具を取り出して軽くチャンバラごっこをしてみた。
神谷先輩と僕は体格が小柄でちょうど良かったが、奈落が参戦すると背の高い彼との体格差がありすぎて、子供と大人のチャンバラだった。
奈落は調子に乗って、脇腹を突いて来て、僕と神谷先輩は笑いながらのたうち回っていた。
「きゃははー、痛いお腹痛い!」
「そら!そら!どうだ!」
「奈落さん、ドSじゃないですか!わー!
もう勘弁してー!」
奈落のおかげで、まだ開場もしてないのに楽しくて楽しくて仕方ない。
例え、接待費が発生してるからだとしても、全力で僕等を相手にしてくれる…僕にとっては、最高に『有意義』な接待費だ!
そうやってふざけ合っていると開場の太鼓が鳴り響いた。
「見てー!町娘の着物を着せて貰ったの!」
土屋先輩が黄色の格子柄の着物を着て浮かれて入って来た。
「そろそろ、行っておいで。
10時から俺達の演技が広場で始まるから、それまで町を探索しておいで。」
拓也さんに言われ、僕達は町に探索に出掛けた。
広場の辺りには大きな矢倉がそびえ立っていた。
「ここでパフォーマンスするんだね、拓也さん達!
凄いな…。今からワクワクする!」
「有村君って、意外と男っぽいの好きなんだね。
てっきり、アイドルオタクっぽいのかと、勘違いしてたよ。」
「あ、アイドルは嫌いじゃないけど…何か愛想笑いとかが嘘っぽく感じちゃって、逆に引いちゃうんだよね。
ゲームとかのキャラクターは好きだけど。
現実の女の子に夢を持って無いんだ。」
「ああ、わかる!クラスの女子のエゲツない行動を目の当たりにしちゃうとさ…。
まあ、僕達みたいなモブ扱いの男の前で、演技する必要無いって思ってるから、素が思いっきり出てるんだよな。」
「仕方ないわよー!結局、女はイケメン好きが多数なんだから!
モテる努力もしない男に、媚なんて売ってる暇ないのよ!」
「……リアル女子怖い!」
僕と神谷先輩はビビりながら土屋先輩を見つめた。
「何言ってる?顔でしか男の力量測れない、女なんて、こっちから願い下げだろ?
ってか、イケメン男だの美少女だの言ってる時点で、アホ臭いな。
人間として、尊敬して、愛しいと思える存在に出逢う事が何より大切だろ。
自分を磨き、また相手を惹きつけるだけの人とししての魅力を養う。
大切なのはそこだと、思うけどな。」
僕、神谷先輩、土屋先輩は口を開けて、奈落の言葉を聞いた。
やっぱり、奈落は…格が違う!
物の考え方さえも、僕等よりも崇高なんだ。
僕は彼を、爽さんの言ったように、使いこなせるのだろうか…こんなに凄い人を…。
江戸村と言うだけあって江戸屋敷や長屋の低い建物も空の青さを引き立てていた。
従業員専用の駐車場に車を停めて、僕等は裏口から入り、一応チケットに入所印を押してもらった。
まだ開場前とあって、歩く人々は着物の役者さんが多く、江戸時代にタイムスリップしたみたいだった。
「キャー!リアルよ!リアル!」
土屋さんは狂喜乱舞状態で飛び跳ねていた。
「うわぁ。凄い~!」
僕もこの現実離れした世界に胸躍らせていた。
「とりあえず、まだ開場前だから、こっちね。
忍者役者の控え室。
色々小道具もあるから開場まで楽しんでよ。」
拓也さんにそう言われ、僕等は忍者役者専用の控え室に向かった。
忍者役者専用の控え室は、なんか男子部活独特の臭いがした。
「くノ一はいないんですか?」
土屋さんは鼻を摘んで、失礼な格好で聞いた。
「くノ一と言えど、女子だから別室に控え室があるんだ。
まぁ、ここより狭いけど。
土屋さんはそこに案内するね。
窒息したら可哀想だし。」
「すみません。」
拓也さんは土屋さんをくノ一の控え室に連れて行った。
「おはよう。神谷の弟達か?
宜しく。
忍者パフォーマンス集団、闇写楽一座へようこそ。
座長の豊田です。
ゆっくりして行って下さい。
ゴールデンウィーク限定のパフォーマンスもありますので、楽しみにしていて下さい。」
「あ、ありがとうございます。
宜しくお願いします。」
僕等は一斉に頭を下げて挨拶した。
本物の忍者のお頭かと思うほど、イカついガタイの大きな体で、優しく豊田さんは微笑んでくれた。
「手裏剣発見!凄え!鎖鎌まである!
刀も鍔にちゃんと細工が施してある!
くぅー!かっけー!」
僕の後ろで奈落が小道具を見つけてテンション上げて喜んだ。
「無くさなければ、いくらでも触ってみて良いよ。
そいつは古くなって、修理に出す予定の物だ。」
豊田さんの言葉に甘えて、小道具を取り出して軽くチャンバラごっこをしてみた。
神谷先輩と僕は体格が小柄でちょうど良かったが、奈落が参戦すると背の高い彼との体格差がありすぎて、子供と大人のチャンバラだった。
奈落は調子に乗って、脇腹を突いて来て、僕と神谷先輩は笑いながらのたうち回っていた。
「きゃははー、痛いお腹痛い!」
「そら!そら!どうだ!」
「奈落さん、ドSじゃないですか!わー!
もう勘弁してー!」
奈落のおかげで、まだ開場もしてないのに楽しくて楽しくて仕方ない。
例え、接待費が発生してるからだとしても、全力で僕等を相手にしてくれる…僕にとっては、最高に『有意義』な接待費だ!
そうやってふざけ合っていると開場の太鼓が鳴り響いた。
「見てー!町娘の着物を着せて貰ったの!」
土屋先輩が黄色の格子柄の着物を着て浮かれて入って来た。
「そろそろ、行っておいで。
10時から俺達の演技が広場で始まるから、それまで町を探索しておいで。」
拓也さんに言われ、僕達は町に探索に出掛けた。
広場の辺りには大きな矢倉がそびえ立っていた。
「ここでパフォーマンスするんだね、拓也さん達!
凄いな…。今からワクワクする!」
「有村君って、意外と男っぽいの好きなんだね。
てっきり、アイドルオタクっぽいのかと、勘違いしてたよ。」
「あ、アイドルは嫌いじゃないけど…何か愛想笑いとかが嘘っぽく感じちゃって、逆に引いちゃうんだよね。
ゲームとかのキャラクターは好きだけど。
現実の女の子に夢を持って無いんだ。」
「ああ、わかる!クラスの女子のエゲツない行動を目の当たりにしちゃうとさ…。
まあ、僕達みたいなモブ扱いの男の前で、演技する必要無いって思ってるから、素が思いっきり出てるんだよな。」
「仕方ないわよー!結局、女はイケメン好きが多数なんだから!
モテる努力もしない男に、媚なんて売ってる暇ないのよ!」
「……リアル女子怖い!」
僕と神谷先輩はビビりながら土屋先輩を見つめた。
「何言ってる?顔でしか男の力量測れない、女なんて、こっちから願い下げだろ?
ってか、イケメン男だの美少女だの言ってる時点で、アホ臭いな。
人間として、尊敬して、愛しいと思える存在に出逢う事が何より大切だろ。
自分を磨き、また相手を惹きつけるだけの人とししての魅力を養う。
大切なのはそこだと、思うけどな。」
僕、神谷先輩、土屋先輩は口を開けて、奈落の言葉を聞いた。
やっぱり、奈落は…格が違う!
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